みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

芭蕉ねぎ 三重県の伝統食材15

Ep.205

真冬が近づくにつれてスーパーで見かける『芭蕉ねぎ』。

 

包装フィルムにデカデカと記された「芭蕉ねぎ」の表記と松尾芭蕉の句。そしてフィルムの下に見える“極太の白ネギ”が目を引く。

 

 

葱白く 洗ひたてたる 寒さ哉

言うまでもなく松尾芭蕉は伊賀出身である(Ep.90163参照)。

そんな郷土の偉人の名を冠した「芭蕉ねぎ」がここ数年、徐々に知名度を上げてきた。

 

松尾芭蕉 Wikipediaより

 

生産者はJAいがふるさとの「芭蕉ねぎ部会」。耕作放棄地の増加を防ぐために2018年にわずか2名で始まった栽培は、20年の商標登録を経て、21年には生産者が26名に拡大したとのこと。

 

なので「伝統食材」と言うほどの歴史はない。

令和の時代に始まったこの白ネギが、三重県の新たな「伝統食材」になれるだろうか。

 

伊賀タウン情報YOU より

 

白ネギに目をつけたのは、近隣の滋賀県近江八幡市が『安土信長葱』、滋賀県甲賀市が『忍葱』としてブランド化し、なんと1本当たりの単価が市販品の約3倍で売れるようになったとの実績があったから。

 

つくづく「ブランド化」の、というよりは“ネーミング”の威力は凄まじいものである。

 

伊賀タウン情報YOU より

 

流通時期は11月から2月頃。

ねぎの白い部分が30cm以上、太さが1.5cm以上という規格が設けられている「芭蕉ねぎ」。

 

実際に購入してまずは蒸して食べてみる。

素材の特長を極力損なうことなくできる最低限の調理法は蒸すことである。

 

 

うん、まず何よりも食べ応えがある。この“極太”がそれをもたらしている。甘みがあるというのもその通りでトロッとしている、というのは調理法にもよるだろうが、充分に蒸すとそれを感じる。

冬の伊賀盆地の厳しい寒さは白ネギの甘さを引きたたせる絶好の条件となるらしい。

そんな「芭蕉ねぎ」の特長を活かせる料理をと考えた。

 

 

1. 芭蕉ねぎの鶏南蛮きしめん

伊賀はもちろん「中京圏」ではないがじゃあなぜきしめんなのかと問われると気まぐれである。

きしめんにしろうどんにしろ、麺の上に載っていたらこの極太白ネギの存在感をまざまざと見せつけられることだろうと考えたのだ。

芭蕉ねぎの鶏南蛮きしめん

感想;

見た目通り美味しく仕上がる。唯一の甘みを芭蕉ねぎがもたらす。鶏肉由来のダシと脂も効いていて良し。平たい麺との相性も良かった。

 

 

2. 芭蕉ねぎのバクテー(肉骨茶)

続いて浮かんだのがバクテー(肉骨茶)。

マレーシアやシンガポールのスープとしておなじみのこの料理は分厚い豚肉(豚の角煮)を主役にしてシナモンやグローブなどのスパイスと煮込む。

私はマレーシアを旅行して以来この料理のファンなのだった。一度、東京・立川かどこかのシンガポール料理屋で食べたが美味しくなかった。

じゃあ自分で作ってやるよ、と思い立ったのは芭蕉ねぎのおかげである。

 

 

豚バラブロックを適当な大きさに切ってにんにく、しょうが、こしょう、八角クローブ、シナモン、ローリエ、最後に「芭蕉ねぎ」を投入して鶏がらスープで煮込む。

 

芭蕉ねぎのバクテー

感想;

豚バラの脂身が多すぎる。。スーパーで良い豚バラブロックがなかったので脂肪が多いものを買ってしまったのがそもそもの過ちだった。先のきしめんの鶏肉の脂が美味しかったので今回も処置せずそのままにしたらスープを飲んでるのか脂を飲んでるのか分からなくなり途中で断念。スパイス類は効いており味は良かっただけに残念..

 

以上、2品を作る。

極太で存在感ある「芭蕉ねぎ」は一品の主役をはるのにふさわしい。

ねぎそのものを味わいたい人におすすめなのだった。

 

 

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芭蕉ねぎ Basho Negi the traditional ingredients of Mie, part 15

Ep.205

Basho Negi (Basho Green Onion) has been a new brand green onion since 2018.

Local famers of Iga area started growing this vegetable due to “utilization of non-cultivated land”, as a consequence, producers and cultivated land is getting increased year by year.

The most iconic characteristic of Basho Negi is its “thickness” and also sweet taste,  so that we can make this “main ingredient” in various dishes.

 

1. Basho Negi and Chicken Kishimen

2. Basho Negi Bak kut teh

 

It recommends a person who wants to enjoy green onion, “itself”!

 

http://www.igamono.org/items/iganobasyonegi/

https://www.iga-younet.co.jp/2022/01/17/50519/

https://www.jaiga.or.jp/?katsudou=11767-2

https://www.iga-younet.co.jp/2019/03/09/13292/