みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

ミスタートンカチ、及び作業服・作業用工具専門店

Ep.112

四日市から菰野方面へ向かって湯の山街道(国道477号線)を走っていると見えてくる奇抜な名前の看板。

ミスタートンカチ

ローカルスーパーマーケットの一号館(Ep.36参照)が手がけるホームセンターである。

 

 

当初、すっとんきょうな名前だなと思った。

 

が、私は私がこれまで暮らしてきた地域にあるホームセンターの名前を思い浮かべてみた。

 

ジュンテンドー』(広島)

ジョイフル本田』(茨城)

ジャンボエンチョー』(静岡)

DCMカーマ』(東海地方)

 

みんなダサい名前じゃないか!?

「ローカルホームセンター」には、奇抜な名前が多いという共通点があるのかもしれない。

 

 

ミスタートンカチ菰野店に関してはオーソドックスなホームセンターだが、四日市には作業服や作業用工具に特化したお店がいくつもある。製造現場で働くプロが求めるアイテムを揃えた非常に専門的なお店だ。

理由は、やはり「工業都市四日市」であるためと言えそうだ。

 

三重ワーク

作業靴は、つま先の部位に金属の芯(≒鉄板)が内蔵されていることで落下物からの足の怪我を防いだり、靴底から除電できる機能(静電気対策)を有していたりする。

しかし一定期間履くと作業靴の内側からつま先部位の金属芯が剥き出しになってしまい、靴下と金属が直接的に、常時こすれることになってしまい、靴下に穴が空くことがある。

 

そんなわけで、兎にも角にも破れない強固な作業用靴下を目当てに三重ワークを訪れたら、やはりそのようなニーズというのはあるらしく、充実の品揃えだった。

 

 

三重ワークは四日市鈴鹿に出店している作業服に特化したお店で、いわば『ワークマン』の「三重県ローカルver.」といったところだ。

 

アストロプロダクツ

国道23号線沿いにある『アストロプロダクツ』。「輸入工具」と看板に出ているのが興味深かったためいつも気になっていた。

店内に入ると、基本的に職場でしか使わないようなパイプレンチ、スパナ、メガネレンチ、ラチェットといった工具。プライベートでもたまに使うペンチ、ニッパー、ドライバー、メジャーといった工具はプロ仕様が揃う。他にも、これは一体何に使う工具なのか? というのもたくさん置いてある。

バラエティ豊かな工具は、見ているだけでも結構楽しいと私は思う。

(ただしアストロプロダクツは全国に150店舗以上あるチェーン店とのことだったので、ローカルなお店というわけではなかった)

 

コメリPRO

もちろん『コメリ』は新潟県発祥の農業用具を中心としたホームセンターだが、『コメリPRO』は三重県が発祥とのこと。

そしてこのコメリPROこそが、工業都市四日市における作業服・作業用工具の最大の品揃えを誇る店(多分)なのだが、それについては別の機会に記したい。

 

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Local DIY store, “Mr. Tonkachi” and so on

Ep.112

Yokkaichi has some DIY stores specialized working wears and industrial tools.  This must be related to “industrial city”.

If you visit these shops, you might see lots of items first time in your life.

 

www.ichigokan.co.jp

www.hayasiya-syouji.com

www.astro-p.co.jp

www.komeri.com

www.juntendo.co.jp

www.joyfulhonda.com

www.encho.co.jp

www.dcm-hc.co.jp

 

家族的美食屋 あじへい

Ep.111

三重県民にとって馴染みのファミリーレストラン

それは「家族的美食屋 あじへい」である。

 

お店の看板にあるようにラーメンとぎょうざを売りにしているので、ジャンル的には「中華料理系ローカルファミレス」というところだ。

 

 

ところで中華料理系ローカルファミレスとなると、私にとって真っ先に頭に浮かぶお店が2つある。

ラーメン珍来(ちんらい)」(茨城)と、

五味八珍(ごみはっちん)」(静岡)である。

 

ラーメン珍来 ラーメンデータベースより

黄色に赤抜きのインパクトある看板。

「珍来」は私の地元のつくば市周辺のあっちこっちにある(あった)。

 

何しろつくばの大動脈である「東大通り(ひがしおおどおり)」には並木〜天久保のわずか4km程度の距離に3店舗もあったのだから。

 

つくばは大学や研究機関、企業の研究所が集結して他地域出身者が大挙やって来る街なのだが、彼らにとって

「このラーメンチェーン店は一体何者なのか?」

と思ったに違いない。

 

五味八珍 イズモカードHPより

 

もう一つは「五味八珍」。静岡県で生活しているとこのチェーン店にはあっちこっちで出会う。

なぜこちらも「珍」が使われているのか!? という驚きとともに、私はこれを「静岡の珍来」と呼んでいた。

五味八珍のぎょうざは地元民に好評だ。

 

 

話を「あじへい」に戻そう。

三重県内におけるあじへいは珍来や五味八珍のようにあっちこっちで見かける、というわけではない。店舗は少なめだ。

 

あじへいを訪れると、一番推しは「あじへいラーメン ミニ炒飯セット」だった。

 

 

ラーメンのスープを一口飲んで炒飯も一口食べたとき、思わず心の中で頷いた。予想通りの味だったからだ。

これは珍来と同じだ

と思った。

 

濃くてしょっぱいスープと炒飯。

これは珍来と同じだ。(ただし珍来のように鶏がらと醤油のスープは付いてこない)

 

セットを食べ終わるまで、そしてお店を出た後も数時間に渡り、口の中を希釈するために大量の水を要することになったことは言うまでもない。

 

このときお昼時は過ぎていたが店内を見渡すと家族連れが多かった。

三重県民に愛されているファミリーレストランなのだと思う。

 

 

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A Local family restaurant of Mie, “Ajihei”

Ep.111

あじへい Ajihei” we sometime see in Mie is a “local family Chinese restaurant”.

It’s same as Chinrai of Ibaraki and Gomihattin of Shizuoka.  That taste is strong seasoning and salty, so that we need something much to drink.

But these restaurants are local people’s favorite one.

 

dime-group.jp

www.chinrai.co.jp

www.gomihattin.co.jp

 

下を向いて歩こう

Ep.110

上を向いて歩こう 涙がこぼれないように

 

では下を向いて歩いたらどうなるか?

涙はこぼれるだろう。だが何か新しい“気付き“があるかもしれない。

 

マンホールについての話だ。

 

私はそれまで、四日市にはいくつかの「デザインマンホール」があることには気付いていたし、その中でもたまに「カラーversion」があることも知っていた。

それらは近鉄四日市駅周辺で見かけた。

 

けれどもこの「カラーデザインマンホール」が松本街道にもあることは知らなかった。

 

春、スタッドレスタイヤから戻すためにタイヤ屋に自家用車を預けた後、徒歩で家まで帰っていたときのこと。

下を向いて歩いていたから気付いたのだった。

 

東海道五十三次」 四日市市のデザインマンホール その1

 

四日市東海道五十三次で43番目の宿場町。歌川広重の作品で描かれているのは川の近くで強い風が吹いている様。

これがマンホールのデザインに採用されている。

 

歌川広重 『東海道五十三次四日市』 東京富士見術館 HPより

 

サルビア」 四日市市のデザインマンホール その2

 

最も頻繁に目にするデザインマンホールが「サルビア」だ。

(絵が描かれていない)通常のマンホールを含めた市内の全てのマンホールの2割はサルビアじゃないかと思う。それだけあちこちで見る。

けれど面白いことにカラーversionはほぼ見ない。松本街道にもない。私は近鉄四日市にある1つだけ(上記写真)しか知らない。

 

なぜサルビアかというと、それは四日市市の「市の花」として制定されているからなのだった。

 

ところで全国の自治体ではシンボルとしての「市の花」や「市の木」や「市の鳥」を制定している。私はずっと不思議に思っていたのだが、これらは意味あるのだろうか?

