みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

蓮台寺柿・前川次郎柿 三重県の伝統食材3、4

Ep.75

秋真っ盛り。一号館(Ep.36参照)で「柿」のポップを見つけた。

 

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柿には「甘柿」と「渋柿」があり、これらの違いは、

渋み成分「タンニン」が口の中で溶けるかどうかで決まり、溶けると渋くなり、溶けなければ甘くなる

 

とのこと。興味深い。これは有機化学の世界のハナシである。

 

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調べると、アセトアルデヒドが重要な働きをしていることがわかった。

上記図のようにタンニンはアセトアルデヒドを架橋として重合し、より高分子量化することで非水溶性になるらしい。

つまり「渋抜き」作業とは、柿の中にアセトアルデヒドを発生させることが前提となる。

そして渋抜きには、焼酎(エタノール)に漬ける方法や炭酸ガス二酸化炭素)で処理する方法があるらしい。

 

焼酎に漬けるというのは直感的に理解できる。エタノールが酸化されてアセトアルデヒドになるからだ。

炭酸ガスは分からなかったが、どうやら嫌気下(酸素がない環境)にするというのがポイントらしい。それによって柿の中でアルコールの合成が促進されるようだ。

 

ただし、柿の種類によって渋抜き方法の相性が異なるというのが面白い。

 

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蓮台寺

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前川次郎柿

 

三重県では伝統野菜とは別に、「みえの伝統果実」として4品目が選定されている。

そのうちの二つが「蓮台寺柿」と「前川次郎柿」だ。

 

蓮台寺柿」は300年以上前から栽培されている伊勢市の天然記念物で、まろやかでとろけるような味とのこと。

 

「前川次郎柿」は多気町の前川唯一氏によって発見され、次郎柿の中でも早く熟す品種とのことだ。

 

 

ところで茨城・つくば市の私の実家の庭には、柿の木があった。毎年季節になると実がなり、かと言って子どもの頃によく食べたかと言われるとそうではなかったが、とにかく柿は身近な果物という印象が強い(数年前、老木になりすぎたから切ったと父に言われた)。

だから今回蓮台寺柿と前川次郎柿を購入した際、ふと気付いたことは、「柿を購入したのは人生で初めてだった」という事実だ。

 

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蓮台寺柿を箱買いした際、冷蔵庫に入れるのが億劫だったのでそのまま室内に2日間放置していた。

すると日中、部屋の温度が上昇したのだろう、一気に熟成が進んでしまった。

 

これは私も今まで見たことがなかったので非常に驚いたのだが、とろっとろのマンゴーみたいになってしまったのだ!

 

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熟れすぎた蓮台寺

 

慌てる私。何しろ箱買いしてしまったのだ。すぐに全量冷蔵庫に移したものの、すでに熟成が加速してしまった柿は、低温環境下に移したところでそのスピードを抑制するのは困難なのだった。もちろん全部食べたが、生産者さんにも失礼なことをしてしまった..

 

だから柿で調理することは考えていなかった。

 

1. 蓮台寺柿に漬けた豚の角煮

伝説のTV番組「料理の鉄人」(1993〜1999)の最盛期は私が小学校低学年の頃だったが、たまに観ていたためとても印象に残っている。

大人になってかの番組を思い出した私は数年前、なんとYoutubeで全エピソードを観てしまったのだ! そして鉄人たちの技法をYoutubeで学習した私はたまに実践している。

 

いつの回だったか、フレンチの鉄人・坂井宏行シェフが何かの肉を煮込むとき、鍋にぶどうを豪快に投入していた。

だからこれを参考にして豚の角煮をぶどうと共に煮たり、あるいはすりおろしたりんごに浸けた後、煮込むというのを実践したことがある。

結果、豚肉に果物のフレーバーが付与され、肉汁に果汁も加わってなかなか美味しくできた。

 

そんな経緯があったから、

柿にも漬ければいいじゃん

と思ったのだった。柿をジューサーにかけてその中に豚肉を入れて冷蔵庫で一晩寝かせた。

 

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煮込んでいるとき、ヴィジュアル的に何だかすごいことになってきたな..と思った。

オイスターソースを少しふった。

柿ソースと牡蠣ソースの共演が果たされたこの料理はどのような味をもたらしてくれるのだろうか?

 

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蓮台寺柿に漬けた豚の角煮

 

感想;

見た目にも随分さっぱりしたものができた。食べてみる。柿ソースの甘味が結構良い!

他方で、肉にフレーバーが付いているわけではなかった。柿に漬けた意味はなさそうだ。柿はぶどうやりんごとは違うのだろう。

 

 

2. タラのフィレ 前川次郎柿のソース

柿ソースは甘くて良かった。なので次は前川次郎柿で白身魚とあわせるソースを作ることにした。

主役はソース。だが、

フランス料理とは火入れの技術のこと

魚も真剣に調理する。

 

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タラのフィレ 前川次郎柿のソース

 

感想;

まずコンソメキューブを入れ過ぎたというミスが挙げられる。柿の甘味の奥にコンソメの旨味が効き過ぎて奇妙な味になってしまい、まったく美味しくない。

艶やかなオレンジ色の柿ソースとブルーのお皿が映えることも意図していたが、ソースは茶色くなってしまったのも残念だった。

 

と、ここまで書き忘れてしまっているが、蓮台寺柿も前川次郎柿も、そのまま食べるととても美味しかったというのを記しておきたい。

 

 

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蓮台寺柿 Rendaiji persimmon & 前川次郎柿 Maekawajiro persimmon the traditional ingredients of Mie, part 3, 4

Ep.75

Autumn is the season of “Persimmon”.

Mie has 蓮台寺柿 Rendaiji persimmon and 前川次郎柿 Maekawajiro persimmon which are “the traditional fruits of Mie”.

 

I got these two kinds of persimmon.

By the way, I was familiar with this fruit because a persimmon tree was in the garden of my home when I was a kid.

So, in this time, I noticed the fact which I bought persimmon for the first time!

 

Both persimmons were so yummy.

But When I forgot to make them store in the refrigerator, ageing proceeded excessively due to room temperature got higher.

I came up with cooking, to solve this condition.

 

My cuisines are as below.

  1. Stewed pork with Rendaiji persimmon juice
  2. Cod fillet with Maekawajiro persimmon source

 

I felt sweet taste was good, but difficult to harmonize other ingredients.

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/64/7/64_348/_pdf

https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/000101325.pdf

 

全日本大学駅伝 2021

Ep.74

大半の三重県民にとっての大動脈、国道23号線(通称「にーさん」)が1年間で最も注目を集める日は、全日本大学駅伝が行われる日だ。

何しろ名古屋・熱田神宮から伊勢神宮までの106.8kmで争われるこの駅伝は、1区から8区までずっと「にーさん」を走っているのだから。

 

以前にも記したが、私はこの駅伝の大ファンだ(Ep.1214参照)。

だから今年も観戦に訪れるつもりでいたが、前日にコロナワクチン2回目を打って少し火照っていたこともあり、

今年は自宅でTV観戦でいいか、と心が傾きかけていた。

 

しかし当日、スタート時からずっとTV中継を観ていて、3区で東京国際大学のイェゴン・ヴィンセント選手が相変わらずの爆走で早稲田のエース、中谷雄飛選手をかわしてトップに出た場面を見た辺りから、心がエキサイトして臨界点を突破し、

これは現地に観戦しに行かなきゃダメだ

と思いたった。

 

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イェゴン・ヴィンセント選手(東京国際大学) 4yearsより

 

時間的にはまだ間に合うので、チャリを30分漕いで最寄りの「にーさん」に辿り着いた。ヴィンセントはもう見られないが、その次の4区の中間点付近での観戦だ。

 

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4区

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トップの東京国際大がやってきた。堀畑圭佳吾選手だ。おー、ヴィンセントが作ったリードを守っている。

 

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ランナーが通過するたび、拍手を送った。心からのエールを込めて。エネルギーが届くように。

