みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

地銀・信金

Ep.37

地方から東京に出てきた若者が真っ先にすることの一つがメガバンクの口座開設だと思う。

 

茨城県出身の私は、それまで当然のように「常陽銀行」の預金口座しか持っていなかったが、上京して、アルバイトを始める段になると、給与振り込み先として先方指定の金融機関の預金口座を求められる。

 

その中に常陽銀行はなく、ゆうちょ銀行もなく、したがって必然的にメガバンクの口座開設をする運びとなった。

 

 

ひとたび地方に戻ると、メガバンクは使い勝手のよい金融機関ではなくなる。

給振口座としてはもちろん、店舗・ATMの数でも地方銀行(地銀)や信用金庫(信金)の後塵を拝しているからだ。

 

私が暮らす四日市では、下記の金融機関を市内でよく見かける。

 

百五銀行」(津市)

第三銀行」(松阪市

三重銀行」(四日市市

北伊勢上野信用金庫」(四日市市

「桑名三重信用金庫」(桑名市

 

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この他にも県内には「津信用金庫」(津市)と「紀北信用金庫」(尾鷲市)があるが、四日市市内に店舗はない。津信金は津市で見かけるが、個人的には平仮名で書かれたあの書体が好きだ。

 

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津信用金庫 バンクマップ HPより

 

百五銀行」は県庁所在地・津市に本店を持ち、中心地にそびえ立つガラス張りのビルディングは三重県金融業界の王者の名にふさわしい。

 

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百五銀行 本店 wikipediaより

 

ところで私はワールド柔道のファンで、海外の有力選手たちの動向や国際大会の結果は毎日チェックしている。

そんな中、興味深いニュースを耳にしたのは2019年3月のことだった。

 

男子100kg超級の原沢久喜選手(リオデジャネイロ五輪銀メダリスト&東京五輪代表)が、百五銀行と所属契約を結んだというのだ。

 

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原沢久喜選手 GATHER HPより

 

山口県出身の原沢選手と社内に柔道部のない百五銀行という組み合わせが不思議だった。

報道を見る限り表層的なことしか分からないが、当時の原沢選手の練習拠点が奈良県天理市にある強豪・天理大学であったため、距離的に近い津市と三重県が浮上したのだろうか?

 

リオ五輪後、オーバートレーニング症候群となり所属のJRAも退社してフリーになっていた自分に手を差し伸べてくれた百五銀行に恩義を感じてか、原沢選手は今年の9月に開催される「三重とこわか国体」にて国体初出場、三重県のために戦うとのことである。

 

 

話を戻すと、

百五銀行に次ぐ、県内第2、第3の規模を誇るのが「第三銀行」と「三重銀行」だ。

 

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第三銀行

 

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三重銀行

2021年5月

三重県の金融業界に地殻変動が起きる。前述の第三銀行三重銀行が合併し「三十三銀行」が設立されるというのだ。(これに先駆けて三十三フィナンシャルグループが既に設立されている)

 

「第銀行」重銀行」=「三十三銀行」

三+三 = 三十三 なんと!?

 

数字の「33」ではなく「3プラス3」を意味するらしい。

 

地方ではたまに、ナンバー名称の銀行を見かける。これは明治時代初期に初めて民間の金融機関(銀行)が設立された際に、その設立順に対して与えられた数字だ(ちなみに旧・第一銀行とは、現在のみずほ銀行のこと)。

 

県内第2位と第3位が合併(三十三)して、首位(百五)を追撃する。

三重県の金融業界では目下、このような情勢となっている。

 

 

一方、信金に目を転じると、

北伊勢上野信用金庫」は2004年に「北伊勢信用金庫」と「上野信用金庫」が、

「桑名三重信用金庫」は2019年に「桑名信用金庫」と「三重信用金庫」が、

合併してできたものらしい。

 

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北伊勢上野信用金庫

 

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桑名三重信用金庫

 

現在の首相は地銀の数が多すぎるとして、合併・再編に積極的らしい。

 

中央の人たち(東京にいる国会議員や官僚たち)は、「合理化」「全体最適化」「国益」という名のもとに動いているので、彼らは彼らの仕事をしているのだろう。

 

けれども地方の民間金融機関の経営者たち(現場の人たち)にとって、その施策が本当に腑に落ち、同意できるかどうかは別のはなしだ。

 

今の時代、中央の人たちに未来を予測する力もなければ、現状の問題に対処できる実力もない。

 

物理的な距離が離れていれば、精神的な距離も離れるというのが世の常

 

昨今の問題(原発・米軍基地・静岡リニアモーターカー島根県聖火リレー)を鑑みると、

地方に住む人々にとって、中央の人たちは「迷惑な人たち」になっていやしないか?

 

中央からの風に最前線で相対しているのが、今の地銀や信金なのである。

 

 

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Local bank & Shinkin bank

Ep.37

At the region of this country, Local banks and Shinkin banks do financial support for entrepreneurs and local companies.

And also they are the best user friendly bank for local citizens.

 

The presence of local banks & shinkin banks are the essential things for local economy.

Yokkaichi, Mie has such banks.

 

Present prime minister of Japan thinks to unite some local banks and decrease the number of local banks due to “rationalization”.

 

But nobody knows this policy are the right decision or obtain the preferable consequences.

 

The forefront of conflict between nationality and regionality is local bank & shinkin bank.