みんなの笑顔が三重(みえ)てくる Jima-t’s diary

「地域性」に光をあて、「違い」を学び、リスペクトし、楽しむというスタンスで四日市や三重の魅力を伝えていきます

伊賀と芭蕉とバナナとカカオ

Ep.90

伊賀市の中心駅である上野市駅伊賀鉄道)は2019年2月、駅名の愛称を「忍者市駅」とした。

これは伊賀市が誇る「忍者」をPRするもので、町おこしや観光の誘致につなげたいらしい。

 

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朝日新聞デジタルより

 

このような動きというのは、富士山静岡空港高知龍馬空港鳥取砂丘コナン空港などと同じ流れの中にあると考えられるが、私は好きではない。

 

理由は「その地域が有する特定の一面しか表現していない」のと「人々の固定観念や先入観を助長」してしまうからだ。

 

静岡県高知県鳥取県が持つ魅力や財産というのは、富士山や坂本龍馬鳥取砂丘名探偵コナンだけでないのは言うまでもないのに。

伊賀市にしたって、忍者という過去の遺産にすがるばかりで未来志向の精神はまるで感じられない。

一部の市民(特に若い世代)には、新しい市のイメージを発信しようと気概を持って活動している人たちがいるのに。公共性の高い施設をこのような名称にしてはダメだろう。

 

今回は伊賀市の忍者以外の一面を紹介したい。

 

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Dole HPより

 

聞くところによると、伊賀市は実は、バナナの「出荷量」が全国ナンバーワンらしい。

これはどういうことなのだろうか?

 

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ニッポン放送 HPより

 

スーパーに並ぶ「真っ黄色」のバナナ。

けれどフィリピンやエクアドルような南国が「産地」のバナナは、日本に輸入された時点ではご存知のように「緑色」であり、熟していない。

 

そして緑色のバナナというのは、適当に倉庫に放置しておけば黄色くなってくれる、というわけではなく、産地に似た環境(温度や湿度)の下で、かつエチレン(C2H4)ガスを吹きかけること(追熟)で、効率的に熟して黄色になってくれるのだ。

 

つまりバナナは、輸入された後に「国内のどこか」で追熟させた後、市場へ出荷されることになる。

そしてその「国内のどこか」こそが、伊賀市なのだ!

(この話は私が業務で必要なある資格を取得するために外部講習を受けに行った際、講師の方が閑話休題で話されていた。講師の方はこのことを百五銀行Ep.37参照)のシンクタンク、百五総合研究所の年次レポートで知ったとのこと。私もこのレポートを探したがweb上からは見つけられなかった。なので出荷量が「全国一」かどうかは確認できなかったが少なくとも全国有数なのだと思う)

 

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(株)タナカバナナの田中齊太郎社長 zakzak HPより

 

それでは何故、伊賀市がバナナなのか?

それは、伊賀市と関係の深いある高名な人物が関係しているのだった。

 

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松尾芭蕉 wikipediaより

 

伊賀市は江戸時代の俳人松尾芭蕉の出身地である。(だから松尾芭蕉→忍者→スパイ説がある)

 

ところで「芭蕉 バショウ」とは何なのだろう?

みなさんは考えたことはありますか?

 

バショウ(芭蕉・学名:Musa basjoo);

バショウ科の多年草。英名をジャパニーズ・バナナと言う。高さは2〜3mで更に1〜1.5m幅程の大きな葉をつける。花や果実はバナナとよく似ている。(wikipediaより)

 

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バショウ wikipediaより

 

なんと「芭蕉」とは「バナナに似た植物」のことなのだそうだ。

つまり、

伊賀市松尾芭蕉の出身地→芭蕉はバナナに似た植物→バナナの追熟をやろう!

という4段論法になっていたのだ!

 

 

私はこの話を職場の後輩(伊賀市出身)にしたところ、彼も知らなかったようで驚愕していた。

そんなバナナ!?

と。

みなさんがいつも利用しているスーパーに並んでいるバナナ。それは、伊賀市から「出荷」されたものかもしれない。

 

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俳聖芭蕉 純米吟醸

 

ついでにもう一つ紹介したい。

三重県純米酒を飲み続けていて(Ep.39参照)、「俳聖芭蕉 純米吟醸」というものに出会った。伊賀市の橋本酒造場が作っているものだ。

 

これを一口飲んだとき、

嘘でしょ?

と思った。チョコレート、というかカカオの味がしたからだ。

ラベルを確認してみる。しかし原材料名を見ても、そこに「チョコレート香料」などとは当然記載されていなかった。

「日本酒 芭蕉 カカオ」でGoogle検索してみる。1件もヒットしない。

でも絶対にカカオの香りがした。

 

半年後、あれは何かの間違いだったんじゃないかと思って再度このお酒を購入して飲んでみた。

やっぱりカカオの味がする! 絶対に、する。自信がある。

誰か同意してくれる人いないかな笑?