最後のランナーが通過するまで10分間程度に過ぎなかったけれど、実にすがすがしい気分だった。

 

帰宅して再びTV観戦の続きだ。

 

 

私は駒澤大学のファンなので、この後、駒澤がトップでゴールテープを切り、歴代最多を更新する14回目の優勝を成し遂げたレースに歓喜した。

 

しかしながら序盤から実に苦しい展開。ギリギリの勝利だった。

全日本ではたとえ1区間、2区間でミスをしても優勝できることは歴史が証明している。しかし今回の駒澤のように、3区終了時点でトップから2分20秒差、5区終了時点でトップから1分51秒差、を逆転したというのは記憶にない。

 

ひいきの駒澤が勝ったのでいくらでも語れてしまうが、以下2点に絞って今レースの感想を記したい。

 

1. 冴え渡った指揮官の読み

わずか8秒差で敗れた青山学院大学の原晋監督は、レース後のインタビューで

「監督の采配ミス」「パズルの組み合わせに失敗した」と唇を噛んだ。

駅伝ではライバルチームのキーとなる選手がどの区間を走るか、を読んだ上で自チームの区間配置を決定する。

 

対して駒澤の大八木弘明監督。

「(エースの田澤廉を8区アンカーに置くと)それまでに他チームに差をつけられてしまう」との読みのもと、7区に配置した。

これにより青学は7区エースの近藤幸太郎選手で駒澤を引き離し、トップで8区につなぐというシナリオが崩れた。

 

もし駒澤の7、8区が花尾恭輔、田澤の順番だったら勝てなかったかもしれない。

名将同士の読み合いで、大八木監督が上回ったのだ。

 

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監督車の大八木監督

 

2. 王者のメンタリティ

7区の序盤、8区の中盤〜最終盤は、トップを走る駒澤の背中に青学の選手がピタリと張り付くという状況だった。

駅伝や長距離走では、絶対的な力の差がない限り、後ろを走る選手の方が圧倒的に有利とされる。

それもあってTV中継の解説陣、瀬古利彦渡辺康幸大迫傑(奇しくもみな早稲田だ)は、

「田澤は(青学の近藤に前に行かせて)自分が背中につく考えはあると思う」

「花尾くんは(青学の飯田貴之に)前に出させるという作戦もいい」

としきりに述べていた。

 

だがフタを開けてみると、両者とも一度も青学の背中を拝むことはなく、田澤は近藤を18秒突き離し、花尾はラスト2kmで飯田を突き離し、マッチレースでも勝利した。

 

「(近藤を)ライバルだと思っていない」「絶対に負けることはないと思っていた」(田澤)

「後ろに引いたら負けだと思っていた」「ラストスパートになったら勝てる自信があった」(花尾)

 

解説者たちは田澤と花尾のメンタリティを完全に読み誤っていた。彼らの自信やファイティングスピリットを。

3人の元エリートランナーたちが

「相手に引っ張ってもらう」という消極的な戦術を揃って進言した中において、当の本人たちはそんなこと考えていなかったというのが痛快だった。

 

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田澤から花尾へのリレー  Number Web より

 

10km以上背後につかれながらも最後までトップを譲らなかった花尾選手のパフォーマンスは、駅伝や長距離走の世界では最大級に賞賛されるべきものだ。

 

一方で、勝負に徹しながらも及ばなかった飯田選手の悔しさにも思いを馳せたい。

ゴール後、悔しさから泣き崩れ拳で地面を叩いたその姿は、2012年の日本選手権10000mで佐藤悠基に後ろにピタリとつかれながらもレースを引っ張りラスト100mでさされて敗れ悔しさから泣き崩れ拳で何度も地面を叩き続けた大迫傑の姿を思い出させたからだ。

 

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花尾恭輔選手(駒澤大学) 全日本大学駅伝 HPより

 

私は全日本大学駅伝を15年前から見続けているが、今年は、これまで見てきたのとは明確に異なるあるモノがあった。

それは私が、「三重県で暮らして2年が過ぎた」という確かな事実に紐づくモノだった。

 

冒頭で書いたように、私にとって国道23号線の特に桑名から津にかけてのエリアというのは、チャリやクルマで毎週末走り回っているエリアだ。だからTV中継で選手の背後に見える景色や建物も全て把握している。地理や物理的な距離感についても。

 

だから今、想うことがある。

 

名古屋から伊勢神宮までの距離をたったの8人で走ってつなぐ

 

それは何というか、とても「尊い」ことだと思う。

今の私には、それを肌感覚で知覚することができる。

 

駒澤のアンカー、花尾選手は笑顔で言っていた。

「タスキが汗でびしょびしょで、選手みんながつないできてくれたという重みを感じた」と。

 

2021年の全日本大学駅伝はこうして幕を閉じた。

 

 

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All Japan university ekiden championship 2021

Ep.74

All Japan university ekiden championship was held in Mie including my city, Yokkaichi.

I love this race for long time, so go to see.  The 4th section is the nearest point from my apartment.

 

I cheered all runners alongside course without voice, only hand clapping!

Even though at least 10min, it made me enjoy.

 

In this year’s competition, my favorite team, Komazawa university won.

 

On the other hand, as a person who lived in Mie, I could understand that how “precious” this race was!

Because only 8 runners relayed one by one, finally arrived at Ise-shrine from Nagoya city, so long 106.8km!

I deeply considered this long-distance proudful race.

 

銚子ヶ口(鈴鹿10座 7/10)

Ep.73

鈴鹿10座の一つ、銚子ヶ口(ちょうしがぐち)(1,076.8m)の登山口は、滋賀県東近江市の杠葉尾町にある。

 

杠葉尾町は「ゆずりおちょう」と読む。『杠』という漢字は見たことがなかったが、これだけで「ゆずりは」と読むらしい。

ユズリハ」は植物の名前で、したがって杠葉尾町という町名はユズリハに因んだものなのだろう。素敵な町名だ。

 

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ユズリハ wikipediaより

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スタート!

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1時間半で東峰に着いた。ここからの眺望は素晴らしく、鈴鹿10座のほぼ全ての山を確認できるらしい。

 

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鈴鹿10座の山々

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なお山頂は東峰から1分ほど歩いたところにあり、そこは開けていない。

 

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山頂

 

景色を見ながら昼食をとるために東峰に戻ったら、6合目辺りで私が追い越したおっちゃんがちょうど着いたところで、

「あなた登るの早いね!」

と話しかけられた。

 

その方は

「先週は穂高に登って今日はここでしょ。4日後にはイブネの方に行こうと思ってるんだけど天気悪いんだよな〜」

と言っていた。

「すごい体力ですね」

と私が言うと、

「山バカなもんで。はあもう58だで」

と言っていた。

 

充実感みなぎるおっちゃんは

「まだ10時半だで、池(おそらく『水舟の池』のこと)の方まで行ってくるで! どれくらいかかるかわからんけど笑」

と言って行ってしまった。

 

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アカモノ

 

最近の山登りでの昼食はおにぎりと玉子焼きなどの軽いお弁当だ。前日の夜に用意するのがすっかり定着した。

私は夕食作りについては常にモチベーションが高いが、昼食の、ましてやお弁当作りはこれまで気が乗らなかった。けどそれも変わりつつある。

 

昼食を終えて11時前に下山を始めると12時くらいに登山口に着いた。

今回はおおよそ8時半に登り始めて12時に再び戻ってこれたので、普段の勤務の午前中分に相当した。

逆に言うと午前中分の勤務時間があれば、銚子ヶ口の山頂まで登ってお昼を食べて降りてこれるんだ、ということで、変なものさしになった。

 

たとえ低山でも、登って降りてくることで得られる達成感は半端じゃない。大きな成果と精神の充足を伴うものだ。

それに比べて仕事はなんて遅々として進まないものだろう。

私はケミカルエンジニアだが、午前中だけで何らかの結果を出したり業務が完結したりということはまずない。

 

業務内容や業務効率について省みることになった銚子ヶ口登山だった。

 

 

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銚子ヶ口 Mt. Choushigaguchi

Ep.73

銚子ヶ口 Mt. Choushigaguchi(1,076.8m) is one of the Suzuka 10 za.

