みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

美し国三重市町対抗駅伝

Ep.142

『 温暖で肥沃な平野と豊饒の海を擁する伊勢は、山海の幸に恵まれた「美し国(うましくに)」。

「美しくすばらしい国」という意味も持つこの言葉が表すように、この地は日本ならではの四季の移り変わりを持ち、その美しい自然の中で育まれる四季折々の食材を味わう食文化が脈々と受け継がれています 』

(「三重の食結び」より、三重県雇用経済部)

 

上にあるように、三重県ではたまに「美し国(うましくに)」と自称する。

全国的には全く浸透していないこの別称だが、これを冠した駅伝がある。

 

美し国三重市町対抗駅伝」である。

 

三重県内の29市町(29チーム)で競われる駅伝で、今年2023年(第16回大会)は3年ぶりに開催された。

 

小・中・ジュニア・シニア・40歳以上の男女選手計10人(10区間)が出場し、コースは羨ましいことに全日本大学駅伝Ep.127など参照)とほぼ同じだ。

中日新聞 HPより

 

歴代の優勝チームを見ると、桑名市鈴鹿市が3回でトップだ。

この駅伝では「住民数が多い市町」が圧倒的に有利な傾向にあるらしく、これまでの総合優勝はすべて市から出ている。

 

そのため「町の部」という枠も設けられており、こちらでは菰野町が7回、川越町が6回と、両町で優勝を分け合う。

 

いずれにせよ北勢地域(三重県北部市域)の独壇場である。

 

中日新聞 HPより

 

三重県出身の長距離ランナー」について考えたとき、(とりわけマラソン選手に限ると)パッと思い浮かぶのは、

瀬古利彦1984年ロス五輪・1988年ソウル五輪男子マラソン代表。桑名市出身→四日市工業高校)

野口みずき(2004年アテネ五輪女子マラソン金メダリスト。現日本記録保持者。伊勢市出身→宇治山田商業高校)

中村匠吾(2020東京五輪男子マラソン代表。四日市市出身→伊賀白鴎高校

西山雄介(2022オレゴン世界選手権男子マラソン代表。松阪市出身→伊賀白鴎高校

 

と、錚々たるメンツである。

 

野口みずき選手 スポルティーバ HPより

 

日本長距離界の男女の史上最強選手とも言える瀬古さん、野口さんと、現役トップランナーの中村選手、西山選手。Ep.42参照)

 

「美し国三重市町対抗駅伝」との関係でいうと、中村選手が第5回大会(2012年)の6区ジュニア男子区間で、西山選手が第8回大会(2015年)の10区20歳以上男子区間で、それぞれ出場して区間賞を獲得し、しかもともに四日市市松阪市を優勝へと導いている。

 

西山雄介選手 4years. HPより

 

このように「美し国三重市町対抗駅伝」では各市町から選抜されたベストランナーたちが出てくるようだ。

小中学生、高校生の選手たちはその市町で一番足が速い子たちだろうし、シニア選手たちの多くはフルマラソンを2時間台で走る一流市民ランナーなのだと思われる。

 

公式HPより

 

2/19(日)に行われた今年の16回大会を、私は三重テレビの放送で観戦していた。

8時45分、津の県庁を一斉にスタートする。1区は小学生女子で1.28kmだ。

 

最初、私は小学生女子が1.28kmをどれくらいのタイムで走るのか検討がつかず、

5分くらいかな

と思っていた。

 

ところがトップで中継所にやってきた四日市の選手が、3分48秒でタスキを渡した!

とんだ見当違いだった。そんなに速いものなんだ..

 

チーム四日市 You Yokkaichi HPより

 

レースは進んで最終盤。9区を終えた時点で首位は松阪市、14秒差の2位に鈴鹿市

 

最終10区(20歳以上男子6.925km)、松阪市のアンカーは大学長距離界の強豪・東海大学の現役主将、宇留田竜希選手。

対して鈴鹿市は、1ヶ月半前の箱根駅伝で10区を区間6位で走った城西大学の山中秀真選手だ。

 

宇留田竜希選手(松阪市) 中日新聞 HPより

 

私は現役箱根ランナーが招聘されていることに驚いていた。

先に述べたように、この駅伝に出場するシニア選手たちは一流市民ランナーが主なはずだから、キロ3分10〜20秒で走るのだろう。

 

しかし箱根駅伝のランナーたちというのは1kmを2分50秒で走ってしまうので、これでは全く太刀打ちできない。

 

山中秀真選手(鈴鹿市) 中日新聞 HPより

 

現役強豪大学同士のアンカー対決を制したのは山中選手。

鈴鹿市が単独最多となる4回目の総合優勝を飾った。

 

なお「町の部」は総合でも5位に入った川越町で、菰野町に並ぶ7回目の優勝を果たした。

 

鈴鹿市チーム 中日新聞 HPより

 

今後も、三重から世界へ、この駅伝からトップランナーが生まれることを期待したい。

 

 

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美し国三重市町対抗駅伝 Mie Competitive Ekiden

Ep.142

16th Mie Competitive Ekiden was held in mid Feb.  This is the race all 29 cities and towns (29 teams) compete and 10 runners of each team join 10 section respectively.

They are the best runners of their team as elementary, junior-high, junior, senior and man/woman categories.

Some runners joined past competition have been a Japan representative runner for Olympic and World Championship.

 

In the final 10th section of this year’s race, a runner of team Suzuka chased and overtook team Matsusaka, finally finished as 1st prize.  He has been a top runner since he joined Hakone Ekiden just a month before!

Even though for elite senior runners, it must be hard to defeat him.

 

Team Suzuka became the most 4 times champion of this competition and showed us “The Strongest city “of this prefecture.

 

www.chunichi.co.jp

mierk.jp

blog.neet-shikakugets.com

www.shoku.pref.mie.lg.jp

 

内藤製餡 & 井村屋のあんこ

Ep.141

自転車で国道1号線を南下していたときのこと、三滝川にかかる四日市橋を渡ると目に入った「こだわりの餡」の看板。

あんこの製造・販売をしている「内藤製餡(株)」である。

 

この看板を見ると、あるいはホームページを確認するとすぐに、このお店が老舗だということが分かる。

 

 

オンライン販売を精力的にされているようだが、例えば市内の「スーパーサンシいくわ店」Ep.41参照)などでも販売されている。

 

内藤製餡のこしあん

 

ところで、三重県で「あんこ」と言えば、というよりも「あずき(小豆)」と言えば「井村屋(株)」である。

 

万人が知る超絶ヒット商品「あずきバー」を筆頭に、あずきに関連する商品を中心に展開する食品メーカーだ。

 

井村屋 HPより

 

井村屋の本社は津市の高茶屋。Ep.127参照)

三重県が生んだスターカンパニーである。

 

井村屋のこしあん

 

<内藤製餡 vs 井村屋>

ここで突然だがサンシで販売されていた内藤製餡と井村屋のそれぞれのあんこ(こしあん)の食べ比べをすることとなった。

(左)井村屋、(右)内藤製餡

 

まず、見た目が異なる。井村屋のそれが“艶やか(グロス)”であるのに対し、内藤製餡のものは“ツヤなし(マット)”の様相。

 

原材料表示を見ると、

井村屋:小豆(国内産)、砂糖、食塩

内藤製餡:小豆(十勝産)、グラニュー糖、いんげん豆、寒天

 

とあり、つまり内藤製餡のこしあんには「白あん」の元でもあるいんげん豆が含まれているのだ。これがマットな見た目に寄与しているのだろう。

 

続いてどら焼き作りへ。

(なぜどら焼きなのか? と問われると、当初は「小倉トースト」を作ったのだが、これが予想以上に難しく、できたは良いが見た目が美しくなかったので掲載を断念。どら焼きに切り替えたのだった)

 

内藤製餡

井村屋

 

試食してみる。

うん、見た目そのままに井村屋のあんは“ねっとり”していて絡みつく。対して内藤製餡の方は乾燥していて“パサッ”としていた。

どちらも美味しいが私としては内藤製餡に軍配が上がる。

 

ともに祖業であるあずきや餡にこだわりと情熱を持つ2社。

彼らのホームページに載っている充実のレシピを参考に、いろいろチャレンジしてみるのも面白そうだ。

 

 

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Anko (Sweet Bean Paste) Makers of Mie

Ep.141

Anko maker, 内藤製餡 Naito Seian whose business is still only making Anko is located in near Kintestu Yokkaichi station.