 

そんな訳で、伊賀と芭蕉とバナナとカカオの話なのだった。

 

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Regarding to Iga city, Basho, Banana and Cacao

Ep.90

Iga city was one of the birthplace where Ninja was appeared in Mid-century.

So, this city government promotes it for sightseeing.

 

But on the other hand, this city has other interesting aspects.

In this episode, let you show them.

 

First, Iga is a “mass-productive area” of Banana.

After importing from Philippine, Ecuador and such tropical countries, green bananas are needed “ripping process” to yellow one for shipping supermarket.

This process is done in the environment which is imitated tropical countries with some special equipments.

Then, Iga is the area.

 

Why Banana?

The reason why it relates to a person who is the greatest Japanese poet, 松尾芭蕉 Matsuo Baho.  He’s from Iga city.

芭蕉 Basho” (Musa basjoo) is the flowering plant and known as Japanese Banana!  It belongs to banana family.  Oh my gosh!

 

One more topic, when I tried the sake, “Basho” (俳聖芭蕉 純米吟醸), it tasted chocolate or cacao flavor.  I didn’t know why.  It’s so curious.

 

This episode refers to Iga city, Basho, Banana and Cacao, that’s all.

 

www.zakzak.co.jp

 

877.co.jp

 

ラグビー 三重ホンダヒート vs 日野レッドドルフィンズ 編

Ep.89

東京の日野市に住んでいたときの話だ。

ある金曜日、会社帰りにJR日野駅前の「やよい軒」でひとり夕食を食べていた。

 

すると隣のテーブルにいた若い男性がノートパソコンとにらめっこしていた。彼が着てきたジャンパーには「日野自動車レッドドルフィンズ」とある。

当時、トップイーストリーグのディビジョン1(トップリーグの2部に相当)に参戦していた社会人ラグビーチーム(日野自動車ラグビー部)だ。

 

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(現)日野レッドドルフィンズ

選手には見えないその人は何らかのコーチかスタッフに違いなく、他チームの戦術分析担当者か、あるいは栄養やコンディショニング関連の専門家かなと思った。

彼の仕事と食事を邪魔するのは悪いと思ったが、思いきって話しかけてみたら、さわやかに応えてくれた。

 

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公式HPより

 

もちろん、私とてラグビー関係者を見たら誰かれ構わず話しかけるわけではない。けれどその日は、ラグビーに携わっている人と一言会話を交わしたい、そんな特別な日だった。

 

2015年9月19日

イングランドで開幕したラグビーW杯の日本代表の初戦、南アフリカ戦が数時間後に迫っていた。

 

「今日、南アフリカ戦ですね。期待したいですね!」

と言ったら、

「そうですね! がんばってほしいですね!」

と、さわやかに応えてくれた。

 

当時アパートで一人暮らしをしていた私は、日本時間の深夜に行われるこの試合を楽しみにしていた。

もちろん、ジャパンが勝てるなんて思っていなかった。名将エディー・ジョーンズ監督に率いられた今大会はどんなチームなんだろう、と思っていた。

 

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ラグビーW杯2015の日本代表 日本ラグビー協会HPより

 

試合が始まる。

前半、ジャパンは健闘する。

10対12という驚きの僅差と互角の内容で折り返した。

 

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日本vs南アフリカ W杯公式HPより

 

私はこの試合をNHK BSで観ていた。ハーフタイム、東京のスタジオに中継が切り替わった。

すると解説者の砂村光信さん(明治大→リコー)が、戸惑い、こわばった表情で述べていた。

これはほとんど奇跡だと思います

 

続いてタレントの吉木りさが、ニコニコしながら

「すごいですね」

と感想を述べていた。

 

両者のリアクションは、長年日本ラグビー界の発展に尽力してきた者と、この競技に関する知識をまったく有していない者、との間に横たわる絶望的に大きな差異を非常に印象的に表していた。

 

前半を終えたにすぎない。しかし女性タレントはこの状況の「意味」をまったく理解していなかった。

ただしもちろん、砂村さんも日本のラグビーファンも私も、

「後半どうせ引き離されるんでしょ」

と思っていた。誰も、勝てるなんて思っていなかった。

 

しかしジャパンは後半も食らいついて離されない。

10年前、私が秩父宮で観戦したとき(Ep.30参照)とは別人に成長した逞しき五郎丸歩のキックが冴える。

 

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南アフリカ戦の五郎丸歩 朝日新聞デジタルより

 

そして訪れた後半アディショナルタイム。逆転トライを目指すジャパンのゴール前のアタック。試合はクライマックスを迎えようとしていた。

私は既に立ち上がり、テレビの前に張り付いていた。

 

「あー! え? わーーー! えぇ? あぁ! あー! あーーー! ……や、やりやがった……」

 

この時の私の発した言葉を文字に起こすとこのようになる。日本時間の深夜だったが、もちろん私はひとりアパートで叫んでいた。

 