Starting point was 杠葉尾町 Yuzurio-cho, Shiga prefecture.

 

I walked 90min. and arrived at summit.  From there, we can see the rest of all 9 mountains of Suzuka 10 za.

 

After taking a rest and lunch, I came back starting point at 12 noon.

In this hiking, I felt so fine, even though only AM!

 

Achievement ;

Suzuka 10 za 7/10

 

松阪赤菜 三重県の伝統食材2

Ep.72

松阪赤菜(まつさかあかな)は「みえの伝統野菜」の一つで、鮮やかな紅色をしている印象的な野菜だ。

 

松阪赤菜は「日野菜」の原種に近いとされ、戦国武将・蒲生氏郷(がもううじさと)によって近江から松阪に持ち込まれたらしい。

日野菜の「日野」とは、かつて私が暮らした東京都日野市ではなく、滋賀県の日野町だ。松阪からは鈴鹿山脈が隔てるものの距離は近い。なお日野菜は滋賀県の伝統野菜だ。

 

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松阪赤菜

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日野菜 wikipediaより

 

両者を写真で見比べてみると、松阪赤菜は「白い部分」がないことがわかる。なのでカブの仲間という感じがしない。

 

松阪赤菜は40年前に生産が途絶えてしまったようだが、2001年、松阪市のある農家の女性が県の農業機関に保存されていた種を譲り受け、リバイバルしたらしい。

 

 

10月、私は松阪市にある農業公園「ベルファーム」に通りがかりに行った際、この松阪赤菜が既に市場に並んでいるのを見つけた。11月〜2月が収穫時期とのことだが、今年は早めに収穫できたのかもしれない。

さっそく入手し、調理を試みる。

 

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今回のテーマは「松阪赤菜」

 

1. 松阪赤菜の漬物

  まずはシンプルに漬物へ

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松阪赤菜の漬物

感想;

やはりヴィジュアルが美しい。艶やかな紅色と、フレッシュグリーン色の葉とのコントラストも抜群だ。食べてみる。First Biteが緊張する。

根と茎の硬さがちょうどいい! 歯応えもあって、これは漬物に向いてると思った。

 

 

2. 松阪赤菜のピクルス

  続いてピクルスへ

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毒々しい感じの見た目も良い感じだ笑

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松阪赤菜のピクルス

感想;

まず、酢と砂糖の加減がバッチリだった。唐辛子は多少入れすぎたものの、総じて美味しくできた。

シェフではなくケミカルエンジニアとして得た知見は、松阪赤菜の色素は酸性液に溶出するということだった。冷蔵庫で保管後のピクルス液は時間が経つほど紅色に染まっていたし、現に完成したピクルスの根の部分は「白さ」が露出している。

つまり松阪赤菜の紅色は化粧みたいなものだ。人間の女性が化粧として頬紅を塗るのと同じように、この野菜も白い下地に紅色を塗って可憐な姿を私たちに見せているのだ。

と、ロマンチックに解釈する。

 

 

3. 松阪赤菜のdiverse colorsご飯

この野菜の最大の特徴、紅色をより活かせる一品を、と考えた。松阪赤菜を紹介しているHPには「松阪赤菜のおにぎり」が例示されている。紅色と、葉の緑色と、ごまが合わさった美しい見た目のおにぎりに感銘を受けた私は、

もっと色を増やせばいいじゃん、と思った。

 

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紅色・緑色(松阪赤菜)、黄色(パプリカ)、橙色(にんじん)、紫色(なす)を用意した。色も形も多様なこれらをミックスしてご飯に混ぜ込み、見た目に美しいおにぎりを作ろうというものだ。

パプリカ、にんじん、なすは湯通ししてから使用した。

 

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松阪赤菜のdiverse colorsご飯

感想;

とりあえずできたがイメージと違うものだった。各具材が均一分散しておらず、凝集している箇所が見られる。これは各具材のサイズと柔らかさが異なるためだと思う。

食べるために口に近付けると、もわっとした野菜の(根菜の)圧倒的な香りが押し寄せてくる。これはこれで良いと思うが、完全にヴィジュアル重視で作ったため味付けへのケアがなされておらず、いまいちだったことは言うまでもない。各具材を時間をかけてカットした労力が報われないこととなった..

 

 

松阪赤菜をテーマに3品を作ってみたが、全て見た目を活かすことに心が向いてしまい、素材の「味」を活かしたものではなかったと反省している。

 

 

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松阪赤菜 Matsusaka Akana the traditional ingredients of Mie, part 2

Ep.72

松阪赤菜 Matsusaka Akana is a kind of turnip and one of the traditional vegetables of Mie.  Reddish root and cane are characteristic.  Akana means just “red vegetable” in Japanese.

More than 400 years ago, it was brought to Matsusaka city from near region.  In 2001, a farmer with agricultural agency made it revive in present day.

 

Late October, I obtained this vegetables in market.  Let’s begin cooking!

 

My cuisine are below.

  1. Japanese pickle of Matsusaka Akana
  2. Western pickle of Matsusaka Akana
  3. Diverse colors rice with Matsusaka Akana

 

Two kind of pickles were good.  I thought I could make use of distinctive red color, but difficult in terms of “taste” as creative way.

 

https://www.hyakugo.co.jp/mie/pdf/subamie_201504_1.pdf

 

www.mie30.jp

 

美しき県庁所在地・津 ギャンブル編

Ep.71

ボートレース津は1952年に全国で初めてレースが行われた歴史ある競艇場だ。

先日、「ファン感謝オール津ター」が開催されていた。

 

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左の建物はツッキードーム

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ポップなボートレース

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私はボートレースについては、東京に住んでいたとき一度だけ多摩川ボートレース場に行ったことがある。建物は古く、舟券はその辺に落ちており、言葉は悪いが清潔なところではなかった。

だから津のボートレース場を訪れ、とてもキレイだったことに驚いた。しかも客層は年配の男性だけではなく、若い男女や子ども連れも結構来ていた。これは府中の東京競馬場に似ている。建物の作りも含めてアミューズメントパークみたいになっているのだ。

 

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ボートレースについて、最初の数レースを観察していて容易に気付くことは、この競技はスタートが内側の舟ほど有利だということだ。特に最内の1番は圧倒的だ。

3周で競われるのだが、最初の1周目をトップで帰ってきた舟がそのまま1着になる確率が高い。さらに言ってしまうと、最初のコーナーで大方勝負が決まると言ってもよい。

 

じゃあ簡単だ。1、2、3番の3連単で全フォーメーションを購入すればいい。

もちろん、この時点で高配当など期待できないのだが、来たからには当てたいというのが心情。

 

結果、一度も当たらなかった..

 

簡単に当たらないから面白い。

ボートレースもまた、津が誇る歴史と魅力の一つなのだ。

 

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津 Tsu, How beautiful this city is!  “gambling”

Ep.71

Boat race is public gambling same as horse racing, Keirin (bicycle race) and autobike race.  24 racecourses are located in whole of Japan.

The boat race Tsu held the oldest and epoch race in this history.  Tsu is the most important places in this game.

 

Now the facilities are good and look so clean.  Not only middle aged men, but young generation or families with kids enjoy racing.  It’s like amusement park!