It’s less sweet.

 

Another maker 井村屋 Imuraya from Tsu is well known total food maker, but originated from Azuki (sweet bean) and Anko.

This is more sticky.

 

According to different some ingredients and production process, they get different taste and texture.  It’s a fun!

We can surely find your favorite one.

 

www.e-anko.co.jp

www.e-anko.co.jp

www.imuraya.co.jp

www.imuraya.co.jp

 

日永うちわ & なすび団扇

Ep.140

片手で持てるほど軽量で、柄の部分を掴み手首の力をきかせて「それ」ごと上下に動かすと、その場所の空気を前方に押し出すことができる。

この直進性の高い空気の塊(つまりは“風”)は対象にめがけて放つことができ、とりわけその対象がヒトである場合、風が肌表面の水の蒸発を促進させることで生じる気化熱により”涼しさ”を感じさせることができる。

 

 

「それ」とは、団扇(うちわ)のことである。

 

 

四日市に越して来たばかりの頃、「じばさん三重」の一角でそれを見た。

一般的なものより大ぶりでモダンなデザインのうちわ。

四日市の伝統工芸品の一つ「日永うちわ」であった。

 

東海道と伊勢街道の分岐点がある市内の日永(ひなが)地区。Ep.109参照)

江戸時代、うちわはこの宿のお土産としてお伊勢参りの人々に人気だったとのことだ。当時、それは農家の人たちが農閑期に作っていた。

 

 

現在では「三重県指定伝統工芸品」の一つにもなっているこのうちわだが、今では(株)稲藤(いなとう)、一社のみが製作している。

笹川通りの、私の通勤途中にあるギフトショップのことで、ここの2階にはたくさんの日永うちわが展示・販売されている。

 

稲藤

 

私も伊勢志摩の海人さんをモチーフにしたデザインの日永うちわを早々に購入し(かつ”うちわスタンド”も購入)、もう3年以上使っている。

 

柄の部分は「丸柄」と呼ばれるもので、これがいい。

一本の細い竹をそのまま使っているので、柄が丸く、手によくなじみ、持つとひんやり心地よい感触がします

と紹介されているがこれは本当にその通りで、見た目も実際も”涼しさ”を感じる。

 

 

「なすび団扇」 合名会社賀来商店 HPより

 

三重県指定伝統工芸品のうちわとしてもう一つ、津市の「なすび団扇」というものもある。

江戸時代後半、津藩士が考案したものとされ、将軍家や諸大名への贈答品として用いられたのだという。

柄をなす(茄子)のヘタに見立てたその名が、物事を「成す」に通じるので縁起物とされたとのこと。

 

Japan 47 Go HPより

 

ただこちらも、今では作り手はただ一社、賀来商店だけとなっているようだ。

パーツごとに見ると、扇面には「伊勢紙(伊勢和紙)」、柄には「伊賀組紐Ep.100参照)と他の伝統工芸品も使われており、とても優美だ。

 

私もこのなすび団扇については、これまでに展示されたり販売されたりしているところを見たことがない。

年間40本程度しか製作できないということで、入手するのは難しそうだ。

 

日永うちわの製作過程 稲藤HPより

 

ところで、うちわの主用途とは本当に”涼”をとることなのだろうか?

 

あらためて稲藤のホームページを見ると、

「風や光、塵を防いだり」「顔を隠したり」「装飾用」「武将の軍配」

などのワードが並ぶ。

 

 

私は『最後の料理人』(2019年)を著した徳岡孝二さんが述べていたことを思い出していた。

徳岡孝二さんとは、泣く子も黙る京都吉兆 嵐山本店」の元ご主人で、現・(株)京都吉兆の会長さんである。

 

戦前、夕方に最寄りの嵐山駅に着いたら迎えの方が来ており、提灯(ちょうちん)と団扇(うちわ)を渡された。

団扇は何に使うのかと思っていると、渡月橋に近付くとホタルがいっぱい飛んでいて、そのホタルを払うために必要なのだという

 

ホタル イメージ図 オマツリジャパン HPより

 

なんと、団扇(うちわ)とは

「目の前の”うっとうしいホタル”を振り払うための道具」

でもあるのだった!?

 

いとをかし

 

 

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Traditional Hand Fan of Mie, “日永うちわ Hinaga Uchiwa” & “なすび団扇 Nasubi Uchiwa”

Ep.140

日永うちわ Hinaga Uchiwa (Hand fan) has been a souvenir for people going to Ise Shrine since Edo period and now one of the Official Traditional Crafts of Mie.

A part of handle is made of bamboo and surface is designed some motifs of this prefecture.  It’s so nice!

 

Another traditional hand fan is なすび団扇 Nasubi Uchiwa from Tsu city.

It was a gift to Shogun or lords (Upper class samurai) from vassal of Tsu.

Today, according to revival, this shows us elegant visual.  What so cute Eggplant-shaped is!

These two traditional hand fan must make us so wonderful feeling.

We might feel “special wind” with these two traditional fan.

 

inatoh.co.jp

www.tsu-bussan.com

www.pref.mie.lg.jp

www3.nhk.or.jp

 

www.sagagoryu.gr.jp

kyoto-kitcho.com

 

南部丘陵公園

Ep.139

四日市市南部の小高い丘の上に広がる「南部丘陵公園」は、市内最大の総合公園で市民の憩いの場である。

 

広大な面積を誇るこの公園は、道路を挟んで北ゾーンと南ゾーンに分かれ、自然が広がり遊具があって動物もいるので子供たちに人気だ。

 

<北ゾーン>

大入道(Ep.122参照)

 

<南ゾーン>

ヤギ

他にうさぎ、羊、孔雀もいる

 

南部丘陵公園内ではないのだけれど私が面白いと思っている場所があるので紹介したい。

 

公園を出て東に向かい、三重県総合医療センターを超えると丘は下り始め、やがて正面に視界が開ける。

遥か前方に見えるのは伊勢湾と四日市コンビナート。Ep.1920参照)

とりわけ、幾本もの煙突とそこから力強く吐き出される蒸気が目に入る。

 

 

これは京都の「龍安寺の庭の石」みたいなもので、立つ場所によって見える煙突の数が変わるのが面白い。

 

丘の上の方だと、木々が視界を遮ってしまう。

かといって下りすぎると今度はフラットになってしまうから、目の前の建物や電線・信号機が遠方の眺めを邪魔する。

 

 

立つ場所を変えて色々試した結果、このエリアからは8本以上もの煙突を確認できることが分かった。

 

まあ、こんなことに気付き、面白いと思うのは四日市広しといえども私だけだと思うが。

 

ではこれらの煙突は誰が所有するものなのか?