一方でこのシーンを文字に起こすと、

SO立川理道からの飛ばしパスがNo.8アマナキ・レレイ・マフィに渡り、マフィが突進してハンドオフで相手を一人ぶっ飛ばして二人目を引きつけてから大外のWTBカーン・ヘスケスへ飛ばしパス。受け取ったヘスケスは5m前のトライラインめがけて走る。この時点で99.5%トライ確定なのだが、それでも相手のエースWTB JP・ピーターセンが残り0.5%の可能性にかけて渾身のスピードと完璧なタイミングでグラウンディングを阻止するべく、この状況下において考えられうる最高のトライ・セービング・タックルを試みるもやはり間一髪届かず。ヘスケスを中心にジャパンの選手たちの歓喜の輪が拡がる。

といったところだ。

 

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カーン・ヘスケスとJP・ピーターセン Number webより

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日本ラグビー協会HPより

 

私は喜ぶ、というよりも呆然としていた。

 

この試合、日本が勝った相手はカナダではないしフィジーでもない。さらに言うとフランスでもイングランドでもオーストラリアですらない。

南アフリカに勝ってしまったのだ。

 

ワールドラグビーにおいて、ニュージーランドオールブラックス)と南アフリカスプリングボクス)は特別だ。

ただの1勝ではなかった。インパクトが違う。

その試合までの日本代表のワールドカップ通算成績は1勝2引分け21敗。

世界から貼られた「ラグビー弱小国」というレッテルを自ら剥がしたのだ。

 

この出来事は世界中のラグビーファンの度肝を抜き、嵐のような歓喜を巻き起こした。

世界から注がれる「視線」を獲得し、己の未来を永遠に変えたという意味においては、日本ラグビー界に今後二度と訪れることのない「奇跡」だった。

その30年間の世界中のあらゆるスポーツ競技の中で最大の番狂わせだったに違いない。

 

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スポニチより

 

深夜の興奮も冷めやらぬまま眠りについて正午近くになって起床した私は、

「すごい試合だったな。南アフリカに勝った…んだよね?」

といまだ覚醒しない頭でテレビをつけた。

 

すると民放のお昼の5分間ニュースでアナウンサーが伝えていた。

 

イングランドで開幕したラグビーのワールドカップ。日本代表は初戦、過去2度の優勝を誇る強豪の南アフリカを34対32で破る大金星を挙げました」

 

これを聞いたとき、

「あぁ、あれは夢じゃなかったんだな」

と思ったのだった。

 

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“The Beat Boks” W杯公式HPより

 

日野自動車ラグビー部との他の関わりでいうと、当時チャリで通勤していた道中に練習グラウンドがあったり、家の近くのコンビニでコピー機を操るトンガ人選手を見かけたり、といったところで、彼らの試合を観に行く機会には恵まれなかった。

 

 

と、話の都合上、日野レッドドルフィンズから入ってしまったが、今回書きたいのは「三重ホンダヒート」についてである。

鈴鹿市をホームグラウンドとしてジャパンラグビーリーグワンの2部リーグに参戦している、本田技研工業の社会人チームだ。

 

トップリーグの最終年度だった昨シーズンは、1部リーグのレッドカンファレンスに参戦して強豪たちと戦っていたが、1勝6敗という低成績だったこともあり今シーズンから始まった新リーグにおいては事実上の降格となってしまった。

 

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三重ホンダヒート

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公式HPより

 

私は四日市に越してきて以来、何度かホンダヒートの試合を観に行こうとチケットを取ったこともあったが、コロナ禍による中止などで叶わず。今回がようやく初めてのスタジアム観戦である。対戦相手は日野レッドドルフィンズ。会場はサッカーの試合でもお馴染みの「スポーツの杜 鈴鹿」だ。

 

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三重ホンダヒートは長らくチームの看板選手だった日本代表PR グ・ジウォンが移籍(コベルコ神戸スティーラーズへ)してしまったが、チーム力で好成績を収めて昇格したい。

一方の日野レッドドルフィンズ。2年前まで自分が暮らしていた街のスポーツチームが現在暮らしている地域にやってきて試合をするなんて嬉しい。だから日野にもがんばってほしい。

 

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キックオフ!

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チケット購入の際、よく空いていたので座席指定で前の方を取った。

すると思ったよりも近かった。わずか10m先でラインアウトスクラムも行われている。ここまで近い席から観るのは初めてかもしれない。

 

ゴツン!

と体がぶつかりあう音が聞こえる。

 

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ホンダヒートのLOはフランコ・モスタート選手(南アフリカ)。2019W杯の優勝メンバーで唯一のビッグネームだ。ラインアウトで競り合っている。

 

ブレイクダウン(密集でのボール争奪局面)の様子もよく見えた。

ホンダヒートのある選手が「ラック」をした。高校でラグビー部に入部した1年生が最初に習う際にお手本で示されるようなきれいなラックだった。

ところが味方のオーバーが遅く、かつ相手ディフェンス選手の体(たい)が十分に生きていたこともあり、

ニュうっ、と長い手が伸びてボールに絡まれ、ノットロールアウェイを取られてしまった。

 

このプレーを見たとき私は思わず考え込んでしまった。「きれいなラック」はこの人たちのレベルになると適していないのかもしれない。きれいじゃなくてもできるだけ味方がサポートに来るまで粘るのがいいのか。でもそれだとジャッカル(相手にボールを奪取されること)される可能性があるし...