 

www.boatrace-tsu.com

 

天狗堂(鈴鹿10座 6/10)

Ep.70

新たな挑戦「鈴鹿10座制覇」への道が始まった。

 

この前終わったんじゃないの? という方に説明すると、「鈴鹿セブンマウンテン」と「鈴鹿10座」は異なる。

前者が1964年に始まった登山大会に端を発するのに対し、後者は2015年、滋賀県東近江市鈴鹿山脈の西側)が当地の山々を広めるために制定したものだ。したがって比較的、東近江市から登りやすい鈴鹿山脈の山々が選定されている。

 

同様の試みで、亀山市は2018年、「亀山7座」を制定している。

これらの動きに呼応したのがおそらく松阪市で、彼らは2020年、「まつさか香肌イレブン」を制定し、自慢の香肌峡(かはだきょう)にある山々のPRを始めた。

そしてこれは私も最近知ったが、県南部の度会町も2019年、「わたらいセブンマウンテン」と称して町内の7つの低山を選定していた。

 

もはや収拾がつかなくなっている感もあるこの

「地名+数字+マウンテン」シリーズであるが、面白いのは自治体や山岳会が勇んで制定するものの、それが地元の人にも全然知られていないということだ。

 

 

鈴鹿10座の最初のターゲットは天狗堂(988m)に決めた。

なお鈴鹿セブンマウンテンの7つの山のうち、5つ(藤原岳・竜ヶ岳・釈迦ヶ岳御在所岳・雨乞岳)が鈴鹿10座と重複している。

私はすでに鈴鹿セブンマウンテンを制覇しているので、あと5つの山を登れば鈴鹿10座も制覇となる。

 

自宅から八風街道(はっぷうかいどう、国道421号線)を通って登山口に向かう。三重県滋賀県をつなぐ全長4.2kmの石榑(いしぐれ)トンネルを抜けると、左右の景色がすごい。山々に囲まれ、鈴鹿山脈の完全なる内部にいることを知覚できる。

さらに道を進んで集落の中へ。君ヶ畑町(きみがはたちょう)の大皇器地租(おおきみきぢそ)神社が登山口だ。

 

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大皇器地租神社 入り口

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登山口では「飛び出し坊や」が迎えてくれた。滋賀県のアイコンの一つだ。四日市でもよく見る。もちろん、こんなところから急に子どもが飛び出してくることはないから、この場では「さあ登るぞ」という意味ととらえる(今改めて見ると帽子をかぶっていた)。

 

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スタート!

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写真では全く伝わらないが、急な登りが続く。山頂までの最短距離を行く。一気には進めないので休みながら登る。

 

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木漏れ日が美しかった

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ある程度上まで来ると、非常に大きな石(岩)がごろついていた。実はこの岩がたくさんあるところが、いかにも天狗が棲んでいそうだということで「天狗堂」という山名の由来になったと言われている。

 

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山頂

 

登山口からずっと登り続け、少し開けたところに出たな、と思ったらそこが山頂だった。1時間10分程度で到着した。ここでは眺望がないのでこの先の展望岩まで足を延ばす。

 

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おーなかなかすごい! 一方向だけしか開けていないが、彼方に山々の連なりを確認できる。左側にあるのが鈴鹿山脈の最高峰・御池岳(1,247m)、右側にあるのが藤原岳(1,140m)のようだ。

 

昼食を食べているとやたらハエが寄ってくる(特にバナナ)ので、さっと切り上げて下山することにした。帰りは岩合谷登山口に出るルートにした。

 

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45分で下山できた。ここからは2km程度アスファルトの道を通って駐車場まで戻るだけだ。

「ゴォー」という水が流れる激しい音がする。左手に川が見えた。御池川だ。

 

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「これは川ではない。滝だ!」

を体現するかのような轟音と流れの速さだ。

渓流釣りをしている人もいる。ヤマメやイワナが釣れるのだろうか。

 

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君ヶ畑町の集落に戻ってきた。

こんなにも斜度のついた屋根は見たことがない。冬季の降雪が激しいためだろう。

それにしてもここは、限界集落と言ったら失礼だろうか。哀しく寂しい感じがする。でも誤解を恐れずに言うと、この雰囲気、私は好きだ。

 

それに興味深い。地図を見る限り、道はもっと山奥まで続いているが、ここよりも先に集落はないようだ。

30万年前にアフリカで誕生して6万年前に出アフリカをして世界に拡散していったホモサピエンスの、子孫の一集団が、この君ヶ畑で歩みを止めたことになる。

 

なぜここを終着点としたのか? もっと山奥に進もうとは思わなかったのか?

など考える。

この場所は既に近くの集落(町)からも相当離れた圧倒的な山奥なのだが、山や川の恵みを受けて暮らせるから、ここに定住しよう、と集団は思ったのかもしれない。

 

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超巨大杉

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高さ60mくらいはありそう

 

最後に大皇器地租神社に戻ってきた。平安時代皇位継承争いに敗れて都から逃れてきた惟喬親王(これたかしんのう、844年生)は、この地でろくろを発明し、木地師(きじし)の元祖になったという伝説があるらしい。そして惟喬親王を祭神として祀ったのがこの神社ということだ。

 

なんだかもう、この集落が放つ雰囲気に圧倒されっぱなしだ。

天狗堂への登山そのものよりも、君ヶ畑町が強く心にささった。

 

 

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天狗堂Tengudou

Ep.70

It has started climbing all 鈴鹿10座 Suzuka 10 za.  This is not Suzuka 7 mountains.

The First target was 天狗堂 (988m)Tengudou at 君ヶ畑Kimigahata town, Higashi-Ohmi city, Shigaprefecture.

 

Too precipitous way, it was exhausted.

Near the summit, I saw some rocks.  Actually it is said that this is the place where 天狗 Tenguseems to live, so people call this mountain天狗堂Tengudou.

The view at summit was great!  I could feel here, inside Suzuka mountains!

 

And also I impressed with 君ヶ畑Kimigahata town which was surrounded by deep mountains.

All house roofs were sloped extremely due to heavy snow in winter season.

It seemed that none stayed at almost houses.  Sadness, loneliness.. but I like this atmosphere.

This was hidden scenic area.

 

Achievement ;

Suzuka 10 za 6/10

 

おにぎり 2nd

Ep.69

四日市でおにぎりと言えば「おにぎりの桃太郎」(Ep.17参照)だが、県内には他にもおにぎりの専門店を見かける。

これまで私が暮らしてきたどの地域にも(東京でも地方でも)、こんなにおにぎり屋があるところはなかった。三重県の人たちはおにぎりが好きなのだろうか?

 

「おにぎり村」(菰野町

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菰野町のミルクロード沿いにある「おにぎり村」。注文を受けた後で店員さんが手にぎりしてくれる。もちろん美味しい。

周囲に田畑が広がる中にあって、突如目に入る駐車場に溢れんばかりの車。それはこのお店のおにぎり目当てのお客さんなのだった。三重に来てから割とすぐにこのお店の前を通った私には、衝撃の光景だった。

そんな「おにぎり村」だったが2021年7月をもって閉店したとのこと。

 

 

「一汁一飯」(津市)

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だしとおにぎりのお店「一汁一飯」。JAの隣にある。木材を基調とした内装と小ぶりでおしゃれなおにぎりがよく似合う。コンセプトが伝わる。

カップで飲むだし汁が圧倒的に美味しい。おにぎりの具は興味深いものが多いが、中でもホタテ貝柱とアスパラをバターであえたものが美味しく、組み合わせも妙で感銘を受けた。

 

 

「はらぺこおにぎり」(津市)

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松菱(Ep.65参照)の裏の通りにある。「はらぺこおにぎり」というお店の名前がいい。サイズは大きめ。

 

 

「おにぎりや 吉森商店」(鈴鹿市

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お米屋さんが始めた「おにぎりや 吉森商店」。注文をすると店員さんが手にぎりしてくれる。

 

今回のブログは適当な締めの文章が思い浮かばないため、このまま、結びとしたい。

 

 

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Rice ball 2nd

Ep.69

Rice ball chain stores, おにぎりの桃太郎 Onigiri no momotaro is famous for Yokkaichi.

But I often see other stores whole of Mie.

Do people love rice ball?

