みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

JR紀勢線 新時代の幕開け!? in 亀山

Ep.187

JR紀勢(きせい)線

亀山駅紀伊半島を周って和歌山市駅を結ぶ(伊州を結ぶ)、JRの幹線である。

路線距離は384km、実に96駅に及ぶ。

 

今回は松阪駅から亀山駅へ向かってみよう。

 

 

松阪駅Ep.184参照)から津駅までは4駅20分。六軒駅→高茶屋駅Ep.127参照)阿漕駅(“アコギな商売”の語源である“あこぎ”)を経て津駅へ。

津駅を出ると一身田駅(いっしんでん。専修寺伊勢木綿の場所。Ep.5560参照)へ。

 

しかし一身田を過ぎるとたちまち林になった。

文字通りの林である。沿線には建物が見えない。民家もない。

県庁所在地・津市の中心である津駅を1駅過ぎるとこの様相。つくづく三重県とは自然あふれる場所である。

 

 

下庄(しものしょう)駅へ。林感は更に高まり、そして亀山駅へ到着した。

 

 

亀山市Ep.101参照)四日市市鈴鹿市らとともに北勢地域を構成する市の一つであるが、これらとは大きく異なる圧倒的な田舎の市である。

もちろん四日市鈴鹿も田舎エリアはあるが、亀山は根本的に異なる。

「市内全域が田舎」という言い方が正しい。

 

しかし近年、それが大きく変化しそうな兆しがある。

新時代の到来”とも言えるかもしれない。

その嚆矢が亀山駅のリニューアルである。

 

 

 

ヤマトタケルノミコトが没した地>

亀山とは、神話の英雄、ヤマトタケルノミコトが亡くなった地である。Ep.163176参照)

しかし、いまいち知られていない。

 

ヤマトタケルノミコトと関連が深い「三重」四日市市三重)や杖衝坂(つえつきざか)を経て、大和の国(現在の奈良県)に向かう道中、この亀山で力尽きたとされる。

亀山駅前にはモニュメントが設けられた。

 

ヤマトタケルノミコトと妃・オトタチバナヒメの像。亀山市名誉市民の彫刻家・中村晋也氏の作

 

 

<瑞宝軒>

亀山を代表する老舗菓子屋「瑞宝軒(ずいほうけん)」。駅とともにリニューアルしてカフェもできた。

銘菓「亀乃尾(かめのお)」と「龍乃髭(りゅうのひげ)」が同菓子店のツートップである。

 

亀乃尾

龍乃髭

 

 

亀山市立図書館>

駅と並ぶもう一つの目玉が亀山市立図書館のリニューアルだった。

 

地域NEWS 号外NETより

 

外観も内装も現代的になった。

図書館はどこの街にもあるものだけれど、昔ながらの古〜い図書館というのが近年続々と生まれ変わっていて、両極端になっている気がする。

近隣で言うと四日市市鈴鹿市の図書館は古い。桑名市菰野町の図書館は新しい。そして新しい図書館は画一的ではないところがいい。新しくて美しいと、市民が足を運ぶ回数も増える。

 

亀山7座(Ep.70参照)

亀山市出身の故・尾崎隆氏。鈴鹿山脈から世界の8000m級の山々に挑んだ世界的な登山家

 

郷土の歴史や風土、著者や作品を紹介する展示を設けるのも図書館に求められる役割かもしれない。

 

志賀直哉江戸川乱歩坂口安吾。みな亀山と縁のある作家である

 

 

地域を変える? リニアモーターカー

リニア中央新幹線 鉄道コム より

 

近隣自治体の長や一部の政治家たちが期待しているのがリニアモーターカーの名古屋以西(〜大阪)への延伸である。

三重県では亀山市内が新設駅の予定地なので、これができたらこの地域の様相が変わるかもしれない。

以前にも記したが、近鉄鈴鹿線には終点の平田町駅からリニア新駅に接続させるために延伸する計画がある。Ep.166参照)

 

鉄道プレスネットより

 

個人的にはリニア計画には反対だ。

理由は、イニシャルコストもランニングコストも莫大にかかり過ぎていつまでも元が取れないと思うから。そんなのはやめた方がいい。

 

リニアモーターカーでは原理上「超伝導磁石」が用いられる。私は無機化学の専門ではないがこの磁石を構成する元素(金属)が希少で高価で産地も限られていることくらい調べなくても分かる。(調べるとTa(タンタル)とNb(ニオブ)だった)

 

超伝導にするためには「極低温」にする必要がある。電気抵抗をゼロにする必要があるからだ。

ある程度の温度まで冷却するには液体窒素で可能だが、究極的に冷やすとなると「液体ヘリウム」の力を借りるしかない。(調べるとリニアで求められるのは−269℃だった)

そしてヘリウム(ガス)は(あくまで少量)吸うと「変な声」になるためにかつては余興の小道具として用いられることもあったが、昨今では価格が高騰して「高価なガス」になっているのだ。

(磁性・低温・ヘリウム。こうしてキーワードを並べるとリニアモーターカーとは有機化学者にとって馴染みのあるNMR(核磁気共鳴分析)装置とシステムが似ていることに気付いた)

 

つまり、リニアモーターカーとはイニシャルコスト(車両やレールに用いられる磁石)もランニングコスト(日々の運行に用いられる液体ヘリウム)も、莫大にかかるということになる。

 

山梨県立リニア見学センター HPより

 

というようなことを私は以前から漠然と考えていた。

が、上記のような観点からリニアの賛否を論じているところを、不思議なことに私は一度も見たことがなかった。

 

そうしているうちにロシアによるウクライナ侵攻が始まり(ロシアはヘリウムの数少ない産出国の一つ)、地政学的リスクなどが語られ始めた。

ヘリウムもタンタルもニオブも、希少元素はますます高価になるし入手しにくくなるだろう。今後何十年も何百年も価格は高騰し続けるかもしれない。

 

リニア推進論者はこの点について正面から語らなければダメだろう。

リニアモーターカーの開通によって新時代の幕開けとなるか亀山市?!

それはまだ見通せないのだった。

 

 

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JR Kisei Line “Kameyama, the new era coming?”

Ep.187

Kameyama, it’s a very rural city compared to Yokkaichi or Suzuka mean an industrial city of the north area of Mie.

We might notice that it is true when we are on JR Kisei Line from Matsusaka to Kameyama station.

 

But will the new era begin?

Recent years, Kameyama station has been renewed in anticipation of the opening “Linear Chuo Shinkansen (Linear Motor Car).

 

www.city.kameyama.mie.jp

zuihouken.co.jp

www.city.kameyama.mie.jp

www.linear-museum.pref.yamanashi.jp