みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

三重県の博物館・美術館・資料館

立原位貫

Ep.227 江戸時代の浮世絵の色を現代に甦らせ、その作品が大英博物館に永久所蔵された立原位貫(たちはらいぬき。1951-2015)。 この四日市出身の現代版画家の特別展が23年9月、四日市市立博物館(Ep.21、59、113、119参照)で開かれた。 立原位貫氏 公式HPよ…

四郷郷土資料館

Ep.224 四日市近代イノベーションの発火点、旧・四郷村(Ep.213参照)。 誇り高き四郷(よごう)地区では、同地の歴史や郷土の偉人を顕彰する施設がある。 「四郷郷土資料館」である。 24年3月にリニューアルオープンした。 まず外観に目が行く。ここは旧四…

四日市あすなろう鉄道 八王子線 四日市近代イノベーションの発火点 旧四郷村より

Ep.213 以前Ep.163で取り上げた四日市あすなろう鉄道。 ナローゲージで有名なこのローカル線は、「内部(うつべ)線」と「八王子線」に分かれる。 四日市あすなろう鉄道 in あすなろう四日市駅 と言っても、今現在、八王子線はわずか1.3km。 日永駅と西日野…

JR名松線 三重県最奥の“神去村”へと続く秘境路線

Ep.210 JR名松線 三重県が誇る最高の秘境路線として知られる。 JR名松線 観光三重より 松阪駅から伊勢奥津駅(津市美杉町)までの43.5km、15駅を結ぶ。 名松(めいしょう)とは名張(なばり)と松阪のこと。1920年代当時は両市を繋ぐ計画だったとのことだが…

川越電力館テラ46

Ep.197 四日市市と桑名市に挟まれた三重郡川越町。 面積8.7km2(四日市の24分の1)、人口1.5万人(四日市の20分の1)という小さな町である。 毎日新聞 HPより そんなこの町を税収の面から支える川越火力発電所。 液化天然ガスを燃料に利用しているこの発電所…

真の『三重』とは

Ep.176 廃藩置県の発令から間もない1871年(明治4年)11月、現在でいう三重県は2つの県に分かれていたということを知らない県民は多い。 安濃津(あのつ)県と渡会(わたらい)県である。 そう聞くとピンとくる県民は多いかもしれない。 渡会は現在の三重県…

パラミタミュージアム

Ep.170 地方に住んでいると芸術や美術にアクセスできる機会が少ないかと言われるとそうではないと思う。 公設・私設問わず美術館は全国に張り巡らされている。 国立西洋美術館や奈良国立博物館のような大物はないかもしれないけれど、むしろその地域に根ざし…

菰野ピアノ歴史館

Ep.164 ノンフィクションやエッセーをよく読む。 扱われているテーマや著者に感心があるから読むわけだけれど、中にはその著者が書く文章が好きだからという理由で読むことがある。 文体や表現やリズム。そこから立ち昇ってくる著者の感性や人間的な魅力。 …

下を向いて歩こう 桑名編

Ep.134 四日市市内の「デザインマンホール」を紹介して好評?だったEp.110。 今回は桑名編となる。 私自身、まさかこの「下を向いて歩こう」シリーズの第二弾があるとは思っていなかったが、NTN総合運動公園(Ep.115参照)を訪れた際、図らずも桑名市のデザ…

松浦武四郎

Ep.131 私はホモサピエンスが60万年前にアフリカで誕生して10万年前に「出アフリカ」(Out of Africa)を果たして世界中に「拡散」(Homo sapiens migration)していきそれぞれの土地に適した身体的特徴(形質)を獲得して民族と民俗を形成していくタイムス…

四日市公害裁判判決50年

Ep.119 前の会社に勤めていた10年ほど前の話だ。若手社員を集めた研修(社長合宿)が唐突に始まった。 趣旨は、社長以下、重役の人たちが会社の未来を担う若手社員たちにメッセージを伝える、というものだった。 宿泊を伴ったこの研修では、若手社員たちはあ…