 

ichijyuippan.com

 

harapeko-onigiri.com

 

yyhm94.wixsite.com

 

 

東海3県

Ep.68

「脱炭素社会」

と聞いて違和感をいだく人はきっと私だけではないと思う。

 

世の中のムーヴメントについてではない。

呼称についてだ。

 

「脱炭素」と言うけれど、炭素とは私たち人間を含め、生きとし生けるものを構成している元素だ。

それを脱してどうする。脱して。

 

二酸化炭素社会」

と呼ぶのが適当だと思う。

 

私の専門は有機化学で、

有機化学とは偉そうに言うと「炭素-炭素結合を創り出す」技術であり学問だ。

だから「脱炭素」と言われると非常に戸惑う。

 

似たような概念で「カーボンニュートラル」というのもある。もちろん、これも変だ。

カーボンダイオキサイドニュートラル」

とするのが適当だと思う。

 

 

このように、世の中には

「一見すると正しそうだけどよくよく考えると変」

というような呼称や表現が、ある。

 

私にとってその一つは、

東海3県

というものだ。

 

愛知・岐阜・三重の3県を指して言うものだが、

 

静岡はどこへ行った??

 

という話だ(私は静岡県で2年間暮らしたことがあるので特にそう思う)。

 

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東海地方の地図 illust image HPより

 

私は現在の住まいが三重県四日市市)、妻の実家が静岡県袋井市)というメリットをいかし、ここは詳しく説明したい。

 

例えばNHKの平日夕方のニュースで、

三重県では18:10〜18:30まで「まるっと!」という東海3県のニュースが名古屋放送局からあった後、18:30〜19:00まで「まるっと!みえ」という三重県単独でのニュースが津放送局からある。

 

対して静岡はというと、18:10〜19:00まで「たっぷり静岡」という静岡県単独のニュースが静岡放送局からあるのだ。

 

気付かれたことと思う。「たっぷり静岡」というネーミングの妙を。

東海3県では、「それぞれの県単独でのニュースをたっぷりお伝えしていない」のだ。

一方静岡では、「県単独でのニュースを50分間たっぷりお伝えしている」のだ。

 

このネーミングは静岡による、他3県への皮肉なのではないかとも考えてしまう。

じゃあ静岡では何をたっぷりお伝えしているのか?

それは例えば、J1・清水エスパルスのホームゲームでキックオフ30分前のウォーミングアップの様子をアイスタから生中継でお伝えしたりしているのだ。

 

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NHK「まるっと!みえ」 HPより

 

「東海3県」の呼称はもちろんNHKだけではない。

愛知・岐阜・三重の3県知事はコロナ対応で連携し、揃って緊急事態宣言を出したり、共同メッセージを出したり、頻繁にオンライン会談をしている。

 

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三重県 HPより

 

静岡県はこの東海3連合に参画していない。これは一体どういうことなのだろうか?

見えてくるのは、この地方の兄貴分・名古屋の存在だ。

 

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名古屋市公式マスコットキャラクター はち丸 Twitterより

 

愛知県・岐阜県三重県で、人口・経済規模が最大の街は、それぞれ名古屋市岐阜市四日市市である。

そしてこの3市は、地図を見れば分かるように、地理的にギュッと集まっている。岐阜駅も四日市駅も、名古屋駅から電車で30分程度と近く、「中京圏」だ。

 

静岡県は違う。政令指定都市・浜松を含む県西部(遠州地方)でも中京圏ではない(在来線だと名古屋まで1時間半かかる)。

 

つまり東海3県とは、「名古屋という磁場のもとにある県たち」と言えそうだ(大方、この考察はあっていると思う)。

 

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NHK「たっぷり静岡」 HPより

 

私が好きなのは、アニキ・名古屋の弟たちへの思いやりや温かさだ。

この地域における名古屋の人口・経済・歴史は圧倒的で、下手をすると尊大になってもおかしくないのに、名古屋という内なる声を持つ愛知県は、岐阜県三重県といつも共同歩調をとってくれる。優しいのだ。

(余談だが、常に「愛知・岐阜・三重」という並びで呼ばれるので、次男が岐阜、三男が三重だ)

 

もちろん、その思いやりは静岡にも向けられている。

その証拠に、ちゃんと「東海3県の連携」とことわっているではないか。

愛知県(名古屋)は、「ほんとは静岡も東海の仲間やからね〜」

と伝えているのだ。

 

(*記事には著者の所感と妄想が入っています)

 

 

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Tokai region 3 prefectures

Ep.68

Tokai region is known for all 4 prefectures, Aichi, Gifu, Mie and Shizuoka.

But we often hear “Tokai region 3 prefectures”.  It means Aichi, Gifu and Mie.

Where is Shizuoka?

In my opinion, it is related to Nagoya.  This mega city has huge presence and influence in terms of economic or cultures for nearby cities historically.

As a result, almost area of Aichi, Gifu and Mie are under Nagoya city.  That's why these 3 prefectures often show mutual solidarity.

 

藤原岳(鈴鹿セブンマウンテン 7/7)

Ep.67

藤原岳(1,140m)はカレンフェルトと呼ばれる石灰岩地形とフクジュソウをはじめとした様々な花で有名な名山だ。

鈴鹿セブンマウンテンの中では、人気や知名度は盟主・御在所岳Ep.63334参照)に譲るとしても、No.2がこの藤原岳だと思う。

 

私にとっては鈴鹿セブンマウンテンの最後のターゲットだ。いなべ市の大貝戸(おおがいと)登山口からさっそくスタート!

 

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序盤は割と整備された道が続く。

このとき既に雨は上がっていたが、7合目を過ぎたあたりから霧が出てきた。

 

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9合目 霧で眺望がない

 

9合目を過ぎると、コケをよく見るようになってきた。木の幹にも生えていて、とても良い感じ。
 

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ラグみたいにふさふさのコケ

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さらに進むにつれ、徐々に石が多くなってきた。石灰岩だ。

石灰岩は遠目からだと色味が水色に見える。自ら発光してるかのようにチカチカしているが、近付いて見るともちろん白色だ。

光の散乱により、遠目からだと色味が異なるのだろうか? アニメ「一休さん」で五厘刈りの一休さんの頭が水色に描かれるのと同じことだろうか?(いや、多分違うか)

色味はさておき、石灰岩はくすんだ黄緑色の葉とも良く映えていた。

 

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山荘を越えると山頂まであと少し。ラストスパート! と意気込んだが、ここからが急激な登りでけっこうしんどかった。さらに霧が立ち込めているせいで山頂が目視で確認できないこともつらかった。
 

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ヒヨコの足みたいなコケ

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シダ

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視界不良で山頂は見えない

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そしてついにゴール! 1時間50分で登り終えた。

「セブン、制覇しました!」と心の中で言った(その場にいた誰かに言うのはやめておいた)。

 

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滋賀県方面 何も見えない

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昼食をとり終えた後の帰り道、小雨が降り出した。霧で山頂からの眺望はないし雨にも降られるし、残念だな、と最初は思った。

けれどその考えを改めたのは、シダやコケが圧倒的に水や水がある場所と相性が良いと思い始めたからだった。霧を背景に水に濡れたシダやコケはより美しくなり、幻想的ですらある。

むしろこの悪天候で良かった、とポジティブに捉えた。

 

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足元の小石ですら水に濡れていると趣がある

 

鈴鹿セブンマウンテンの7つの山の中で、藤原岳が一番すばらしいと思った。藤原岳を最後に残しておいて良かった、と思った。

 

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帰りの9合目 ここまで下ると霧がはれた。いなべ市が見渡せる

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最後は陽も出てきた

 

このようにして鈴鹿セブンマウンテンを巡る冒険が終わった。

全7つの山を制した。これは「鈴鹿セブンマウンテンのグランドスラム」とも言えるだろう。

 

ところで、この鈴鹿セブンマウンテンのグランドスラム達成者というのは、どれくらいいるものなのだろうか?

後日、私は会社の同僚たち(地元出身)に聞いてみた。社内や社外の友人・知り合いで達成者はいますか? と。

 

「そんな人おらへんよ」「聞いたことないっすね」

 

皆無だった。

鈴鹿セブンマウンテンのグランドスラム達成。それは快挙なのだった。多分。

 

 

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藤原岳 Fujiwara-dake

Ep.67

藤原岳 Fujiwara-dake (1,140m) is famous for karst landscape and various distinctive plants.  It’s one of the most popular mountains of climbing in this region.

