みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

2020-01-01から1年間の記事一覧

かぶせ茶(伊勢茶)

Ep.25 「茶」の生産地と言えば圧倒的に静岡県で、近年では鹿児島県のイメージも強いが3番手は三重県だ。 四日市市の西側、沿岸のコンビナート地帯からは20km近く離れた水沢(すいざわ)地区では、あたり一面に茶畑が広がった光景が見られる(Ep.22参照)。 …

萬古焼 土鍋・急須編

Ep.24 萬古焼は19世紀中頃、中興の祖・森有節の時代には美術品として西洋から高く評価された。 古萬古(左)と有節萬古(右) 四日市市立博物館HPより しかしながらその後、明治時代末期と太平洋戦争の2度に渡り、萬古焼は不況や対米輸出の減少から存続の危…

萬古焼 概要編

Ep.23 萬古焼 「ばんこ焼き」と読む。四日市が誇る伝統工芸品だ。 東海地方、とりわけ名古屋を中心とした地域には焼き物の産地がとても多いことに気付く。 美濃焼(岐阜県) 瀬戸焼(愛知県) 常滑焼(愛知県) 伊賀焼(三重県) 信楽焼(滋賀県) しかしこ…

水沢もみじ谷

Ep.22 四日市市が紅葉の名所として推しているのが「水沢もみじ谷」だ。 水沢(すいざわ)地区は、沿岸のコンビナートエリアから西に20kmほどのところにあり、一面に茶畑が広がる「伊勢茶」の一大生産地でもある。 12月初旬、すでに紅葉シーズンは終盤に差し…

四日市ぜんそく

Ep.21 「四日市」 と聞いて真っ先にイメージするのは「四日市ぜんそく」だと思う。 事実、私がそうだったし、四日市出身者を除くあらゆる世代の人にとってもそうだと思う。 1960年代の高度成長期に起こった公害問題は誰もが知るところで、公害病としての「ぜ…

工場夜景 その2

Ep.20 前回のその1に引き続き、工場夜景について。 12月初旬、ついに「四日市コンビナート夜景クルーズ」に参加してみた。 そもそも私自身、市内の化学メーカーに勤めており、まさに化学プラント内で働いている。 勤務場所が工場の人にとっても工場夜景は美…

工場夜景 その1

Ep.19 先日、TVアニメ「ドラえもん」を15年ぶりくらいに観ていた。 この中でのび太くんは、 「僕は勉強をしてもテストで良い点数がとれないんだ」 と言ってテスト勉強をせず、 「僕は弱いからジャイアンに勝てないんだ」 と言ってファイティングスピリットす…

入道ヶ岳(鈴鹿セブンマウンテン 3/7)

Ep.18 鈴鹿セブンマウンテンで3番目のターゲットは入道ヶ岳(906m)にした。 この山は鈴鹿セブンマウンテンの中で最も南に位置し、椿大神社(Ep.16参照)から登山口まで歩いて行くことができる。 山中の紅葉はほぼ終わりかけた11月下旬、いざ山登りに出かけ…

おにぎり

Ep.17 四日市に来て最初に興味を引いたことの一つが「おにぎりの桃太郎」だった。 市内のあちこちでよく見かけるオレンジ色の外観と、「おにぎり」を基軸としている営業形態としての珍しさ。 たくさんの地元の方たちに愛されているのだろうか? という好奇心…

椿大神社

Ep.16 上記のステッカーを後方に貼り付けた自動車を、四日市ではよく見かける。 どれくらい見かけるかと言うと、 私が毎朝自転車で通勤している笹川通り(ささがわどおり)にて、渋滞している車を横目に見ながらカウントするという調査方法で良いならば、100…

ごま油

Ep.15 四日市から全国に響く食品メーカーの代表として真っ先に浮かぶのが九鬼産業だ。 ごまの総合メーカーとして、とりわけ「ごま油」においては多くのラインナップを揃え、四日市市の名産品にもなっている。 神田川俊郎シェフも宣伝 工場はオールド四日市エ…

全日本大学駅伝 過去の記憶

Ep.14 主に三重県内をコースとする全日本大学駅伝。 2019年大会の観戦記(Ep.12)に続き、今回は「過去の記憶」と称して私が最も強く印象に残っている2007年の第39回大会について記したい。 2007年シーズンは、学生長距離界に長く君臨してきた、いわゆる「四…

赤味噌

Ep.13 四日市市は赤味噌の文化圏である。 (ここで言う赤味噌は、大豆を原材料とし、熟成期間が他の味噌よりも長く、色味が赤っぽくなっている東海地方を中心とした味噌を指すことにする) 味噌の分布 イチビキ(株) HPより この街のレストランで、例えばハン…

