Ep.196
1874年創立創設。本キャンパスの所在地は津市。
人文・教育・医・工・生物資源学部からなり、学生数は8,500人。
三重県が誇る唯一の国立大学である。
秋は大学祭のシーズン。
11月に開催された「第75回三重大学祭 津一色」を訪れた。
津市の上浜(かみはま)キャンパスである。
学生たちの笑顔がまぶしい。みんな楽しんでるのがよく分かる。
私も大学時代、こんな風に心から笑っていたのかな〜?
三重大学の学生は県南部の出身者が多いかもしれないな、とふと思った。
県北部、少なくとも鈴鹿市あたりまでは名古屋に出やすいし中京圏だ。大学進学にあたり名古屋や県外へ、という選択肢も少なくないだろう。南下して津市のキャンパスに通うというのは名古屋とは逆方向であるし。
北勢地地域の人たちの意識や「目」が名古屋に向く中、きっと、三重県南部の人たちはそうじゃないんじゃないか。南勢地域や熊野地域に住む人たちにとって津は魅力的な都市に映るはずだ。
茨城県で、県北地域の人が水戸に憧れ、魅力を感じ、「水戸がいい」と茨城大学に行く一方で、県南地域の人がイバダイではなく東京の大学を志向するのと同じように。
三重県南部というのは地形的に「行き止まり」のような地域だ。
隣の和歌山県や奈良県に行くにも険しい山に囲まれているし、名古屋にも関西にも時間をかけて北上して出る必要がある。
そんな地に住む彼らが、三重大学に、津のキャンパスにたくさん来ているのであれば素敵だなと思った。
23年12月、注目すべきニュースが流れた。
四日市市が、JR四日市駅周辺の活性化のため「大学のキャンパス誘致」に向けて素案を作成しているというのだ。
JR四日市駅の駅舎といえばフェリー乗り場か?とも思えるほど小さくて老朽化して閑散とした場所。筆者はこの一帯をオールド四日市エリアと称している(Ep.7参照)。
近鉄四日市駅周辺とは残酷なまでに雲泥の差があり、規模・人の多さ・商業施設の点で近鉄駅が「100」ならJR駅が「1」といったところ。
JR四日市駅とは、30万人都心・四日市の名の体を成していないものとなっている。
ニュースには更にこうあった。
「理・工・情報学など理系分野を中心に学部と大学院を設ける」
「校舎は駅舎と一体化を想定する」!!??
大学と学生のパワーを借りてJR四日市駅を活性化するというわけか。
どこか手を挙げる大学はあるのかな〜と思っていたら、24年1月、本件に関して続報が出た。
北勢地域の商工会で作る組織が、
「工学部系学部・研究科の大学をJR四日市駅前に新設するよう、三重大学に要望した」
とのことだった。
しかも彼らは三重大学まで訪ねて行き学長に要望書を手渡したとのことだ。
な〜んだ。と思った。
「大学のキャンパスを誘致」と言ってもちゃんと本命はあったのだ。三重大学に来て欲しかったのだ。
商工会組織が要望書を出したというのも要着目だ。市は表だって動くことを避け裏で糸を引いているのだろうか?
工業都市・四日市には化学を中心にメーカーが多いことは言うまでもない。理系人材の不足が叫ばれる中、確保に有利になると市は考えたようだ。
三重大学としてどうだろう?
キャンパスも工学部も歴史があるので、施設が老朽化しているならば、新しい土地で新しい建物と設備に更新するアイデアも良しと思っているかもしれない。
四日市と津は電車でもクルマでも1時間程度で移動できるため交通の便も悪くなさそうだ。
茨城大学が、県庁所在地・水戸が本キャンパス、日立が工学部のキャンパス、であるのと似ているだろうか。
現在のところ三重大学としては前向きに検討しているようである。
今後大きな動きがあるのか、三重大学とJR四日市駅。要注目なのだった。
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Mie University
Ep.196
Mie University is the only national university of Mie opened in 1874.
In November, it’s the season of university’s festa. That scale was so big and I saw smiling faces of many students everywhere!
It seemed that all of people had a nice time.