For me, this was my last target for “Suzuka 7 mountains”.

 

Karrenfeld which meant uniqueness landscape by limestone was so fantastic scenery!

But also moss and fern were great.

I recognized first time both plants were familiar with “wet condition”.  This day, a bit of rain and fog made them more beautiful!

I was enjoying it.

 

In this way, I have accomplished climbing all 7 mountains!

It must be “the grand slum of Suzuka 7 mountains”.

 

Achievement ;

Suzuka 7 mountains 7/7

Accomplished!

 

フクユタカで手前味噌

Ep.66

三重県で栽培されている大豆のほとんどの品種は「フクユタカ」で、「三重県産フクユタカ使用」と明記してある豆腐や油揚げや納豆(Ep.61参照)をスーパーでよく見る。

 

味噌は見ない。それならば味噌も三重県産のフクユタカで作ってしまおうと思いたった。もちろん赤味噌は美味しい(Ep.13参照)が、自家製味噌は面白そうだ。

 

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仕込んだのは4月。

味噌作りは初めてなので本当に上手にできるのか半信半疑だった。

 

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セット完了

 

ここから2ヶ月間、完全に封印して中をチラ見することもなかった。

 

6月、「天地返し」を試みるためにドキドキしながら封印を解いたところ、なんと、我が味噌はカビで覆われてしまっていたのだった...(写真は自粛する)

妖しく青紫色に光るカビたちは、まるで過マンガン酸カリウム(KMnO4)のようだと思った。

 

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過マンガン酸カリウム wikipediaより

 

カビが生えたといっても、表面だけだろうと思った。

が、実際はかなり深部まで到達していたのだった。

 

掘っても掘っても出てくるカビに嫌気がさし、いっそのこと食べてやろうかと思った(何しろチーズはカビの発酵で作られるわけだし)。

だがあまりにも不気味すぎて断念した。

 

結局、カビが生えている箇所を除去するという作業により、仕込み量の4分の3を失ってしまったのだった。。

 

 

8月下旬、熟成終了の時期を迎えた。

仕込みから4ヶ月間と聞くと早いように思うが、説明書に従うことにした。

 

カビを恐れながら、開封する。

 

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カビはいない!! 安心した。

6月のときより豆の形は消失し、より発酵が進んでいた。色も濃くなり光沢も見られる。「味噌たまり」と呼ばれる汁も良い感じに出ていた。

これは期待できる!

 

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保管用のお皿に移す。市販の味噌と比べると、やはりまだ豆の形がけっこう残っていた。ドライカレーみたいだ。もっと熟成させても良かったなと思った。

 

そしてついに味見してみる。

 

・・・しょっぱい!!

味蕾(みらい)が破壊されるんじゃないか、と思うくらいしょっぱい。

仕込み時に塩を入れ過ぎたのだろうか?

これは失敗かな、と思った。

 

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しかしキュウリと一緒に食べてみたところ、しょっぱさはあまり感じなかった。野菜の豊富な水分で希釈されたためだろうか? 味噌がペーストじゃないのでうまく延ばせなかったが、味は美味しかった。

 

続いて本丸の味噌汁へ。

味噌汁は「味噌汁」と言うけれど最も重要なのは味噌ではなくだしだということを私は経験的に知っているので真剣にだしをとる。

昆布と煮干しとかつお節から、とる。

 

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一口飲んで驚いたことは、美味しかったことだ。

いやもちろん、美味しい味噌を目指して作ったのだが、途中経過のカビや直接舐めたときのしょっぱさを思うと、非常に意外だった。

 

味噌汁にするとしょっぱくない。

最初、味噌の分量がこれまでよりも少ないのかと思った。しかしその後、分量を調整したり具材を変えたりしてみても、そんな感じはしない。

むしろ甘みを感じる。あと煮干しが強く出るような気がする。

これが手作り味噌の特徴なのか、熟成が不十分なのか、あるいはフクユタカによるものなのかは分からないが、とにかく美味しい。

どんな具材と合わせても、美味しい。

 

という、まさに手前味噌(自慢)の話なのだった。

 

 

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Handmaking Miso

Ep.66

In Mie, I often see Tofu, Abura-age and Natto which are made from domestic soy, Fukuyutaka.

With using Fukuyutaka, I came up with doing handmaking Miso.

 

In April, I was ready for ferment process.

Two months later, I opened the container.  Oops!, mold was covered with almost whole of bulk of soy!

Due to removal of mold, 3/4 quantity of initial was lost...  I was deeply disappointed.

 

In August, let the ferment process finish.  Fortunately it seemed that there were no mold!  Soy have proceeded with ferment and converted to paste, Miso.  Color was changed and smell was good.

I tried a small quantity of it... ummmm.. too salt!

 

But when I eat miso soup with it, the taste is nice, not salty.  It’s interesting.

After that I try a variety of miso soup with some ingredients.  In the result, all of them are yummy!

I am satisfied with this handmaking miso so much.

 

美しき県庁所在地・津 松菱編

Ep.65

私は百貨店(デパート)が好きなので近鉄四日市駅にある近鉄百貨店は毎週末訪れている。

 

品があって格が高いところが好きだ。商品の質も安心感も店員さんの接客する力も。これらはイオンに対してまさっていることだと思う。

 

家から自転車で行ける距離に百貨店があるのはすばらしいことだ。

なので私は、地方で百貨店が苦戦を強いられ、消滅していく現況を憂えている者の一人だ。

 

 

三重県の県庁所在地・津にも唯一の百貨店がある。

「松菱(まつびし)」である。

静岡県浜松市にも松菱があったが、こちらは2001年に閉店した)

 

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県内で百貨店というと四日市近鉄と津の松菱くらいしか聞かないから、この2つしかないのではないか? 東京で暮らしたことがある人からすると少なすぎて拍子抜けするかもしれない。

 

もちろん私は松菱も好きだ。

用事があって津に行ったときは、必ず松菱に寄っている。百貨店は、ただ店内をぶらつくだけでも楽しいのだ(実際には何かしら購入しているが)。

平日も休日も松菱に行ったことがあるが、残念ながらお客さんの数は大変少ない。

(近くにある「イオンモール津南」には、松菱の10倍はお客さんがいる)

 

けれども先日、「松菱すごい!」と感じたできごとがあった。

 

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ある日曜日、運転免許の更新を済ませた私は、松菱の「喫茶パプリカ」で昼食をとることにした。

 

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注文して料理を待っていると、藍色の美しいお着物と白い帯を召した年配のご婦人が独りで入店してこられた。

ナポリタンスパ」

と仰って注文されたのは、私と同じ料理だった。

 

着物を召した品のあるご婦人がお買い物に来る。さすがは松菱、と思った。

お昼時だが店内にお客は私とそのご婦人しかいない。とても落ち着いた静かな空間だった。

イオンの雑多なフードコートとは異なるものだった。

 

しばらくすると私たちのもとに注文した料理がやってきた。

熱々のスキレットに薄く伸ばした卵が敷かれ、その上にナポリタンがのっている。

これは非中京圏の人間から「鉄板ナポリタン」と呼ばれているもので、いわゆる名古屋メシの一つだ。

 

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やっぱり津も中京圏なんだな〜、と思ったりして興味深く、じっくり料理を味わっていると、例のご婦人はさっと食べ終えたようで、

「とても美味しかった。ご馳走様」

と仰って、さっとお会計を済ませて出て行かれた。

 

私はご婦人の一連の所作に痺(しび)れていた。

あまりにも品があって優雅すぎる!