ノットロールアウェイもジャッカルも、本当に紙一重のところで行われているのだ。

 

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試合の方はというと、両者ほぼ互角で接戦が繰り広げられていた。

そんな展開で逃げ切ったのはホンダヒート。前半から相手ゴール前に迫ると必ず得点を挙げて帰ってくる、という理想的な効率の良さを発揮し、このリーグにおける「自動車メーカー対決」を制したのだった。

 

地元の三重・鈴鹿から1部昇格を目指すホンダヒートの戦いを、これからも応援していきたい。

 

 

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Rugby Mie Honda Heat vs Hino Red Dolphins

Ep.89

Mie Honda Heat is a rugby football team based on HONDA company in Suzuka and compete between 5 teams into Japan Rugby League ONE, Division2.

 

This day, they fought against Hino Red Dolphins from Hino city, Tokyo which was my former residence!

 

Only 10 meter front of me, scrum, lineout and breakdown, such performances were done.  It’s awesome!

Finally, Honda Heat defeated Hino Red Dolphins, 32-24.

I had a wonderful time in the stadium.

 

www.honda-heat.jp

 

https://hino-reddolphins.com

赤目四十八滝

Ep.88

名張(なばり)市にある「赤目四十八滝(あかめしじゅうはちたき)」は伊賀地域を代表する名所だ。

原生林の渓谷で川に沿って整備された遊歩道に従うと、多彩な滝めぐりを楽しむことができる。

 

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深く入り組んだ地形が続くこの場所はその昔、「修験道」の修行者(山伏)たちを受け入れる聖地だったとのこと。

 

そして修験道が発展したのが「忍者」(忍者のルーツの一つが修験道)。

そんなわけで一部の観光ガイドを見ると「かつて忍者が修行した場所」とのことで、黒装束の男が滝をバックに日本刀を振りかざしている写真もある。

 

これは創作の影響を受けすぎているように思える。

実際のところ忍者とは刺客(暗殺者)なのだ。剣豪のように一対一で決闘などしなかっただろう。

滝や岩や川がある場所でピョンピョン跳ねながらトレーニングをしていたというのか? それよりも諜報行為を習得しようと励んでいたことだろう。アスリートというより工作員に近かったはずだ。

 

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遊歩道を歩き始めた序盤、私の前を歩いていた年配のご夫婦の会話が聞こえてきた。

「見て! あんな小さいんも『○○滝』やて!」

「あんな小さいんも『滝』やったら、そら四十八以上あるわな!」

 

その感想には完全に私もagreeだった。

夫婦の前方には、わずかに段差になって水が落ちている箇所があった。

それもれっきとした名前のある『滝』だったのだ。

 

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もちろん、四十八というのは具体的な数ではなく、たくさんあるという意味だ。

なお「赤目」とは、その昔、修行者のもとに赤い目の牛に乗った不動明王が降臨したという伝説から来ているらしい。

 

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遊歩道は続く。これは完全にトレッキングだ。私は革靴で来てしまったことを後悔していた。

最上流の岩窟滝までは入口から3,290mあるのだ。

千葉県の養老渓谷にある遊歩道を思い出したが、スケールも滝の多彩さもこちらの方がずっとすごい。

 

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1時間15分かかってようやく到着した。

在りし日の修行者に思いを馳せる、そんな赤目四十八滝だった。

 

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「たまきや」

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名物の「へこきまんじゅう」

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ご当地グルメ名張牛汁」

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忍者の携帯食「かたやき」

 

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赤目四十八滝 Akame 48 waterfalls (Akame-Shijuhachi-taki)

Ep.88

赤目四十八滝 Akame 48 waterfalls is a scenic spot in 名張 Nabari city, the west area of Mie.

Plenty of waterfalls, not only big one, but small one and various shapes of them make an awesome landscape.  48 means “many” in this.

 

By the way, this spot relates to 忍者 Ninja.  One of Ninja’s birthplaces is here, 伊賀 Iga area.

According to some guide books, Ninja trained here with waterfalls, rocks, rivers, forest and mountains.  So, this was a training site for them at that time.

Really?  In my opinion, Ninja was a spy or an assassin, Not a samurai or an athlete.

Even though Not a fact about Ninja’s training site, this wonderful place attracts lots of people.