 

四日市サルビアにしても、「市の花」だからといって市内の至る所で見かけるわけではないし、

「市の花、サルビアを市民一丸となって愛でましょう」

と市の広報などから奨励されているわけでもない。だから知名度もない。自分の暮らす街のシンボル花や木や鳥が何か? 理解している人はほぼいないだろう。

 

強いて言うならば南部丘陵公園 北ゾーン駐車場の花壇に植えてあったサルビア

 

蛇足だが「市の鳥」について。

私が以前暮らしていた静岡県袋井市ではフクロウが市の鳥だった。

市のHPを見ると、要するに市名の「袋井 フクロイ」から取ったらしい。

そういう理由もありなのか、と驚いた記憶がある(市のキャラクター「フッピー」もフクロウだ)。

 

「フッピー」 袋井市HPより

 

そして当時の私は、なぜかたまたま私の地元・茨城県つくば市の「市の鳥」もフクロウだということを知っていた。

そんなわけで、私にとってゆかりのある2つの街の「市鳥」が、いずれもフクロウだという非常に奇妙な一致をみた。

 

なおつくば市のHPを見ると、フクロウは「森の哲学者」とも言われる「知恵と技術の象徴」。それが研究学園都市・つくばにふさわしいから、とのことだった。

なるほど、つくばの理由の方が納得感がありかつインテリ感がある。

 

つくば市のキャラクター「ツクツク」 ゆるキャラグランプリHPより

 

友好都市」 四日市市のデザインマンホール その3

 

全部で3つある四日市市のデザインマンホール。最後が「友好都市」。

このマンホールは3つの中で最もレアであり最も可愛らしいデザインだ。常にカラーversionで、私はカラーじゃないversionは見たことがない。

 

デザインのモチーフは、姉妹都市アメリカ・カリフォルニア州ロングビーチ市、友好都市の中国・天津市、姉妹港提携のオーストラリア・シドニー港とのこと。

だからコアラとパンダが描かれているのだ。

 

姉妹都市や友好都市については「市の花」などと違って実利を伴うものだ。

ロングビーチ市と四日市市では学生や教師の派遣・受け入れ事業という、国際交流をしている。

 

なお第3コンビナート(霞ヶ浦地区)の四日市港と市内部を繋ぐ東西に伸びる道路は「シドニー港通り」と命名されているし、その近くにある公園は「シドニー港公園」。工場夜景を楽しめる「うみてらす14」(Ep.19参照)にも近い。

 

シドニー港通り

シドニー港公園

 

このようなわけで、下を向いて歩いていると思わぬ“気付き”があり、そこから発展して自分の暮らす街について詳しくなったり理解が深まるかもしれない。

 

 

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Designed maintenance hole

Ep.110

Have you ever seen “Designed maintenance hole” in your town?

Yokkaichi has 3 types, all of them are referred their characteristic.

We can sometimes encounter them when we are walking street.

 

  1. Tokaido

Yokkaichi was along Tokaido-way and the one of the post town in Edo period.  “Tokaido maintenance hole” is drawn a picture of Yokkaichi of “53 Stations of the Tokaido”.

 

  1. Salvia

Salvia is official “the city of flower” in this city.  How impressive vivid red petal is!  But we hardly see this flower..

 

  1. Friendship cities

Yokkaichi has friendship cities, Long Beach, California, Tianjin, China and Sydney, Australia.  So that panda and koala are shown.  It’s the cutest one!

 

If you have a chance to notice “Designed maintenance holes”, it enables to make you gain knowledge about your home town!

 

www.city.yokkaichi.mie.jp

www.city.yokkaichi.mie.jp

 

式年遷宮のリユース

Ep.109

私が好きな作家、伊東潤さんは2020年、「茶聖」を上梓するにあたり以下のコメントをされていた。

 

戦国時代を扱う歴史小説家は、いつかは千利休に挑まねばならないと思ってきました。

それだけ戦国時代において茶の湯の存在は大きく、信長、秀吉、家康という三代にわたる天下人の政治を陰で動かしてきたと言えるからです

 

 

伊東潤さんと同様に論じるのもおこがましいが、私も一応、このブログ『みんなの笑顔が三重(みえ)てくる』で三重県について書いている。

そうすると「三重県を扱うブロガーは、いつかは伊勢神宮に挑まねばならない」のだろうか?

 

 

しかし私はこれまで、このブログで伊勢神宮について取り上げる気はなかった。

というのも、伊勢神宮とは誰もが知っている日本のナンバーワン観光地。私なんかが何かを紹介する必要もないだろうと。

 

気が変わったのは先日、愛読している雑誌で伊勢神宮に関する興味深い記事が載っていたからだった。

今回はそれを紹介したい。

 

伊勢神宮 内宮の宇治橋

式年遷宮(しきねんせんぐう)」

は20年に一度、社殿を造り変えて神様に新しい宮へ遷ってもらう行事のこと(次回は2033年)。

 

私は当然この行事の存在は知っていたが、

わずか20年で建て替えるとは贅沢だな〜。さすがは日本一の神宮だ

とずっと思っていた。

 

けれどこれは勘違いだった。

伊勢神宮の各々の建物で使われている木材・ヒノキは、式年遷宮による解体後、「リユース」されているのだった。

 

宇治橋の外側(西詰)の鳥居

 

例えば、内宮の宇治橋にかかる鳥居について。

橋の外側(西詰)に立つ鳥居は外宮から、内側(東詰)に立つ鳥居は内宮の建物からリユースされたヒノキでできたものなのだ。

 

さらに20年が経過すると、今度は、西詰のものは桑名市へ、東詰のものは亀山市関宿へと移り、ここでも鳥居として使われる。

 

なぜかというと、桑名は東日本からの伊勢街道の入り口、関宿は関西方面からの伊勢別街道の入り口である。つまりは元々伊勢神宮の建物に使われていた木材は、伊勢神宮へ通じる「玄関」に立つ鳥居へと生まれ変わるのだ。

(なお「餅街道」(Ep.96参照)への入り口でもある)

 

桑名の七里の渡し跡の鳥居

関宿の東追分の鳥居 “関宿”まちなみ・町家暮らし HPより

 

しかも桑名でも関宿でも鳥居を建て替えるときはお祭り。盛大に行われる一大イベントだ。

 

桑名の鳥居の建て替え(2015年) 毎日新聞 HPより

 

伊勢神宮の建物 → 宇治橋の鳥居 → 伊勢街道の玄関口の鳥居

と20年ごとに使用されたヒノキは、その後も地元の神社などに行くらしい。

少なくとも計60年も使用されるのだから、ヒノキとしても幸せかもしれない。

 

なお宇治橋の鳥居に行かなかったヒノキたちも、全国の神社に供給され、そこで使用されているとのことだ。

 

式年遷宮という一大イベントには、資源を大切に扱う、リユースの精神が行き渡っているのだ。

 

日永の追分の鳥居

 

私が暮らす四日市にも式年遷宮とゆかりのある場所がある。日永(ひなが)の追分にある鳥居だ。

追分(おいわけ)とは、「道が左右に分かれている場所」のことで、日永の追分は東海道と伊勢街道の分岐点なのだ。

 

日永の追分

 

上の写真の右手側へ進む道が東海道(関西方面)で、奥側へ進む道が伊勢街道(伊勢神宮方面)。

現在の鳥居は2016年に建て替えられたもので、元々は伊雑宮(いざわのみや)という、志摩市にある内宮の別宮で使われていたヒノキだ。

 

ここでも、伊勢神宮の古材がリユースされていた。

 

 

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“Re-use” Cypress woods & Shikinen-sengu

Ep.109

Shikinen-sengu is the biggest event of Ise-shrine.  It means rebuilt of the shrine in order to make deities move to new home, every 20 years.

Then, these woods from demolished buildings are “reused” for Torii gate or other shrines in the whole of Japan.  And reused wood materials keep using for a long time.

It might be the mind to cherish nature resources.

