みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

Super GT in 鈴鹿サーキット

Ep.106

鈴鹿市といえば「モータースポーツの街」

 

F1日本グランプリが行われる「鈴鹿サーキット」は、国内で最も著名なサーキット場だ。

 

私は三重県に越してきてから2年半。ようやく観戦機会に恵まれた。

昨年2021年、鈴鹿サーキットで行われるレースを観に行こうと計画していたが、コロナでことごとく大会は中止に。

 

日本自動車工業協会会長(&トヨタ自動車社長)の豊田章男氏が

「五輪は開催するのに四輪の大会はされなくて不公平」

と実にうまいことを述べていたが、それはモータースポーツ界の関係者の悔しさを代弁したものに違いなかった。

 

 

私はこれまでに様々なスポーツを会場で観戦してきたがモータースポーツは初めてだった。だからとても楽しみにしていた。

 

観戦に訪れたのは「Super GT 第3戦 鈴鹿大会」

Super GTシリーズは国内最高峰の四輪の大会で、要は市販車に大規模な改造を施したレーシングカーで争われる。

GT300」と「GT500」の二つのクラスがあり、これらは出力(馬力)を示すのでGT500の方が速いスピードが出る。

 

 

ホンダモビリティランドの入場ゲートをくぐる前から、すでにサーキット場の方から

「ブンブンブンブン」

と蜂が飛んでいるような音が聞こえてくる。公式練習が始まっているのだ。

 

スバル

BMW

ホンダ

トヨタ

エンジン音のデモを聴くために群がる観客たち

 

お昼を挟んでいよいよ本番が始まる。まずは前座レースの「FIA-F4選手権」。

若手ドライバーの登竜門的レースだ。

 

 

私は最終コーナー付近の席で観ていた。

目の前を、ビタッと地面に張り付いたレーシングカーが、地を這うように高速で通り過ぎて行く。

 

FIA-F4選手権

 

先ほど、遠距離からは「蜂」と称したが、目の前にすると「アブ」の方が適切かもしれない。レーシングカーはアブの大群が通り過ぎて行く音だ。

 

続いてメインイベントのSuper GT。この日は予選が行われた。これは決められた時間でコースを周回し、「最速ラップ」で順位(翌日開催される決勝レースにおけるスタート順)を決めるというタイムトライアルだ。

 

Super GT300クラス

Super GT500クラス

 

「音」が異なる。GT500クラスではより高音で「キュイーン」という吸引型掃除機に似た音で、時折「ボゴン」と何かが爆ぜるような音もする。

 

けれどもそれらの「音」も、周回を重ねるごとに変化しているように思えた。

というのも、走り始めの最初の数周というのはタイヤとエンジンを「温め」、その後、

「最速タイムを出すために本気で走る一周」に備えるためのものだからだ(まさに「ウォーミングアップ」)。

音の大部分はエンジンから発せられるものなのだろう。だからその温まり具合によって音も変化していくというわけだ。

 

 

面白いなぁと思ったことがある。

それはレースの実況・解説・司会進行を担当するピエール北川さんという方だ。レースを会場で観戦する者は皆、ピエール北川アナウンサーの実況を聴くことになる。

FIA-F4選手権もSuper GTもその他の余興も、すべてピエール北川さんが喋っていた。

「この人なんでこんなに面白いんだろうな?」と思った私は、考察を試みた。

 

①観客は実況に耳を傾けざるを得ない

 競馬や競輪(Ep.97参照)や競艇Ep.71参照)を実際にレース場で観たことがある人は分かると思うが、これらでは「コース全体への視覚的なアクセスが可能」だ。

けれどモータースポーツはそうじゃない。

鈴鹿サーキットにしても、一周5.8kmでコース全体を観客席から見渡すことは不可能だ。目の前を通り過ぎる一瞬しか視覚から情報を得られるチャンスはない。

 

従って必然的に観客は実況に耳を傾けざるを得ない。

もし実況がなかったら、観客はクルマが一周走って戻ってきたときに実は首位交代が起きていた、などのレース状況の重要な変化に気付かないことすら出てくるだろう。

 

ピエール北川アナウンサーは、

おぉーっと、第○コーナーで△号車が単独でスピンしている!! 3回転?! いや 2回転かぁ?!