 

www.akame48taki.com

 

きんこ 三重県の伝統食材9

Ep.87

「きんこ」は志摩地方で作られている「干し芋」のことで、海女のおやつや漁師の保存食として親しまれてきた。

 

きんこの材料は「隼人芋」で、地元で収穫した後、保管・皮むき・釜で炊き上げて蒸らす工程を経てから10日間ほど天日干しすることで完成するようだ。べっ甲色が特徴的で、写真ではカラスミのようにも見える。

 

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伊勢新聞より

つまりは加工食品であるのに、なぜか「みえの伝統野菜」の一つに定義される。

それほど、この地方では昔から食べられ愛されているのかもしれない。

 

 

ところで私の地元・茨城県干し芋が特産だ。私たちがお店で入手できる干し芋のほとんどは茨城県産だ。茨城の独壇場だ。

だから「きんこ」を入手できたら、茨城県産の干し芋と食べ比べてみようと思っていた。

 

すると2021年12月上旬、普段は行かない「スーパーサンシ 日永カヨー店」(Ep.41参照)に用があって訪れたところ、なんと「きんこ」と茨城県産の干し芋が並んで陳列されていた。

 

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右上に「きんこ」 スーパーサンシ 日永カヨー店にて

 

きんこは志摩地方ではおやつとして伝統的なものかもしれないけれど、四日市のような北勢地域では知名度という点で劣っているに違いなかった。

だからお客さんにとってよく分からない「きんこ」を茨城県産の干し芋と並べることで

「『きんこ』なるものは干し芋なんですよ。郷土食なんですよ」

と紹介でき、かつ手も伸ばしてもらって買い物カゴに収めていただくような意図だった。

 

だから私はこの陳列を見たとき、

サンシすげぇ

と思った。

 

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きんこ(志摩市産)

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きんこ(下)

 

サンシの狙い通り? 私はきんこと茨城県産の干し芋を買って食べてみた。

きんこは滋味深い甘味があり、ねっとりしているのが印象的だった。

 

 

すると妻が

「私の地元にも美味しい干し芋屋さんがある」

とのこと。

聞くと大手ECモールで何年も連続でベストセラーに選ばれているお店があるらしい。興味深い。

そこで年末、帰省した折に訪ねてみた。掛川市大渕にある「おいもや」がそのお店である。

 

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一方、「きんこ」についても先とは別のもの(御浜町産)を入手できた。

 

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きんこ(御浜町産)

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干し芋茨城県産)

 

そんなわけで2022年の年頭、私の家では

三重県産vs茨城県産vs静岡県産の干し芋食べ比べ対決」

という、おそらく日本で初めての出来事が行われたのだった。

 

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結果を言うと、最も美味しいのは「きんこ」だった。

忖度ではなく本当に一番だった。

 

これは私にとっても驚きで、というのも事前予想では楽天市場でshop of the yearを16年連続受賞した「おいもや」の干し芋(静岡)が勝つだろうと思っていたからだ。

 

きんこは柔らかくねっとりした食感がいいし、見た目でも美しいアンバー色(琥珀色)がいい。噛めば噛むほど放出される「無限甘味」とも言える芋の味は先人たちが築き上げた技法がゆえに体現されるものと想像された。

きんこ、キミの勝ちだ。

 

「きんこめし」を作ってみた。志摩ではこのような食べ方もされているのだという。

芋の甘みがご飯に溶け出し、美味しくできた。

 

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きんこめし

 

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きんこ Kinko the traditional ingredients of Mie, part 9

Ep.87

きんこ Kinko is “dried sweet potato” which is made by the traditional method in 志摩 Shima region.

It’s a snack for 海女 Ama and/or a preserved food for fisherman.

 

I got this local cuisine in Dec.  It was impressed with soft texture and the more I bit, the more I felt sweet!  The amber color was also elegant.

 

 

https://www.hyakugo.co.jp/mie/pdf/subamie_201504_1.pdf

 

www.ibaraki-shokusai.net

 

www.oimoya.net

 

四日市市総合体育館 「体操ドリームチーム四日市エキシビション」

Ep.86

四日市市日永(ひなが)の中央緑地公園内にある「四日市市総合体育館」は悲運の施設だ。

 

2021年9月の「三重とこわか国体」のメイン会場になるために整備されたのに、コロナにより大会自体が中止に。

それ以前の21年7月には東京オリンピックのカナダ代表女子体操チームの事前キャンプが行われたのに、大々的なセレモニーや市民との交流は叶わず。

そもそも実は利用が始まったのは2020年の5月まで遡るのに、常にコロナの影響でこれまで日の目を見てこなかったのだ。

 

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四日市市総合体育館

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幻に終わった「三重とこわか国体」 2021年5月時点

 

しかしついに、この施設が主役になる時がやってきた。

2022年1月16日

半年前に行われた東京オリンピックの体操男子個人総合で金メダルに輝いた橋本大輝選手をはじめ、男子団体総合銀メダルメンバー(橋本・萱和磨・北園丈琉・谷川航)と女子体操、男女トランポリンの東京オリンピック代表メンバー12人で構成される「ドリームチーム」がイベントを行うというのだ。

 

四日市市総合体育館の開館記念「体操ドリームチーム四日市エキシビション」である。

 

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2020東京オリンピック体操男子団体メンバー  NHK HPより

 

21年の11月、市内在住者を対象に観覧希望者を募集すると発表がなされた。

市の広報でめざとくこのニュースを知った私は、さっそく抽選に申し込んだ。

 

