みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

ラグビー 三重ホンダヒート フランコ・モスタートとパブロ・マテーラの2023W杯編

Ep.183

南アフリカ代表・スプリングボクスの史上最多4度目の優勝で幕を閉じたラグビー2023フランスW杯。

 

その余韻も冷めぬ中、スプリングボクスニュージーランド代表・オールブラックスの選手たちが大挙所属するジャパンラグビーリーグONEの23-24シーズンが開幕する。

 

三重ホンダヒートは昨シーズンDivision2のレギュラーシーズンで2位となり、入れ替え戦でも勝利(Ep.154参照)。念願のDivision1での戦いが始まる。

 

チーム関係者もファンも地元も、希望に満ちた新シーズンである。

 

まずはヒート所属選手たちの2023フランスW杯での活躍を振り返ってみよう。

 

フランコ・モスタートの”献身”>

フランコ・モスタート選手 2023W杯オフィシャル より

 

最も活躍したのが疑いなくフランコ・モスタート選手だった。スプリングボクスのLO(ロック)のスタメンとして母国の連覇に貢献。

LOの同僚であるエベン・エツベスやRG.スナイマン(17〜20シーズンにヒートに所属)がそれぞれ準々決勝、準決勝で貴重なトライをあげた。しかしモスタートのタックル回数のスタッツを見てほしい。計73回という数値は、大会の全選手中の3位であった。他の上位選手たちのポジションは皆FL(フランカー)だというのに!

 

スプリングボクスのディフェンスの最前線で身体を張り、相手を刈って刈りまくった同選手のパフォーマンスは光を放った。

 

The Japan Times より

 

昨シーズン途中(23年4月)のヒートのファンクラブ会報誌にて、W杯を半年後に控えたモスタートのインタビューが掲載されていた。

彼は、

スプリングボクスのコーチ陣はヒートでの私のプレーを毎試合チェックしています。このリーグ(Division2)でのパフォーマンスが、W杯連覇という私の夢に近付くのです

と述べていた。

 

スプリングボクスのチームメイトたちがDivision1(1部リーグ)でしのぎを削る中、ヒートの昇格のために2部で示した“献身”が自身の夢の扉を開いた。

 

そんな彼は今シーズンもヒートに在籍。フランス帰りのワールドチャンピオンがチームへモメンタム(勢い)をもたらすだろう。

 

2023W杯オフィシャル より

 

<パブロ・マテーラの”誠意”>

パブロ・マテーラ選手 J SPORTSより

 

昨シーズン、三重ホンダヒートでモスタートと並ぶ世界的名手だったのがパブロ・マテーラ選手だった。アルゼンチン代表・ロスプーマスの主将である。

ヒートをDivision1に導いた後、W杯に向かうロスプーマスに合流した。

 

前述の会報誌にて、W杯のプールDに関してマテーラは述べていた。

世界中のメディアやファンは、プールDはイングランドとアルゼンチンが突破すると考えているでしょう。しかし私の考えは違います。アルゼンチンと日本が突破すると考えています

日本はイングランドに勝利すると思うのです(ただし日本はアルゼンチンには負ける)

 

これを読んだとき、私はニヤリとしたものだった。

リップサービスも含まれているだろう。

されど日本のプロフェッショナルラグビーリーグで1シーズンを過ごし、日本ラグビーの確かなレベルの高さを実感したことと、自身に活躍の場を与えてくれたヒートに対する感謝の気持ちが伺えた。

それはマテーラの“誠意”だった。

 

BBC SPORTS より

 

果たしてW杯。プールD最終戦はアルゼンチンvs日本。勝者が2位で突破する大一番となった。

FL(6番)でスタメンのマテーラはしかし前半24分、脚を負傷してプレー続行は不可能となる。

この試合こそマテーラが輝くべき舞台だったのだが…

私は日本代表の選手たちと同じくらい彼のパフォーマンスに期待してしていたので、このときは本当に残念だった。

 

マテーラの怪我は重症で大会からも離脱。

しかしアルゼンチンはチームとして見事な強さを見せ、日本戦に勝利するとウェールズにも勝利。ベスト4で大会を終えた。

 

もちろん彼も今シーズン、ヒートに在籍。いつ頃試合に復帰できるかは分からないが、Division1のチーム相手にFW第三列の充実は不可欠だ。

 

NZヘラルド より

 

<”闘将”レメキロマノラヴァ>

Number Web より

 

もう一人、三重ホンダヒート所属の選手ではないがレメキロマノラヴァNECグリーンロケッツ東葛に所属。14〜20シーズンにヒートに所属。Ep.154参照)についても記したい。

 

W杯前の国内テストマッチではチームに帯同するも試合出場はなし。

「なんでレメキ出さないの?」

と私はずっと思っていた。

 

それがサプライズで代表メンバー入りすると、初戦のチリ戦でいきなり出場。その後もFB(フルバック)として最後方からジャパンを攻守に支えた。

 

地面を叩きつけるような高速のピッチ走法は健在。スピードにのったキレのある走りと、相手にぶち当たってなお突進するその姿は、仲間を鼓舞し続けた。

昨シーズン、グリーンロケッツで見せた”闘将”ぶりを、ジャパンで、世界の舞台で示したのだ。痛快だった。

 

ちばとぴ!タウン より

 

<2023W杯における日本代表の「強さ」について>

オリンピック オフィシャル より

 

今大会の日本代表についてもついでに書いておこう。

プールステージ敗退に終わった訳だが、有識者やメディアの間ではそれでも4年前(2019年W杯時)よりも、個人の能力として、チームとしても今回の方が「強い」との意見が多いようだった。

 

そうか?

