Ep.159
石榑(いしぐれ)といえば「石榑トンネル」が思い浮かぶ。
2011年に開通したこのトンネルは、石榑峠をぶち抜き、いなべ市と滋賀県の東近江市を結ぶ4.2kmもの長距離トンネルだ。
私は鈴鹿セブンマウンテンや鈴鹿10座の登頂をしていたとき利用した。(Ep.70参照)
石榑はお茶の産地でもある。
しかも「石榑茶」という名で販売している。
茶の栽培面積としてはたいして大きくないはずだ。何しろ石榑という地区自体が大きくないのだから。
以前取り上げた四日市の水沢(すいざわ。Ep.25参照)も茶の生産地で、その南方に広がるエリア(住所としては鈴鹿)まで含めると広大である。
ただし彼らは「水沢茶」という名称では販売してない。
あくまで「伊勢茶」(あるいは製法を示す「かぶせ茶」)である。
であるが故に、石榑の茶農家の人たちが「石榑茶」というブランドで販売しているその心意気に私は感銘を受けていた。
近鉄四日市百貨店の物産展などで出店していたため、石榑茶の存在は以前から知っていたのだ。
5月は新茶の季節。
石榑茶を入手すべく、栽培農家兼お茶屋の一つ「岡製茶」を訪ねると、おかみさんが丁寧に対応してくれた。
ちょうど私が訪れる前日、CTY(北勢地域のケーブルテレビ)の『きょうはどこまで北勢散歩』という番組でこちらのお店が取り上げられていたので、その旨をおかみさんに言うと、
「あの番組、観ている方おられるんですね!?」
と目を丸くしていた。
『きょうはどこまで北勢散歩』は、ローカルタレントの玉腰佳弘さんと日高由貴さんが、北勢地域(三重県北部地域)を歩きながら街の歴史や名所を訪ね、魅力や特長を伝える(番組HPより)、という超ローカル旅番組である。
その放送回ではリニューアルされた宇賀渓キャンプ場を二人が訪れた後、そこでもらったお土産の石榑茶を持って岡製茶へ立ち寄る、というものであった。
事前にロケのオファーがあったのかと思いきやそんなことはなく、当日、突然撮影隊がやって来たらしい。
ローカル番組の制作とはそんなに行き当たりばったりでやるものなんだ!?
もう一件、「マル信 緑香園」も訪れた。
茶葉を使ったバウムクーヘンや入浴料、薬膳茶など様々な製品を企画・販売されている。
入口付近にはお茶の蛇口があった。
ほうじ茶が美味しい。
石榑茶のアイスクリームを外のベンチで食べようとしていると、
「ホーホケキョ!」
とうぐいすが鳴いた。
二口目を食べるとまた
「ホーホケキョ!」
と鳴く。
その後も鳴き続けている。30秒に1回は鳴いているのではないか?
隣の妻が
「これは録音なのではないか?」
と言う。
確かに、こんなにも高頻度でうぐいすの鳴き声を聞き続けるのは私も人生で初めてだ。
けれど録音ではない。
近くに林があり、うぐいすはそこから鳴いているのだ。
いなべ市にある小規模なお茶の産地「石榑」は、とても自然豊かなところだ。
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Ishigure-cha (Ishigure Tea)
Ep.159
石榑茶 Ishigure-cha (Ishigure tea) is the specialty of Ishigure region, Inabe city. It’s tiny area as tea cultivation, but they are developed their own name brand “Ishigure-cha”.
Early May is the season of “new tea leaves”. This rich flavor and full-bodied taste must make more people become a fan!
http://www.mie-isecha.org/shop/1100-02_oka/1100-2_oka.html
https://www.cty-net.ne.jp/community/channel/12ch_3-htm