 

というと、方角から察するに、

三菱ケミカル(株)、JSR(株)、味の素(株)、石原産業(株)、三菱ガス化学(株)

といった、日本を代表するスターケミカルカンパニーたちによるものなのだった。

 

 

もっとも、四日市においてこのような景色が見られる場所というのは、ここに限ったわけではない。少し小高い場所から海側を向けば見れる。

 

特に冬のよく晴れた日は、数多の煙突から力強く上空へと立ち昇っていく、真っ白な蒸気に目を奪われる。

この眺めが四日市の”象徴”なのである。

 

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南部丘陵公園 Nanbu-kyuryo park

Ep.139

Nanbu-kyuryo park is located in the hill, whose area is the biggest in this city.  It’s an attractive park for kids to play in nature, playground and with animals.

 

But for me, it’s interested in “the view” from outside of this park, on the way to the downslope.  From this point, we can look out the combinatorial area and chemical factories along the bayside.

There are much strong white steam from top of incinerator.  It’s awesome!

It must be the icon in this industrial city, Yokkaichi.

 

parkful.net

 

伊勢乃

Ep.138

市北東部にある「垂坂(たるさか)公園・羽津山(はづやま)緑地」は小高い丘にある緑豊かな場所で、ここから海側に目を向けると四日市の工場群(コンビナート)を展望することができる。

 

垂坂公園・羽津山緑地

 

そんな垂坂の地に「伊勢乃」の本店はある。

四日市で人気のお弁当屋だ。

上品で美味しくて少し高価格帯のお弁当として知られる。

 

伊勢乃 本店

 

夏の暑い日、垂坂公園を訪れた後でお昼ご飯を買いに伊勢乃へ。

 

「 いや〜暑いですな〜。私は鳥羽出身なんで、こういう日は海で遊びたくなりますね〜 」

と店内でご主人が迎えてくれる。

 

注文をしてから作り始めるので、奥でスタッフの方が調理してくれている間、ご主人とお話しする。

 

HPより

 

ご主人は朗らかで、物腰が柔らかくて、会話が弾む。

 

以前は違うお弁当屋近鉄四日市店で働いていたが、倒産してしまったこと

仲間の雇用を守りたい想いもあり、自分が新しくお弁当の会社を立ち上げたこと

けれど近鉄四日市での営業は認められず、退去せざるを得なかったのが悔しかったこと

この垂坂でイチからスタートし、評判と人気を得て、再び近鉄四日市への出店が認められたこと

 

語られたのは伊勢乃とご自身の半生だった。

 

 

「おこわ」がいい。

色映えがするし、数種類の中から選ぶ楽しみもある。

 

近鉄百貨店 四日市

 

近鉄四日市にも店舗がある。

先日、店舗の前を歩いていたら、

「こちらのお店は伊勢にもあるのでしょうか?」

と質問するお客さんの声が聞こえてきた。

(「いえ、そういう訳ではないんです」と店員さんが答えていた)

 

無理もない。

「伊勢乃」というネーミングが上品だし秀逸だ。

 

以前にも書いたが、「伊勢○○」という名には最高に良いイメージがあるのだ。日本最強の地域ブランドだ。Ep.78参照)

 

 

垂坂で、近鉄四日市で、今日も伊勢乃のお弁当を求めて訪れる人がたくさんいる。

 

 

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Regional Bento shop/restaurant ”伊勢乃 Iseno”

Ep.138

伊勢乃 Iseno is the regional Bento shop (restaurant) from Yokkaichi.

It’s a wonderful system to choose a kind of Okowa rice, which is glutinous rice mixed with meat, vegetables or some ingredients from several ones when we order.

It makes them more beautiful and delicious.  You can definitely enjoy this high-grade bento!

 

iseno.jp

 

四日市ばんこまつり・菰野窯出し市

Ep.137

萬古(ばんこ)焼の街・四日市の陶器市である「四日市ばんこまつり」は毎年5月に行われる。Ep.2324参照)

 

1963年に始まった歴史あるイベントだが、2022年からは会場を四日市ドームに移し、お笑いショーなど各種ライブパフォーマンスも含む形でリニューアルされた。

 

四日市ドーム wikipediaより

 

駐車場から会場に向かう際、陶器を大量に詰んだ手提げ袋を両手に持ってホクホク顔で引きあげる子供連れの家族とすれ違った。

 

今までの生活でそんなにお皿足りてなかったの?!

 

と思うほどの量だったが、程なくして私のこの感想は誤りだったと気付いた。

 

四日市萬古焼の十八番、土鍋

 

おしゃれなたくさんの陶器が割引価格で並んでいるので欲しくなってしまう。

 

 

菰野町には菰野窯出し市がある。毎年11月に開催されており、2022年は三鈴陶器(株) の敷地に場所を移した。

 

製作設備を見学できた

 

もとより萬古焼には、それを特徴付けるようなデザインや技法だったり、○○の土を使用する、といった定義がない特異的なものなので、「菰野萬古焼」と言ったら菰野町にある窯元で作られた作品群をさすのだろう。

 

萬古焼ファミリー

 

陶器市ひとつとっても四日市菰野の決定的な違いを感じることができる。

 

化学メーカーたちからもたらされる莫大な税収により潤う超優良地方都市・四日市がド派手な催しや計画をぶち上げる一方で、

身の丈にあった、素朴だけれど確かな存在感を放つ菰野町

 

 

結果的に、四日市ばんこ焼まつりでも菰野窯出し市でもけっこう買った。

 

こういうデザインのお皿は家になかったな

とか、

このサイズは持ってなかったな

という理由で、欲しくなる食器はいくらでもあるものなのだ。

 

それらを近場で見つけられるのは幸運なこと。

陶器市に行ったらきっと素敵な作品に出会うと思う。

 

 

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The Pottery market in Yokkaichi & Komono

Ep.137

Yokkaichi is one of the birthplace of 萬古焼 Banko-yaki, so that they hold the pottery market (Festival) once a year. (Ep.23,24)

That event is big scale, therefore there are various lots of items by pottery artists and shops.

 

Komono city has also their market.  Compared to Yokkaichi, it’s tiny, simple and idyllic, but of course wonderful festa.

It seems very easy for you to find your favorite one!

 

bankonosato.jp

 

大好き いなべ市

Ep.136

三重県北部の豊かな自然の街、いなべ市Ep.51参照)。

ここには定期的に訪れたいと思わせる魅力がある。

 

絵本と雑貨のお店「kiwi」

ベトナムのサンドイッチ、バインミーのお店「にしまちバインミー

 

公園のベンチでくつろいでいると、隣のベンチに座っていた男の子2人と女の子の会話が聞こえてきた。3人とも小学校低学年だろうか。

 

女の子:「 私ね、大人になったら東京へ住みたい! 原宿とか新宿とか代官山にいつも行って、いなべじゃ買えやんカワイイもの、たくさん買う!  」

 

すると男の子の一人が言った。

 

男の子:「 僕は、大きくなってもここにいたい。いなべ川はきれいだし、ふじわらだけは大きいし、夏はキャンプができるし、冬は雪合戦ができるよ。イオンモールもあるから、何でも買えるよ! 」

 

それを聞いて女の子は、ふーん..とつぶやき、視線を空に向けて何か考えているようだ。そして言った。

 

女の子:「 ねえ、○○君は将来どうするの? 」

 

これまで二人の会話を聞いていただけだったもう一人の男の子が口を開いた。

 

○○君:「 僕は、大人になったらイタリアに行きたい! 」

 

女の子&男の子:「 イタリア〜!? 」

 

○○君:「 うん。僕は、イタリアで叶えたい夢があるんだ! 」

 

月刊バレーボール HPより

 

というような会話が実際にあったかどうかは分からないが、このいなべ市で育ち、やがてイタリアに行った若者がいる。

バレーボール男子・日本代表の西田有志選手だ。

 

地元・いなべの中学を卒業後、海星高校四日市)→ ジェイテクトVリーグ Division1)を経て、東京五輪2020では、石川祐希選手と「ダブルエース」を形成して準々決勝進出に貢献した。

五輪後の21年8月、イタリア・セリエAのチームに移籍。21歳で海を渡った。

 

(なお、上記の子どもたちの会話は筆者の想像です。念のため言っておくと)

 

西田有志選手 文春オンラインより

 

10年ほど前から日本のスポーツ界では、ジュニアの頃から怪物として注目され20歳に届く前には日本一かそれに準じる存在となり、20代前半には既に世界を舞台に活躍しており、20代半ばになる頃には世界一になったか或いはワールドクラスの存在になっている、というアスリートが続々と出ている。

羽生結弦井上尚弥大谷翔平萩野公介伊藤美誠、角田裕毅(Ep.124参照)...

