みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

亀山みそ焼きうどん

Ep.120

亀山市ご当地グルメ「亀山みそ焼きうどん」は、この街の立地的・歴史的な背景から生まれた由緒あるものだ。

 

亀山市Ep.101参照)は、国道1号線東海道)が通る(現在では東名阪や新名神Ep.63参照)も通る)交通の要衝。

関東をはじめ東日本からやって来たドライバーたちにとっては、亀山まで来て、あとは山を越えればもう近畿圏だ。

 

多くのトラックが行き交った高度成長期。亀山では運転手たちを客のターゲットにした食堂(焼肉屋)が次々に開店したそうだ。

それらはホルモンのように安い部位を味噌ダレ(特に赤味噌Ep.13参照))で味付けして提供するというもので、その「シメ」でうどんが使われたとか。

 

そんな背景があったため、15年ほど前のB級グルメによる全国的な街おこしブームの際、亀山の市民団体が着目。「亀山みそ焼きうどん」という呼称にして活動を推進し、今に至るのだった。

 

亀八食堂

 

私は2年前に四日市に引っ越して来て以来、鈴鹿・津・桑名・いなべ・菰野といった近隣の街にはしょっちゅう行くものの、なぜか亀山はスルーしており、今まで1度しか訪れたことがなかった。家からわずか20kmの距離だというのに。

 

それが今回、職場の後輩(亀山市出身)から「亀八食堂行ってください」と言われたので、来てみたのだった。

この「亀八食堂」こそが、亀山みそ焼きうどんの発祥のお店だ。

 

 

確かに、トラックの運ちゃんフレンドリーな、典型的な広い駐車場がある。

店内に案内されると、テーブルにセットされた鉄板。適当にお肉の種類を注文する。

そこでふと「一人焼肉」は初めての経験だな、と気付いた。

 

 

注文した品がやって来る。肉、キャベツ、もやし、そして味噌ダレ。ドバッと鉄板の上に豪快に載せられる。これを自分自身でトングで混ぜるとのこと。

意外だったのだが、味噌ダレがかなり容易に延びて、全体に均一に行き渡った。野菜から出る水分のためだろうか。

美味しくいただけた。

 

 

そして「シメ」でうどんの投入。変な話だが、今回はこれこそがメインなのだ。

 

 

味噌ダレも肉汁も、うどんが吸収した。正直に言うと鉄板の上を都合よく「清掃」している感じもするのだが、もちろん美味しくいただけた。みそ焼きうどん、美味しい!

 

 

そんな亀山みそ焼きうどんを自宅で作ってみようと思ったのは鹿のモモ肉が手に入ったからだった。これで「亀山みそ焼きジビエうどん」を作ってやろうという魂胆だ。

 

鹿肉を扱うのは初めてだったが以前にイノシシ肉を調理したことはあった。

このときの経験をもとに、臭みと硬さに対応するため、多量の薬味と圧力鍋を用いた。

 

 

ただ結果的には、イノシシ肉より手がかからなかった。圧力鍋じゃなくてもある程度煮込めば柔らかくなりそうだ。味見をしてみたら、弾力があって食べやすいお肉になっていた。臭みも問題ない。

 

参考 株式会社 安全より

 

続いて肝心の味付け。なお亀山みそ焼きうどんのタレというのは、市販されている。

しかし、料理はソースやダシを自分で作らなければ面白くない。自分が表現したい部分、あるいは味を支える根本の部分を出来合いのものに完全に委ねる訳にはいかない。そこは自分でコントロールしたいからだ。

 

折りしも、「自家製味噌2022」が熟成完了の季節を迎えていた。私は昨年2021年(Ep.66参照)に続き、今年も三重県産の大豆フクユタカを用いて手前味噌を作っていたのだった。

 

自家製味噌2022(三重県産フクユタカ使用)

 

 
だからこれを使おう。豆板醤、豆醤、九鬼産業()のごま油(Ep.15参照)と合わせて味噌ダレ(ソース)を作る。

(実際の亀山みそ焼きうどんの味噌ダレは赤味噌が一般的なのだがまあいいだろう)

 

 

亀山みそ焼きジビエうどん

 

完成、のち実食。

うどんを炒めすぎて柔らかくなりすぎちゃったというのはあるが、味付けを含めて評価すると、う〜ん、いまいちかな笑。

 

ここに至って一つの結論として辿り着いたのは、「亀山みそ焼きうどん」というのは焼肉の後の「シメ」として食べるから、美味しいのだということだった。

それは初めから「焼きうどん目的」で食べるのとは根本的に意味合いが異なる。鍋料理を食べ終わった後のシメで、うどんやラーメンや雑炊を作るのと同じだ。鍋料理の魚介のエキスが染み込んでいるから美味しい。

 

そんな訳で、自分で作ることによって初めて「亀山みそ焼きうどん」の本質に迫ることができたのだった。

 

 

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Kameyama Miso-yaki udon

Ep.120

“Kameyama Miso-yaki udon is the regional cuisine which is related to historical and geographical reasons of Kameyama city.

It is Miso-yaki udon with Aka-Miso (Ep.66) sauce after finishing to eat yakiniku on iron plate.

This is a crucial point.  It’s NOT main, but sub!

Therefore, even if I completed Kameyama Miso-yaki “gibier” udon (with deer meat), it was NOT good enough.

 

kirakame.sakura.ne.jp

www.kamehachishokudo.jp