Ep.15
四日市から全国に響く食品メーカーの代表として真っ先に浮かぶのが九鬼産業だ。
ごまの総合メーカーとして、とりわけ「ごま油」においては多くのラインナップを揃え、四日市市の名産品にもなっている。
工場はオールド四日市エリア(Ep.7参照)にあり、近くを通るとごまの香りがすることもある。
ここでもし「四日市」と「九鬼」というワードからからピンと来た方がいたとすれば、その方は間違いなく歴史好き(戦国時代好き)だと思われる。
九鬼産業(株)のルーツは、戦国時代に志摩半島を拠点に活躍した海賊、九鬼水軍と九鬼嘉隆(くきよしたか)である。
戦国時代の海賊といえば、瀬戸内海で活躍した村上水軍と村上武吉(むらかみたけよし)がとにかく有名であるが、九鬼嘉隆もまた稀代の大将だった。
(私は小学生から中学生のときに、スーパーファミコンやプレイステーションで戦国シミュレーションRPG「信長の野望 覇王伝・将星録・烈風伝」をプレイしていたので、かろうじて九鬼嘉隆という名前を覚えていた。ピンとは来なかったが..。また偶然だが、私が幼少期まで住んでいた広島県竹原市は、村上武吉が関ヶ原の合戦前まで拠点としていた街だ)
戦国時代の二大海賊とも言える村上水軍と九鬼水軍は、実は二度ほど激突している。
いずれも、織田信長 vs 本願寺顕如・毛利輝元の連合軍の合戦であり、前者には九鬼水軍が、後者には村上水軍がついていた。
当然ながら両水軍の激突は海戦、舞台は大坂湾であった。
村上水軍は瀬戸内海から東進すれば良いだけだが、九鬼水軍は伊勢湾から紀伊半島をぐるっと半周して大坂へ向かったことだろう。
戦地へ向かうのだから重装備と大船団だったに違いなく、当時の船は人力と風が頼りだったからさぞかし重労働だったに違いない。しかも目的地にたどり着いた後に、生死を分ける瞬間が待っているのだ。彼らのモチベーションはどのようなものだったのだろうか?
と現代人のマインドから当時の彼らの姿に思いを馳せてみる。
さて、この合戦だが、一度目は信長と九鬼水軍が敗れた。
これを受けて九鬼嘉隆は「鉄甲戦」を開発。
二度目の戦いで見事、村上水軍を破った。
海戦を制して堺の港を信長にもたらした九鬼水軍と九鬼嘉隆。この合戦で決定的な勝利を収めた信長は、この後、本願寺との抗争での勝利に向けてさらに加速していく。
九鬼水軍と九鬼嘉隆の物語にはまだ続きがあるが、このあたりでごま油に話を戻したい。
九鬼産業のごま油は市内のスーパーで入手することができる。
私が好んで購入しているごま油は下記のもので、ドレッシング代わりに生野菜に振りかけたりして使っている。
ごまが本来持つ圧倒的な香りの豊さというのは驚嘆すべきもので、私は九鬼産業のごま油を通じてそれを知った。
これを友人にプレゼントしたところ、中華スープの仕上げに振りかけて使ってくれているということだった。
あらためて私の方でも坦々麺の仕上げに振りかけてみたところ、ごまの香りがもたらされ、食欲が促進され、坦々麺自体のレベルが一段上がった気がした笑
そのまま味わっても良いし、仕上げに振りかけても良い、というもので、エキストラヴァージンオリーブオイルのように使えば良いとも思うが、それ以上に香りは強すぎるため、使い過ぎにはやや注意が必要(ごまが料理を支配してしまう)だと個人的には感じている。
海賊の大将だった九鬼嘉隆の子孫がごま油を作って売っていると聞けばおかしな感じもするが、信長の子孫がフィギュアスケーターになったことを考えると何も不思議ではない。
九鬼産業はきっとこれからも優れたごま製品を私たちに提供してくれることだろう。
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Sesame oil
Ep.15
九鬼産業 Kuki sangyo corporation is top sesame food production company in Yokkaichi.
Especially it’s famous for sesame oil.
Their aroma and flavor are awesome!
I have recognized for the first time how huge potential sesame oil is.
I try it with vegetables as salad dressing like E.V. olive oil.
It’s important role for my meal.