 

その意味で西田選手もこの過程にいる。

 

藤原岳Ep.67参照)

スポーツのスター選手というのは、どんな環境からでも生まれてくるのだ。

 

それが地方であるほど、(誤解をおそれずに言うと)田舎や辺境であればあるほど、個人的にはその選手を応援したくなる。

 

東京のような都市部出身のアスリートは、地方出身の選手と比較して概して幼い頃から指導者や練習環境に恵まれ、充実した「育成システム」から出てくるということを否定できないと思う。

 

員弁(いなべ)川

鈴鹿山脈

 

この、いなべの圧倒的な自然を見よ。

ここからバレーボールのスーパースターが生まれたのだ。

 

私が大好きな、そしてもちろんきっと西田選手も大好きと思っているこのいなべから、今後も世界で活躍する若者が生まれたら素敵だと思う。

 

 

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Inabe city in love so much

Ep.136

The west of Mie prefecture, Inabe city has authentic nature.

River, Mountains, Forest and heavy snow in winter season..

A rising star of professional volleyball player, Nishida Yuji is from this city.

I wonder how he has grown up in wonderful environment and which influence it has been to be a fine player.

 

www.ehon-kiwi.com

ssl.kanko-inabe.jp

 

ガラガラおろし

Ep.135

インスタントラーメンの発明者にして日清食品の創業者である安藤百福は、生涯「食」に関心を持ち続けた。

晩年「麺」の起源を探求するために中国から中央アジアへと至る旅とフィールドワークを敢行したことは有名だ。

 

しかし他方で「郷土料理」にも多大な関心を抱き、日本全国に足を運んで各地の伝統的食文化を次世代に伝えようとしたことは、あまり知られていない。

 

安藤百福 私の履歴書 BSテレ東 HPより

カップヌードルミュージアム大阪府池田市

 

著書『日本の食探訪 食足世平(しょくたりてよはたいらか)』には次のような一節がある。

 

郷土料理は1つの完成された味覚である。それぞれの風土で何百年、何千年という長い年月をかけて食べ続けてきたものの中から、1番良いものが習慣付けられて残っている

 

旨いまずいの問題ではない。暑さ寒さに耐え、その土地で生き延びていくための見事な栄養のバランスが郷土料理にはある。生活の知恵が輝いている

 

これを読んだとき、ストンと腹に落ちた感があった。

私たちは旅先で、或いはそれを食すこと自体が目的で「郷土料理」を口にする機会があるが、どうしても美味い不味いの尺度で見てしまいがちだ。

 

けれど、いわゆる郷土料理の多くは「保存食」であることからも分かるように、その土地で暮らしてきた先人たちが工夫して生み出した知恵なのだ。

それは現代の私たちが美味い不味いの観点で評価するものではない。

 

郷土料理にふれる喜びは、風雪を越えて磨き上げられてきた、輝くばかりの生活の知恵を発見することにある

 

だからこそ、郷土料理は尊いのだと、安藤は説く。

 

 

世の中にはたくさんの郷土料理があるものの、伊勢うどん(伊勢地方)やてこね寿司(志摩地方)のように、レストランで「主食」として提供されうるものでもない限り、有名とはなり得ない傾向がある。

 

三重県の北勢・中南勢地域には、「ガラガラおろし」という秀逸なネーミングの郷土料理がある。

江戸時代、年貢米を納められないほど困窮した人たちが替わりに納めたとされるもので、「鬼おろし器」で大根をおろす際の音から名付けられたとも言われているらしい。

小皿に盛られるようなサイドメニューである。

 

ガラガラおろし 農林水産省HP より

 

私は先日、茨城・つくばの実家で鬼おろし器を見つけたので拝借してきた。その昔、祖母が利用していたものだ。

 

鬼おろし器

 

それまで鬼おろし器を利用したことは一度もなく、もっぱら大根おろし器だった。

鬼おろし器だと大根が「ざっくり」おろせるため、より大きな粒となり、食べ応えがあった。水気も少ない。

 

鬼おろし

 

長い年月実家で休眠していたこの鬼おろし器を片手に、三重県の郷土料理「ガラガラおろし」を作ってみよう!

時空を超えて何と壮大なストーリーだろう。

 

 

作り方は農林水産省「うちの郷土料理」のホームページを参考にした。

 

煮干しを酢に漬ける

ネギ、ちくわ、みかんを細かく切る

ごま、味噌と上記を混ぜる

 

味噌は三重県産フクユタカで作った手前味噌2022(Ep. 66120参照)を使用した。

味噌を酢漬けの煮干しやみかんと混ぜているとき、

何だかすげえことになってきたな..

と思った。

私はこれまでの調理経験で味噌とみかんを混ぜたことなど一度もなかったのだ。

 

最後に、この料理の主役である「鬼おろし器でおろした大根」を混ぜ合わせて完成した。

 

「ガラガラおろし」

 

食べてみる。

けっこうイケる。

 

大根、味噌、酢漬けの煮干し、みかん、ちくわ..

全て明確に知覚できる。一つひとつの食材の持つ、或いは調理法によってもたらされた味覚と食感が。

 

味噌とみかん、合うじゃないか..

 

新鮮な驚きとともに、先人たちが生み出した知恵に感服したのだった。

 

 

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ガラガラおろし Garagara oroshi

Ep.135

ガラガラおろし Garagara oroshi is the “Traditional regional cuisine” of Mie.

Its key element is “grated radish” by 鬼おろし器 Oni orosh grater.

And such grated radish is mixed with Miso, Dried small sardine with vinegar, Sesame, Leek, Chikuwa and Orange.

Is it no problem for a combination Miso and Orange?.. yes, the taste is good!

I was impressed by wisdom by forerunners and creativity of this cuisine.

 

www.maff.go.jp

 

 

下を向いて歩こう 桑名編

Ep.134

四日市市内の「デザインマンホール」を紹介して好評?だったEp.110

今回は桑名編となる。

 

私自身、まさかこの「下を向いて歩こう」シリーズの第二弾があるとは思っていなかったが、NTN総合運動公園(Ep.115参照)を訪れた際、図らずも桑名市のデザインマンホール全3種類が集結していたのだった。

 

七里の渡し」 桑名市のデザインマンホール その1

 

「七里の渡し(しちりのわたし)」とは、東海道五十三次の41番目の宮宿(名古屋市熱田区)と42番目の桑名宿までは陸路ではなく「海路」になっており、この桑名宿における渡船場のことである。

その様を描いたのが上記のデザインマンホール。

 

wikipediaより

 

なお桑名の七里の渡し跡には今でも鳥居があり、伊勢街道への入り口としての意味を示す象徴的なものとなっている(Ep.96109参照)。

 

桑名市観光サイトより

 

 

」 桑名市のデザインマンホール その2

 

以前にも書いた桑名市が誇る特産品「蛤 ハマグリ」(Ep.31参照)。

高価なため市内のスーパーで簡単に入手できるわけではなく、地元の魚屋で売られているものだが、サイズと美味しさは千葉県産や中国産とは比べものにならない。

 

 

 

桑名の千羽鶴」 桑名市のデザインマンホール その3

 

世界に誇る日本の「ORIGAMI」だが、桑名に伝承されている千羽鶴は「一枚の紙に切れ込みを入れて数羽の連続した鶴を折る」というところに特徴がある。

 

六華苑

桑名市博物館

 

“祈り”の象徴でもある千羽鶴

 

「桑名の千羽鶴」はバリエーションも豊かでユニークさも抜群だ。

チャレンジするのも面白いかもしれない。

 

 

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Designed maintenance hole in Kuwana

Ep.134

Kuwana city has 3 kind of “Designed maintenance hole”.  It makes us know specialties about this city.

