みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

ランニング

Ep.42

歳をとると体重が落ちにくくなるというのは身をもって感じる。

20代のときと同じ距離を走ったところで、自分が適性と思っている体重まで容易には落ちてくれず。

かといって、より長い距離を走ったり、走る頻度を増やすほどの気力もなく。

 

したがって今ではマインドが変わり、

「美味しい夕食をいただくため」

に走ることにしている。

 

おいしい食事をいただくために最も必要な条件は、

空腹であること

だからだ。

 

 

走るコースは河川敷がいい。

川に沿って走るのはシンプルで気持ちよく、場所や季節によって変化する情景も楽しめるからだ。自動車に神経質になる必要も、ジムでトレッドミルの時速◯◯kmの表示にとらわれる必要もない。

東京・日野に住んでいるときも多摩川沿いを気持ちよく走れていた。

 

四日市市では、西の鈴鹿山脈から東の伊勢湾に向かって流れる川が何本もある。川だらけの街だ。

鹿化川(かばけがわ)や天白川(てんぱくがわ)に沿って走るのが、私のランニングコースで、週末の夕方に8km程度走っている。

 

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鹿化川沿い 奥に見えるのが鈴鹿山脈

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鹿化川沿い 奥に見えるのが四日市コンビナート

 

そしてこのランニングコースは、個人的に、

瀬古利彦と中村匠吾も走った道 → オリンピックロード」

と勝手に決めつけて、走る際のテンションを上げている。

 

 

瀬古さんは日本男子マラソンの最強ランナーの一人で、ロサンゼルス五輪に出場した。

桑名市出身で高校は四日市工業高校だ。市内の日永(ひなが)に位置するこの高校に最も近い川が鹿化川と天白川だから、瀬古さんも高校時代、間違いなく走っている。はずだ。

(ちなみに岐阜市では長良川沿いを「高橋尚子ロード」として整備している)

 

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現役時代の瀬古さん 時事ドットコム HPより

 

私は世代的に解説者になって以降の瀬古さんしか知らない。数年前までは、年明け早々ニューイヤー駅伝箱根駅伝に解説者として連日登場していた。個人的には、早稲田びいきの解説があまり好きではなかったが、最近の瀬古さんはけっこう好きだ。

 

というのも、マラソングランドチャンピオンシップMGC)の大成功や、設楽悠太大迫傑鈴木健吾たちによる、男子マラソン日本記録の怒涛の連続更新に、誰よりも喜び、興奮しているのが伝わってくるからだ。

 

また、世界と戦い、世界を相手に勝利してきた自身の現役時代から時が流れ、

世界(正確にはケニアエチオピアなどの東アフリカ出身のランナーたち)と大きく差が開いてしまった日本男子マラソン界が、今、再び世界と戦えるレベルまで上がってきたことを身をもって感じているのだろう。

 

とにかく、自分が主導した施策が大当たりして笑いが止まらないのが、今の瀬古さんなのだ。

 

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笑顔の瀬古さん 日本陸上競技連盟 HPより

 

中村匠吾選手は現役最強ランナーの一人で、2019年秋のMGCで優勝して東京五輪代表に内定した。

出身は四日市市なので、鹿化川や天白川沿いも走ったことだろう。

 

市内の内部(うつべ)中学校が出身中学で、ここは私が鈴鹿へ行くときに利用する道路沿いにあるため、

「中村先輩おめでとう」

の応援幕をよく見る。

中学卒業後は長距離・駅伝の強豪「伊賀白鳳高校(旧・上野工業高校)」に進学している。

 

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中村匠吾選手 sportiva HPより

 

以前、中村選手は四日市市の広報誌のインタビューの中で

「高校には片道2時間かけて通っていた」

と述べていた。伊賀市にある高校までの通勤手段は不明だが、毎日トレーニングで走った後に帰宅の途につくわけなので、体がクタクタになるハードな毎日だったに違いない。

(そしてさぞや美味しい夕食をいただけたに違いない)

 

また

四日市は一番心が落ち着く場所」

との発言も印象的だった。その記事を読んだとき、中村選手にとって、本当にこの街がふるさとなんだな、と思ったからだ。

 

 

中村選手の特徴は、レース終盤にスパートを仕掛けて逃げきれる・勝ちきれる力にある。

もちろん、それもスパート合戦前までに先頭集団にいられる圧倒的な走力があってこそ。

MGCや先のニューイヤー駅伝(2021)の4区でも、日本最高のランナーたちを相手にそれができてしまうことにシビれる。

 

私は駒澤大学のファン(Ep.14参照)なので、中村選手のことは大学時代から応援してきた。

それにしても今、当時を振り返って、凄いなと気付くことがある。それは大八木弘明監督の眼力だ。

 

駒澤大時代の中村選手は駅伝で1区を担当することが多く、学生3大駅伝すべてで区間賞を獲得している。1区のスペシャリストだ。特に箱根では、毎年1区でつまずくイメージのある駒澤において3年次2位、4年次1位という好成績をおさめている。

 

駅伝の1区はスタートから集団走で、終盤のスパート合戦で勝負が決する傾向が強い。

どこのポイントで仕掛けるのか、あらかじめチーム内で話して決まっているのだろうが、実際には予定通りにことは運ばない。

集団に残っている有力選手たちの様子を観察して、自分の余力を正確に把握して、今後の展開を予想して。

とにかくラスト数kmで大きな差がついてしまうので、ここをミスすればそれまでの20kmが台無しになってしまう。

 

中村選手は大学時代から、絶対的な走力に加えてレースでの対応力が圧倒的に秀でており、それは当然、大八木監督も把握していたことだったのだ。

 

あるいは、

窪田忍、村山謙太といった強力なチームメイトの存在も、能力伸長に寄与したと言える。

 

ハイペースの単独走で距離を刻める人(窪田)と、

最初からガンガン行く人(村山)

 

がいたため、それぞれの適性が区間配置へと繋がり「1区・中村」は自ずと最適解として浮かんできたに違いない。

 

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サンケイスポーツ HPより

 

というようなことに思いを巡らすことができるのが、私のランニングコースなのだ。

 

 

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Running

Ep.42

There are a lot of rivers in this city, Yokkaichi.

In my opinion, the best course of running is along the river.

 

We can enjoy watching the sight, beautiful nature and feel the difference depend on the season.

 

I run every weekend.  Along 鹿化川 Kabake gawa river or 天白川 Tempaku gawa river is my running course.

I call them “The Olympic road”.

 

Two Olympic runners 瀬古利彦 Seko Toshihio and 中村匠吾 Nakamura Shogo are rooted in this city.

I’m a big fun for marathon and ekiden, so I’m exciting to run this course!