みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

地方紙

Ep.35

新聞の発行部数で世界第1位が日本の読売新聞だというのは割と知られた話だ。

第3位が朝日新聞で、毎日、日経、中日新聞も世界トップ20に入っている。(2016年時点. 下記サイト参照. 電子版の購読者を考慮するとこの限りではないと思われる)

 

5社合計で約2,400万部であり、単純に日本の人口の5分の1に相当する。新聞をとらない世帯もあるから占有率という意味ではさらに高まるだろう。つまりこの国の新聞業界は大手全国紙が独占していると言える。

 

私は昔から「全国紙」を読んでいるが、例えばこれの国際面を見ると、大国の大統領選挙や野党指導者の様子を実に詳細に報じている。これらの記事には関心を持って読む一方で、

こんなに詳細に報じる必要、本当にあるか?

とも思う。

 

一方で「地方紙」はどうか?

静岡にある妻の実家では地方紙を含めた3紙をとっている。そしてこの3紙を読み比べることが、帰省したときの密かな楽しみだ。地方紙はとりわけ一面(トップ記事)がいい。

・前年の富士山静岡空港の利用客数減を嘆く元日の朝刊

・外国にルーツを持つ市内の団地の若者たちがヒップホップグループを結成

小惑星「りゅうぐう」に水の存在を確認した探査機「はやぶさ2」の快挙の裏に県内企業の技術が貢献

など。

もちろん地方紙にも、右とか左とか経済重視とか人権重視とかあるのだろうが、そんなことよりも真っ先にメインで報じるのが「地元のニュース」なのだ。

それはとても面白いことだと思った。

  

四日市に越して来てからしばらく経った頃、私は地方紙2紙を1ヶ月間試読してみることにした。元々とっていた全国紙1紙を含め、計3紙を、ガチンコで読み比べようという試みだ。

 

 

縁や運に恵まれてやってきた四日市、三重。日々生活している中で、

この地域について無知や無関心でいることは、私はいやだった。

 

 

・市長が政策を発表した

・市内の中学生が全国コンクールで入賞した

・市内の公園のコスモスが見頃を迎えた

 

これらだって私の身の回りにある大切なニュースなのに、私はまるで知らない。だからこのようなニュースこそ、地方紙によって取得しようと考えたのだ。

 

 

試読した地方紙は「中日新聞」と「伊勢新聞」だ。

中日新聞は規模で言うと全国紙なのかもしれない。ただこの新聞のユニークなのは、例えば浜松版と三重県版では一面が大きく異なる点だ。その意味でも地方紙と言えるのではないか。

伊勢新聞は津市に本社を置き発行部数は10万部というから、これぞまさに私が記事内容を期待する、ザ・地方紙である。

 

売店に電話し、翌朝から玄関ドアの郵便受けに3紙が放り込まれる日々がスタートした。

 

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初期の読み比べの結果、予想通り地方紙はローカルニュースに強みがあり、全国紙を凌駕していた。

ただ私の心が揺れ始めたのは、ほのぼのとした記事ではなく、大量の事件・事故・不祥事の記事だった。

 

・◯◯川に同僚の女性を突き落とした男が◯◯警察署に出頭

・片側一車線の道路でひき逃げ事故があり、被害者は死亡

・市内のリサイクルショップに強盗が入り現金を奪って逃走

・◯◯寺の住職が現金数千万円を着服

・◯◯村の民家に強盗が押し入り、世帯主が後頭部を鈍器で殴られ重傷

振り込め詐欺で計数千万円の被害

・堤防に釣りに訪れていた高齢の女性が、同行者が目を離したすきに行方不明

 

これらは、私の本当にごく近くで起きた出来事だった。

最初の数週間、ネガティブなニュースがたまたま続いているだけだと思った。

だがそうではなかった。結局試読期間の1ヶ月に渡りずっと、この手のニュースは地方紙の地元面に載り続けた。

 

私は衝撃を受けた。

 

四日市と東海地方でこれなのだから、東京と関東地方では推して知るべしだ。

東京でこの手のニュースをいちいち報じていたらそれだけで新聞の一面が埋まってしまうだろう。だから新聞社(全国紙)は適当に「間引いて」載せているだけではないか。

 

おびただしい数の事件・事故・不祥事

これらは、私たちのすぐ近くで、日常的に起きている!

 

この事実を知ったとき、私は、本当に、恐ろしくなってしまった。

自分が当事者になっていないのは、たまたま。運が良かっただけ。

 

まさに狂気の世の中である。

 

 

さて、1ヶ月の試読期間が終わった。開始前、地方紙が気に入ったらそのまま購読を継続し、これを機に全国紙から取っ替えても良いとも考えていたが、結果的に、以前の日々通り全国紙1紙のみの購読に戻した。

 

理由の一つは、全国紙が載せる記事の読み応えだった。スケールの大きな特集や検証記事。通信社に依存しない独自取材の記事。これらは圧倒的な人海戦術を駆使する大新聞社だからこそ成せる技であり、正直に言って地方紙は太刀打ちできない。

 

理由のもう一つは、地方紙を購読しなくても、フリーで地方紙の記事をある程度読めるwebサイト「47NEWS」の存在を知ったからだ。

これを毎日チェックすれば、今回の試みの発端をある程度満たせる。

 

今後も、私が暮らす地域の身の回りにある大切なニュースを、取得していこうと思ったのだった。

 

 

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Local newspaper

Ep.35

If you get “Local news” in your daily life, it might be the best to read a local newspaper.

Mie has two local newspapers, 伊勢新聞 Ise shimbun and 中日新聞 Chunichi shimbun.

 

I decided to subscribe to these 2 local newspapers in 1 month period as a trial, in addition to existing 1 national newspaper.

According to comparison of 3 newspapers, I expected to get many quantities and more diverse of local news.

 

I wanted to know the information which were significant, tiny, a heart-warming and beautiful occasions around me.

 

The early days of a trial period, I confirmed local newspapers had more local news than national one as I thought.

And also in local newspapers, I found there were so many terrible crime, unfortunate accident and incredible scandal..

 

I was shocked and scared.

Such occasions were around me..

 

After finishing a trial period, I did not continue to subscribe to local newspapers.

The reason why I noticed we could get local news in “47 NEWS” online for free.

It was sufficient satisfied with me.

Since then, I have checked and gotten local news.

 

 

en.wikipedia.org

www.47news.jp

www.isenp.co.jp

www.chunichi.co.jp