 

1. 七里の渡し Shichirinowatashi

Kuwana has been located on the way to the Tokaido-way, which connected Tokyo to Kyoto in Edo period.  Curiously the way between Kuwana station and Miya station (Nagoya) was “Sea route”, NOT “Land route”, so that this city had an arrival place, 七里の渡し Shichirinowatashi.

 

2. Meretrix lusoria

Meretrix lusoria is the speciality of Kuwana (see Ep.31).

 

3. Kuwana’s origami crane (桑名の千羽鶴)

It is said that all of Japanese can fold “crane” with origami.  Even though it’s true or not, Kuwana’s traditional origami crane is very unique one.  Cutting some notches with only one paper, such consecutive several cranes.

 

www.city.kuwana.lg.jp

www.mie-kousha.or.jp

www.city.kuwana.lg.jp

www.city.kuwana.lg.jp

www.city.kuwana.lg.jp

www.city.kuwana.lg.jp

 

鈴鹿シティマラソン

Ep.133

モータースポーツの街・鈴鹿のシンボル「鈴鹿サーキット」(Ep.106121124参照)。

ここが広く市民に開放されるイベントが「鈴鹿シティマラソン」である。

SuperGT鈴鹿8耐F1日本GPときて、1年間の締めがこのイベント。

種目は10.0km(約2周)、5.6km(約2周)の他に小学生や車椅子の部もあり、4,000人近くが参加する。

 

 

鈴鹿サーキットを走りたいと思ったのは理由があった。

鈴鹿の中学・高校に通った人は校内マラソン大会でこのサーキットを走るのだという、地元出身者の話だ。そして鈴鹿サーキットとは決してフラットなコースではなく、高低差がけっこうあってしんどいらしい。

鈴鹿出身者にとって「鉄板ネタ」とも言えそうなこのエピソードに、関心を抱いたのだった。

 

 

コース一周5.6kmの部にエントリーした私のレース開始時刻は10時40分だったが大会スタッフの人が「時間に余裕をもって荷物と貴重品を預けるよう」繰り返しアナウンスしていたため、スタート1時間前には預けてしまった。

だからスタートするまで(ほぼ半袖の)レースで走る格好で過ごさなければいけなくなった。

 

この日はとても寒く、鈴鹿山脈の上の方は今シーズン初めて白くなっていた。気温は4℃で冷風が強く吹く、そんな超絶の寒さの中ウォーミングアップを開始する。

というか寒すぎるため体を動かすしかない。

 

そんな訳で本番にたかだか30分程度を走るために30分以上ウォーミングアップとしてジョギングをする。

 

いよいよコース上へ

コース上からメインスタンドを見やる

いろんな人がいる

鈴鹿サーキット HPより

スタート!

 

5.6kmの部のスターターは(写真は撮れてなかったが)元・陸上競技選手の衛藤昂(えとうたかし)選手だった。

地元・鈴鹿市出身。鈴鹿高専→筑波大大学院と進んだ。

走り高跳びで日本選手権4度制覇、リオ五輪東京五輪2020に2大会連続出場した、鈴鹿高専が誇る伝説のアスリートだ。

 

衛藤昂選手 日本陸上競技連盟公式サイトより

 

 

スタートして長い隊列になる。第1コーナーを曲がると徐々に上りに。

 

 

この辺までくるとメインスタンドからは見渡せない場所になる。

自分のペースは周囲よりは速いらしく(スタート地点で自分よりも前にいたランナーたちを)どんどん追い越していく。

 

「NISSINブレーキヘアピン」

 

そろそろメインストレート(ゴール)が見えてくる

 

「日立Astemoシケイン

 

シケインを超えてからメインストレート(ゴール)までは一気に下る。ものすごい下り坂になっている。ペースが上昇する。

最後は強烈にぶっ飛ばし(おそらく)100mにして15秒くらいのスパートでフィニッシュ!

 

フィニッシュ!

 

タイムは29分40秒(ネットタイム

鈴鹿サーキットのコースの地形も体感できたしタイム的にもまあこんなもんじゃないかとそのときは満足した。

 

が、これを東京のランニング好きの友人に話したら

「タイムしょぼいね」

と言われ、その瞬間から確かにその通りだと思い始めた。キロ5minを超えるペースにすぎないのに満足していた自分が恥ずかしい。

次回は自分にとっても満足できるしょぼくないタイムで走れるようになりたい。

 



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鈴鹿シティマラソン Suzuka City marathon

Ep.133

Suzuka City marathon in the Suzuka Circuit where general people is able to participate and run, the most symbolic place.

I have admired participation of this event since I heard that this circuit was NOT flat and hard course for runners.

That was true!  Uphill, Hairpin curve, Chicane, Downhill and Main straight in 5.6km as approximately 1 lap.

It was too hard, but must be fun for me, for all participants.

 

suzukacity-m.com

www.jaaf.or.jp

 

大内山牛乳

Ep.132

三重県のご当地牛乳「 大内山牛乳

 

どこのスーパーでも見かけ、県内の学校給食でも、餃子の新味覚(Ep.114参照)でも出てくる人気の牛乳だ。

 

 

「大内山」という特定の山がある訳ではない。

ただ県南部の大紀町(たいきちょう)には「大内山村」という村がかつてあり、ここの組合「大内山酪農」に加入した酪農家が生産を行っているブランドである。

 

 

北勢地域(三重県北部)でも鈴鹿市に生産者がいるようだ。

だから四日市のスーパーで販売されている大内山牛乳の産地は鈴鹿のものかもしれない。

 

大内山酪農農業協同組合 HPより

 

北勢地域にはもう一つ地元の牛乳がある。

四日市酪農 よつらく 」だ。

ただこちらは特定のスーパーで見かける程度しかない。

 

 

個人的には大内山の方を好んでよく買う。入手しやすいし濃厚で美味しいのだ。値段は一般的な牛乳よりも高いが。

 

 

コーヒー牛乳、ヨーグルト、バター、アイスクリーム..

大内山牛乳は充実の商品ラインナップ。その全体を把握するのは困難に見える。

 

大内山酪農農業協同組合 HPより

 

東名阪自動車道の亀山パーキングエリアに行ったとき、他では見たことのない大内山牛乳の商品が販売されていた。

 

 

「大内山牛乳」のブランドと商品は三重県で確固とした地位を築いている。

 

 

 

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大内山牛乳 Ohchiyama Milk

Ep.132

Local milk bland “大内山牛乳 Ohchiyama Milk” is the most famous milk of Mie.

It is provided to supermarkets and school lunch.

And also it’s produced so many food products, coffee milk, yogurt, butter, ice cream, cheese cake and so on..

It is one of the most symbolic bland of this region.