と思う。2019ジャパンの方が明らかに強かっただろう。

 

No.8姫野和樹。2019年の彼は世界に最大級の衝撃を与えた。

アタックでは相手を吹き飛ばして必ずゲインする。ディフェンスでは密集でのボール奪取(ジャッカル)を連発。

「ヒメノって世界最高のNo.8なんじゃないの?」

と私は思っていた。

ここまで脅威的な仕事をこなすNo.8の選手を、私はW杯で見たことがなかった。

 

共に究極的な脚の速さを持ちつつも、相手に影すら踏ませぬタイプのWTB福岡堅樹、相手ディフェンス網の穴をスピードでぶち抜くタイプのWTB松島幸太郎のコンビ。

高速の球出しでジャパンのアタックを主導した若きSH流大と、試合終盤に登場して任務を着実に遂行した”クローザー”SH田中史朗

脅威的な対人の強さを発揮したCTBラファエレ・ティモシー。

 

ああ、やはり2019年ジャパンの方が強かったな、と私は思うのだ。

 

<2023W杯における日本代表の「戦い方」について>

The Sporting News より

 

意外だったのは今大会のジャパンがSH(スクラムハーフ)からのキック(ハイパント・相手ディフェンスライン背後へのキック)を多用したことだ。

密集からの高速かつテンポの良い球出しがそれまでのジャパンの長所とされていたところ、

「なぜここで蹴る!?」

と幾度も思ったものだ。これでは他チームとやっていることが同じ。これじゃ勝てないじゃないか、と。

 

大会後のジェイミー・ジョセフHCの言によると、

最近のラグビーは守備やタックルが進化している。数年前からブレイクダウンで守備側が有利になっている

とのことだった。

誰よりもワールドラグビーの潮流に精通する代表のヘッドコーチが分析して出した結論なのだから間違いないのだろう。

 

それでも、と思う。

それでも、4年前のような戦い方は本当に効果的じゃなかったのか? と。

高速かつテンポの良い球出しでFWとBKが一体となった”総攻撃”。”ボールを持って攻める”戦い方。

 

思い出してほしい。本W杯準々決勝NZvsアイルランドにて、試合最終盤にアイルランドが見せた37フェーズに及ぶパスを繋いでボールを持って自陣ゴール前から相手ゴール前まで迫った魂のアタックを。

ボールを長くキープしたアタックを試行すると、必然、相手がペナルティをする確率だって高まるのだ。

「世界でジャパンにしかできないアタックを」と熱望するのは清宮克幸氏だけではないはずだった。

 

<三重ホンダヒート 23-24シーズンに向けて>

話をヒートに戻そう。今シーズン、彼らは新しいヘッドコーチを迎えた。キアラン・クローリー氏(ニュージーランド)である。先のW杯ではイタリア代表・アッズーリを率いた。

 

ラグビーイタリア代表とは、シックスネーションズ(欧州6カ国対抗戦)参加国という非常に恵まれた環境にいながらいつまで経っても強くならない残念なチームである。

先のW杯も散々な結果だった。オールブラックスに17-96、フランスに7-60。この点差はいただけない。

 

だがそれでも、日本代表は彼らに歯が立たないという事実がある。二回りはイタリアが上手だ。ジャパンは5回戦って1回勝てるかどうかだろう。世界の壁は果てしなく高いのだ。

 

キアラン・クローリーHC 三重ホンダヒート HPより

 

しかし見方を変えると、そんなW杯においては全体の「中の下」程度の実力のイタリア代表を率いたクローリー氏だから、今シーズン、Division1においては「実力下位」であるヒートを率いるのは間違いじゃないのかも、と思い直した。

 

格上相手にどう戦い、どう勝利するか。自分たちは、どうすればもっと強くなれるか。

 

イタリアHC時代に突き詰めたことを、そう遠くない現環境下で、今度は結果で示して欲しいと思うのだ。

 

今シーズンのヒートの目標はベスト8とのこと。(加えて4年後に日本一になるのが目標とのこと)

ただ現実的には「Division1残留」というのが最低限の目標となるだろう。

 

いよいよ23-24シーズンの開幕である。

Division1での三重ホンダヒートを応援していきたい。

 

 

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Rugby Mie Honda HEAT, Franco Mostert & Pablo Matera in 2023 World cup

Ep.183

23-24season of Japan Rugby League ONE has started since Nov.

In this season, lots of players from France Word Cup came to each teams of this league.

 

For Mie Honda HEAT, it’s first season in Division1 (They accomplished to promote last season.)

Franco Mostert achieved hid dream, in other word, back to back win in the World Cup as “Springboks”.

Pablo Matera took “Los Pumas” to the BEST4 in the World Cup.(but he was injured).

A new head coach, Kieran Crowley came from “Azzurri” in the World Cup to HEAT.

Their hopeful new season has begun.

 

www.honda-heat.jp

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