丹羽文雄

Ep.113 毎年1月下旬と7月下旬に発表される芥川賞と直木賞。 私は2006年あたりから現在までの全ての芥川賞作品を読んできている。 芥川賞は一度に2人受賞されることがよくあるから、40作品近く読んできたと思う。(ただし面白くなかったり難解だったりで序盤…

男はつらいよ 湯の山温泉

Ep.103 私の中で映画「男はつらいよ」の思い出といえば「鎌倉シネマワールド」に行ったことだ。 それはかつて鎌倉市の大船にあった松竹が作ったテーマパークで、今はもうない。改めて調べてみると1995年10月に開演して98年12月に閉園したようだから、あまり…

カメヤマローソク

Ep.101 『亀山』 という風変わりな地名の由来を知ったのは亀山公園内にある亀山市歴史博物館に行ったときだった。 説の1つによると、6世紀、百済から来た日羅(にちら)という僧が3匹の亀を献上し、これらが山城(京都市右京区)・丹波(京都府亀岡市)・伊…

美しき県庁所在地・津 森林編

Ep.94 津市美杉町(みすぎちょう)は県庁所在地の中心部から西に40kmも離れた森の中にある。 ここにクルマで行くには細い山道をずっと走る必要がある。 西からのアクセスも可能だけれど、奈良(関西方面)と三重を結ぶ主要ルートではないから、こちらも細い…

佐佐木信綱

Ep.91 私は歌人の俵万智さんが好きなのでデビュー作から最新作までの歌集を全て読んでいる。 小説やエッセーなんかも、読んでいる。 俵万智といえば、デビュー作『サラダ記念日』(1987年)の 『 「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日 』…

古代遺跡 at 三重

Ep.80 京都や奈良といった古都の近場に位置する三重県(伊勢国)にはいくつかの「古代遺跡」がある。 1. 伊勢国分寺跡 市内で発掘された縄文時代の土器や石器が展示されている鈴鹿市考古博物館。その隣にあるのが「伊勢国分寺跡」だ。 聖武天皇によって各国…

四日市空襲・模擬原爆・8月6日に想うこと

Ep.59 四日市市立博物館にて、この夏休み期間に開催中のアルフォンス・ミュシャ展が賑わっている。 大人気のミュシャ展の片隅で、特別展示されていたのが「四日市空襲と戦時下のくらし」展だった。 終戦間際、ここ四日市でも激しい空襲により市街地が焼夷弾…

漂流 from 三重 part 2

Ep.56 三重の地から漂流しながらも生きながらえた歴史上の重要人物と言えば、江戸時代の船乗り、大黒屋光太夫(Ep.43参照)が有名だが、 光太夫よりもっと昔に、しかも沖縄の歴史に特筆すべき出来事をもたらした重要人物がいたことをご存知だろうか? 室町時…

美しき県庁所在地・津 「美しさ」編

Ep.53 三重県の県庁所在地は「津市」だが、この街について、県外の方にとってはおそらくいまいちピンとこない。 私は大学生のとき、全国をめぐる旅をしている際に初めてこの街を訪れたが、ただ駅を降りて夕食をとっただけで終わってしまった(Ep.0参照)。何…

漂流 from 三重

Ep.43 地方ではしばしば「郷土の偉人」を顕彰した資料館や記念館がある。 歴史の教科書に登場するほどの人物ではあるものの、ドラマで繰り返し描かれるほどの存在でもない。他県出身者にとってはあまりよく知られていない。(そして残念ながら地元の人にとっ…

伊勢型紙(伊勢形紙)

Ep.26 「伝統工芸品」とはよく言うものの、国が法律の下で保護・振興しているものは235品目あるそうだ(2019年11月時点)。 このうち三重県内のものは5品目あり、四日市の萬古焼(Ep.23、24参照)もこの中に含まれる。 「伊勢型紙」(いせかたがみ)も5品目…

四日市ぜんそく

Ep.21 「四日市」 と聞いて真っ先にイメージするのは「四日市ぜんそく」だと思う。 事実、私がそうだったし、四日市出身者を除くあらゆる世代の人にとってもそうだと思う。 1960年代の高度成長期に起こった公害問題は誰もが知るところで、公害病としての「ぜ…