 

ouchiyama-milk.com

yotsuraku.jp

 

松浦武四郎

Ep.131

私はホモサピエンスが60万年前にアフリカで誕生して10万年前に「出アフリカ」(Out of Africa)を果たして世界中に「拡散」(Homo sapiens migration)していきそれぞれの土地に適した身体的特徴(形質)を獲得して民族と民俗を形成していくタイムスケールに関心があるので、この手の日本語で書かれた本はだいたい読んでいる。

 

日本の少数民族アイヌについても関心の対象で、関連書物はだいたい読んできた。

 

BBC Travel HPより

 

ところが5年ほど前からアイヌ民族に関する新著が爆発的に増えた(気がする)。そのため、そのすべては追えなくなってしまった。

 

理由はいくつか挙げられる。多様性や個性を尊ぶ時代のトレンドや、SDGsに代表される“自然との共生”や“エコ”というキーワードが縄文人アイヌと結びついたこと(真実はさておき)、あるいは樺太アイヌの活躍を描いた直木書受賞作『熱源』(川越宗一、2019年)も寄与しているだろう。

 

けれど、人々にアイヌについての関心を最も抱かせたのは、野田サトル作のマンガ『ゴールデンカムイ』(2014〜2022)とそのTVアニメだと思う。

 

日露戦争に陸軍兵士として従軍した「不死身の男」とアイヌの女の子、という2人を主人公にした冒険活劇だ。

 

アニメ ゴールデンカムイ HPより

 

私も興味と教養のためにTVアニメシリーズを観始めたが、アイヌの財宝の在りかを示す手がかりが網走監獄の囚人たちに施された「刺青」だったり、土方歳三が実は生きていた、という突飛すぎる設定にすんなり入っていけなかった。

 

けれど世の中的に本作品は大ヒットしていた。

 

マンガやアニメといった表現方法はリスペクトするが、これらでなければ社会の関心を誘起できない、そんな現状は残念だな、とも思った。

 

ならばロヒンギャパレスチナ人もアマゾンのインディアンたちもマンガの主人公にしたら人々の関心が高まり状況が改善されるのではないか?

それも冒険劇がいい。少年誌に載るような。

 

マンガ ゴールデンカムイ 公式HPより

 

そんな風に皮肉に見ていた私だが、TVアニメ第3期の「樺太編」から加速度的に面白くなってきたのだった。。

 

日本・北海道という舞台を飛び出して樺太・ロシア・満州へと展開・言及するスケールの大きさ。

それぞれの国の「中央」から遠く離れた土地で暮らす、樺太アイヌウィルタ・ニブフといった少数民族や辺境の人々の登場。

中央集権的な「近代国家」が彼らの暮らしに干渉し、また近隣国を従属させようとする帝国的なこの時代の空気。

そして敵・味方問わず描かれているのは、戊辰戦争、日清・日露戦争ロシア革命、北方少数民族の独立闘争といった、戦乱で人生を翻弄された者たちだ。

 

幕末(明治維新)や太平洋戦争を取り上げた作品というのは数多くある。

しかしこれまでほぼ無視されてきた上記2つのはざ間の時代(1907年〜)とこの場所(オホーツク海沿岸地方)を創作の舞台にしたことに対し、敬意を表する。

 

 

2015年の3月、私は大学時代の友人が地元で挙げる結婚式に招待されたため、札幌に来ていた。

札幌を訪れたのはそのときが初めてではなかったけれど、良い機会なので札幌近郊の名所(小樽・余市登別温泉など)をせっせとまわっていた。

 

中でもハイライトが白老(しらおい)のアイヌ民族博物館(しらおいポロトコタン)だった。私はここに行くのを楽しみにしていた。同じく結婚式に来ていた大学の友人と2人で訪れたのだった。

 

 

白老駅では私たちしか降りなかった。博物館までの道を20分くらい歩く。ほんとにこの先にあるのかな? と不安になった。

ようやく入口が見えてくると、向かいの駐車場には、大型の観光バスが停まっていた。

 

アイヌ民族博物館(2015年当時)

 

屋内でアイヌの踊りと歌を観劇できるということで行ってみた。観客は30人くらいいただろうか?

ステージで伝統的な踊りが披露される。するとマイクを持ったリーダー(司会者)の方が観客に向かって尋ねた。

「 皆さんの中で、日本人の方は手を挙げてください 」

 

と言うと、手を挙げたのは私たち2人だけだった。

 

司会の方:「 こんにちはー 」

私たち:「 こんにちは 」

 

あれ、他にこんなにいるのにおかしいな? と思っていると、司会の方が

「 皆さんの中で、タイから来られた方は手を挙げてください 」

 

と言う。

すると、私たちの左にいた20人くらいの人たちが、がばっ、と手を挙げた。

 

司会の方:「 サワディー カー ! 」

20人くらいの人たち:「 สวัสดีครับ !

 

 

「 それでは続いて、中国から来られた方は手を挙げてください 」

 

と言うと、私たちの左にいた10人くらいの人たちが、ぐあっ、と手を挙げた。

 

司会の方:「 ニーハオ ! 」

10人くらいの人たち:「 你好 ! 」

 

そのとき、その空間では、私たち2人こそがマイノリティーだった。

 

 

平日ということもあっただろう。けれど最寄駅は閑散とし、「海外団体観光客」がツアーに組み込まれていたから訪れるだけ。

2015年当時、アイヌ民族に対する国内の関心というのはその程度だった。

 

 

だから隔世の感がある。もちろん、アイヌへの関心が高まったのは喜ばしいことだ。

アイヌ民族博物館は、正確には今はもうない。

2020年7月、民族共生象徴空間(愛称;ウポポイ)としてリニューアルされたからだ。

 

アイヌ民族博物館(2015年当時)

 

三重県にもアイヌと関係の深い人物がいる。

松浦武四郎 (1818-1888)

北海道の名付け親とされる人物だ。

 

 

ちなみに近年でこの人物が全国的に脚光を浴びたことがある。

2019年にNHKで制作された単発ドラマで、松浦武四郎を嵐の松本潤が、アイヌの女性を深田恭子が演じた。

 

けれどインパクトに乏しかったことは間違いない。私も当時このドラマを観たが、全くおもしろくなかった。

深田恭子のルックスがアイヌ女性のそれに似つかず。倭人の言葉を話せるという都合の良さ。当時のアイヌ女性に1mmも寄せにいかないドラマ製作者の姿勢を残念に思った)

 

台高山脈を見やる 武四郎が見た風景?(松阪市

 

松浦武四郎の生涯を学ぶことができる場所がある。彼の出身地、松阪市にある「松浦武四郎記念館」だ。22年4月にリニューアルオープンされた。

 

実は私はリニューアル前にも訪れたことがある。当時は郷土の偉人を顕彰する場として控えめな? 印象を受けたが、リニューアル後は充実の展示内容に生まれ変わっていた。

 

リニューアル前(2019年)

リニューアル後

 

計6回、蝦夷(北海道)を探索したこと。地理や風土、人々の生活様式を紹介する数多くの紀行本や地図を出版したこと。

アイヌとの交流。そして彼らが明治政府や本土出身の商人に搾取されていることに心を痛めたこと。

 

 

記念館の近くには生家がある。庄屋の四男として産まれた武四郎。

家の前を通るのは伊勢街道

時代はお伊勢参りブームの真っ只中。

あらゆる諸国から伊勢神宮を目指してやって来た人々であふれていたそうだ。

 

 

解説員の方からお話を伺えた。

裕福だった武四郎の家では、よく参拝客たちを家に上げて食事をふるまったのだという。

 