 

中京圏出身の私にとっては、「ご当地メシを食べる」というマインドだが、そのご婦人にとっては、地元の百貨店へお買い物に出掛け、美味しい昼食を頂く、というにすぎなかった。

 

それまで私は、鉄板ナポリタンを数ある名古屋メシの中でも色眼鏡で見てきた。この地域の出身ではない人間にとっては、味そのものよりも見た目の特異性・もの珍しさに意識が先行してしまう傾向があるはずだ(あと「あんかけスパ」も)。

しかしそのご婦人の姿を見て誤りだったと気付いた。

鉄板ナポリタンは、この地に根付いた文化そのものなのだ。

 

付け加えると、このお店の鉄板ナポリタンはめちゃくちゃ美味しかった。

斜め切りのウィンナー、輪切りのピーマン、薄切りのタマネギ。柔らかい麺とよく絡みあったトマトケチャップ。

保守本流ナポリタンだった。

 

美しき県庁所在地・津にある唯一の百貨店は、この地域の文化を体現しているのだ。

 

 

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津 Tsu, How beautiful this city is!  “松菱 Matsubishi

Ep.65

I love department store.

There are variety of high quality products and good customer services.  It means high grade store compared to other retailing.

 

Mie’s prefectural city, Tsu has their only department store, 松菱 Matsubishi.

 

In the restaurant there, we can try 鉄板ナポリタン Teppan-Napolitan which is one of 名古屋メシ Nagoya-meshi.

Diagonal cutting sausages, round sliced of bell peppers and tomato ketchup dressed with too soft spaghetti noodle.

It means perfectly ナポリタン Napolitan spaghetti, of course the taste is good.  It’s truly awesome!

 

Matsubishi serves us distinctive culture of their region.

 

tsu-matsubishi.co.jp

 

雨乞岳(鈴鹿セブンマウンテン 6/7)

Ep.64

8月の終わりに雨乞岳(1,238m)へ。鈴鹿セブンマウンテンの中では最も滋賀県側に位置し、その昔、山頂にある池で雨乞いの儀式が行われていたらしい。

武平峠(ぶへいとうげ)の登山口から登ることにした。ここは既に滋賀県だ。私はこれまで鈴鹿スカイラインをここまで西に来たことがなかったため、自宅から車で30分程度で甲賀市に入るのは意外だった。

 

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山登り開始!

序盤は激しく木の根が浮き出た道。歩くのに苦労する。

 

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実はこの雨乞岳を登るにあたり、少し懸念していたことがあった。ガイドブックなどを見ると迷いやすいので注意するようにとのこと。特に今回私は単独で登っていたためなおさらだ。

 

ただ実際に歩いてみた感じだと、リボン(カラーテープ)をしっかり確認して進めば迷うことはないな、という感触を得ていた。

 

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そんなわけだから、上の写真の④番を通過した後、10分後に再び④番の場所に出たときは狐につままれたようだった。

 

迷ってるじゃん!

と心の中で思った。同時に、いつの間にか来た道を戻っていたことに気付かなかった自分に失望した。

今度は慎重に進む。

すると先ほどは見なかったリボンがあることに気付いた。そちらが前へ進む方の目印だった。つまりさっきは狭い範囲でぐるっと一周していたようだった。

 

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歩き始めから1時間半経ってようやく開けた場所に出た。陽も出てきた。

ここからは笹の道を通ってまずは東雨乞岳へ。

 

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360°周囲が見渡せる。三重県側はわずかに山々のすき間から人の集落が見えた。滋賀県側は幾重にも連なった山々しか見えない。

続いて雨乞岳の山頂を目指す。

 

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笹の中の一本道で雨乞岳山頂へ

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山頂に近づくにつれどんどん笹が深くなっていく。これは面白い!

箇所によっては私の背丈よりも高い笹を、前かがみになって両手でかき分けながら(平泳ぎみたいに)前に進むという冗談みたいな道だった。

 

そして登頂! 2時間20分かかった。

 

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山頂にあったコースマップを私が見ていると、今登頂し終えたばかりの見知らぬおっちゃんから、

「セブン、制覇しました!」

と突然声をかけられた。

私は、

「えっ? あ、おめでとうございます! すごいですね」

と応えた。

 

セブンとは、鈴鹿セブンマウンテンのことだ。その人は今をもって鈴鹿セブンマウンテンを全て登り終えたもよう。その嬉しさを誰かに伝えたかったようだ。

 

そういう意味では、私もこの雨乞岳の登頂完了で残すはとうとうあと一つだけだ。

私も制覇したあかつきには、誰かに「セブン、制覇しました!」と話しかけてみようかなと思ったのだった。

 

 

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雨乞岳 Amagoi-dake

Ep.64

Late August, I hiked 雨乞岳 Amagoi-dake (1,238m) which was my 6th target of Suzuka seven mountains.

I walked carefully while checking ribbons which indicated route.

 

Near the peak, I had to go forward the path which was covered with high dwarf bamboo grass.  Interesting!

 

Achievement ;

Suzuka 7 mountains 6/7

 

四日市JCT下

Ep.63

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もしあなたが自家用車で東名高速を走っていて、名古屋よりも西、関西方面に行こうとするとき、あなたは四日市ジャンクションJCT)で選択を迫られる。

 

東名阪(ひがしめいはん)自動車道を行くか、

新名神(しんめいしん)高速道路を行くか。

 

上図 Google mapでエックス “X” のごとく示される四日市JCTにおいて、

左下が東名阪、左上が新名神だ。たいていの人は東名阪を選ぶかもしれない。

(両者はこの先の亀山JCTで再び交わる)

 

一方、関西から東に行こうとする場合も同様だ。

東名阪で名古屋中心部に向かうか(Xの右上)、

伊勢湾岸道で最短ルートを行くか(Xの右下)。

 

今回は「四日市JCT下」という奇妙なタイトルで書いてみたいと思う。

 

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2年前の秋、東京のメーカーを退職することになった私は、部署の方たちに送別会を開いてもらっていた。

転職先は四日市になることを言うと、一人の年配社員の方が話しかけてくれた。

 

四日市と言えば四日市ジャンクションだよね! あそこ混むんだよね〜」

 

そのとき私は四日市周辺の地理など詳しくなく、四日市JCTの存在も知らなかったため、

「へー、そうなんですか」

と答える以外になかった。

私はそれまでその社員の方と一度もお話したことがなかった。地元が大阪というその方は、帰省の際は一家で車に乗って帰るのだという。

 

驚くべきことに、「四日市と言えば四日市JCT」とする人が、その方以外に少なくとも3人はいた。

そこに至って私が気付いたことは、東京のように東日本で働いているが地元や故郷は西日本、という人の中で、一定数は自家用車で帰省している、という事実だった。

彼らは必然的に東名を利用するから、名古屋を抜けた後、待ち受けるのが四日市JCTなのだ。

 

 

その後、四日市で暮らし始めてから四日市JCTの存在を意識することはなかった。

そんな折、休日に会社の自転車部の人たちとサイクリングをした際、四日市JCTの下を通る機会があった。

そのとき私は、初めて高速道路のジャンクションというものを真下からまじまじと観、その「造形美」とも言えるものに興味を持ったのだった。

 

そんな経緯があったので、今回あらためて四日市JCT下を訪れ、撮影を試みた。

ジャンクション下の「世界」の全貌を知ってもらえると幸いだ。

 

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「直線」と「曲線」

この幾何学的な美しさがJCT下の特異な世界を形成しているのかもしれない。

 

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ジャンクション上を車で走っていて凄い景色だなと思うことはあった。

例えば私にとっては都心から地元・茨城に帰る際の、常磐道に入る前にある「堀切JCT」などがそうだ。荒川や隅田川をまたぎながら、向こうに見えるのはスカイツリーや大都会のビル群。

人類はよくこんなモノ造ったな、と思うほど、壮大な建造物であり圧巻の景色だ。

 

けれど、違う感動がジャンクション下にはある。

四日市JCTを利用するドライバーの皆さん。今度ここの上を通る際は、この下に存在する特異な世界に思いを馳せてみては?

 

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Under the Yokkaichi junction

Ep.63

Yokkaichi has Yokkaichi junction.

It’s very important high-way intersection which links East to West area of Japan.

 

When I rode under Yokkaichi junction by bicycle, the sight and shape of that made me strong impression.

