みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

三重県と音楽 4-sails 編

Ep.160

数年前、島袋寛子(元SPEED)の『私のオキナワ』(2013年)というアルバムをApple Musicで聴いてみたら、とても良かったので感動した。

この企画アルバムは『島唄』やBEGINのカバーなど、全編が「沖縄に関する楽曲」で構成されている。

 

島袋寛子 BARKS HPより

 

アルバムリリースに寄せた本人のコメントによると、

「 私にとって沖縄は強くあることを教えてくれる場所です 」

「 どんなときも私であることをおしえてくれた沖縄。家族の愛がそこにあります。生きる力がそこにあります 」

「 私の大好きな故郷 沖縄はいつもそう背中をおしてくれます 」

「 そして、このアルバムを手にとってくださったみなさん。本当にありがとう。みなさんの故郷はどこですか? お会いできるとき聞かせてくださいね 」

 

とあった。

私は90年代のJ-Popが好きだしEp.157参照)、SPEEDもhiroも好きだ。それを前提として言うのだが、これはなんというか「ズルいな」と思った。

 

J-Popシーンの最前線にいる”アーティスト”が

今回は私の大切な故郷について歌ってみました

という基軸を打ち出し、その対象が「沖縄」であるということ。

 

トップシンガーが自身のルーツとしての「オキナワ性」を前面に出す表現行為に社会は注目するし商業的にも成功するかもしれない。

三浦大知の『燦燦』(2022年、朝ドラ「ちむどんどん」の主題歌)も同様だ。

 

これは例えばBEGINや夏川りみのように

「基本的に全曲、沖縄について唄っています」

的なスタンスの歌手とは意味合いが異なるものだ。

 

『私のオキナワ』(2013年)

 

「オキナワ性」が重要な要素であることに疑いはない。

例えば私は茨城県出身だが、同県出身のカールスモーキー石井(元米米CLUB石井竜也)が

「今回は私の大切な故郷・茨城について歌ってみました」

と言って全曲、茨城に関する歌で構成されたアルバムを出したところでそれはパロディーとしか見なされないだろう。

 

石井竜也 スポニチ HPより

 

ただし「歌手が自身の故郷について歌う」なら、それは沖縄出身者でしか成功しないのか?

というとそれは違う。

 

MISIA 音楽ナタリーより

 

「 なんばしよっとね そんなことしよったら つまらんけん
あちゃら こちゃら 言わんで こっちに かたらんねって言いよっと 」

「 しゃれとんしゃ しゃれとんしゃ 街も 人も しゃれとんしゃ 」

「 好きやけん 楽しかけん 一緒に食べよう とんこつ バリカタ 」

MISIA『好いとっと』(2020年)、作詞;MISIA

 

長崎出身で福岡で育ったMISIA

普段はラブソングを歌うことの多い彼女が歌う『好いとっと』は、博多弁全開で底抜けに明るい曲だ。私はこれを初めて聴いたときノックアウトされていた。

 

地域性を示すワードが高強度に配されるとともに、故郷への溢れる愛が歌われる、これ以上の曲を私は知らない。

 

桑田佳祐 SPICE HPより

 

「 夢を乗せて走る車道 明日への旅 通り過ぎる街の色 思い出の日々
恋心 なぜに切なく 胸の奥に迫る 振り返る度に 野薔薇のような Baby love
遠く遠く 離れゆく エボシライン Oh my love is you 」

桑田佳祐希望の轍』(1990年)、作詞;桑田佳祐

 

茅ヶ崎出身の桑田佳祐の有名な曲。美しい思い出を胸に故郷を去る、その情景が歌われる。湘南海岸の象徴である烏帽子岩も遠ざかる。自身はこれから夢を追って東京へ行くのだ。

 

愛するふるさとを離れて上京する、寂しさ、不安、しかしそれらを遥かに上回る期待感、志。

10代の終わりの若者への激励歌として、これ以上の曲を私は知らない。

 

GLAY

 

「 無口な群衆(ひと)、息は白く、歴史の深い手に引かれて

幼い日の帰り道、凛と鳴る雪路を急ぐ

街灯の下ひらひらと、凍える頬に舞い散る雪

目を閉じれば昔のまま、厳しくも日々強く生きてる者よ

いつか二人で行きたいね 雪が積もる頃に 生まれた街のあの白さを、あなたにも見せたい 」

GLAY『Winter, again』(1999年)

作詞;TAKURO

 

函館出身のGLAYが歌うのは、北の大地の冬の情景だ。あの景色を、自然を、恋人に見せてあげたい、と。

歌詞だけ見ても充分に情景は目に浮かぶが、やはりあのPVの印象が強すぎる。(見渡す限り白銀の大地かつ吹雪の中、TERUが熱唱し、後ろでメンバーが演奏している)

 

自身の故郷をリスナーに鮮烈に想起させ、いざなう、これ以上の曲を私は知らない。

 

 

4-sails 中日新聞 HPより

 

さて、四日市にも地元について歌う歌手がいる。

正確には

ご当地ソングしか歌わないことにこだわってきた」(プロデューサーのZenzo氏)

というアイドルグループ、4-sails(フォーセイルズ)である。

 

結成は2011年。以降、幾度かのメンバーチェンジを経て23年2月現在では4人で活動している。

「4」は「四日市」の「4」。それに古くから港町として栄えてきた四日市において、船の「帆」を意味する「Sail」を付けて、4-sailsと名付けられた。

 

そんな彼女たちの曲は、

土鍋deごはん』・・・ばんこ焼きをテーマとし、土鍋の利便性を彼氏、家族といった若い世代の女性にとって身近なものになぞらえて様々な視点から楽しく物語が進行するEp.23

24137参照)

 

私だけの工場夜景クルーズ』・・・女の子がデートの約束をすっぽかされて一人で夜景を楽しむ様が歌われるEp.1920参照)

 

Favorite of 4-sails』・・・仲良しの女の子達が日々の暮らしの中で発見する地元の良さを再発見するストーリー。あすなろう鉄道や駅前のモールがイメージできる景色が盛り込まれている

 

ミルクロード』・・・免許取りたての女の子が初めてひとりでドライブする。南部丘陵公園から桜に抜ける行程で見えるミルクロードからの景色や観光スポットが盛り込まれるEp.139参照)

 

こにゅうどうくんが行く!』・・・四日市ご当地キャラ「こにゅうどうくん」についての曲

(以上、全て公式HPより)

 

公式HPより

 

4-sailsは、大四日市まつりEp.122参照)をはじめとした各種イベントなどでパフォーマンスを披露しており、私はこれまでに見かけたことはないが、Youtubeではその様子を知ることができる。

 

地元にまつわる曲しか歌わないのなら、そろそろネタが尽きるのでは?

と素人目には映るかもしれない。

 

しかし私のこのブログがいつまでも続いているように、取り上げるテーマなんていくらでもあるのだ。

4-sailsもまた、この地域の魅力を、特長を、伝えている存在なのである。

 

 

----------------------------------------

4-sails

Ep.160

4-sails is the girls vocal group in Yokkaichi city.

They have been in active more than 10 years while changing their members several times.

And all of their songs are referred their hometown, Yokkaichi!

It makes lots of people know specialty of this region.

 

4sails.wixsite.com

www.youtube.com

 

www.youtube.com

www.youtube.com

www.youtube.com