幼かった武四郎は、日本全国からやって来る人たちが話す彼らの「地元」の話に耳を傾け、まだ見ぬ土地への好奇心をどんどん募らせていった。

 

溢れる思いを抑えきれなくなった16歳のとき、武四郎は家を飛び出し諸国を放浪する旅に出る。未知の「世界」へ第一歩を踏み出したのだ。

 

『環境は人を育てる』

それを体現する、できすぎたストーリーがここにあった。

 

 

おもしろいことに旅先では「伊勢神宮の近くからやって来た」と言うと、大変ありがたがられたらしい。

逆に武四郎の方が彼の地元の話をすることで厚くもてなされたとか。

 

 

転機が訪れたのが1838年。長崎にいた武四郎はオランダ人からある話を聞く。

「 ロシアが蝦夷を侵略しようとしているよ。日本、やばいよ 」

 

驚く武四郎。それは本当なのか? 道ゆく日本人に聞いてまわる。

蝦夷がロシアに狙われてるってほんとですか? 」

「 知らないな 」「 聞いたことないな 」

 

埒が開かないことを悟った武四郎はある決心をする。

 

「 じゃ、自分が蝦夷地に行って確かめてみよう! 」

 

となったとのことだった。

この行動力とフットワークの軽さが、彼を歴史上の偉人とした。

こうして武四郎は初めて北の大地を踏みしめることとなる。

 

 

記念館の話に戻る。

一般的に松浦武四郎という人物は、北海道やアイヌとの関連についてのみ語られるのが普通だが、さすがは地元のミュージアム。それ以外の、パーソナルな部分についても光が当てられている。

 

測量のスキルを有し、測量結果を基に地形図を描くその緻密な作業ができたこと

呆れるほど絵が上手だったこと

 

屈斜路湖畔にあるコタンアイヌ民族資料館にも武四郎が描いた蝦夷の地形図があった(北海道弟子屈町

 

最後(6回目)の蝦夷地調査をしたのは41歳(1858年)のとき。現代の感覚ではずいぶん若くして「引退」した武四郎だが、驚異的な体力と健脚は晩年まで衰えず。趣味(という言葉すら当時はなかっただろうが)の登山を楽しみ、日本百名山大台ヶ原三重県奈良県の県境にある現代のトレッキングの名所)や富士山(山頂で一泊)へ。

生涯を閉じたのはそのすぐ後。69歳だった。

 

 

未知の世界への好奇心を比類なき行動力と情熱に昇華し、蝦夷の一切合切を調査し紹介した圧巻の成果を残す一方で独立自尊の辺境の民を思いやり、まともに整備されていない道を何日間も歩き続けられる体力と緻密な作業を根気強く続けられる精神力を併せ持つ。ついでに絵を描かせてもプロレベル。

 

規格外のオールラウンダー

このような人が世の中にいたのだ。

 

松浦武四郎

想像を遥かに超える超特大の「偉人」なのだった。

 

 

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松浦武四郎 Matsuura Takeshiro

Ep.131

松浦武四郎 Matsuura Takeshiro (1818-1888) was a key person who explored 蝦夷 Ezo in 19th century and named this island 北海道 Hokkaido.

It’s well-known to introduce Hokkaido, not only geographical information, but also indigenous people, Ainu.

His deeply understanding and respectful attitude for Ainu people remain present day.

 

His birthplace in Matsusaka city was in front of Ise-kaido street toward Ise shrine.

So that he was used to be touched with millions of people from all over Japan.

This environment gave him curiosity, imagination and dream to go over his unprecedented world.

His legacy must be based on such occasion.

 

books.bunshun.jp

www.kamuy-anime.com

youngjump.jp

www2.nhk.or.jp

www.city.matsusaka.mie.jp

 

ヴィアティン三重(バレーボール男子チーム)

Ep.130

プロバレーボールリーグ「Vリーグ」のDivision2に所属するヴィアティン三重のバレーボール男子チーム。

ホームエリアは北勢地域と津市で、Jリーグ入りを目指しているヴィアティン三重のサッカー男子チーム(Ep.4677118参照)と同様に、こちらもカテゴリー最上位のDivision1入りを目指している。

 

昨21-22シーズンはDivision2で15チーム中の3位となり惜しくも昇格を逃した彼ら。今シーズンは優勝を狙う。

 

公式HPより

 

普段は津市の会場をホームにすることが多いヴィアティン三重・男子チームだが、12月上旬、四日市市総合体育館(Ep.86参照)でゲームが行われた。

対戦相手は「大同特殊鋼レッドスター」。名古屋をホームとする昨シーズン6位の強豪だ。

 

 

私は10年近く前、東京に住んでいたときに友人たちとあらゆるスポーツを会場で観戦するという企画をしていたときにバレーも観たことがある。

 

2009年の12月に東京体育館であった全日本インカレで、東海大学vs順天堂大学の決勝戦だったと思う。

それ以来だから13年ぶり!? Vリーグの観戦は初めてだった。

 

 

第1セットは白熱のシーソーゲーム。デュースに突入した結果、27-29で大同特殊鋼レッドスターが獲った。

 

 

ずいぶん昔の話だが、たまにテレビで中継されていたバレーの日本代表の試合のことを憶えている。当時はまだ「サーブ権」("サイドアウト制”と呼ぶようだ)のルールがあった時代だった。

これはサーブする側のチームしか「得点」が入らず、つまりは両チームが交互にラリーを制する限りは永遠に得点が入らないというもので、がなかなか1セットが取れず、ゲームの終わりも見えず、まどろっこしいものだった。

 

私がまだ小学生だったときなので、90年代中盤〜後半の話だ。

 

今ではどちらのサーブのときでも得点は確実に積み重なっていくので、「終わり」が見えやすい、良いルールになったと思う。

 

 

ついでに言うと私はこの”サーブ権時代”の、90年代が全盛期だった日本代表の選手たちの名前も憶えている。

 

中垣内、青山、泉川、大竹(アジアの壁)...

女子選手も、大林、多治見...

 

小学生で、たまにしかやらないテレビ放送を観るだけでそんなに憶えるものか?

と訝しがるかもしれないが、私は本当に憶えている。

幼少期の記憶に抜群の自信があるのだ。

 

中垣内祐一監督 2020東京五輪の男子日本代表監督だった 月刊バレーボール HPより

 

第2セットは序盤からヴィアティン三重が優勢。25-19で奪い返す。

 

ここでハーフタイム。チアダンスなどが始まる。DJもマイクで盛り上げる。

試合開始から気になっていたが、DJの声のボリュームが大きすぎる。

試合中、相手チームに得点が入ると、

「 ヴィアティーーーーーン、三重ッッッ! 」

 

ホームチームを鼓舞する。

 

ところで以前にも記したが、

「 vier ヴィア 」とはオランダ語で数字の「4」

「 veertien ヴィアティン 」とは「14」のことだ。

 

つまり「ヴィアティン三重」とは「14三重」という意味なので、それを

「 Veerti--------------en, Mie----- ! 」

 

と絶叫することは、もしオランダ人が聞いたら「??」しか浮かばないことだろう。

 

スポーツのクラブチーム名を英語以外の馴染みのない西洋語で付けるというのは日本人の得意技。

現地人からしたら訳が分からないかもしれないが、日本人にとっては「語感」が良いしカッコイイから採用したのだと思う。

 

 ヴェルディ川崎 ; Verde 緑(ポルトガル語

 横浜フリューゲルス ; Flügel 翼(ドイツ語)

 ベルマーレ平塚 ; Bellum 美しい + Mare 海(ラテン語

wikipediaより)

 

Jリーグのチームたちが始めたことなのかもしれない。

 

 

第3、第4セットもヴィアティン三重は勢いを持続。

終わってみるとセットカウント3-1で勝利した。

 

色々と思いを巡らせてしまったところいまいち試合観戦に集中しなかった感じはあるが、楽しい思い出になった。

 

公式HPより

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ヴィアティン三重 Veertien Mie (Men’s Volleyball club)

Ep.130

Veertien Mie is a total sports club, not only Men’s football team, but also Men’s volleyball team (ref. Ex.46).

