みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

芸濃ずいき 三重県の伝統食材1

Ep.57

数年前、京都駅の新幹線改札内でおみやげを探していた。

その際、漬物コーナーにある「ずいき」なる赤い野菜の漬物を見つけた。「京野菜」の一つだろうと思って興味深かったので、これを買って帰ることにした(ただし味は覚えていない..)。

 

先日、「みえの伝統野菜」の一つで、津市の芸濃(げいのう)町で栽培されている「芸濃ずいき」の存在を知った。

出荷先の9割以上が京都で、県内にはほとんど流通していないという。

するとあのとき食べたずいきは、津から入荷されたものだったのかもしれない。

 

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芸濃ずいき つづきは三重で HPより

私は「江戸東京野菜」に関する本を読んで以来、各地の「伝統野菜」に関心を持っている。

「江戸東京野菜」とは、「江戸時代から昭和40年頃まで東京で栽培されていた在来種や在来の栽培方法に由来する野菜」JA東京中央会HPより)のことで、

「伝統野菜」とは、「日本各地で古くから栽培されてきた地方野菜」(日本伝統野菜推進協会HPより)とのことだ。

 

その土地の気候に適し、文化・慣習にひも付いた在来の野菜があることは当然なのだが、栽培技術の進化や流通網の構築など現代化の過程で、その地で栽培する必然性が薄れたり、ビジネス的においしくなかったりして在来種は減少・消滅していった。

 

これは珍しい野菜に限った話ではなく、スーパーの棚に並んでいるおなじみの野菜も同様で、高度経済成長期に大都市への安定的・大量の野菜の供給が求められたことで、特定の種への収斂が進んだ。

 

この様な背景から均一・画一的になってしまった日本の野菜たちだが、近年、その地の在来種を復活させようというムーブメントが起こっている。

個性や多様性を尊重したり、地域性を大切にしようという時代の流れの中において、伝統野菜の復活は親和性が高いように見える。先陣を切っているのが江戸東京野菜だ。

 

 

三重県でも、

50年以上前から栽培されている、現在も一定量が市場に出荷されている、郷土色のレシピがある、

などの定義を満たした野菜と果実に関して、

「みえの伝統野菜」と「みえの伝統果実」を選定している。

 

芸濃ずいきはそのうちの一つで、「ずいき」とは特定の野菜の種を意味するわけではなく、サトイモの茎の部分のことをさすようだ。

 

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芸濃ずいき つづきは三重で HPより

芸濃ずいきが出回る時期は6〜8月とのこと。前述の通り、その辺のスーパーでは販売されておらず、津市内のJA直売所や道の駅で販売されていた。

 

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私はこの食材を入手し、伝説のTV番組「料理の鉄人」さながら調理を試みた。

 

1. 芸濃ずいきの酢の物

ずいきを軽く炒めた後、酢と砂糖で味付け。

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芸濃ずいきの酢の物

結果;

レシピが付属されていたので手始めにそれに従い作ったら上手にできた。最後にちらしたゴマの香りが効果的。

 

 

2. 芸濃ずいきのしば漬け

適当な長さに切った後、しば漬けの素で漬けた。

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芸濃ずいきのしば漬け

結果;

しば漬けの素をふりかけ過ぎてしょっぱくなり過ぎてしまったと思ったが、冷蔵庫で一日置いたら味が落ち着いた。食感も良く、ずいきは漬物に向いていた。

 

 

3. 芸濃ずいきと豚肉のガーリック炒め

ずいきと豚肉とニンニクを炒めて醤油とオイスターソースで味付け。

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芸濃ずいきと豚肉のガーリック炒め

結果;

上記2品を作った後に痛感したことは、ずいきとは「茎」そのものだということだった。そこで茎を上手に利用した料理として浮かんだのが、現地の中華料理の屋台で食べた空芯菜と豚肉の炒めもので、空芯菜の代わりにずいきにしてしまうという発想だった。特徴である赤色とシャキッとした食感は失ってしまったが、味が決まったので満足した。

 

 

4. 芸濃ずいき on ゆば

ずいきをせいろで蒸した後、冷やしてゆばの上に載せて醤油をかける。

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芸濃ずいき on ゆば

結果;

「フキ」の煮物や京料理をイメージし、ゆばと合わせた。結果、上品な? 料理に仕上がる。居酒屋のお通しで出せるレベルまでに昇華された(笑)。

 

 

この記事を読んだ方もぜひ、芸濃ずいきの料理にチャレンジを!

 

 

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芸濃ずいき Geinou Zuiki the traditional ingredients of Mie, part1

Ep.57

“Traditional ingredients in each regions” have revival movement now.

Some people have stopped its extinction and tried to crop again.

It looks good very much in present society, in terms of the respect for diversity and regionality.

 

Mie has already defined 6 kind of their traditional vegetables and 4 kind of fruits.

Recently I obtained 芸濃ずいき Geinou Zuiki which was one of traditional vegetables.

 

I tried cooking with this ingredients, like “Iron chef” from Japanese legendary TV cooking show.

 

My cuisine are below.

  1. Sweet vinegared food of Geinou Zuiki
  2. Shiba-duke pickles of Geinou Zuiki
  3. Stir-fly of Geinou Zuiki and pork with garlic
  4. Geinou Zuiki on Yuba

 

Several cuisine were yummy!

I was also satisfied with my cooking skills!

 

www.pref.mie.lg.jp

tradveggie.or.jp