するとほどなくして、観覧案内の封筒が自宅に届いた。

これは年始からついているな

と思ったらなんてことはない。応募した1,400人全員が抽選なしで観覧できることになったのだという。

 

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ところで私は以前に一度、体操競技の大会を会場で観戦したことがあった。たしか2012年頃だったと思う。

それは当時、私が友人たちと進めていた「スポーツを生観戦しよう企画」だった。

プロ野球Jリーグの試合はたまに観に行くものの、それ以外のスポーツとなるとなかなか足を運ぶ機会がないというもの。東京に住んでいたメリットを活かしてさまざまなスポーツを観に行ったが、2012年(頃)に観たのが体操競技だった。5月に行われる国内最高の大会、全日本選手権の男子個人総合である。

 

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2012年の内村航平選手 朝日新聞デジタルより

 

時、まさに王者・内村航平の時代。

その大会も当然のように内村選手が優勝した。

 

ただ私は観客として、少し苦い思い出があった。

もちろん内村選手に注目して観ていたものの、

「今から内村選手が試技を行います」と場内アナウンスが流れるわけでも、

「この技は高難度だよ」と誰かが解説をしてくれるわけでもない。

 

例えば鉄棒を観ていても

「あれ、今のコールマンかな?」

と思うのでいっぱいいっぱいだった。

 

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鉄棒をする内村選手 毎日新聞 HPより

 

やはり先ほど述べたことを少し訂正すると、私でもコールマンとかトカチェフとかカッシーナとかは聞いたことや見たことはあるから何となく理解できる。

鉄棒の離れ技というのは見栄えが良いし、映像でも良く使われるからだ。フィギュアスケートのジャンプのように。

 

けれどつり輪やあん馬になってくるとダメだ。

今どのような技が繰り出されていてそれはどれくらいの難易度でどれくらい高得点をもらえるのか?

というのが全然わからないからだ。

 

加えて個人総合特有の「観戦技術」も必要とされた。

個人総合は6人の選手が1組になり、各組が各種目をローテーションするというものだ。

つまり会場全体で同時多発的に試技が行われている。

 

観戦者として、球技のように「ボールの行方を目で追っていれば基本的にOK」というものではない。

全体を俯瞰するのは△で、特定の選手・特定の種目に注目して観るのが理にかなっていると思う。

この点、陸上競技の大会に似ているかもしれない。

 

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そのような経験があったから、今回のエキシビジョンを楽しみにしていた。当日の具体的な内容は明かされていなかったが、トークを交えながら平易な言葉で技の解説などしてくれるのだろうと思われたからだ。

 

いよいよイベントが始まった。体操ドリームチームの登場の前に、地元の「社交ダンス」と「競技バトン(バトントワリング)」の選手たちが前座でパフォーマンスを披露し始めた。

 

最初、なぜ体操の前に社交ダンスとバトンの選手たちが出てくるのか?

と思ったが、彼らのパフォーマンスを観ていて納得した。似ているのだ。体操に。

 

「己の全身を使ってアクロバチックに、ときに道具や設備も使って何かを表現する、それが採点される」

という点でこれらは共通している。

そう考えると親戚のようなものじゃないか。

 

体操競技にとって、新体操は「妹」。トランポリンは「従兄弟」。競技バトンは「姪」。社交ダンスは、「叔父・叔母」といったところだろうか?

(私のステレオタイプが露呈するのでこの辺にしておく)

 

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彼らのパフォーマンスが観客を充分に温めた後、ついに12人のオリンピアンが入場してきた。

東京オリンピック後にこのように豪華なメンバーが一堂に会するイベントは今回が初」(主催者評)とのことだ。

2020東京オリンピックのメダリストこそ体操男子メンバー4人のみだが、競技歴を見ると全員が世界選手権・アジア大会ユニバーシアードユースオリンピックのいずれかの大会の優勝経験がある。現在の日本体操界における正真正銘のトップ選手たちだ。

 

この後、選手たちは一人ずつ順次登場して、どれか一つの種目(床・あん馬・平行棒・平均台・トランポリン・鉄棒)を披露し、観客を沸かせていた。

マイクを握って技を解説してくれる3名は、体操男女とトランポリンの現在の日本代表の監督たちだ。

 

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あん馬を披露する萱和磨選手 中日新聞より

 

エキシビジョンでケガをするのは話にならないので選手たちは技の難度を落としていた。

そんな中、異彩を放ったのがラストに登場したトランポリンの森ひかる選手と太村成見選手だった。

2人は21年11月に行われたトランポリン世界選手権の女子・シンクロナイズドで銀メダルを獲得したペアなのだ。

 

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太村選手(左)と森選手 日本体操協会トランポリン HPより

 

解説者(代表監督)から「先の世界選手権で銀メダルを獲得したときの演技構成を披露する」とのこと。

 

演技が始まる。最初、数回の準備ジャンプを繰り返して互いの着地のタイミング・到達点の高さ、を同調させる。完全に揃ったところで森選手が掛け声で合図して技が始まる。

 

