みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

食べもの

朔日餅(ついたちもち)

Ep.99 伊勢神宮に至る道中に点在する各地の「名物餅」。このことから伊勢街道は「餅街道」とも呼ばれる(Ep.96参照)。 私が食べたことのある餅は限られているがみんな美味しかった。三重県内の人にとっては「へんば餅」(伊勢市)や「関の戸」(亀山市関町…

なが餅・安永餅、餅街道

Ep.96 四日市の銘菓といえば「なが餅」である。全国的な知名度には乏しいけれど圧倒的に歴史が古い。「なが餅」を販売する笹井屋によると創業は1550年とのことだ。桶狭間の戦いの10年前だ。 薄っぺらくて長い白い餅の中にあんこが入っている。 食べ応えには…

市木オレンジ 三重県の伝統食材10

Ep.93 「市木(いちぎ)オレンジ」は夏みかんに温州みかんを接木した(交配させた)ものが紀州地方に伝わったとされるもので、三重県南部の御浜町(みはまちょう)で50年前から栽培されているらしい。 出荷時期は1月から2月。皮が厚く、果汁が多くて酸味が少…

伊賀と芭蕉とバナナとカカオ

Ep.90 伊賀市の中心駅である上野市駅(伊賀鉄道)は2019年2月、駅名の愛称を「忍者市駅」とした。 これは伊賀市が誇る「忍者」をPRするもので、町おこしや観光の誘致につなげたいらしい。 朝日新聞デジタルより このような動きというのは、富士山静岡空港、…

きんこ 三重県の伝統食材9

Ep.87 「きんこ」は志摩地方で作られている「干し芋」のことで、海女のおやつや漁師の保存食として親しまれてきた。 きんこの材料は「隼人芋」で、地元で収穫した後、保管・皮むき・釜で炊き上げて蒸らす工程を経てから10日間ほど天日干しすることで完成する…

たかな 三重県の伝統食材8

Ep.84 目を見張るほど美味しい「めはり寿司」 って本当かいな? という疑問が前からあった。 めはり寿司というと和歌山県の郷土料理のイメージがあるが、三重県南部の熊野市や尾鷲市もいわゆる「熊野」地方であり、昔から食べられてきたようだ。 めはり寿司…

三重なばな 三重県の伝統食材7

Ep.81 「三重なばな」は洋種アブラナの茎と若葉を食用とした「みえの伝統野菜」の一つだ。 県内では桑名市、木曽岬町、松阪市で栽培が盛んらしい。 なので桑名市長島町にあるナガシマリゾート「なばなの里」(Ep.32参照)は、同町で生産が盛んな「なばな」か…

伊勢いも、伊勢たくあん 三重県の伝統食材5、6

Ep.78 「伊勢いも」は県中部の多気町(たきちょう)が原産の「みえの伝統野菜」の一つだ。 長芋の一種とされるが、じゃがいものように丸い形状をしている。ただしサイズは大きい。 今回のテーマは「伊勢いも」 まずはとろろで食べることを試みたが、長芋のと…

蓮台寺柿・前川次郎柿 三重県の伝統食材3、4

Ep.75 秋真っ盛り。一号館(Ep.36参照)で「柿」のポップを見つけた。 柿には「甘柿」と「渋柿」があり、これらの違いは、 渋み成分「タンニン」が口の中で溶けるかどうかで決まり、溶けると渋くなり、溶けなければ甘くなる。 とのこと。興味深い。これは有…

松阪赤菜 三重県の伝統食材2

Ep.72 松阪赤菜(まつさかあかな)は「みえの伝統野菜」の一つで、鮮やかな紅色をしている印象的な野菜だ。 松阪赤菜は「日野菜」の原種に近いとされ、戦国武将・蒲生氏郷(がもううじさと)によって近江から松阪に持ち込まれたらしい。 日野菜の「日野」と…

おにぎり 2nd

Ep.69 四日市でおにぎりと言えば「おにぎりの桃太郎」(Ep.17参照)だが、県内には他にもおにぎりの専門店を見かける。 これまで私が暮らしてきたどの地域にも(東京でも地方でも)、こんなにおにぎり屋があるところはなかった。三重県の人たちはおにぎりが…

フクユタカで手前味噌

Ep.66 三重県で栽培されている大豆のほとんどの品種は「フクユタカ」で、「三重県産フクユタカ使用」と明記してある豆腐や油揚げや納豆(Ep.61参照)をスーパーでよく見る。 味噌は見ない。それならば味噌も三重県産のフクユタカで作ってしまおうと思いたっ…

美しき県庁所在地・津 松菱編

Ep.65 私は百貨店(デパート)が好きなので近鉄四日市駅にある近鉄百貨店は毎週末訪れている。 品があって格が高いところが好きだ。商品の質も安心感も店員さんの接客する力も。これらはイオンに対してまさっていることだと思う。 家から自転車で行ける距離…

