みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

三重ダービー 2nd leg, 2021

Ep.77

去る11月13日(土)、「三重交通G スポーツの杜 鈴鹿」にて『三重ダービー 第2戦』が行われた。

鈴鹿ポイントゲッターズ(鈴鹿PG) vs ヴィアティン三重(V三重)である。

 

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V三重 HPより

 

JFLに属するこの2チームはシーズン前半、ともに成績不振により監督が辞任するという事態に陥った。

V三重は私が観戦に訪れた(Ep.46参照)後の6月、上野展裕監督から山本好彦監督へ。

(ただし上野前監督は7月にJ3鹿児島ユナイテッドFCに就任したため、図らずも栄転? と言えるかもしれない)

 

そして鈴鹿PG。私がこのブログでミラ前監督が作り上げたスタイルとフロントの姿勢を賞賛した矢先(Ep.4048参照)、監督交代してしまった..

スタートダッシュは良かったのだが、5月頃からリーグ戦では連戦連敗。

この試合で負けたら辞任する

とミラ監督が宣言した試合も落としてしまったのだ。

 

新しく招聘されたのは三浦泰年監督。

私は最初にこのニュースを知ったとき、少し冷めてしまったというのが正直なところだった。

スペイン人女性を監督に迎え、話題性ではなくて結果を残した。ジュニアチームもスペイン人コーチに任せて一貫性を持たせた。

 

それなのにトップチームの監督辞任とともにスペイン人指導者は全員チームを去り、つまりはそのメソッドやスタイルも霧散し、代わりに来たのが有名人だった。

天皇杯ヴィッセル神戸戦が終わって割と注目を集めた(ミラ前監督とアンドレス・イニエスタ選手の同郷対決)後すぐ、というタイミングだったので、話題性重視かな、と思った。

 

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Adiós! 鈴鹿PG HPより

 

けれどそれはすぐに誤りだと知った。三浦監督は指導者として下位カテゴリーでの指導経験が豊富なのだ。現在J3鹿児島ユナイテッドFCJリーグに昇格させた実績も持つ。

 

私は鈴鹿PGから毎日送られてくるメルマガに目を通しているが、それによると三浦監督の下にはさまざまな「情報」が集まってくるのだという。

それは三浦監督が長年、このカテゴリーで築いたコネクションあってのことだ。GMとの兼任ということもあり、7月の就任以来、積極的に新戦力を補強している。

 

鈴鹿PGのクラブ経営者たちは三浦監督に託したのだ。Jリーグ入りという夢を果たすために、全権を与えたのだ。

 

三浦監督就任後、鈴鹿PGは息を吹き返した。三重ダービー第2戦の前までに8勝3敗2分けという成績で上位戦線に復帰したのだ。

 

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三浦監督 鈴鹿PG HPより

 

私はJリーグが開幕した1993年は小学2年生だったので、開幕から3年目くらいまでのJリーグフィーバーをリアルタイムで知っている最後の方の世代だ。

だから三浦泰年監督の現役時代も覚えている。清水エスパルスと日本代表でも活躍したトップ選手だった。

有名な弟の「カズ」に対して、三浦監督は「ヤス」と呼ばれていた。

だから小学生の私も、周囲に倣って「ヤス」と呼んでいた。

 

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話を三重ダービーに戻そう。

パイレーツオブカリビアンの曲に合わせて両チームの選手が入場してきた。鈴鹿PGはホームで三重県から、しかも同じ北勢地域からJリーグ入りを目指すV三重を迎え撃つ。なお7月18日に行われた第1戦では0-3で負けている。

 

このスタジアム「スポーツの杜鈴鹿」にはバックスタンドがない。写真を見てもわかるように、向こうには漆黒の闇が広がっている。鈴鹿市街地からも離れた場所にあるのだ。

 

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キックオフ! V三重 HPより

 

アウェイチーム側に座ったので、近くでヴィアティン三重のサポーターたちがドラムを叩いて応援している。声を出すことは禁じられている。

この様子を見て、何だか愛おしくなってきた。

私は鈴鹿PGを応援しているが、ヴィアティンも頑張って欲しい。

 

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V三重のサポーターたち

 