何回目かの回転技のとき、太村選手がバランスを崩してしまい身体から落下して失敗してしまった。極めて難度が高い技であることが想像できる。

 

客席からはため息も。するとなんと太村選手が「もう1回やらせてください」のポーズ。

そんな太村選手の(適切な表現が見つからないが)「男気」に、客席からどよめきが起こる。

実は太村選手は四日市在住で、地元の体操クラブ(三重県内の数カ所で体操教室を開いている相好体操クラブ)でコーチとして子どもたちに指導もしているのだ。

地元で、市民に、何よりも教え子たちに自分の持てる力の全てを見てもらいたい、という気持ちが伝わってくる。

 

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(参考)トランポリン 日本体操協会トランポリン HPより

 

それにしても究極の「鉛直方向限定反復競技」とも言えるトランポリンは見応えがある。ビルの3階に相当する8mの高さまで飛び上がるのだ。空中での連続回転やひねり技もアクロバチックだ。

 

2人で行う種目「シンクロナイズド」は初めて観た。これは2人の着地のタイミングがわずかでもズレると大変目立ってしまう。かといって高さ(最高到達点)がズレていても目立つ。しかも着地とジャンプは何度も繰り返される。だから破滅的なズレにつながる前に常時微修正するしかない。空中でクルクルしながら。横目(いや身体が回転しているので「横」ではないけど..)でパートナーを確認して同調させなければならないのだ。

きっと、飛び込みのシンクロやアーティスティックスイミングよりもこちらの方が難しいのではないか。

 

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(参考)トランポリン・シンクロナイズド 日本体操協会トランポリン HPより

 

森・太村ペアの2回目の演技が始まった。

うまくいってくれ、と心の中で願う観客たち。

先ほど失敗した最後の大技「X回転Y回ひねり」(←もはや分からない)が見事に成功した!

 

観客が沸く。解説者(代表監督)も褒める。充実の笑顔をみせる森選手。万感の思いで観客に手を振る太村選手。

 

2人にこの日一番の拍手が送られたのは言うまでもない。

 

 

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The Yokkaichi gymnasium  “Yokkaichi exhibition by gymnastics dream team”

Ep.86

The Yokkaichi gymnasium has located in the city central green park since 2020.

Even though built for “the national sports festival in 2021”, it was banned due to corona virus pandemic.  It must be “tragic facility”.

 

But at last, the official opening event was held in Jan. 2022.  National gymnastics and trampoline members of 2020 Tokyo Olympic came there and showed exhibition!

Audience who were selected in citizens enjoyed Olympian’s performances.

 

yokkaichi-so-tai.jp

www.sohgoh.info

 

御池岳(鈴鹿10座 10/10)

Ep.85

鈴鹿10座の最後のターゲットは鈴鹿山脈最高峰の1,247mを誇る御池岳である。

藤原岳Ep.67参照)と同様、石灰岩が露出したカルスト地形が特徴のようだ。

三重県側のコグルミ谷登山口からさっそく登山を開始!

 

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スタート!

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苔で覆われていた

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11月中旬でちょうど紅葉の時期だったということもあり、登山客は多かった。

 

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ゴール!

 

1時間20分で山頂へ到着。

道中は石灰岩だけでなく苔も多く見られた。イブネ(Ep.76参照)ほどではないものの、苔も見応えがある。

 

御池岳の山頂部は周遊コースのようになっており、さまざまな方面の眺望を楽しむことができた。

 

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琵琶湖畔が見える

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天狗の鼻

通称「天狗の鼻」に立つ。断崖絶壁だ。

 

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天狗の鼻 真横から

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天狗の鼻 真横から(望遠)

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天狗の鼻 真横から(更なる望遠)

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ボタンブチ

通称「ボタンブチ」。ここも眺望がすごい。

山がスジになっている。まさに山脈だ。

 

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ボタンブチからの景色

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通称「奥ノ平」で三重県側・いなべ市の景色を見ながら昼食をとる。

再び山頂に戻ってから下山した。

 

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北岳(1,182m)に出る。ここも開けていて眺望がすごい。

 

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琵琶湖

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西を見ると琵琶湖が見えた。

これまでの鈴鹿山脈登山の中で、最も近くに見えた。すぐそこにあるじゃないか。

琵琶湖の「北端」までしっかり確認できる。

 

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北岳を過ぎるとあとは鞍掛峠の登山口に向かって進むだけだ。

 

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ゴール!

 

そんなわけで戻ってきた。

これにより「鈴鹿10座の完全制覇」、いわば「鈴鹿10座のグランドスラム」達成である。

 

なお私は既に「鈴鹿セブンマウンテンのグランドスラム」(Ep.67参照)も達成しているから、これで「ダブルグランドスラム」の達成だ!