So in this episode, I tried taking photos.

 

I hope you feel and recognize an another world, “Under the Yokkaichi junction”.

 

鶏の唐揚げ

Ep.62

四日市で「鶏」と言えば三昌物産(株)だ。

 

市内の塩浜に本社を持つこの会社は、「大地のめぐみ」などの卵や「とりあん」を展開している。

りあん大分県発祥の唐揚げ専門店だが、四日市市内の店舗には三昌物産が鶏肉を提供しているようだ。

 

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りあん 松本街道店

 

鶏肉の専門業社が提供していることもあり、さまざまな部位の唐揚げが販売されているのが特徴だ。

鶏の唐揚げについては、とりあんに限らず専門店をたまに目にする(「からやま」や「から好し」など)ので、その人気がうかがえる。

 

正直に言うと、私はこの人気を理解していない。

というのも、鶏の唐揚げなど自宅で速攻で作れるからだ。10分あれば作れてしまう。レシピでは、ニンニク入り醤油に漬けて冷蔵庫で半日置く、と書かれているものを見るが、最終的にポン酢やマヨネーズにつけて食べるのなら下味はいらない。

加えて、自宅で必ず美味しく作れる。鶏の唐揚げは不味くはなりえない。

量も、大きさも、味付けも、揚げ具合も自分でコントロールできるのだから自宅で作るにこしたことはない。

 

 

という自論だったのだが、四日市市内の老舗洋食屋「金鯱山(きんこざん)」でランチをしたとき、美味しい鶏の唐揚げに出会った。

 

それは鶏のムネ肉かササミの小さなピースの唐揚げを海苔で巻いたもので、イソアゲ(磯揚げ)とあった。海苔の香りが決定的に効いていて、ポン酢ともあっていた。私はそれまで、鶏の唐揚げというと「プレーン」しか頭になかったので、このように他の食材と組み合わせること(ソースとは別に)は発見だった。

 

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金鯱山のランチ

 

というわけで自分でも料理してみる。四日市を代表する老舗の味の再現だ。

ただし、より高次な「磯」の香りを付与させたいという狙いもあって「アオサ」も使うことにした。

もちろん、三重県はアオサノリの生産量全国No.1だからだ(伊勢・志摩・鳥羽などの海で養殖されている)。

 

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鶏のササミを一口サイズにカットして、それとアオサを海苔で巻いて揚げた。

 

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まあ、見た目はなかなか良いんじゃないか?笑

こうして「鶏の唐揚げwith磯の香りダブルパンチ」が完成した。

 

そして食べる。

海苔もアオサも確かに感じる! ただ、固くて噛み切るのに苦労する。この原因は、一巻きしたあと余った海苔をカットするのが面倒くさかったため、二重三重にしたことで厚みを増してしまったためなのだった。

 

ポン酢やそばつゆともよくあい、割と満足していたのだが、3個目を食べ終わったあたりから気持ち悪くなり始めた。

それはおそらく、海苔が油を吸いすぎているためだ。

なぜ油を吸うかというと、表面積が大きいからではないか? 海苔は見た目はシート状だが、ミクロレベルで見るとおそらく三次元網目構造なので、油の分子を吸着しやすいのだ、と考察してみる。

その真偽は別として、油っこかったのは事実だ。

 

金鯱山のイソアゲは精巧な設計と技術をもとにできているのだ。

 

 

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“Fried chicken with double scent of sea”

Ep.62

Japanese love fried chicken so much.

When I went to lunch at a restaurant in Yokkaichi, I was impressed with small piece of fried chicken which was rolled by 海苔 seaweed.

The scent of seaweed was harmonized with fried chicken.  It was awesome!

 

So I tried cooking it at my home.

I came up with using not only seaweed, but “アオサノリ sea lettuce seaweed” which was one of the specialty of Mie.

 

In this way, I completed “Fried chicken with double scent of sea”.

Two kind of sea ingredients brought double scent of sea!  That was nice.

On the other hand, it absorbed so much oil.. due to long seaweed maybe..

Totally, it was okay.

 

www.sansho-bussan.co.jp

 

tabelog.com

 

 

都納豆(みやこなっとう)

Ep.61

私は納豆が好きだがそれは茨城県出身だからではない。

 

「納豆イコール茨城県のアイコン」

のイメージを多くの人が抱いているのはなぜだろう?

 

 

2002年8月、高校二年生だった私は、茨城インターハイのボランティアにかり出されていた。

つくば市がバドミントンの開催地で、私の高校の体育館が試合会場の一つに選ばれていたからだ。そしてインターハイの開催地の現役の運動部員というのは、手伝い要員にされるらしい。

そんな訳で、ラグビー部員だった私は、試合会場(体育館)を利用する大会関係者の車両を、専用駐車場に案内するという役割を命じられたのだった。

 

自分の高校の体育館でインターハイの試合が行われていること、つまりは各県の王者が集い全国No.1を決める戦いが行われている、というのは現実感がなかった。

母校の体育館は特別に優れているわけではなく、何の変哲もない体育館なので、

こんなところで人生を賭けた試合をさせるのは可哀想だろ

と思ったりもした。

 

私が駐車場係をしていると、ジャージを着た男の子がやって来て、話しかけられた。

監督に「◯◯を買ってきてくれ」と頼まれたらしく、「最寄りのスーパーはどこにありますか?」ということだった。

◯◯が何だったかは覚えていない。青森山田高校の選手だった。

 

駐車場係とは言うもののごくたまにしか車両は来ず、炎天下、パイプ椅子に座ってラグビーマガジンを読みながらアクエリアスを飲んでいた(大会スポンサーが日本コカ・コーラ社だったため飲み放題だった)時間が大半だった私は、駐車場係はもう一人に任せる(二人1組だったので)こととして、その彼を案内することにした。

そして竹園ショッピングセンターまでの道中、何を思ったか、青森から来た彼に

茨城県と言えば何が思い浮かびますか?」

という質問を浴びせたのだ。

 

突然の質問に戸惑いながらも彼は

「え? う〜ん、、納豆!!」

と答えたのだった。

 

ひゃ〜、やっぱり納豆か、と内心思いつつ「納豆以外だと?」と私。

「う〜ん、、、、納豆!」

と繰り返したのだった。

 

彼の中で茨城県のイメージは納豆しかないのだな、と当時は少し残念に思ったのだが、今振り返ると、これは完全に私の質問が悪かったと思っている。「◯◯県のイメージは?」という乱暴な質問がまず腹立たしいし、双方が納得する回答になることは不可能に近い。

 

いずれにしても「納豆イコール茨城県のアイコン」は、私の実体験を伴うものだ。

(ただしその認識は茨城県の中でも水戸市周辺だけであると思う。つくば市鹿嶋市下妻市に納豆をキーワードとする歴史や象徴的な何かがあるかと問われると、ない。皆無だ)

 

 

茨城県では「くめ納豆」(ミツカンのブランド)が一番人気で、「おかめ納豆」(タカノフーズ(株)のブランド)も人気だ。県内のスーパー(例えばカスミ つくば大穂店)では、納豆コーナーの4/5がくめ納豆とおかめ納豆で占められている。

これらは四日市市内のスーパーでも売られているが、ここでは「都納豆(みやこなっとう)」が人気だ。市内のスーパー(例えば一号館 松本店)では、納豆コーナーの2/5が都納豆で占められているのだ。

都納豆は桑名市に本社と工場を置く小杉食品(株)のブランドだ。

 

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私は都納豆を好んで食べている(と言うかこれしか食べていない)。

商品の種類が非常に多く、「ご当地納豆」のニュアンス以上にとても存在感のあるブランドなのだ。

 

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都納豆 Miyako Natto

Ep.61

Natto may be recognized “the symbolic food of Ibaraki prefecture” by lots of people.

But Mie has their brand “都納豆 Miyako Natto”.

It is produced by a local company which located in Kuwana city.

 

At supermarkets here, various type of this brand are occupied shelves.

I often try and like them so much!

 

www.miyakonattou.com