最初の15分間を観ただけで、鈴鹿PGのMFニウド選手(42番)が素晴らしいことに気付いた。中盤の底に位置して激しくボール争奪局面に絡んでいる。ゴツいフィジカルとスプリントも驚異だ。ニウド選手も三浦監督が連れてきた選手の一人だ。

 

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ニウド選手 鈴鹿PG HPより

 

前半30分近く、何だか両チームの選手が小競り合いを始める。お互いに何かを言い合っている。

誰かが解説をしてくれたわけではないので以下は私の解釈だが、これはV三重の選手が負傷してピッチに倒れていたのに、鈴鹿PGがパスを回してプレーを続けていたことに対してV三重側が不満を言っているという意味だった。

 

実はこれには伏線があった。その15分くらい前に、鈴鹿PGの選手がシューズが破れた? だかで一旦外に出たかったところ、それをアピールしてもなかなかV三重がプレーを切ってくれなかったということがあったのだ。

 

いつの間にか三浦監督も激情しており、

「紳士的な行為をしてないって訳じゃないからな!」

(と言うようなことを)言っていた。

 

失礼を承知で言うと、

そんなことどうだっていいだろヤス

と思った。

両チームの選手も、どうでもいいことで言い合っている。

 

プレーを切って欲しいと相手に訴え、それが受け入れられなかったからといって腹を立てるのは可笑しな話だ。

相手チームがマイボールをどうしようが、それは相手チームの勝手じゃないか。自分たちがコントロールできることじゃない。

 

私はラグビー経験者なので、サッカーでたびたび起こるこのような場面を不思議に思っている。ラグビーでは負傷者にいち早く治療を施すため、倒れている選手がいたらすぐさまメディカルスタッフが入っていく。その間、プレーは切れることなく続き、両チームともに負傷者とメディカルを避けるように攻防が展開される。

面白いのは、審判も(負傷者がよっぽど重症そうじゃない限り)笛を吹いてプレーを中断させないということだ。

サッカーでもそうすれば今回のようなモヤモヤはなくなるだろう。

 

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私が応援しているFWエフライン・リンタロウ選手(7番)

 

ここまでの両チームの攻撃は、サイドに散らしてからクロスを上げて空中戦勝負のV三重に対して、中央へパス・ドリブルで侵入を試みる鈴鹿PGというものだった。

好みの問題だが、私は「ゴールまでの最短距離を行く」鈴鹿PGの攻めが好きだ。

 

すると前半36分、均衡が破れる。

ペナルティエリア外、ゴール真正面でこぼれ球を拾った鈴鹿 PGのDF菊島選手が右足を一閃。地を這うようなグラウンダーのシュートがゴール右下ギリギリに決まったのだ!

完璧なシュートだった!

 

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菊島卓選手(15番)

 

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後半キックオフ

 

後半、中盤での攻防が激烈になった。

しかし鈴鹿PGは相手にシュートまでいかせない。ピンチらしいピンチはなかった。

 

結局先制点を守った鈴鹿PGが1-0でV三重を下した。

派手ではなかったけどかなり激しい試合だった。両チームの意地や負けん気も感じた。

 

11月中旬なのに気温は7℃だった。寒空の下に集まった853人の観客も、この熱い三重ダービーに見応えを感じたことだと思う。

 

 

追伸;

JFLの2021シーズンは12月5日をもって終了した。鈴鹿PGは(17チーム中の)4位、V三重は11位でフィニッシュし、ともにJリーグ入り(J3昇格)を逃した。夢は来シーズンに持ち越された。

 

 

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“Mie derby” 2nd leg, 2021

Ep.77

On Nov 13, the match of Japan Football League, Suzuka Point Getters vs Veertien Mie was held in the Suzuka stadium.  It meant “Mie derby”.

They were domestic rival of this prefecture and aimed to join J-League.

 

This game made audience excite!  All of us felt their pride each other.  We had a wonderful time, even though under 7 degree celsius.

Finally, Suzuka PG defeated 1-0.

 

In 2021 season, Suzuka PG and V. Mie could not be authorized for J-League because of 4th and 11th as finish in this league.  Their dreams will go on next season.