They belong to “Division 2” of Japanese professional volleyball league, “V League”.

 

Their homelands are Tsu, Kuwana and Yokkaichi city.  Despite it is usually held their matches at Tsu city, first match of this season 22-23 at Yokkaichi on the early Dec. (ref. Ex.86).

 

It was first time for me about going to a match of V League, so that impressed with “loud mike performance” by DJ.

But watching a match was so fun!  Audience also seemed to have a nice time.

 

www.veertien.jp

www.daido.co.jp

 

グリルニューコトブキ

Ep.129

「グリルニューコトブキ」

四日市の老舗洋食店だ。

 

カニコロッケとポーク生姜焼き

 

私はたまに外食するときはリピートではなく新規開拓する方が多い。けれどニューコトブキは例外で何度も訪れている。

品があるレトロな内装と、厨房でキビキビ作業するシェフコートを着た料理人たちのカッコよさ。メニュー表に書かれた「字体」ですらもクールに見える。

 

エビフライとハンバーグ

 

スパゲティも添えられている。麺が柔らかくて、太くて、トマトケチャップたっぷりの、要するに典型的なナポリタンだ。これがいいのだ。

「アルデンテ」の概念が日本になかった時代を想起させる。老舗洋食屋の証明に思える。

 

洋食と並んでステーキも売りにしている。

 

ヒレ肉あみ焼

 

味噌汁が赤味噌なのがいい。

当初は中京圏だからだと思ったが(Ep.13参照)、赤味噌の「濃さ」がステーキ肉やハンバーグとマッチするからなのかもしれない。

 

カツカレーライス

フォアグラのソテーリンゴのコンポート添

 

フォアグラのメニューまである。

 

「老舗洋食店」の座にとどまることなく新しいものも取り入れる。

なので私はこのお店を「ネオ洋食屋」と呼ぶことにしている。

 

 

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Long-established Yoshoku restaurant “Grill New Kotobuki”

Ep.129

Yoshoku restaurant “Grill New Kotobuki” is my favorite one in this city, Yokkaichi.

Humburg steak, Croquette, Shoga-yaki, Beef steak, Currey rice and even if Foie gras...

They must be not only the “orthodox”, but “Neo” yoshoku restaurant.

 

tabelog.com

 

コメリPRO

Ep.128

土地柄、作業服や作業用工具の専門店が集う四日市(Ep.112参照)。

中でも最大規模と言えるのが『コメリ PRO』だ。

 

 

コメリ』は新潟県発祥の農業用具を中心としたホームセンターだが、『コメリPRO』は三重県が発祥。桑名・四日市鈴鹿・津と、国道23号線に沿って店舗を見かける。

(もちろん通常のホームセンターとしても巨大で近年では三重県以外でも店舗を増やしている)

 

笹川通りにある四日市店は私の通勤途中にあり、朝7時から開店しているこの店舗にトラックやハイエースが入っていくのをよく見る。

 

つまりは現場作業の人たちが、その日の作業で使用する工具や資材で「あれが欲しい!」となったとき、購入して出勤できるようになっているのだ。

 

 

市内の化学工場に勤務している私は、工場内でユニフォームが異なる実に多くの方たちを目にする。

彼らは協力会社や外部業者の方たちで、建設・解体業者(とび職)であったり、エレキやメカの専門家たちであったりする。

 

化学プラントでは、絶えず保守点検やスクラップ&ビルドを行なっているため、製品を製造する方たちだけでなく、彼らのような業者さんも多く働いているのだ(Ep.19参照)。

 

とりわけ、高所作業を行う人たちは「フルハーネス」を身に付けている。

フルハーネスを身にまとい、かつ工具の入ったウエストポーチも腰に巻いて、ジャラジャラ音を響かせながら闊歩する男たちの姿はとてもカッコイイ。(私もちょっと真似してみたい)

 

労働技能講習協会 HPより

イメージ 一般社団法人 ロープ高所作業協会 HPより

 

ところで彼らが利用する工具はメジャーやドライバーなどだが、これは彼らの会社からの支給品というわけではなく、彼ら自身の所有物のようだ。

 

コメリPROに行くと、それら専門用工具が品揃え豊富で、ずらっと棚に並んでいる壮観な光景を見ることができるが、それらを真剣に吟味している方たちもまた、よく見かける。

 

コンベックスとも言う。このゴツさがカッコイイ TAJIMA HPより

グリップ感に優れる ホーザン HPより

 

作業用工具は「自分の手に馴染むもの」を選ぶことが奨励されている。

事故のリスクを減らし、作業効率が上がることにつながるからだ。

 

例えば、大人が子供用のお箸を使って食事をする場合、難儀することだろう。

長さや、あるいは太さや材質も、大人用に設計されたものではないからだ。

もちろんトレーニング次第で上手に使いこなせるようになるかもしれない。しかしそのためには多くの時間が費やされ、その間にミスも起こり、効率的でないのは言うまでもない。

現場作業でそのようなことはNGとされているのだ。

 

ネイルガン Wikipediaより

 

プロ野球選手が他球団に移籍するとき、移籍先からユニフォームは支給される。

けれどグローブやバットやスパイクは持参するのと同じように、現場作業の方たちもまた、自分で使う道具を自分で選んでいるのだ。

 

デンゼル・ワシントン allcinema HPより

 

話は変わるが、私はアメリカの俳優、デンゼル・ワシントンのファンなので、この人が出演している映画はすべて観ている。

 

2014年のアクション映画『イコライザー』は、元CIAの凄腕エージェントで今は引退してホームセンターの社員として平穏な日々を送っているデンゼル・ワシントンが、目の前で目撃してしまった悪を見逃せず、正義の鉄槌を下すという典型的な勧善懲悪の作品である。 

 

ただしこの映画は正義のヒーローが大ピンチに陥りながらも大逆転で勝つ、という類のものではない。

悪者に対して苦戦すらせず、アンフェアなほどに、まざまざと力の差を見せつけて勝つ、というもので、要はどれだけ「ぶっちぎりの強さを見せつけて悪者を倒すか」を楽しむ作品である。

 

最終決戦の舞台は何とホームセンターだ。

ここで主人公は、マシンガンをぶっ放す悪者に対して、トンカチ、砂利、酸素ボンベ、ネイルガンといった工具を武器にして(銃を使わずに)コテンパンにやっつけてしまうのだった。

(アクションシーン専門の演出家か脚本家がいると思うのだが、よく考えたなと..)

 

この映画を観たとき私は、

「やっぱアメリカのホームセンターというのはバカでかいな!?」

と思ったものだった。

 

だからコメリPROを初めて訪れたとき思ったのだ。

 

ここだったらデンゼルが暴れられそうだな!

と。

 

 

結局何が言いたいかというと、コメリPROはあらゆる作業用工具や資材が揃う、超巨大ホームセンターなのだということだった。

 

 

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Giant DIY store “Komeri PRO”

Ep.128

There are many DIY stores specialized working wears and industrial tools in this city, Yokkaichi.

“Komeri PRO” is the biggest one.

 

Workers of factories or chemical plants visit there and prepare convex measure, screwdriver, other tools and so on for their own job.

 

Komeri PRO sustains them and industry of this region.

 

www.komeri.com

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