とか、

第○コーナーで△号車が猛烈にアタックしている! Tail to Noseの状況だっ!!

などと言っている。

 

観客は目視で状況確認できないため、

「えぇ?? そんなことが起こってんの?!」

と情景を思い浮かべるしかないのだ。

 

 

②「主観」が入りまくる実況

 競馬や競輪や競艇の実況というのは、状況を冷徹に描写して述べるため、そこに実況者自らの「主観」が入り込む余地というのもほぼない。

けれどピエール北川アナウンサーはそうじゃないのだ。

 

○○〜(ドライバーの名前)、(このすばらしいタイムを)最初に出しとけよ〜それ〜〜

とか、

△号車はタイヤを信じてもう1周アタックをしていますが、、う〜〜ん、、最後のセクターのところで僅かに足りなかったところが惜しい..

などと、クライマックスのホームストレートを前にして言っちゃっているのだ。

 

主観が入りまくっているのだ。

だから面白いのだ。

要は、ちょっとプロレスの実況っぽいのだ。

 

後日、私は上記の考察を、職場の自動車とカーレースが大好きな後輩に述べてみたところ、彼は同意してくれた。

 

「そうっス、そうっス! ピエール北川が、面白いんス!」

 

鈴鹿サーキットの実況の名手 ピエール北川アナウンサー  Super GT HPより

 

もう一つ関心したことがある。それは勝利したドライバーたちが、レース後のインタビューでメカニカルスタッフ(エンジニア)たちへ感謝の言葉をしきりに述べていたことだ。

 

横浜ゴムさんには、本当に感謝しています」

 

などと言っている。

ドライバーたちは若く、20代前半の選手たちもたくさんいる。それはつまりチームの中で最も若輩者(つまりはこの競技に関して有しているノウハウが最も浅い)であるかもしれない。

 

一般の職種でもそうだと思うが、もし若手社員が自分の業務のために、上の世代や他部署の方にも協力を仰ごうとするとき、普段から礼節を持って接し、謙虚な姿勢で、時に感謝の気持ちを伝えることが欠かせない(「人懐っこさ」があると尚良い)。

 

若手ドライバーたちも、ベテランのエンジニアたちを

「この若者をレースに勝たせるためにがんばってやるか」

と、本気にさせることが欠かせないのかもしれない。

 

もちろん、ベテランエンジニアたちもプロなので自分の仕事にベストを尽くすことに違いはないが、それこそあと1mmの努力をするかしないかというとき、その差が0.001秒を削り出すことにつながるはずだ。

 

カーレーサーとして大成するためには、秀でたドライビングスキルは最低限求められるとして、人間的な部分というのも重要なのかもしれないな、と思ったのだった。

 

No.19 WedsSport ADVAN GR Supra GT500クラスで予選1位

国本雄資選手と阪口晴南選手 公式HPより

 

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Super GT in Suzuka circuit

Ep.106

Suzuka circuit is an icon of Suzuka city and the most famous circuit in Japan.  This is a place where F1 Japanese Grand Prix has held since 1976.

 

On May, I went to see the car racing for the first time.  This race was “Super GT series, Round 3”, it was the highest category of Japanese car sports.

Regarding Super GT, it means that a general car which is re-modeled drastically for racing is utilized.  So that we can see SUBARU, TOYOTA, HONDA and BMW with BRIDGESTONE, DUNLOP, Yokohama Rubber and MICHELIN, such names in this.

 

Watching car race was fantastic.  I liked engine sounds, impressive speed, thrilling time trial, a play-by-play announcer and all of the atmosphere in the circuit!

 

 

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