Ep.20
前回のその1に引き続き、工場夜景について。
12月初旬、ついに「四日市コンビナート夜景クルーズ」に参加してみた。
そもそも私自身、市内の化学メーカーに勤めており、まさに化学プラント内で働いている。
勤務場所が工場の人にとっても工場夜景は美しいと思うのか?
と問われたら、やはり美しいと思う。と答える。
そびえ立つ鋼鉄の建造物に煌々と輝く灯り。夜の闇に消えていく蒸気。
目の前で見るそれらには、迫力があり、美も感じる。
(そしていまだに「ファイナルファンタジーⅦ」の神羅カンパニーを想起してしまう..)
一方で、化学プラントと石油コンビナートは異なる。
化学プラントが樹脂ペレットや粉体、ワニスなどを製品とするのに対して、石油コンビナートは石油を精製したり、副生物から有用な成分を取り出して製品とするところだ。
したがって石油コンビナートの方がよりスケールが大きく、また普段は近付くことのできない他社の施設も近くから観察できそうだということもあり、私はこの夜景クルーズを楽しみにしていた。
ちなみに、「工場夜景」と端的に言うけれど、
そもそも工場がなぜ、夜間も敷地内の照明がともされているのか、みなさんは考えたことがあるでしょうか?
なぜならそれは「工場が夜間も稼働している」ためです。
自動車や家電製品のような機械の組み立て工場ではこうはならないはずだ。
つまり工場夜景とは、石油コンビナートや化学プラントに特有のものと言える。
ここでは24時間・365日稼働しているのだ(定期修繕期間中を除く)。
現場パトロールでもない限り、夜間に屋外で人の姿を確認することはできないが、計器室やオペレーションルームと呼ばれるところでは製造課員の方たちが仕事をしている。
つまりこの巨大な施設では、夜間も、常に、人間がコントロールしているのだ。
前置きが長くなってしまったが、夜景クルーズの出港は、四日市港埠頭から。
香ばしいごまの香り(Ep.15参照)に見送られていざ出港!
正直言って、スマホのカメラでは美しい夜景など撮れないのだが、雰囲気は伝わるものと信じたい。
船上にて、12月の寒風に耐えながらも、壮大な石油コンビナートの美を楽しむことができた。
私はあいにく船の最後部にいたこともあり、エンジンの音が大きくてガイドの方の説明がよく聞こえなかったのが残念だったが、「配管」や「蒸留プラント」などのワードも解説されており、かなりしっかりしたものだった。
地の果てから資源を掘り出して、世界の果てから日本に運んできて、エネルギーとして取り出す。その膨大な労力を想った。
人間を始め動物が生命活動を行うために必要なモノは食べ物だけれど、
私たちの「文明社会」が、成り立つために必要なモノは、石油を始めとした化石燃料だ。
人類や文明や地球や未来について考えた充実の60分クルーズを終えた。
川崎や千葉のコンビナートはどのようなものなのだろう? という興味も湧いてきた。四日市とはまた異なる姿であるに違いない。
機会があったらそちらにも行ってみたいなとも思ったのだった。
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Factory night view part 2
Ep.20
In early December, I joined “Night view cruise of Yokkaichi”.
I work at a chemical plant in this city, but it is different from petrochemical complexes. The latter is bigger.
So I was looking forward to seeing mega facilities and beautiful night view.
Shining light into iron steel facilities, white steam went up sky...
While I endured strong cold wind on the ship, I enjoyed it.
On the other hand, I imagined how big project to dig fossil fuel, to deliver it here, purify and transfer to energy.
Our civilization must be based on this scheme.
I finished wonderful 60min night cruise.
Someday, I want to see other industrial complex area and night cruise like Kawasaki or Chiba.
It must be different from Yokkaichi.