Ep.218
東京の日野に住んでいた10年以上前の話。
会社の寮を出てアパートに入居したはよいがガスの開通まで数日かかると言われた。
季節は10月。シャワーを水で済ますことができないでもないが、温かい湯で全身を洗いたい。
アパートのそれが使えないとなると外にお風呂を入りに行くしかなかった。
ネットで調べたところ、立川駅の近くにこじんまりした銭湯があることが分かった。行ってみると、果たしてそれは“昔ながらの”、“昭和を感じる”銭湯だった。
と言っても私はこの手の銭湯を訪れたことがなかった。だから“昔ながらの”、などの形容はドラマや映画などの創作物を観てものだ。
お客さんは、けっこういた。
自宅にお風呂やシャワーがないというのは現代ではあり得ないので、私のようにインフラを求めて来たのではない。
今では開発が進みますます発展する東京の“西の都・立川”だが、その銭湯の場所は高層マンションや大型商業施設とエリアとは一線を画すエリア。
よって昔からの地域住民が、昔からある銭湯に、楽しむために訪れていたのだ。
四日市で銭湯といえばどうだろう?
「満殿の湯」(四日市市末永町)、「おふろcafé湯守座」(四日市市生桑町)、「ゆうゆう会館」(四日市市智積町)
が思い浮かぶ。いずれも市内で最大規模の銭湯だ。
他方で”昔ながらの銭湯”というと?
そもそも地元民でない限り、この手の銭湯は自ら情報を取得しにいかなければ知り得ないのが普通だ。
私はたまたまローカル雑誌「NAGI 2022年春号」を読んで存在を知った。
四日市には現在2件しかない。
さっそく訪れてみよう。
1951年創業。近鉄四日市駅近くのビルの中にある。
2階はサウナになっており、150℃という高温設定が好評だそうだ。
上記の写真にあるように、赤と緑のバルブ(コック)で水や湯を出すスタイルは、私は初体験だった。
店内には瀬古さん(Ep.42、115参照)のサインも。四日市工業高校時代に訪れたことがあるそう。
「心で走る」
座右の銘のようだ。
楠(くす)は、四日市市最南端で鈴鹿市との市境・鈴鹿川に接する。旧・楠町として歴史ある地区である。
この地にある「楠温泉」は1933年創業の老舗。
こちらの銭湯も趣がある。
私の住まいから楠までは距離があるのでクルマで向かったが、それに見合う良い体験ができた。
「三重銭湯組合」のHPによると、県内にあるこの手の銭湯は13ヶ所。
しかし年々その数を減らしており、四日市市内ではもはや「玉の湯」と「楠温泉」のみとなっている。
町の銭湯。
それは、それを愛する地元民がいる限り今後もあり続けるのだろう。
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Old-fashioned Public Bath in Yokkaichi
Ep.218
Hot spring/public bath are so much loved by people in this country, especially Old-fashioned one is very rare style in present day.
But unless the local community support it, might be continue in the future.
https://www.miesento.com/tamanoyu
https://www.miesento.com/kusuonsen
https://www.asahi.com/articles/ASS2V61R6S2DOIPE006.html
https://usagism2000.theshop.jp/items/59428306