 

www.isejingu.or.jp

usagism2000.theshop.jp

 

純喫茶 コーヒーブレイク編

Ep.108

モーニングサービスに代表される東海地方の「純喫茶」文化(Ep.102105参照)。

 

「カフェレスト ゆん」
「珈琲屋 真戸運永(マドンナ)」(左)、「珈琲屋 明楽時運 吉備(アラジンキビ)」
「スワサロン」
「コーヒー屋NICO
「カフェ コロラド
「茶道」
「珈琲庭 桜」
「スワン」
「トレビアン」
「cafe SNUG」
「かふぇ工房 茶蔵」
「パーラーイトウ」
「ブルーポピー」
「グリル四日市
ギオン シグマ」
「喫茶 エリカ」
「ナポレオン」
「カフェ たかの」

 

私は四日市に来たばかりの頃「純喫茶めぐり」にはまっていた。

純喫茶を訪れたときの面白さとは?

それは、お客さんたちやお客さんと店主との間で交わされる会話が聞こえてくることである。

 

あるお店でのこと。13時前に高齢の男女が続々と入店してきて

「全部で何人来るの?」

と店主に問われるとそのグループの一人が

「わかんねえ」

と応じている。

彼らは「タケ」がどうとか「○番」がどうとか楽しく話しているのだが、

要は、この数時間後に出走する有馬記念について話していたのだった。

最終的には15人くらい集まり、みんなで競馬の話に花を咲かせていたのだった。

 

「ナポレオン」

 

あるいは、

もともと素行が悪かったんじゃないの?

 

と、プロ野球北海道日本ハムファイターズの主力選手の暴行問題に端を発した球界の盟主への移籍問題について客と店主が議論していたり、

 

自治会長になってくれないか!

 

と、嘆願・懐柔の場に使われたり、

 

あらいらっしゃい! 今焼きそば作るわね。 にんじんは抜くんでしたわよね? あれピーマンだったかしら? にんじんだわよね!

 

と、お昼時に常連客が入店するや自発的に焼きそばを作り始める店主。

 

純喫茶に出入りする人たちは、実に愉快な人たちなのだ。

 

(というようなことを書くと、

このブログの筆者は一体なんのために純喫茶に行っているのだ?

と思うかもしれないが、私でも人間観察のために行っている訳ではない。コーヒーを飲んでくつろいだり読書をしたり物想いにふけたいから純喫茶に行っているのだ。こうした周囲の会話は自ずと耳に届くのだ)

 

「喫茶 エリカ」

 

これが名古屋の純喫茶だったら、お客さんの中には観光客もいるかもしれない。

けれど四日市の純喫茶に観光客などいない。

いるのは地元の人たちだ。近所の人たちだ。

彼らにとって純喫茶はサロンであり、井戸端会議をする場所なのだ。

 

この豊かな純喫茶文化がこれからも続いていくことを願っている。

 

 

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Jun-Kissa café “Coffee Break”

Ep.108

I have been a nice time in Jun-Kissa café since I came to Yokkaichi.

When we visit to such cafés, sometimes we hear conversation by each customers or staffs.  It’s funny.

People who come to cafes enjoy talking about their hobbies, gossip or “routine talk” with a café’s owner.

I wish this rich “Jun-Kissa café’s culture” goes on.

 

海山道神社

Ep.107

近鉄名古屋線の海山道駅から直結している「海山道神社」は、古くから“みやまどさん”と呼ばれて親しまれている。

毎年節分に行われる「狐の嫁入り神事」は大いに賑わうようだ。

 

公式HPより

 

海と山の道で「みやまど 海山道

なんて素敵な名前だろう。

 

 

京都の伏見稲荷大社のように、鳥居が幾重も連なっている。

色が橙色や朱色ではなく、割と深紅に近いのも印象的だ。

 

 

私は市内の化学メーカーに勤務するケミカルエンジニアなので、この神社の「立地」にも興味が湧く。

というのも、この場所は「第1コンビナート」(塩浜地区)の真っ只中にある。

四日市の3つのコンビナートエリアの中でも最古のエリアであり、1960年代の公害・四日市ぜんそくEp.21参照)が起きた際の中枢でもある。

 

海山道神社の南側入り口に立って周囲を見渡してみよう。

幾本かの煙突が確認できる。

左手にあるのは味の素(株)の煙突。右手にあるのは三菱ケミカル(株)の煙突だ。

 

南側入り口

左手に見えるのは味の素(株)の煙突

右手に見えるのは三菱ケミカル(株)の煙突

 

9世紀に創建されたとも言われるこの由緒正しい神社は、現在では化学メーカーたちの工場に囲まれている。

コンビナートを造るべく企業の誘致を目指して土地の都合をつけた四日市の先人たちも、さすがにこの「神がおわす場所」には手をつけられなかったか。

 

海山道神社の神々は今では化学メーカーとそこで働く人たちの守護神として、安全・安定操業を見守ってくれているのかもしれない。

 

 

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Miyamado-shrine

Ep.107

海山道神社 Miyamado-shrine has built since 9th century, how old spot is!

This is type of Inari shrine, so that lots of reddish shrine gates continue.  Every February, famous shrine ritual, “kitsune-no-yomeiri deity of fox’s wedding” as setsubun festival is held.

 

On the other hand, this location is interesting for me.  Miyamado-shrine is in the middle of “Daiichi petrochemical(chemical) complexes area” of Yokkaichi city.

This shrine has remained even if Yokkaichi attracted many chemical factories and then be a big industrial city.

Now, deities of this shrine might be guardians for workers in such factories.

 

www.miyamadojinja.com

 

Super GT in 鈴鹿サーキット

Ep.106

鈴鹿市といえば「モータースポーツの街」

 

F1日本グランプリが行われる「鈴鹿サーキット」は、国内で最も著名なサーキット場だ。

 

私は三重県に越してきてから2年半。ようやく観戦機会に恵まれた。

昨年2021年、鈴鹿サーキットで行われるレースを観に行こうと計画していたが、コロナでことごとく大会は中止に。

 

日本自動車工業協会会長(&トヨタ自動車社長)の豊田章男氏が

「五輪は開催するのに四輪の大会はされなくて不公平」

と実にうまいことを述べていたが、それはモータースポーツ界の関係者の悔しさを代弁したものに違いなかった。

 

 

私はこれまでに様々なスポーツを会場で観戦してきたがモータースポーツは初めてだった。だからとても楽しみにしていた。

 

観戦に訪れたのは「Super GT 第3戦 鈴鹿大会」

Super GTシリーズは国内最高峰の四輪の大会で、要は市販車に大規模な改造を施したレーシングカーで争われる。

GT300」と「GT500」の二つのクラスがあり、これらは出力(馬力)を示すのでGT500の方が速いスピードが出る。

 

 

ホンダモビリティランドの入場ゲートをくぐる前から、すでにサーキット場の方から

「ブンブンブンブン」

と蜂が飛んでいるような音が聞こえてくる。公式練習が始まっているのだ。

 

スバル

BMW

ホンダ

トヨタ

エンジン音のデモを聴くために群がる観客たち

 

お昼を挟んでいよいよ本番が始まる。まずは前座レースの「FIA-F4選手権」。

若手ドライバーの登竜門的レースだ。

 

 

私は最終コーナー付近の席で観ていた。

目の前を、ビタッと地面に張り付いたレーシングカーが、地を這うように高速で通り過ぎて行く。

 

FIA-F4選手権

 

先ほど、遠距離からは「蜂」と称したが、目の前にすると「アブ」の方が適切かもしれない。レーシングカーはアブの大群が通り過ぎて行く音だ。

 

続いてメインイベントのSuper GT。この日は予選が行われた。これは決められた時間でコースを周回し、「最速ラップ」で順位(翌日開催される決勝レースにおけるスタート順)を決めるというタイムトライアルだ。

 

Super GT300クラス

Super GT500クラス

 

「音」が異なる。GT500クラスではより高音で「キュイーン」という吸引型掃除機に似た音で、時折「ボゴン」と何かが爆ぜるような音もする。

 

けれどもそれらの「音」も、周回を重ねるごとに変化しているように思えた。

というのも、走り始めの最初の数周というのはタイヤとエンジンを「温め」、その後、

「最速タイムを出すために本気で走る一周」に備えるためのものだからだ(まさに「ウォーミングアップ」)。

音の大部分はエンジンから発せられるものなのだろう。だからその温まり具合によって音も変化していくというわけだ。

 

