Ep.174
「瀧自慢」や「作」を始め全国に名を知られる純米酒がある三重県(Ep.39、153参照)。
一方で日本酒以外のお酒もまた知られている。
上馬ビール(細川酒造、桑名市)
名称の上馬(あげうま)とは、もちろん多度大社の「上げ馬神事」(Ep.29、169参照)から。ドイツの原材料・製法に基に、養老山地の水を利用しているとのこと。
色は黒く、苦味も美味しい。
全国の地ビールブームの先駆けといってもいいかもしれない「伊勢角屋麦酒」。味噌や醤油の醸造場が1997年にクラフトビールに挑戦。以来、日本と世界で名声を得ることになった。
本店は伊勢神宮内宮とおかげ横丁の裏にある。日本最強のネームブランド“伊勢”(Ep.78参照)を冠し、人気は不動のものに。
ペールエールはたまに飲みたくなるので買っている。
クラフトジンの伊勢神(いせじん)。なんて素晴らしいネーミングなのだろう。見た目は化粧水の様相でビンも捨てるのがもったいない。
蒸留酒のジンはジュニパーベリーをはじめいくつかのボタニカル(植物由来成分)で香り付けがなされたもの。伊勢神では、あおさ・伊勢茶(ほうじ茶)・三つ葉・柚子・梅・生姜の6種類が使用されているとのこと。
飲んでみると、柚子の香りが強い。他の成分も頑張って知覚しようと努力したが“絶対味覚”を有していない私には分からず。
あおさを始め伊勢志摩の特産を使用するというアイデアがすばらしい。柚子が強く出過ぎてしまうが。
“クラフトジン”によって各地の特産を知り、味わうのも面白いと思う。
料理用清酒、みりん、チューハイなどで有名な大手、宝酒造(株)が放つ「クラフトチューハイ」シリーズ。「全国の素材の特長や個性を活かした」チューハイを造るのがコンセプトとのこと。
写真の「奥伊勢ゆず」は県南部の大台町(おおだいちょう)の特産である柚子を使用。先ほどの伊勢神とコンセプトは同じかもしれないが酒造大手が手がけている“企画モノ”である。(裏ラベルの原材料を見ると酸味料と香料もあり。これでは「奥伊勢ゆず」がどれだけ効いているのか分からない)
元々酒造会社は家族経営からスタートするもの。そんな彼らが、地場の恵みや特産をウリにして酒を創り出すところに尊さがある。
なお大台町は自他共に認める「奥伊勢」の呼称で、自然豊かな町。キャンプ地としても人気のようである。
また宝酒造は四日市の楠(くす。Ep.167参照)にも工場があり、近鉄名古屋線沿線なので電車から工場内がよく見える。ここで「奥伊勢ゆず」を製造している訳ではないだろうが..
日本酒「宮の雪」も手がける(株)宮﨑本店の「キンミヤ焼酎」。レトロなラベルは「昔ながらの」焼酎を感じさせ、四日市市内のスーパーではよく見かける。
なお同社の所在地も楠であり、前述の宝酒造楠工場の目と鼻の先にある。
経理課所属の元社員が2017年から5年間に渡り計7,600万円を横領していたとい失態を演じた同社であるが、1846年創業の老舗の地元での支持は高い。
以上のように「日本酒以外の地酒」に着目して試してみるのも面白いかもしれない。
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“Regional Alcohol of Mie” except Sake
Ep.174
Mie has many kinds of drinking alcohol except sake.
It must be fun to try these.