みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

三重バイオレットアイリス

Ep.92

三重バイオレットアイリス」は鈴鹿市を拠点に活動する女子ハンドボールチームの強豪だ。

10チームが参戦する女子リーグにおいて、5シーズン連続で4位以上に入りプレーオフに進出している。

 

私は四日市に越して来たばかりの頃、CTY(北勢地域のケーブルテレビ)を観ていてこのチームのことを知った。

毎日放送されている「スーパーバイオレットソウル」という番組で、林美里選手(愛称リン)と中田夏海選手(愛称ナナ)という、非常に明るい2人の選手が、はしゃぎながらチームの近況などを紹介していたのだ。

 

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林選手(左)と中田選手 公式twitterより

 

常にハイテンションで番組を盛り上げるチームの顔。そんなわけだからこの二人がチームの実力No.1、2なのかなと思っていた。

 

だからこの二人を差し置いて2020東京オリンピックの女子日本代表「おりひめJAPAN」に石立真悠子選手(現コーチ)と原希美選手の二人が選ばれたときは戸惑った。

しかも石立選手は代表の司令塔、原選手に至ってはキャプテンだった。

 

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石立選手(左)と原選手 東海テレビHPより

 

そんなバイオレットの試合を先日、会場で観戦する機会に恵まれた。

場所はAGF鈴鹿体育館。伊勢型紙(Ep.26参照)が生まれた地、白子(しろこ)の近くで、とてもきれいな体育館だ。

 

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AGF鈴鹿体育館

 

以前にも書いたが私は10年近く前、東京に住んでいたときに友人たちとスポーツを生で観戦することをしており、ハンドボールも当然その対象だった。

 

だが不思議なことにこの競技は国内最高の大会(日本選手権など)の開催地が東京ではなかった(当時)ため、観戦はできなかった。

ハンドボールの強豪は男子では大崎電気大同特殊鋼、女子ではオムロン北國銀行ということで、地方が拠点のチームが多いことが東京開催しないことと関連しているのかもしれない。

なのでハンドボールの試合を会場で観るのは初めてだった。

 

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21-22シーズン序盤、バイオレットはプレーオフ進出を争うライバルチームたちから勝ち星を挙げられず、格下相手には落とせない試合が続く。

この日の対戦相手は「ザ・テラスホテルズ」。沖縄の名護市からやってきたクラブチームだ。

 

試合前のウォーミングアップから観る。テレビ中継では気付きづらいが、パスやシュートでのボールの回転がすごい。ラグビーのスクリューパスのように空気抵抗を減らしてスピードを殺さないよう意図的にかけているのだ。

 

それよりも驚いたのが、バイオレットの選手たちの体格のよさだ。テラスホテルズの選手たちと比べると、大袈裟じゃなくひとまわり大きい。プロフィールを見ても多くの選手が160cm後半だった。

 

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試合が始まる。会場のMCがオフェンス時・デフェンス時の応援のリードをとるので、それに従い手拍子と声援を送る会場のバイオレットサポーターたち。ホームチームを後押しする一体感。

 

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フィジカルのハンディを生かしてバイオレットは立ち上がりから優位に進め、早くも点差が開く。特に活躍が目立つのが、2シーズン前に韓国リーグに挑戦するも不本意ながら1年で帰国することになってしまったことをチームメイトにいじられていた森本方乃香選手(愛称ほっしゃん)だった。

 

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森本選手 公式HPより

 

この競技が面白いのは、攻撃が「理詰め」で行われているように思えることだ。

リードしているチームのオーソドックスな攻撃というのは、6人のフィールドプレイヤーの内の4人が中央で四角形になってのらりくらりパスを回しているのだが、ある段階からペースやリズムが変わり、ポジションどりが流動的かつ相手守備陣も含めて「かき混ぜられた」状態になる。

このように「崩し」がなされつつあるときに最後尾でボールを保持する司令塔ポジション(CB)の選手がドリブルで切れ込んだり、大外の2選手も含めたフリーの味方にパスをすることで、シュートに至るというものだ。

 

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近藤保乃佳選手 公式twitterより

 

前述の攻撃パターンは前段階の基本型のみいくつか決められていて後段階は応用編に過ぎないのか、は分からないが、バスケのように一人の選手が独力でシュートまでいくことはできないからチームメイトと理論だてて相手守備の「崩し」をしているのだと解釈している。

 

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林選手 公式twitterより

 

バイオレットの攻撃を司るのは林美里リン選手だ。

テレビ番組やイベントにチームの代表として参加し、ムードメーカーで、今シーズンからキャプテンに就任し、試合では司令塔。まさに八面六臂の活躍だ。

 

試合の方は、後半24分過ぎには主力をベンチに下げたバイオレットが圧倒していた。ダブルスコアがついており、正直に言うと優勝を目指すバイオレットと今シーズンまだ1勝しか挙げられていないテラスホテルズとの実力差はあったが、アウェーチームは最後に強烈な閃光を放つ。

 

テラスホテルズの20番・樋口怜於奈選手が味方からのパスをジャンプしてキャッチし空中にいる状態でシュートを放つと、ゴールネットに激しく突き刺さった!

その2秒後に響き渡る試合終了のブザー。

 

あれ? 今の、、幻じゃないよね...?

という感じで、「スカイシュート」と呼ばれるハンドボールで最も派手なプレーが飛び出して、漫画のようだった。

 

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樋口選手 ザ・テラスホテルズ 公式HPより

 

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公式twitterより

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公式twitterより

28-14

快勝の三重バイオレットアイリス。プレイヤーオブザマッチには、ゴールを量産した森本方乃香ほっしゃん選手が輝いた。

 

ハンドボールは面白い。もっと光があたってほしいスポーツだ。実際に試合観戦の後も、私はケーブルテレビでバイオレットの試合を観ていたりする。

「地域密着」を掲げるチームだからこそ、地域に住む人に魅力が伝わりファンも開拓できる。今後も三重バイオレットアイリスを応援したい。

 

 

(追伸)

3月5日、バイオレットはホームでレギュラーシーズン最終戦かつ事実上のプレーオフ進出をかけた「最終決戦」でイズミメイプルレッズと戦い、痛恨の敗戦。今シーズンが終了した。

試合終了後のセレモニーで、悔しさ、かつサポーターと引退する仲間への感謝で、選手全員号泣という事態になっていた。来シーズンに期待したい。

 

 

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Mie Violet Iris, women Handball team

Ep.92

Mie Violet Iris is women Handball team from Suzuka city and one of the 10 teams in Japan women Handball league.

They have never won championship, but proceeded with 4-teams play-off for 5 seasons.

So, of course their goal is to become a champion.

 

I went to see this sports, Handball for the first time.  It was too fun!

Violet defeated 28-14 against The Terrace Hotels from Nago city, Okinawa.

I was impressed with logical attacking strategies and some dynamic performances!

I will continue to support Violet in the future.

 

www.mie-visc.jp

 

www.hclatida.com