 

面白いなぁと思ったことがある。

それはレースの実況・解説・司会進行を担当するピエール北川さんという方だ。レースを会場で観戦する者は皆、ピエール北川アナウンサーの実況を聴くことになる。

FIA-F4選手権もSuper GTもその他の余興も、すべてピエール北川さんが喋っていた。

「この人なんでこんなに面白いんだろうな?」と思った私は、考察を試みた。

 

①観客は実況に耳を傾けざるを得ない

 競馬や競輪(Ep.97参照)や競艇Ep.71参照)を実際にレース場で観たことがある人は分かると思うが、これらでは「コース全体への視覚的なアクセスが可能」だ。

けれどモータースポーツはそうじゃない。

鈴鹿サーキットにしても、一周5.8kmでコース全体を観客席から見渡すことは不可能だ。目の前を通り過ぎる一瞬しか視覚から情報を得られるチャンスはない。

 

従って必然的に観客は実況に耳を傾けざるを得ない。

もし実況がなかったら、観客はクルマが一周走って戻ってきたときに実は首位交代が起きていた、などのレース状況の重要な変化に気付かないことすら出てくるだろう。

 

ピエール北川アナウンサーは、

おぉーっと、第○コーナーで△号車が単独でスピンしている!! 3回転?! いや 2回転かぁ?!

とか、

第○コーナーで△号車が猛烈にアタックしている! Tail to Noseの状況だっ!!

などと言っている。

 

観客は目視で状況確認できないため、

「えぇ?? そんなことが起こってんの?!」

と情景を思い浮かべるしかないのだ。

 

 

②「主観」が入りまくる実況

 競馬や競輪や競艇の実況というのは、状況を冷徹に描写して述べるため、そこに実況者自らの「主観」が入り込む余地というのもほぼない。

けれどピエール北川アナウンサーはそうじゃないのだ。

 

○○〜(ドライバーの名前)、(このすばらしいタイムを)最初に出しとけよ〜それ〜〜

とか、

△号車はタイヤを信じてもう1周アタックをしていますが、、う〜〜ん、、最後のセクターのところで僅かに足りなかったところが惜しい..

などと、クライマックスのホームストレートを前にして言っちゃっているのだ。

 

主観が入りまくっているのだ。

だから面白いのだ。

要は、ちょっとプロレスの実況っぽいのだ。

 

後日、私は上記の考察を、職場の自動車とカーレースが大好きな後輩に述べてみたところ、彼は同意してくれた。

 

「そうっス、そうっス! ピエール北川が、面白いんス!」

 

鈴鹿サーキットの実況の名手 ピエール北川アナウンサー  Super GT HPより

 

もう一つ関心したことがある。それは勝利したドライバーたちが、レース後のインタビューでメカニカルスタッフ(エンジニア)たちへ感謝の言葉をしきりに述べていたことだ。

 

横浜ゴムさんには、本当に感謝しています」

 

などと言っている。

ドライバーたちは若く、20代前半の選手たちもたくさんいる。それはつまりチームの中で最も若輩者(つまりはこの競技に関して有しているノウハウが最も浅い)であるかもしれない。

 

一般の職種でもそうだと思うが、もし若手社員が自分の業務のために、上の世代や他部署の方にも協力を仰ごうとするとき、普段から礼節を持って接し、謙虚な姿勢で、時に感謝の気持ちを伝えることが欠かせない(「人懐っこさ」があると尚良い)。

 

若手ドライバーたちも、ベテランのエンジニアたちを

「この若者をレースに勝たせるためにがんばってやるか」

と、本気にさせることが欠かせないのかもしれない。

 

もちろん、ベテランエンジニアたちもプロなので自分の仕事にベストを尽くすことに違いはないが、それこそあと1mmの努力をするかしないかというとき、その差が0.001秒を削り出すことにつながるはずだ。

 

カーレーサーとして大成するためには、秀でたドライビングスキルは最低限求められるとして、人間的な部分というのも重要なのかもしれないな、と思ったのだった。

 

No.19 WedsSport ADVAN GR Supra GT500クラスで予選1位

国本雄資選手と阪口晴南選手 公式HPより

 

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Super GT in Suzuka circuit

Ep.106

Suzuka circuit is an icon of Suzuka city and the most famous circuit in Japan.  This is a place where F1 Japanese Grand Prix has held since 1976.

 

On May, I went to see the car racing for the first time.  This race was “Super GT series, Round 3”, it was the highest category of Japanese car sports.

Regarding Super GT, it means that a general car which is re-modeled drastically for racing is utilized.  So that we can see SUBARU, TOYOTA, HONDA and BMW with BRIDGESTONE, DUNLOP, Yokohama Rubber and MICHELIN, such names in this.

 

Watching car race was fantastic.  I liked engine sounds, impressive speed, thrilling time trial, a play-by-play announcer and all of the atmosphere in the circuit!

 

 

www.supergtvideo.online

 

www.supergtvideo.online

 

www.supergtvideo.online

 

www.supergtvideo.online

 

supergt.net

 

mos.dunlop.co.jp

 

www.porsche.co.jp

www3.nhk.or.jp

 

純喫茶 ランチ編

Ep.105

モーニングサービスの文化がある中京圏の純喫茶(Ep.102参照)。

他方で、ランチで利用するのももちろんいい。

 

お昼時に純喫茶に行きメニューにカツカレーがあるとき、私は注文することにしている。

 

なぜカツカレーなのか?

と問われると、好きだからだ。

 

それに純喫茶で食べると店内の雰囲気との相乗効果でより美味しくなるように思うのだ。

 

ヴァンセンヌ

ギトギト感のあるソース

 

 

『英国館』

品があっておとなしめ

 

『喫茶 にわ』

カツがあらかじめ浸かっているタイプ

 

やっぱり純喫茶で食べるカツカレーは最高だな。

 

 

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Jun-Kissa café “Cutlet curry”

Ep.105

Jun-Kissa café has their distinctive “Morning service”.  It’s one of the cultures in Tokai region.

Of course, Lunch service is also good.  For me, usually try “Pork cutlet curry”.

Why?

Because I love this cuisine!

 

In addition, I feel getting yummy according to induce the synergy effect with the interior or an atmosphere of such café!

 

近鉄 撮り鉄

Ep.104

幼い頃から身近にあった電車は何かしらの「イメージ」とともにあると思う。それは具体的な「情景」を伴うものかもしれない。

私の中では3つの鉄道でそれがある。

 

煌めく瀬戸内海の絶壁をコトコト走る呉線。水面で照り返す陽光と小島が浮かぶ穏やかな海を横にして走っていた(三原―竹原)。

 

京浜急行は横須賀方面に向かってハイスピードでぶっ飛ばす赤い電車。「トゥー・ルルルルルル・ルゥー」という奇妙な始動音とともに(余談だがドレミファインバーターと言うらしい。21年7月に廃止されたらしい)(品川―追浜)。

 

常磐線は、、車窓から見る景色でこれと言ったイメージは湧かないけれど、上野始発でパンパンに膨らむほど乗客を積んで出発し、柏→我孫子→取手→牛久あたりでみるみる乗客が少なくなっていき、土浦に着く頃には1車両に数人しか残っていないあの寂しさ(余談だが日暮里で降りる人も1両に1人くらいいた。だったら山手線に乗ればいいのに、と思うのは私だけ?)(上野―土浦)。

 

これらの路線を利用しなくなって久しいが私の中ではいまだに上記のイメージとともにある。

 

呉線 トレたび HPより

 

現在四日市に住む私にとって身近な鉄道といえば「近鉄近畿日本鉄道)」である。

しかし近鉄を利用する機会というのはほとんどない。会社で飲み会があるときに最寄駅から近鉄四日市駅まで「近鉄 湯の山線」を使うくらいだ。

ただし利用しないからといって身近でないわけではない。近鉄は私の日常の風景の中にある。

 

それでは冒頭の話を持ち出すと近鉄のイメージとは何だろうか?

