みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

フクユタカで手前味噌

Ep.66

三重県で栽培されている大豆のほとんどの品種は「フクユタカ」で、「三重県産フクユタカ使用」と明記してある豆腐や油揚げや納豆(Ep.61参照)をスーパーでよく見る。

 

味噌は見ない。それならば味噌も三重県産のフクユタカで作ってしまおうと思いたった。もちろん赤味噌は美味しい(Ep.13参照)が、自家製味噌は面白そうだ。

 

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仕込んだのは4月。

味噌作りは初めてなので本当に上手にできるのか半信半疑だった。

 

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セット完了

 

ここから2ヶ月間、完全に封印して中をチラ見することもなかった。

 

6月、「天地返し」を試みるためにドキドキしながら封印を解いたところ、なんと、我が味噌はカビで覆われてしまっていたのだった...(写真は自粛する)

妖しく青紫色に光るカビたちは、まるで過マンガン酸カリウム(KMnO4)のようだと思った。

 

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過マンガン酸カリウム wikipediaより

 

カビが生えたといっても、表面だけだろうと思った。

が、実際はかなり深部まで到達していたのだった。

 

掘っても掘っても出てくるカビに嫌気がさし、いっそのこと食べてやろうかと思った(何しろチーズはカビの発酵で作られるわけだし)。

だがあまりにも不気味すぎて断念した。

 

結局、カビが生えている箇所を除去するという作業により、仕込み量の4分の3を失ってしまったのだった。。

 

 

8月下旬、熟成終了の時期を迎えた。

仕込みから4ヶ月間と聞くと早いように思うが、説明書に従うことにした。

 

カビを恐れながら、開封する。

 

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カビはいない!! 安心した。

6月のときより豆の形は消失し、より発酵が進んでいた。色も濃くなり光沢も見られる。「味噌たまり」と呼ばれる汁も良い感じに出ていた。

これは期待できる!

 

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保管用のお皿に移す。市販の味噌と比べると、やはりまだ豆の形がけっこう残っていた。ドライカレーみたいだ。もっと熟成させても良かったなと思った。

 

そしてついに味見してみる。

 

・・・しょっぱい!!

味蕾(みらい)が破壊されるんじゃないか、と思うくらいしょっぱい。

仕込み時に塩を入れ過ぎたのだろうか?

これは失敗かな、と思った。

 

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しかしキュウリと一緒に食べてみたところ、しょっぱさはあまり感じなかった。野菜の豊富な水分で希釈されたためだろうか? 味噌がペーストじゃないのでうまく延ばせなかったが、味は美味しかった。

 

続いて本丸の味噌汁へ。

味噌汁は「味噌汁」と言うけれど最も重要なのは味噌ではなくだしだということを私は経験的に知っているので真剣にだしをとる。

昆布と煮干しとかつお節から、とる。

 

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一口飲んで驚いたことは、美味しかったことだ。

いやもちろん、美味しい味噌を目指して作ったのだが、途中経過のカビや直接舐めたときのしょっぱさを思うと、非常に意外だった。

 

味噌汁にするとしょっぱくない。

最初、味噌の分量がこれまでよりも少ないのかと思った。しかしその後、分量を調整したり具材を変えたりしてみても、そんな感じはしない。

むしろ甘みを感じる。あと煮干しが強く出るような気がする。

これが手作り味噌の特徴なのか、熟成が不十分なのか、あるいはフクユタカによるものなのかは分からないが、とにかく美味しい。

どんな具材と合わせても、美味しい。

 

という、まさに手前味噌(自慢)の話なのだった。

 

 

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Handmaking Miso

Ep.66

In Mie, I often see Tofu, Abura-age and Natto which are made from domestic soy, Fukuyutaka.

With using Fukuyutaka, I came up with doing handmaking Miso.

 

In April, I was ready for ferment process.

Two months later, I opened the container.  Oops!, mold was covered with almost whole of bulk of soy!

Due to removal of mold, 3/4 quantity of initial was lost...  I was deeply disappointed.

 

In August, let the ferment process finish.  Fortunately it seemed that there were no mold!  Soy have proceeded with ferment and converted to paste, Miso.  Color was changed and smell was good.

I tried a small quantity of it... ummmm.. too salt!

 

But when I eat miso soup with it, the taste is nice, not salty.  It’s interesting.

After that I try a variety of miso soup with some ingredients.  In the result, all of them are yummy!

I am satisfied with this handmaking miso so much.