みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

四日市の風土

Ep.2

『組織や地域の風土を作るのは土の人と風の人だと言われる。

 土の人は、土地や組織に根ざして文化や慣習を守り受け継いでいく。

 一方の外部から入ってくる風の人は、新たな価値観や考え方をもたらしていく』

                     山川徹 著「国境を超えたスクラム」より

 

四日市の風土とはどのようなものだろうか?

三重県の北部、名古屋からは電車で30分強の場所に位置するこの街は、東海地方を代表する工業都市として知られている。

 

自動車や機械メーカーの工場が多い中京工業地帯にあって、この街については化学メーカーが多数派であり、全国でも屈指の石油コンビナート・化学プラントを擁している。

 

主な化学メーカーを列挙すると、

三菱ケミカル、JSR、東ソー、DIC、三菱ガス化学、JNC、BASFジャパン、コスモ石油、味の素、と錚々たるメンバーだ。

 

これらのメーカーの多くは「化学プラント」を有している。

 

個人的な所感だが、化学プラントというのは一つの生態系である。

製造部門の方たちは交代勤務で24時間プラントを運転し、化学製品を製造している。

工務部門の方たちは365日プラントを保守・保全し、定期的な修理・修繕については地場のエンジニアリング・土建会社に委託している。

開発・技術部門の方たちは工程の改善やトラブルが起きた際に速やかに対応している。

品質管理部門の方たちは製品の出荷に際し、検査し保証する責任を負っている。

 

「化学プラント」という一つの存在が、実にたくさんの人の雇用を創出し、彼らにご飯を食べさせてくれている。

 

あらためて「物理的なモノ」を作り、販売して利益を得る、というプロセスの、スケールの大きさを感じる(これと比較してIT産業の省人化・省インフラ化のいかに優れたことか..)。

 

上記に列挙した化学メーカーたちは大手なので、「四日市工場採用」として多くの地元の方たちを採用している一方で、責任者や管理職の一部には「本社採用」の方たちを出向させて起用しているものと思われる。

 

冒頭の風土の話を持ち出すと、前者が土の人、後者が風の人となる。

 

古くからコンビナートや化学プラントが発展したこの街は、外から来る方(風の人)を受け入れる土壌がある。そして両者が一体となって組織を、地域を運営し、発展してきた、そんな歴史がある。

これこそが四日市の風土だと、私は思う。

 

県内最大の人口と経済規模を誇る工業都市にして、三重県の中の異端。それが四日市である。

 

 

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風土Fuu-Do

Ep.2

風土Fuu-Do means “environment based on nature, climate, atmosphere, history, culture, custom and so on”.

 It is said that a good social organization or regional community are driven by people as soil and people as wind.

 

 People as soil have lived in the area.  They have preserved their culture and told their spirit.

 People as wind have come to the area from outside.  They have brought new value or innovation to the area.

 

 This city, Yokkaichi has been developed by big chemical companies since middle of 20th century.

 It must be built by both people as soil and people as wind