三重県と文学
Ep.227 江戸時代の浮世絵の色を現代に甦らせ、その作品が大英博物館に永久所蔵された立原位貫(たちはらいぬき。1951-2015)。 この四日市出身の現代版画家の特別展が23年9月、四日市市立博物館(Ep.21、59、113、119参照)で開かれた。 立原位貫氏 公式HPよ…
Ep.219 社会派推理小説で知られた水上勉(1919-2004)。 その壮年期の作品の一つに『櫻守』(さくらもり。1969年)がある。 桜を守り、育てることに情熱を燃やしたある庭師を主人公に、 「滅びゆく自然への深い哀惜の念とともに、なつかしく美しい言葉で綴り上げ…
Ep.210 JR名松線 三重県が誇る最高の秘境路線として知られる。 JR名松線 観光三重より 松阪駅から伊勢奥津駅(津市美杉町)までの43.5km、15駅を結ぶ。 名松(めいしょう)とは名張(なばり)と松阪のこと。1920年代当時は両市を繋ぐ計画だったとのことだが…
Ep.209 日本人初のフランス料理研究家とされる辻静雄(1933-1993。辻調理士学校の創設者。辻芳樹さんのお父さん)は若き日、現地に研究に訪れた際、フランス料理研究家のフィッシャー女史にこう言われたという。 「 文学作品をたくさん読みなさい。食べ物が…
Ep.184 牛肉ばかり有名なこの街を「古都」と言って伝わる人がどれくらいいるだろう。 松阪市のことである。 県庁所在地・津ほど発展していない。人は少ない。されど津と同様に品格高く、駅前から歩くと往時の面影を感じさせる。 一般的なイメージとしての京…
Ep.171 桑名に本店を持つローカルファミリーレストラン「歌行灯(うたあんどん)」。 うどんを中心としたメニューを揃え、和風造りの内装は品があり法事もできそうだ。 泉鏡花の小説『歌行灯』に登場する桑名のうどん屋に由来するとのこと。 創業は明治10年…
Ep.45 四日市を舞台にした伊吹有喜さんの青春小説「犬がいた季節」に地元が沸いている。 市の観光交流課は散策ガイドマップを発行し、市内最大書店の丸善では来店者の誰もが目につく場所に半年間にわたり伊吹有喜さんコーナーを設けて盛り上げている。 四日…
Ep.43 地方ではしばしば「郷土の偉人」を顕彰した資料館や記念館がある。 歴史の教科書に登場するほどの人物ではあるものの、ドラマで繰り返し描かれるほどの存在でもない。他県出身者にとってはあまりよく知られていない。(そして残念ながら地元の人にとっ…