みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

養老鉄道 多度の弾き猿 in 多度

Ep.169

伊勢街道の玄関口・桑名から岐阜県大垣市に至る「養老鉄道」。

 

三重と岐阜は隣接県だが山に阻まれて両者を結ぶパスは限られている。

養老鉄道は数少ないその一つだ。

左手に養老山地を、右手に揖斐川Ep.79参照)を見ながら北上する。

 

 

名駅から4駅目の多度駅までが三重県だ。

更に進んで養老駅の近くには滝がある。「養老の滝」である。

 

そう聞くと千葉県の「養老渓谷」にある滝(粟又の滝)を思い浮かぶのは私が関東出身だからだろうか?

 

養老の滝 岐阜の旅ガイドより

 

あるいは居酒屋チェーンの「養老乃瀧」を思い浮かぶ人もいるかもしれない。

調べたところ同社の名前の由来はこの岐阜県の養老の滝であるとのことだった。

 

養老乃瀧 駒込駅前店 さつき通り商店街 HPより

 

養老鉄道は大垣から先も線路は伸びており、更に北上して岐阜の揖斐駅に至る。ここから北は険しい山だ(岐阜県は南部以外すべて山だ)。

 

そんなわけで、近くの大都市・名古屋を横目に地方の街、桑名と大垣を結ぶ。何というか、”純度の高い”ローカル線である。

 

 

この日は真夏。

天井に設置された扇風機がいい。圧倒的に涼しい。下手にクーラーにするよりもこちらの方が安上がりだし効率も良いのではないか?

一昔前は首都圏の鉄道でも扇風機方式だったのに一掃されたのは見栄えの悪さゆえか? あるいは乗客が指や傘の先端を差し込むリスクを恐れてだろうか?

 

いずれにせよ扇風機は実にシンプルなシステムである。

 

 

 

多度駅に到着。ここから多度大社(Ep.29参照)に向けて歩く。

『お伊勢参らば お多度もかけよ お多度かけねば 片参り』

の多度大社である。

 

多度山

 

多度大社に向かう途中、多度山も近づいてくる。トレイルランニングにも最適らしく、私の会社の同僚はここでトレーニングをしているとのことだ。毎年4月には大会もある。

 

多度大社に到着

 

上げ馬神事」が行われる崖に立つ。

武者姿の若者と馬が2.5mの崖を一気に駆け上がり、その年の豊凶を占うというもので、700年の歴史を誇るという。

三重県無形民俗文化財であるとともに、東海地方を代表する神事である。

 

NHK まるっと!みえ HP より

 

2023年5月。コロナがあけて4年ぶりの上げ馬神事はしかし開催から数日経って嵐のような批判を受けた。

一頭の馬が骨折し殺処分がとられたという事実が判明し、動物虐待の声があがったのだ。

程なくして「15年間で4頭の殺処分」がなされていたことも判明した。

神事のために馬を酷使して使えなくなったら殺処分するということで論外である。

 

それにしてもすごい聴衆の数.. NHK まるっと!みえ HPより

 

そもそも現在まで生き残っている“伝統行事”とは、時代に合わせてカタチを変化してきたことそれ自体を意味する。

700年の歴史を誇ると言ったって、この行事の第1回目の姿は現在行われているものとはまるで異なるものだったことだろう。

 

今回の騒動後、三重県は指導を行い、多度大社側は改善策として「高さ約2mの土壁を1m程度に改める」「馬が駆け上がる坂の傾斜を緩める」などの対応を行うようである。(2023年8月30日、伊勢新聞より)

 

だから来年2024年からは違った形で上げ馬神事が見られるはずだ。

 

 

参拝帰りに神社前のお土産屋「宮川屋」で「多度の弾き猿」を買った。

三重県指定伝統工芸品」の一つである。

 

多度の弾き猿

三重県指定伝統工芸品 HPより

 

江戸時代中期から販売されていたとされ「厄をはじき去る」縁起の良い玩具とされているようだ。

私は実際に使うまで仕組みがよく分からなかったが、中央部のU字型の竹をしならせ、その上にある赤い玉(猿)を勢いよく弾いて遊ぶというもののようだ。

最上部にあるのは上げ馬神事の流鏑馬の「的」を表している。

 

 

養老鉄道に乗って行く有意義な旅あった。

 

 

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Yoro Railway

Ep.169

養老鉄道 Yoro Railway is one of the local train connected Mie and Shiga prefecture.

多度 Tado station is the fourth one from Mie side(Kuwana station) where people visit when they go to 多度大社 Tado Taisha shrine.

 

上げ馬神事 Ageuma-shinji is their very famous event(Shinto ritual) and the cultural heritage of Mie.

This year, 2023, it held first time after corona crisis, but they were condemned it “animal abuse”.

Therefore, it would be the new one next year’s this event.

 

www.yororailway.co.jp

tadotaisya.or.jp

tadotaisya.or.jp

www.nhk.jp

nordot.app

www.pref.mie.lg.jp