Ep.99
伊勢神宮に至る道中に点在する各地の「名物餅」。このことから伊勢街道は「餅街道」とも呼ばれる(Ep.96参照)。
私が食べたことのある餅は限られているがみんな美味しかった。三重県内の人にとっては「へんば餅」(伊勢市)や「関の戸」(亀山市関町)は有名だが、きっと県外の人にはあまり知られていない。
なんといっても人気・知名度ともに支配的なのが「赤福」だ。餅街道界における「ひとりGAFAM」だ。
全国の銘菓の中でもトップかもしれない。白い恋人や信玄餅やうなぎパイや鳩サブレや東京ばな奈や萩の月よりも人気があるのではないか。
みんな大好き赤福には「朔日餅(ついたちもち)」なるものがある。
これは毎月1日限定・店舗限定で販売される餅のことだ。
赤福のHPによると
「伊勢には、毎月一日に普段より早く起きて、神宮へお参りする「朔日(ついたち)参り」というならわしが残って」
おり、赤福ではその参拝客のために毎月1日に朔日餅を用意したとのこと。
販売日・受け取り日は毎月1日のみで、販売店は伊勢の本店以外に梅田の阪神や名古屋のタカシマヤなど限られている。当日販売もあるが売り切れる可能性があるので予約が推奨される。
そのため観光客にとって、出張で伊勢近郊を訪れた人にとっても入手するのは難しい。
ありがたいことに近鉄四日市駅の近鉄百貨店でも販売されている。私は21年5月からの一年間、毎月1日に会社帰りに駅まで行って購入・受け取り、即翌月予約を繰り返してこの度コンプリートした。
我ながらよくがんばったと思う。「朔日餅のグランドスラム」だ。
◆五月:かしわ餅
◆六月:麦手餅
◆七月:竹流し
◆八月:八朔粟餅(はっさくあわもち)
◆九月:萩の餅
◆十月:栗餅
◆十一月:ゑびす餅
◆十二月:雪餅
◆一月:販売なし
◆二月:立春大吉餅
◆三月:よもぎ餅
◆四月:さくら餅
季節の旬をモチーフにした多士済々な餅たち。
最も美味しかったのは六月の「麦手餅」。
最もエンターテイメント性に満ちていたのは七月の「竹流し」というところだ。(水ようかんなので餅じゃないじゃないか、と言うのはやめよう。餡は赤福で作られたものが使われているのだ)
包み紙が美しいことも目を引くが、より「通」な人は化粧箱で購入するらしい。
例えば七月の竹流しだと、竹細工の箱に入っている。
化粧箱(5本入り)と大箱(10本入り)の値段が同じ¥1,800だから付加価値を出してきている。
地域の住人に愛される朔日餅なのだった。
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朔日餅 Tsuitachi-Mochi
Ep.99
赤福餅 Akafuku-mochi is white spheral rice-cake and sweet Anko on it. Their fame and popularity might be a top famous confectionery in whole of Japan.
On the other hand, Akafuku company makes “朔日餅 Tsuitachi-mochi” which is related to Ise-shrine and its pilgrimage. All 11 varieties of Tsuitachi-mochi are sold in only 1st months each (except Jan.) and only a few stores.
So, it must be difficult for tourists to get them.
Fortunately I got all 11 Tsuitachi-mochi due to Kintetsu department in Yokkaichi. I have booked it, gone there and bought it for a year.
At last I accomplished! All of them were yummy and made us fun.
Each month’s distinctive mochi respects the season and the month. Visual effect is also great!