みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

伊賀と芭蕉とバナナとカカオ

Ep.90

伊賀市の中心駅である上野市駅伊賀鉄道)は2019年2月、駅名の愛称を「忍者市駅」とした。

これは伊賀市が誇る「忍者」をPRするもので、町おこしや観光の誘致につなげたいらしい。

 

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朝日新聞デジタルより

 

このような動きというのは、富士山静岡空港高知龍馬空港鳥取砂丘コナン空港などと同じ流れの中にあると考えられるが、私は好きではない。

 

理由は「その地域が有する特定の一面しか表現していない」のと「人々の固定観念や先入観を助長」してしまうからだ。

 

静岡県高知県鳥取県が持つ魅力や財産というのは、富士山や坂本龍馬鳥取砂丘名探偵コナンだけでないのは言うまでもないのに。

伊賀市にしたって、忍者という過去の遺産にすがるばかりで未来志向の精神はまるで感じられない。

一部の市民(特に若い世代)には、新しい市のイメージを発信しようと気概を持って活動している人たちがいるのに。公共性の高い施設をこのような名称にしてはダメだろう。

 

今回は伊賀市の忍者以外の一面を紹介したい。

 

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Dole HPより

 

聞くところによると、伊賀市は実は、バナナの「出荷量」が全国ナンバーワンらしい。

これはどういうことなのだろうか?

 

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ニッポン放送 HPより

 

スーパーに並ぶ「真っ黄色」のバナナ。

けれどフィリピンやエクアドルような南国が「産地」のバナナは、日本に輸入された時点ではご存知のように「緑色」であり、熟していない。

 

そして緑色のバナナというのは、適当に倉庫に放置しておけば黄色くなってくれる、というわけではなく、産地に似た環境(温度や湿度)の下で、かつエチレン(C2H4)ガスを吹きかけること(追熟)で、効率的に熟して黄色になってくれるのだ。

 

つまりバナナは、輸入された後に「国内のどこか」で追熟させた後、市場へ出荷されることになる。

そしてその「国内のどこか」こそが、伊賀市なのだ!

(この話は私が業務で必要なある資格を取得するために外部講習を受けに行った際、講師の方が閑話休題で話されていた。講師の方はこのことを百五銀行Ep.37参照)のシンクタンク、百五総合研究所の年次レポートで知ったとのこと。私もこのレポートを探したがweb上からは見つけられなかった。なので出荷量が「全国一」かどうかは確認できなかったが少なくとも全国有数なのだと思う)

 

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(株)タナカバナナの田中齊太郎社長 zakzak HPより

 

それでは何故、伊賀市がバナナなのか?

それは、伊賀市と関係の深いある高名な人物が関係しているのだった。

 

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松尾芭蕉 wikipediaより

 

伊賀市は江戸時代の俳人松尾芭蕉の出身地である。(だから松尾芭蕉→忍者→スパイ説がある)

 

ところで「芭蕉 バショウ」とは何なのだろう?

みなさんは考えたことはありますか?

 

バショウ(芭蕉・学名:Musa basjoo);

バショウ科の多年草。英名をジャパニーズ・バナナと言う。高さは2〜3mで更に1〜1.5m幅程の大きな葉をつける。花や果実はバナナとよく似ている。(wikipediaより)

 

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バショウ wikipediaより

 

なんと「芭蕉」とは「バナナに似た植物」のことなのだそうだ。

つまり、

伊賀市松尾芭蕉の出身地→芭蕉はバナナに似た植物→バナナの追熟をやろう!

という4段論法になっていたのだ!

 

 

私はこの話を職場の後輩(伊賀市出身)にしたところ、彼も知らなかったようで驚愕していた。

そんなバナナ!?

と。

みなさんがいつも利用しているスーパーに並んでいるバナナ。それは、伊賀市から「出荷」されたものかもしれない。

 

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俳聖芭蕉 純米吟醸

 

ついでにもう一つ紹介したい。

三重県純米酒を飲み続けていて(Ep.39参照)、「俳聖芭蕉 純米吟醸」というものに出会った。伊賀市の橋本酒造場が作っているものだ。

 

これを一口飲んだとき、

嘘でしょ?

と思った。チョコレート、というかカカオの味がしたからだ。

ラベルを確認してみる。しかし原材料名を見ても、そこに「チョコレート香料」などとは当然記載されていなかった。

「日本酒 芭蕉 カカオ」でGoogle検索してみる。1件もヒットしない。

でも絶対にカカオの香りがした。

 

半年後、あれは何かの間違いだったんじゃないかと思って再度このお酒を購入して飲んでみた。

やっぱりカカオの味がする! 絶対に、する。自信がある。

誰か同意してくれる人いないかな笑?

 

そんな訳で、伊賀と芭蕉とバナナとカカオの話なのだった。

 

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Regarding to Iga city, Basho, Banana and Cacao

Ep.90

Iga city was one of the birthplace where Ninja was appeared in Mid-century.

So, this city government promotes it for sightseeing.

 

But on the other hand, this city has other interesting aspects.

In this episode, let you show them.

 

First, Iga is a “mass-productive area” of Banana.

After importing from Philippine, Ecuador and such tropical countries, green bananas are needed “ripping process” to yellow one for shipping supermarket.

This process is done in the environment which is imitated tropical countries with some special equipments.

Then, Iga is the area.

 

Why Banana?

The reason why it relates to a person who is the greatest Japanese poet, 松尾芭蕉 Matsuo Baho.  He’s from Iga city.

芭蕉 Basho” (Musa basjoo) is the flowering plant and known as Japanese Banana!  It belongs to banana family.  Oh my gosh!

 

One more topic, when I tried the sake, “Basho” (俳聖芭蕉 純米吟醸), it tasted chocolate or cacao flavor.  I didn’t know why.  It’s so curious.

 

This episode refers to Iga city, Basho, Banana and Cacao, that’s all.

 

www.zakzak.co.jp

 

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