私にとってのそれは、近鉄は「田んぼが抜群に似合う電車」というものである。

 

 

関東や東日本出身の人にとっては、近鉄とは関西都市圏の鉄道のイメージが強いと思う。事実私もそうだった。

百貨店を持っているし、プロ野球オリックス・バファローズ(旧・近鉄バファローズ)やラグビーの花園近鉄ライナーズEp.98参照)だったり、実際に大阪や京都の都市部を走っているからアーバンな鉄道であると言える。

 

しかし近鉄とは、三重や奈良ではそうではないのだ。「三重や奈良では、ひたすら田んぼの中を走っている」のだ。(三重や奈良自体がカントリーサイドだから必然的にそうなる)

四日市に越してきた当時の私にとってこれは発見だった。

 

近鉄の路線図 HPより

 

あるとき自転車で四日市市内を走っていた私は「田んぼと近鉄」を体現するような典型的な場所を見つけた。近鉄四日市よりやや北に位置する「羽津(はづ)」地区だ。

一面田んぼのこの地を見てふと思い立ったことが「撮り鉄をしてみよう」というアイデアだった。

 

なお私は写真撮影については関心がなく、これまで写真撮影目的で外出したことといえば、それこそ「四日市JCT下」(Ep.63参照)のときが初めてだった。けれど「撮り鉄」という行為には少し興味があったので軽い気持ちで挑戦してみたのだった。

 

羽津より

 

後日、カメラを持って再び羽津の田んぼを訪れた。この場所は「近鉄 名古屋線」の線路なので、名古屋⇄伊勢志摩も名古屋⇄大阪もどちらも通る。それに見通しも良かった。

上記写真の右手側が伊勢志摩&大阪方面、左手側が名古屋方面だ。

繰り返すが私は「田んぼと近鉄」という構図にこだわりたかった。

 

三脚とカメラをセッティングしていると、右手側からさっそく電車が来た。いつもよく見るデザインのやつだ。

 

 

シャッターは押したものの要領をつかめないうちに電車は通り過ぎた。

間を置かずに同じ方向から今度はオレンジと白の車両が来た。何かの特急だった。

 

 

なかなかに難しい。

いまいちしっくりこないので撮影のモードをスポーツモードに変えることにした。動きのある被写体を撮るのに有効らしい。さっそく一般車両が来た。

 

 

めっちゃ疾走感がある! 鈍行なのに!?

次は何のモードで撮ろうかと手元をいじっていると左手側からワインレッドの洗練されたデザインの車両がやって来た。この特急列車は私でも名前を知っている。『ひのとり』だ。

 

 

『ひのとり』は近鉄が18年ぶりに投入した新型特急車両だ。20年2月のお披露目試乗会がコロナ禍により中止されるという散々なデビュー戦だったが、その後はすこぶる評判が良いらしい。

「威厳と気品」をコンセプトとして車体の赤色にはこだわり、ペイントメーカーと試行錯誤したとのこと。

 

名古屋から大阪へ電車で行こうとするとき、通常ならば東海道新幹線を利用するわけだが、あえて『ひのとり』を利用して行くのも面白いかもしれない。

 

そんな『火の鳥』が大阪へと向かう。四日市の田んぼの中を突っ切り、火の鳥が飛んで行った。

 

背景はコンビナート

 

すると右手からまた見たことのない特急がやってきた。

 

 

リアルタイムでスマホで調べながら撮影していた。この特急は「23000系 伊勢志摩ライナー」のようだ。

今は日曜日の午後。リゾート地・伊勢志摩で週末を楽しんだ乗客たちを日常へと戻すべく、伊勢志摩ライナーは名古屋に向かって走る。

 

Ep.96参照

 

それにしても右から左からひっきりなしに電車はやって来る。

短時間でたくさん撮影できるという点でも、良い撮影場所だったようだ。しかも踏切が鳴ってくれるから電車が来る前に撮影の準備を整えることができる。

 

特急列車も普通列車も何枚も撮れた。やっぱり近鉄は田んぼが抜群に似合うな、とあらためて思った。

最後に撮り鉄をしてみた感想について、けっこう楽しかった。ということを付け加えておきたい。

 

 

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Kintetsu trains and Taking photos of them

Ep.104

Kintetsu railway company is one of the biggest private train company in west Japan.  For people in Mie, it’s familiar with it.

In my images, Kintetsu train runs across country side, in the rice field!

What impressive this trains are!

 

One day, I found a fine spot to show ”Kintetsu with the rice field”, so that I came up with taking photos of them.

This is called Tori-tetsu which are a kind of acts for the train otaku.

 

From limited express trains to normal trains, I was able to take lots of photos by a digital camera on the tripod.

It was too fun!

And I re-recognized Kintetsu trains “with the rice field” looked so good.

 

www.kintetsu.jp

www.youtube.com

www.youtube.com

www.youtube.com

www.youtube.com

www3.nhk.or.jp

 

男はつらいよ 湯の山温泉

Ep.103

私の中で映画「男はつらいよ」の思い出といえば「鎌倉シネマワールド」に行ったことだ。

 

それはかつて鎌倉市の大船にあった松竹が作ったテーマパークで、今はもうない。改めて調べてみると1995年10月に開演して98年12月に閉園したようだから、あまりにも短い期間の営業だったようだ。

 

鎌倉シネマワールド 時事ドットコムより

 

私は母方の祖父母が神奈川の横須賀市に住んでいることもあり、一緒に行ったのだった。小学校4年か5年生だったと思う。

明快に覚えていることは二つある。

一つは寅さんのキーホルダーを買ってもらったこと(これは今も茨城の実家にある)。

二つ目はお化け屋敷みたいなアトラクションがあったことだ。

 

これは客がヘッドホンを装着して「幽霊が出るバス」みたいなものに乗り、出発すると周囲が真っ暗になり、かつヘッドホンから客を怖がらせるナレーションが聞こえてくる、というものだった。

少し怖くてイヤだった気がする。祖母がニコニコ笑っていたのは覚えている。

 

湯の山温泉にある「男はつらいよ」資料館

 

さて、三重県にも「男はつらいよ」とゆかりの深い場所がある。

菰野町の「湯の山温泉」である。鈴鹿山脈の盟主・御在所岳Ep.6など参照)のふもとの温泉街だ。

ここは第三作『男はつらいよ フーテンの寅』(1970年)のメインのロケ地なのだ。

このときの撮影の様子の写真などが展示された資料館もある。

 

 

実際に『フーテンの寅』を観てみた。言うまでもないがストーリーは圧倒的に面白い。

悪い人ではないんだけど、自分の身近にいるとめんどくさいなぁ。。

という寅さんを渥美清さんが演じている。

 

妹・さくらの倍賞千恵子さんが呆れるほど可愛いのは今さら驚くまでもないが、さくらの夫・若い前田吟さんがハンサムすぎて絶句する。何しろ52年前!? の映画なのだ。

 

いやこの作品に関してはそれよりも、旅館の女中というどうでもいい役柄で出演時間もごくわずかながらも主役の渥美清をも凌駕する常軌を逸した存在感を放つ樹木希林さんに呆然とする。

 

当時27歳の樹木さんは、ドラゴンボール亀仙人の言葉を借りるなら「ピチピチギャル」そのものであり、眩しく輝いている。

 

このようにして役者は映画の中で永遠に輝き続ける(永遠に生き続ける)んだな、と実感する。

 

男はつらいよ HPより

 

52年前の出演者たちはとても興味深いが、52年前の風景というのもまた興味深い。

男はつらいよ」はシリーズを通じたロードムービーとも言えるから、日本各地がロケ地であり、当時の風景や社会というのがどのようなものだったのか、知り得る貴重な資料だと思う。

 

この『フーテンの寅』で言うと、湯の山温泉にあるバス停や「涙橋」「大石公園」の当時の様子を知ることができる。これ以外にも四日市の海沿いの「磯津」地区もロケ地であり、寅さんが説教するシーンでは、その背後にコンビナート地帯(Ep.20など参照)の煙突から出るフレアスタックも確認できる。とても興味深いのだ。

 

涙橋

大石橋と大石公園 忠臣蔵の大石蔵之介ともゆかりがある

バス停

湯の山温泉」での湯めぐりも良いけれど、『フーテンの寅』を観た後にロケ地巡り(聖地巡り)をするのも楽しいかもしれない。

 

湯の花せんべい

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Yunoyama-Onsen (hot springs)

Ep.103

湯の山温泉 Yunoyama-Onsen (Yunoyama hot springs) has been since 8th century!  It’s one of the most well-known places in the north of Mie.