全日本大学駅伝

Ep.12 谷口浩美は本当に首を傾けて走っていた! あれは私が小学校低学年のときだったから、1992〜1995年頃のことだったと思う。 私は当時父が勤務していた会社の目の前の沿道で、両親とともに中国駅伝を観戦していた。 中国駅伝とは、中華人民共和国で行われ…

竜ヶ岳(鈴鹿セブンマウンテン 2/7)

Ep.11 秋の訪れを感じさせる9月下旬。 登山をするにも最適なシーズンだ。 今回は鈴鹿セブンマウンテンの一つ、竜ヶ岳(りゅうがだけ)に挑戦! 前回の御在所岳では思ったよりもハードでくたびれてしまったため、今回はあまりキツくなさそうな山、という観点…

真珠

Ep.10 リアス式海岸が広がる志摩市南部の英虞湾(あごわん)。 その美しさを知覚できる場所の一つは、伊勢志摩スカイラインにある「朝熊山(あさまやま)展望台」だ。 朝熊山展望台 或いは2018年にできた「横山展望台」では、より近距離から、入り組んだ地形…

伊勢志摩ガストロノミー

Ep.9 「御食国(みけつくに)」 と称され、古代より朝廷に神事などに用いる特別な海産物を献上してきたと言われるのが、若狭国、淡路国と志摩国である。 現在においても伊勢市、志摩市などのエリアは、海の幸・山の幸に恵まれ、 この圧倒的に豊かな食材に魅…

イオンの母国

Ep.8 先日、美容院にて担当のにいちゃん(20代、四日市市富田一色町出身)と話していたときのこと、 美容師:「僕の実家は北ジャの近くで、家の裏には海があって…」 私: 「!? 今、『北ジャ』って言いました?」 美容師:「ああ、はい...(照れ笑い)」 そ…

オールド四日市エリア

Ep.7 近畿地方の都市ではしばしば、JRよりも私鉄の駅の方が栄えているということがある。四日市もそれに該当する。 この街の中心は近鉄四日市駅であり、近鉄百貨店や1番街商店街などは人々で賑わっている。 一方、中央通りを介して1kmほど離れたJR四日市駅は…

御在所岳(鈴鹿セブンマウンテン 1/7)

Ep.6 みなさんは東海道新幹線に乗車していて、名古屋―京都間を走っているとき、 「なぜこのルートを走っているのだろう?」 と思ったことはありますか? というのも、旧・東海道とは、 名古屋を出た後、桑名→四日市、と南下した後、 鈴鹿→亀山→関、まで西進…

三重県の方言 その2

Ep.5 市内で小学校の教員をしている妻が、興味深い情報をもたらしてくれた。 児童たちが、 『せー・のー・で・わっ!』 と言っているというのだ。 それは興味深い。 早速、会社の後輩(地元出身)に聞いてみた。 私: 「三重の人って、『せー・のー・で・わ…

三重県の方言 その1

Ep.4 広島弁の「じゃけん」 茨城弁の「だっぺ」 遠州弁の「だら」 に相当し、「三重弁」を表現する最も象徴的な方言、 それこそが『やん』(否定形)である。 三重県はプチ関西弁ということもあり、「やん」は例えば、 付加疑問文の「〜でしょ?」の意味で、…

県民性

Ep.3 三重県の方たちの県民性や気質とはどのようなものだろうか? 最近では「民度」という言葉もよく耳にする。 しかし私はこの類の表現が好きではない。 ○○人は△△だ。 と評するのは、一部の人を見て判断しただけで全部を見ていない(有効なサンプル数に満た…

四日市の風土

Ep.2 『組織や地域の風土を作るのは土の人と風の人だと言われる。 土の人は、土地や組織に根ざして文化や慣習を守り受け継いでいく。 一方の外部から入ってくる風の人は、新たな価値観や考え方をもたらしていく』 山川徹 著「国境を超えたスクラム」より 四…

四日市にて

Ep.1 四日市で暮らし始めて約1年がたった。海があって山があり、人も多くないこの街での生活は充実している。 私は10歳になる年まで広島県の竹原市という街で暮らし、その後父の地元である茨城県つくば市で暮らした。前者は瀬戸内海に面した風光明媚な街で、…

Episode 0

Ep.0 ふと車窓に目を向けると遥か向こう、高い石垣の上に佇む白亜の城が見えた。周囲は田んぼで平坦である分、それはいつまでも視界に入り続け、日が暮れ始めた仄かな闇の中にあっては孤高の雰囲気を醸し、よりいっそう妖しく、美しかった。 それは伊賀上野…