鶏の唐揚げ

Ep.62 四日市で「鶏」と言えば三昌物産(株)だ。 市内の塩浜に本社を持つこの会社は、「大地のめぐみ」などの卵や「とりあん」を展開している。 とりあんは大分県発祥の唐揚げ専門店だが、四日市市内の店舗には三昌物産が鶏肉を提供しているようだ。 とりあん…

都納豆(みやこなっとう)

Ep.61 私は納豆が好きだがそれは茨城県出身だからではない。 「納豆イコール茨城県のアイコン」 のイメージを多くの人が抱いているのはなぜだろう? 2002年8月、高校二年生だった私は、茨城インターハイのボランティアにかり出されていた。 つくば市がバドミ…

美しき県庁所在地・津 うなぎ編

Ep.58 職場の地元出身者の方と話をしていると、彼らにとって津市とは、 「うなぎを食べに行くところ」 なのではないかと、たまに思う。 これは地元では知られた話で、2005年の総務省の家計調査によると、 「津は一人当たりのうなぎの消費量が日本一」 という…

芸濃ずいき 三重県の伝統食材1

Ep.57 数年前、京都駅の新幹線改札内でおみやげを探していた。 その際、漬物コーナーにある「ずいき」なる赤い野菜の漬物を見つけた。「京野菜」の一つだろうと思って興味深かったので、これを買って帰ることにした(ただし味は覚えていない..)。 先日、「…

「犬がいた季節」

Ep.45 四日市を舞台にした伊吹有喜さんの青春小説「犬がいた季節」に地元が沸いている。 市の観光交流課は散策ガイドマップを発行し、市内最大書店の丸善では来店者の誰もが目につく場所に半年間にわたり伊吹有喜さんコーナーを設けて盛り上げている。 四日…

鈴鹿のあられ

Ep.44 鈴鹿市の名産は「あられ」である。 スーパーのお菓子コーナーでは鈴鹿のあられが何種類も置かれている。 以前、水沢にあるかぶせ茶カフェを訪れたとき(Ep.25参照)、あられにお茶を注いで食べる、という体験をした。 水分(お茶)に浸されたあられな…

三重県の地酒

Ep.39 それまで日本酒を真剣に味わって飲んだことはきっとなかった。 少なくとも体系的に、味を文章表現したり好みを評価したりというようなことは。 以下はこの半年に渡り、三重県の地酒を毎晩飲み続けた結果をまとめたものだ。 これを実施するにあたり、ま…

桑名の蛤

Ep.31 初めて、桑名(くわな) という地名を知ったのは小学校高学年か中学生の時だったと思う。 当時、私は母に連れられて土方歳三を主人公とした宝塚歌劇団の舞台を観に行ったことがきっかけで、新選組を扱った司馬遼太郎の小説「新選組血風録」や「燃えよ…

四日市とんてき 調理編

Ep.28 四日市の人々はとんてきを食べているのか? 会社の四日市出身・在住の先輩社員に伺ったところ、 「食べるで! でも店で食べると高いやんか? やから家で作って食べるんや」 とのことだった。私は 「食べへんよ。市外の人らが食べに来るだけやろ」 と言…

四日市とんてき 概要編

Ep.27 今や全国どこにでもあるご当地グルメ。四日市市のそれは「四日市とんてき」だ。 四日市とんてき協会のHPによると、 「分厚い豚肉をにんにくと一緒に濃い目のたれでソテーし、たっぷりのキャベツの千切りをそえた料理」 というもの。 市内の町中華、ラ…

かぶせ茶(伊勢茶)

Ep.25 「茶」の生産地と言えば圧倒的に静岡県で、近年では鹿児島県のイメージも強いが3番手は三重県だ。 四日市市の西側、沿岸のコンビナート地帯からは20km近く離れた水沢(すいざわ)地区では、あたり一面に茶畑が広がった光景が見られる(Ep.22参照)。 …

おにぎり

Ep.17 四日市に来て最初に興味を引いたことの一つが「おにぎりの桃太郎」だった。 市内のあちこちでよく見かけるオレンジ色の外観と、「おにぎり」を基軸としている営業形態としての珍しさ。 たくさんの地元の方たちに愛されているのだろうか? という好奇心…

ごま油

Ep.15 四日市から全国に響く食品メーカーの代表として真っ先に浮かぶのが九鬼産業だ。 ごまの総合メーカーとして、とりわけ「ごま油」においては多くのラインナップを揃え、四日市市の名産品にもなっている。 神田川俊郎シェフも宣伝 工場はオールド四日市エ…

赤味噌

Ep.13 四日市市は赤味噌の文化圏である。 (ここで言う赤味噌は、大豆を原材料とし、熟成期間が他の味噌よりも長く、色味が赤っぽくなっている東海地方を中心とした味噌を指すことにする) 味噌の分布 イチビキ(株) HPより この街のレストランで、例えばハン…

伊勢志摩ガストロノミー

Ep.9 「御食国(みけつくに)」 と称され、古代より朝廷に神事などに用いる特別な海産物を献上してきたと言われるのが、若狭国、淡路国と志摩国である。 現在においても伊勢市、志摩市などのエリアは、海の幸・山の幸に恵まれ、 この圧倒的に豊かな食材に魅…