 

We can enjoy going around there, not only as “Hot springs tour”, but also “The movie location tour”.

The reason why Yunoyama-Onsen was the places where Japanese legendary movie series “Tora-san, No.3” (1970) was taken.

Plot and casts were great, and landscapes at that time too.  We can know them, 50 years before!

 

www.cinemaclassics.jp

www.yunoyama-onsen.com

www.hinodeya-seika.net

 

純喫茶 モーニング編

Ep.102

四日市中京圏なので「純喫茶」が至る所にある。

店内の雰囲気が好きだ。昭和を感じるところやユニークな店名も。

私の地元の茨城や、東京や静岡でも純喫茶はほぼ見かけない。

なので四日市に来たばかりの頃、私は「純喫茶巡り」にはまっていた。

 

純喫茶の特徴の一つは「モーニングサービス」があることだ。

コーヒーとトーストとサラダで構成されているのが通常で、ゆで卵もついてくることが多い。

だいたいのお店ではこれらが500円未満で楽しめる。

 

一日を純喫茶のモーニングから始めることも楽しいかもしれない。

 

『コーヒーハウス 茶道』

ギオン シグマ』

ヴァンセンヌ

『カフェレスト もぐら』

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Jun-Kissa café “Morning service”

Ep.102

There are many “純喫茶 Jun-Kissa cafe” in Tokai region, around Nagoya and they do “Morning service (Morning)”.

 

Morning serves often toast, salad and a boiled egg when we order a cup of coffee in the morning.  This service are very reasonable, 500 yen or less.

So, some customers go to their neighbor Jun-Kissa café every day, every morning!

It’s one of the distinctive cultures in this region.

 

カメヤマローソク

Ep.101

『亀山』

という風変わりな地名の由来を知ったのは亀山公園内にある亀山市歴史博物館に行ったときだった。

説の1つによると、6世紀、百済から来た日羅(にちら)という僧が3匹の亀を献上し、これらが山城(京都市右京区)・丹波京都府亀岡市)・伊勢(三重県亀山市)に放たれ、それぞれを「亀山」と呼ぶようになったのだという。

 

亀山市歴史博物館

 

公園の近くには「亀山城跡」がある。多聞櫓(たもんやぐら)や石垣の一部しか残っていないが、これらから在りし日の姿を想像できる。

 

 

戦国時代が好きな人は、明智光秀が京都の本能寺にいた信長を討つために、出発した城が「亀山城」だと記憶している人がいると思う。

 

これは正しいのだが、勘違いしている人が多数いると思う(事実、自分がそうだったのだけれど)のは、明智光秀が居城にしていた「亀山城」とは、「京都の亀岡市にあった亀山城」なのだ。三重県亀山市の城ではない。

 

これは非常にややこしい話なのだが、亀岡市にある城は亀岡城ではなく亀山城なのだ。そして亀山市にある城も亀山城

そんなわけだから誤解を防ぐため、前者を「丹波亀山城」、後者を「伊勢亀山城」と呼んだりする。

繰り返すが明智光秀が出発したのは丹波亀山城だ。

 

「なぜ亀岡市にあるのに亀山城と名付けてしまったのか?」

という当然の疑問が湧くと思うが(事実、自分がそうだったのだけれど)、冒頭の地名の由来の話で解決されるのだった。

 

亀山市歴史博物館

じばさん三重

 

さて、三重県亀山市で有名なものといえば、なんといっても「カメヤマローソク」だ。

仏壇によく供えられているおなじみの蝋燭ではあるが、カメヤマローソクの「カメヤマ」が三重県亀山市と即座に結びつく人は、おそらくそういない。

 

本社は大阪に移転したようだが、今でも工場は創業の地・亀山にある。

スーパー サンシ(Ep.41参照)にはカメヤマローソクコーナーがある。

 

スーパー サンシ こもの繁盛店

 

直営店は全国に3 つだけある。亀山駅近くの「亀山店」と東名阪自動車道の亀山PA内の「オアシス店」と東京都心の「青山店」だ。

 

亀山店

オアシス店

 

仏壇用の蝋燭というだけでなく、アロマキャンドルをはじめローソク全般に展開していてオシャレなキャンドルを扱っているので、青山のようなオシャレな場所でも人気が出ているのだと思う。

カメヤマローソクは今でも創業の地・亀山から、ローソクの可能性を広げているのだ。

 

 

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Kameyama candle company

Ep.101

Kameyama city is an important place due to connecting to Kansai and Tokai region, on the way to the Tohkaido-way.

It might be getting worth because of building a new station for the Linear motorcar and grand open of an American supermarket, Costco.

 

But the most famous one must be a candle company, Kameyama Co., Ltd.  Their birthplace is here.

We always see their candles on the Buddhist alter, but also various aroma candles.

 

www.kameyama.co.jp

 

伊賀組紐

Ep.100

ここまで来るとは思っていなかった。

快挙と言ってよいだろう。

100回に到達した。

このブログのことだ。

 

 

ブログを開始するにあたり、三重県四日市に関する話題に限定するということは決めていた。2020年の10月のことだ。

なのでその時点で、果たして何回分書けるのだろうかとタイトル(とおおよその内容)を箇条書きしてみたところ、20回分は書けそうだなとなった。

 

実際に始めてみると程なくして30回は書ける、50回はいけるゾとなり、早々に100回も余裕でいきそうだな、となった。

そして今回実際に到達した。

 

私は日々、三重県のニュースや情報に感性を高め感度を上げている。

私の職場には地元出身者が大勢いるが、彼らよりも三重県に関する知識で上回ってしまっちゃったんじゃないかと思うことが多々あるくらいだ。

 

100回を迎えた今となっても、まだまだいけそうである。

 

伊賀組紐 三重県HPより

 

さて今回は伝統工芸品について書きたい。

三重県では「国が指定する伝統的工芸品」(いわばナショナルオフィシャルとも言える)を5つ保有している。そのうちの一つが「伊賀組紐(いがくみひも)」だ。

(他に四日市萬古焼Ep.2324参照)や伊勢型紙(Ep.26参照)も含まれる)

 

組紐(くみひも)は元々は巻物や仏具の飾りとして使われたもので、2016年にヒットしたアニメ映画『君の名は。』でヒロインが髪を結ぶアイテムとして注目された。

 

「絹糸を主に金銀糸などを組糸に使い、角台・丸台・高台などの伝統的な組台を用いて繊細な美しさを持つ紐に編み上げたもので、「帯締」などとして和装には欠かせない工芸品」三重県HPより)

とのことで、伊賀地域が養蚕に適した気候であること、地理的に京都に近いこと、が発展した理由らしい。

 

 

私は現代の伊賀組紐がいまだに帯締や仏具でしか使われていないのであれば欲しいとは思わなかったけれど、あるメーカーがそれを「靴ひも」に展開していることを知ったとき、欲しくなって購入してしまった。

 

糸伍株式会社 HPより

 

登山用のシューズやランニングシューズに使用している。

デザインと配色がかっこいい。

 

 

なでしこリーグに参戦する「伊賀FCくノ一三重」とコラボ商品を出したり、デーデー・ブルーノ選手(陸上短距離)に提供したりもしているらしい。

 

伝統工芸品を汎用性の高い他用途に展開することが、人々に認知され愛されこの先も伝承されていくことにつながるのだと思う。

 

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伊賀組紐 Iga-Kumihimo

Ep.100

What a great achievement is!  About this blog, only topics of Mie prefecture, 100th episode is celebrated now.

 

This time introduces 伊賀組紐 Iga-Kumihimo which is one of the traditional crafts of Mie (by prefectural and national official). Kumihimo is a parts of like hand-scroll.

