Ep.236
名古屋メシの一つとして認識されている味噌カツだが、発祥は三重県とする説がある。
津市の老舗洋食屋「カインドコックの家カトレア」である。
三重県の県庁所在地では洋食文化が花開き、「東洋軒」(1928年創業。Ep.214参照)、「中津軒」(1911年創業。Ep.223参照)など、100年クラスの洋食屋が存在感を示している。
カトレアのご主人、谷一明さんは若き日、東洋軒で修行を積む中で、「お金持ちだけでなく庶民にもとっつきやすい洋食を」という想いで味噌カツを着想したのだという。(「凪92号」より)
1965年には独立してカトレアを創業。以来、味噌カツは看板メニューであると同時に地域に広く知れ渡ったという。
津市下弁財町にあるカトレアを訪れた。味噌カツを注文すると、味噌をたっぷり吸い込んでいるのだろう大きなわらじのような豚カツが出てきた!?
これは私が今まで見て食べてきた味噌カツとは違う…
矢場とんや、他のトンカツ屋やうどん屋(名古屋圏のこれらの店ではメニューにある)におけるそれとも違う。
キツネ色の豚カツにどろっとした味噌タレがかかっている訳ではない。
食べてみる。甘みがある。八丁味噌ではない。
名古屋メシとしてのそれとは別物と考えた方が良さそうだ。
味噌カツの裏にスパゲティが隠れている。こういうところも洋食屋ならではだ。美味しく食べられた。
しかし味噌カツよりも目を引いたのはコーヒーだった。
ガラスカップの方にはミルクが入っている。
二段になっていて下段にはドライアイスが入っており、もくもくしている。冷やしているようだ。
私はコーヒーはブラックでしか飲まないが「入れた方が美味しいよ」と店員さんに言われたので入れて飲んだ。とても興味深い。
<手前味噌2024豚カツ(カトレア式)>
味噌カツを自宅で再現してみよう。
私は2021年から毎年自家製味噌を作っている(Ep.66参照)ので、肝心の味噌は「手前味噌2024」を使う。
もう一つの主役である豚肉は、三重県のさくらポークを鳥金(近鉄百貨店四日市)で購入。
どういうタイプの味噌カツでいくか考えたが、やはり“カトレア式”でいくべきだとなった。 味噌ソースの味付けこそがこの料理のキモである。
味噌をただお湯でといただけでは美味しいわけないから、ここは妥協して市販のブルドックソースとオタフクソースも使うこととした。
揚げたトンカツを手前味噌2024ソースにひたす。
が、この作業を前にして私は逡巡した。
トンカツは見るからに美味しそうだ。これをわざわざ、美味しいか分からない味噌タレにじゃぶ漬けしていいものか…
決心して漬ける。
うひゃ〜あまり美味しくなさそう..
自家製味噌なので大豆があまねく潰れているわけでもなくけっこう原型をとどめているのも目立つ。
食べてみる。
ムムム、意外とイケる。
しょっぱくて、サクサクした食感もすでに消失しているが、それがゆえに“味噌の味”に集中できる。
いや味噌の前にまず豚肉が非常に美味しい。鳥金で1枚700円ほどのロースを投入したかいがあった。
さくらポークを私はスーパーサンシ(Ep.41参照)でよく見るし、実際にバラ肉などはよく買うが、これを特別美味しいと思ったことは一度なかった。
けど本当は美味しいのだ、と知った。トンカツ用ロースのように、しっかりとした厚みで食べ応えのある部位を買うと、それがよく分かる。
意外な気付きを得られた味噌カツ作りだった。
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津 Tsu, How beautiful this city is! “Miso Katsu (Pork Côtelette with Miso Sauce)” by Katorea
Ep.236
Miso Katsu (Pork Côtelette with Miso Sauce) is one of the Nagoya-meshi (regional cuisine of Nagoya), but according to one theory, this originated in Mie.
A long established yoshoku restaurant “Katorea” is that one which is located in Tsu.
This sweet and fulfilled with Miso sauce is very impressed, therefore I tried cooking this as ”Miso Katsu with self-making Miso 2024 (Katorea style)”.
https://www.tokai-tv.com/tokainews/feature/article_20230311_25852
https://tsukanko.jp/spot/s455/