 

But now, a Kumihimo maker makes it “shoelace”.

I make it use for my running and trekking shoes.  The design and color are very cool!  It’s a new way for traditional craft.

 

www.pref.mie.lg.jp

www.igaueno.net

itogo.work

kushule.base.shop

 

 

朔日餅(ついたちもち)

Ep.99

伊勢神宮に至る道中に点在する各地の「名物餅」。このことから伊勢街道は「餅街道」とも呼ばれる(Ep.96参照)。

 

私が食べたことのある餅は限られているがみんな美味しかった。三重県内の人にとっては「へんば餅」(伊勢市)や「関の戸」(亀山市関町)は有名だが、きっと県外の人にはあまり知られていない。

 

へんば餅(左)、関の戸

 

なんといっても人気・知名度ともに支配的なのが「赤福」だ。餅街道界における「ひとりGAFAM」だ。

全国の銘菓の中でもトップかもしれない。白い恋人信玄餅うなぎパイや鳩サブレや東京ばな奈萩の月よりも人気があるのではないか。

 

赤福 HPより

みんな大好き赤福には「朔日餅(ついたちもち)」なるものがある。

これは毎月1日限定・店舗限定で販売される餅のことだ。

 

赤福のHPによると

「伊勢には、毎月一日に普段より早く起きて、神宮へお参りする「朔日(ついたち)参り」というならわしが残って」

おり、赤福ではその参拝客のために毎月1日に朔日餅を用意したとのこと。

 

赤福本店

 

販売日・受け取り日は毎月1日のみで、販売店は伊勢の本店以外に梅田の阪神や名古屋のタカシマヤなど限られている。当日販売もあるが売り切れる可能性があるので予約が推奨される。

そのため観光客にとって、出張で伊勢近郊を訪れた人にとっても入手するのは難しい。

 

ありがたいことに近鉄四日市駅近鉄百貨店でも販売されている。私は21年5月からの一年間、毎月1日に会社帰りに駅まで行って購入・受け取り、即翌月予約を繰り返してこの度コンプリートした。

我ながらよくがんばったと思う。「朔日餅グランドスラム」だ。

 

◆五月:かしわ餅

 

◆六月:麦手餅

 

◆七月:竹流し

 

◆八月:八朔粟餅(はっさくあわもち)

 

◆九月:萩の餅

 

◆十月:栗餅

 

◆十一月:ゑびす餅

 

◆十二月:雪餅

 

◆一月:販売なし

 

◆二月:立春大吉

 

◆三月:よもぎ

 

◆四月:さくら餅

 

季節の旬をモチーフにした多士済々な餅たち。

最も美味しかったのは六月の「麦手餅」。

最もエンターテイメント性に満ちていたのは七月の「竹流し」というところだ。(水ようかんなので餅じゃないじゃないか、と言うのはやめよう。餡は赤福で作られたものが使われているのだ)

 

包み紙が美しいことも目を引くが、より「通」な人は化粧箱で購入するらしい。

 

赤福 HPより

例えば七月の竹流しだと、竹細工の箱に入っている。

化粧箱(5本入り)と大箱(10本入り)の値段が同じ¥1,800だから付加価値を出してきている。

地域の住人に愛される朔日餅なのだった。

 

 

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朔日餅 Tsuitachi-Mochi

Ep.99

赤福餅 Akafuku-mochi is white spheral rice-cake and sweet Anko on it.  Their fame and popularity might be a top famous confectionery in whole of Japan.

 

On the other hand, Akafuku company makes “朔日餅 Tsuitachi-mochi” which is related to Ise-shrine and its pilgrimage.  All 11 varieties of Tsuitachi-mochi are sold in only 1st months each (except Jan.) and only a few stores.

So, it must be difficult for tourists to get them.

 

Fortunately I got all 11 Tsuitachi-mochi due to Kintetsu department in Yokkaichi.  I have booked it, gone there and bought it for a year.

At last I accomplished!  All of them were yummy and made us fun.

Each month’s distinctive mochi respects the season and the month.  Visual effect is also great!

 

www.akafuku.co.jp

www.kankomie.or.jp

 

ラグビー 三重ホンダヒート vs 花園近鉄ライナーズ 編

Ep.98

オーストラリアのラグビー選手、クウェイド・クーパーはスーパースターだ。

変幻自在のパス、華麗なステップ、俊敏な動き、予測不能なプレー。

もはや死語だがサッカーで言う「ファンタジスタ」といったところだろうか。

 

Quade Cooper  The Guardian HPより

 

「魅せる」スタンドオフ(SO)という意味では、ワールドラグビーの歴史の中で、“キング”・カーロス・スペンサー(ニュージーランド)とこのクーパーくらいじゃないかと思う。

 

“King” Carlos Spencer  All Blacks official twitterより

 

ちなみに若い頃のクーパーはプロボクサーでもあった。

クルーザー級(90.7kg以下)で3戦3勝3KOという実績を持つ。二刀流であり、規格外のスーパーアスリートだ。

 

Fox sportsより

 

11年W杯を豪州代表(ワラビーズ)の正SOとして3位に導いた後、しかしクーパーは不遇の時を過ごす。ディフェンス面で弱点があったのだ。プロフィール上は187cm、90kgの堂々たる体格に見えるが、身体の線の細さは否めなかった。

相手チームから執拗に狙われ、突進をタックルで止められない様は、すなわちチームをピンチに晒すことでもあった。

(そうなのだ。ついつい忘れがちだがSOというポジションは相手から最も近い場所でディフェンスすることになるためタックルが上手な選手でなければ務まらない。日本代表の田村優も松田力也もフィジカルが強い選手なのだ)

 

Fox sportsより

15年W杯は代表メンバーには選ばれたものの、格下相手の試合にだけ登場して魔法のようなプレーで魅せるのみ。ベストメンバーを揃えて「全力で」勝ちに行く試合ではベンチ入りすらできず。いわゆる「飼い殺し」状態だった。

 

世界的な選手に対して私なんかがこんなことを言うのは変だが、可哀想だなと思った。当時の代表監督の好みもあったのだろう。リスクを取らず堅実なゲームメイクを求めたのかもしれない。

サッカーイタリア代表アッズーリでかつてロベルト・バッジオアレッサンドロ・デルピエロが冷遇されたのと似ている?)

 

その後クーパーは7人制ラグビーEp.54参照)に参戦して16年のリオデジャネイロ五輪を目指した。

それは良いアイデアのように思えた。

この天才には「より広い空間とより自由な時間」を与えてこそ、いっそう輝くと思われたからだ。

 

しかしそれも挫折する。ワールドラグビー連盟と国際オリンピック委員会の「市民権」に係る定義の問題で、五輪の豪州代表としての出場資格が認められなかったためだ(クーパーの出生地はニュージーランド)。

 

Wide world of sports HPより

19年W杯は召集されず。そして大会終了後、日本のトップリーグ(当時)の「2部」に参戦していた「花園近鉄ライナーズ」へと移籍した。

しかもワラビーズとスーパーラグビーのレッズでずっとチームメイトだった盟友、SHウィル・ゲニアも一緒だ。

 

花園近鉄ライナーズへ The west Australian HPより

クーパー(とゲニア)の近鉄への移籍は世界と日本のラグビーファンを驚かせた。

19年W杯終了後、数多のスターが日本の「1部」リーグに移籍したのとは一線を画すことだったし、ワールドラグビーの舞台からフェードアウトした象徴性をも兼ねたものだったからだ。日本の2部リーグで穏やかにキャリアの晩年を過ごすのだと、誰もが思った。

 

 

そんな訳だから21年の9月、クーパーが4年ぶりに、ワラビーズの黄金のジャージィの背番号10を背負い、ワールドラグビーの舞台に帰還したことは大きなニュースだった。

コロナ禍に起因する豪州の「SOの選手不足問題」により、実績あるベテランが召集されたのだ。そしてそれはファンからもチームメイトからも、最上級のリスペクトで迎えられた。

 

相手は19年W杯王者・南アフリカ。そしてこのようなシチュエーションで、鬼のごとき活躍をしてしまったのだから役者が違う。

 

Planet rugby HPより

ゴールキックの成功率は8/8。1点差ビハインドで迎えた後半アディショナルタイム。「逆転サヨナラ・ペナルティゴール」を決め、チームを28-26の劇的な勝利に導いてしまった。

 

日本でもお馴染みになった金髪長髪のSHファフ・デクラーク、同国初の黒人主将シヤ・コリシといった選手たちが、クーパーのキックに沈んだ。

 

歓喜するチームメイトと観客たち。

クーパーの「歴史的帰還」はこの1試合に限ったものだったかもしれない。そうだとしても、世界の舞台で再び繰り出されたクーパーの「魔法」は、今後も語り継がれてゆきそうだ。

 

Rugby world HPより

 

と、話の都合上、花園近鉄ライナーズから入ってしまったが、私が応援しているのは三重ホンダヒートである。

3月下旬、ホンダはホームスタジアムの「スポーツの杜 鈴鹿」で近鉄を迎えた。

 

私はこの試合を観戦するのを楽しみにしていた。

「今度の週末はクーパーとゲニアの黄金コンビを観に行くんだ」

「クーパーの魔法を鈴鹿で見られるんだ」

私はワクワクしていた。

 

かつて近鉄ライナーズといえばこの人だったLOルーク・トンプソン(2008年当時)

 

そんな訳だから当日、近鉄のスタメンとベンチ入り選手を示したボードの中に、クーパーの名前もゲニアの名前も無かったとき、目が点になった。

彼らのプレーを見られないじゃないか!

 

非常にしょんぼりしながら、でも試合前のウォーミングアップにはいるかもしれないと思い早めにスタンドに行って目を凝らしたが姿を確認できず。下手するとこの遠征に帯同すらしていないかもしれない。

 

試合前の近鉄のウォーミングアップ

すると、私の前列に座っていた私よりも年配の男性2人組の会話が聞こえてきた。

「スタンドのあっちの方にクーパーおったで!」

「ホンマ!? よく分かったな」

「マスクしとったけど、髪型で分かった」

「次の試合出ますか? って聞けばよかったじゃん笑」

 

そうだよね。クーパーのプレーを見たかったよね。おれだってそうだよ。

 

キックオフ

今回もかなり前の方の席で観戦だ。近鉄のLO サナイラ・ワクァ選手の身体が呆れるほど大きい。プロフィールでは202cm、120kgだ。しかもステップもできて走力もあるから手に負えない。

 

LOサナイラ・ワクァ選手 リーグワンHPより

 

と、近鉄の選手のことばかり言及しているが、私が応援する方はホンダである。

格上相手に一泡吹かせることを期待すると、本当に彼らは試合を有利に進める。前半1分のキックチャージによるノーホイッスルトライを皮切りに、終始リードして前半を終える。

近鉄はクーパーとゲニアの黄金コンビを欠いて苦しそうだ。

 

LOフランコ・モスタート選手 三重ホンダヒートHPより

 

そうなってくると近鉄側の注目選手はジャパン期待のCTBシオサイア・フィフィタだ。私がこれまで見てきた大学ラグビーの中で、フィジカルと突破力に関して、歴史上最強のCTBだと思う。対明治、対早稲田では相手陣を焼け野原にしていた。

天理大学を初の大学日本一に導き、強豪からのオファーを蹴って「地元関西で引き続き頑張る」と宣言して2部の近鉄に入団したカッコイイ選手だ。

 

前半は沈黙。しかし後半、アンストラクチャー(ハイパントキックなどで両チームの陣形が構築されていない状態)からボールを持ち、中央をぶち抜くランをしたときは驚愕した。

その爆発的な加速力は、全盛期の大畑大介Ep.30参照)を思い起こさせたからだ。

このとき、私はなぜフィフィタが日本代表ではWTBで起用されているのか分かった。走力についても驚異の能力を持った選手なのだ。

 

CTBシオサイア・フィフィタ選手 花園近鉄ライナーズHPより

 

さて、後半はというと、終始リードしていたホンダに「シンビン・トラブル」が起きていた。印象的だったのは最初のイエローカード(による10分間退場)。場内アナウンスによると、意図的なノット・テンメーター・バックとのこと。

高校ラグビーではお馴染みの「ノッテンバッ」であるが、このレベルで起こることは珍しく、かつ意図的にやると退場になっちゃうんだ、という厳しさに驚き。

 

結局、ホンダはイエロー→レッド→イエローカードという怒涛の3連続退場(あとの2つは危険なタックル)をくらい、一時は13人対15人の状況。このときに逆転されてしまった。

 

花園近鉄ライナーズHPより

自滅といえばそれまでだし、応援しているチームがこうなってしまったから思うことなのだけれど、何というか、世知辛い時代(ルール)になったな。と思う。

 

「疑惑」のプレーがあるとアシスタントレフェリーから主審に「たれ込み」が入り、問答無用でテレビジョン・マッチ・オフィシャルが発動して灰色のプレーにもたいてい罰が与えられる。

オフェンスに有利な方向にルール改正がなされるのは支持するけど、ここまで容赦なくやるのは、再考した方がいいんじゃないか。

 

花園近鉄ライナーズHPより

 

現代ラグビーのルールの理不尽さとホンダの不甲斐なさに幻滅した私はもうさっさと帰ろうと席を立った。

男子トイレにて、用を済ませてさあ行こうと後ろを振り返ったら、スーツ姿でドレッドヘアの人がすーっと通り過ぎて行った。

 

え!? あ、あれは、(多分)ゲニアだ!!

 

私はドレッドヘアの男性を追いかけた。

「ゲニア選手!」

と後ろから声をかけると、本物のウィル・ゲニアだった!?

 

ツーショットセルフィーを撮らせてもらう。

「Thank you so much!!」と言ったら

「ありがとございまーす」と手を合わせてペコリとお辞儀してくれた。

(なんていい人なんだ!)

 

私は自分のスマホ画面に映し出された自分とゲニアとのツーショット写真を見て痺れていた。

 

Will Genia  Planet rugby HPより

 

ウィル・ゲニアのキャリアはクーパーをはるかに凌ぐ圧倒的のものだ。

出身はパプアニューギニア。少年時代に一家でオーストラリアに移住して、2009年にワラビーズデビュー。

11年、14年、18年W杯と3大会連続で正SHとして出場。黄金のジャージィの背番号9を10年以上に渡って背負い、通算キャップ数は100を超える。

同国のレジェンドSH、ジョージ・グレーガンの正当な後継者だ。

 

nine.com.su HPより

 

ツーショットを撮ってもらうため隣に並んだときに気付いたけれど、私よりも数センチしか背が高くない(プロフィールでは174cmだった)。

こんな小さな身体で、「泣く子も黙るオールブラックスニュージーランド代表)や、「巨人たちの集団」スプリングボクス南アフリカ代表)といった連中を相手に何度も何度も戦い続けてきたのだ。なんて偉大なのだろう!

彼の身体に刻まれた歴戦の記憶とまばゆいキャリアに敬意を表する以外無かった。

 

スタジアムに観戦に行くと、いいことあるんだな

と、しみじみ思ったのだった。

 

 

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Rugby Mie Honda Heat vs Hanazono Kintetsu Liners

Ep.98

I went to see a match of Japan Rugby League ONE, Division2, Mie Honda Heat vs Hanazono Kintetsu Liners.

 

My biggest purpose was to see Quade Cooper and Will Genia in Liners.  Both are legendary Half backs combi for Wallabies, Australia.  They are superstars!

 

So, when I confirmed No Cooper and No Genia name on the board was shown both starting and reserve members, I was so disappointed!

 

But the biggest luck was waiting for me.  After the match, I encountered Will Genia in toilet!  I followed him, out of toilet, addressed and asked to take a photo with me.

He was a gentle guy, very politely man.  I was gratitude for him, “Thank you so much!”  He replied “Arigatogozaimasu!”

 

I can still not believe a 2-shot selfy photo in my smartphone, Genia and me!

It’s a wonderful memory in the stadium.

 

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www.honda-heat.jp

 

hanazono-liners.jp