 

 

登山を終えて私はクルマで家路についていた。

国道306号線を南下しているとき、右手に見えるのは鈴鹿山脈だ。

 

前にも後ろにも、この巨大な山々の連なりが壁となり向こう側(滋賀県側)を見通すことはできない。

視線は自ずと上を向き、山と空の境界へ。

幾重にも連なる山々と、その頂たちを仰ぎ見る。

 

自分はこれらの山々のほとんどに登り、山頂に降り立ったのだ

と思うと、何だか誇らしい気分だ。

ラグビースクラムトライをとった8人のFWたちが、一仕事終えて自陣にジョグで戻るときの気持ちに似ている(のではないかと思う)。

私は意気揚々と引きあげたのだった。

 

<追記>

1月上旬(以降)、朝の通勤中に後ろを振り向くと雪と氷の山々が見えた。

これは立山連峰...

いやいや鈴鹿山脈だった。

 

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この「近さ」がまた良いのだ。

今日も鈴鹿山脈は我々の地域にそびえ立っている。

 

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御池岳 Mt. Oike-dake

Ep.85

My last target of “Suzuka 10 za” was 御池岳 Mt.Oike-dake (1,247m).  This is the highest mountain of Suzuka area.

Let’s go to see!

 

There were many people due to the best season of autumn leaves.

The weather was good and landscape from summit was great!

We can enjoy 360° views including Biwako lake.  How nice place was!

 

At last, I was succeeded in climbing all 10 mountains, which was “the grand slum of Suzuka 10 za”.

As you know, I have already achieved “the grand slum of the Suzuka 7 mountains”.

So, it means “Double grand slum”!

I’m proud of my achievement.

 

Achievement ;

Suzuka 10 za 10/10

Accomplished!

 

たかな 三重県の伝統食材8

Ep.84

目を見張るほど美味しい「めはり寿司

 

って本当かいな?

という疑問が前からあった。

 

めはり寿司というと和歌山県の郷土料理のイメージがあるが、三重県南部の熊野市や尾鷲市もいわゆる「熊野」地方であり、昔から食べられてきたようだ。

 

めはり寿司でご飯を包んでいる葉っぱは「たかな」である。「みえの伝統野菜」の一つだ。

三重県では熊野市で生産が盛んだ。

 

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今回のテーマは「たかな」

 

しかし私は当初、みえの伝統野菜の一つである「たかな」とは「高菜」であることに気付かなかった。

 

「高菜」といえば、おにぎりの具材、高菜チャーハンや高菜めし(熊本・阿蘇地方の郷土料理)が思い浮かぶが、これらで使われている高菜とは言うまでもなく「高菜の漬物」である。オリーブ色で細かく切り刻まれている。

 

だからオリジナル形態の「高菜」が上記写真のような野菜であることを今回初めて知った。

とても大きく、鮮やかなフレッシュグリーン色の葉だ。

 

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11月下旬、たかなが近所の四季菜で売られていたので買ってみた。

店頭のポップには「若い葉は生のまま食べられます」とあった。

 

どれが若い葉なのかは分からなかったが、とりあえず生サラダで食べてみると、ツーンと鼻に抜ける辛さがある。ワサビのようだ。

この辛みをいかすべく、サンチュのように焼肉を包んで食べてみるとやはり美味しかった。

 

 

だが冒頭に持ち出した疑問の通り、やはり私の関心はめはり寿司だ。

そこでこの熊野の郷土料理に挑戦してみることにした。

 

 

1. めはり寿司(にんじんとゴボウと鶏肉の炊き込みご飯)

まずたかなは一枚の大きな葉っぱのまま漬物にする必要があるため、数日間漬けてこれを用意した。

そのあと、炊き込みご飯の丸いおにぎりをたかなの葉っぱの漬物で包む。

 

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見よう見まね感が半端じゃない!笑

私はめはり寿司を食べたことがないのだ。本物の写真を見ながらそれに近付けようと試みる。

実際に作ってみると、葉脈がくっきり浮き出ていて美しい。

 

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めはり寿司(にんじんとゴボウと鶏肉の炊き込みご飯)

感想;

美味しい。たかながしょっぱすぎると思ったがこれで良いのではないか? と考える。

というのは熊野地方の農家の人たちの姿を想像してみたからだ。

朝、自宅を出て畑に向かい炎天下の中で午前中ずっと農作業を行いそろそろお昼ご飯にしようと木陰に座って自宅から持参したお弁当のめはり寿司をほおばる。そのとき体は塩分を欲しているはずだ。このしょっぱさが体にしみわたるはずだ。これで、良いのだ。

 

 

2. めはり寿司(ちりめんじゃこと三重なばなとごまの混ぜご飯)

 

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めはり寿司(ちりめんじゃこと三重なばなとごまの混ぜご飯)

 

感想;

まず、ちりめんじゃこと三重なばな(Ep.81参照)とごまの混ぜご飯が非常に上手にできたため、この時点で勝利確定だったが果たしてめはり寿司にしても美味しかった。

 

 

そんなわけで、目を見張るほど美味しいかは分からないが、めはり寿司の出来栄えに充分に満足したのだった。

 

 

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たかな Takana the traditional ingredients of Mie, part 8

Ep.84

Let’s cook めはり寿司 Mehari-zushi ,which is a regional cuisine of Kumano area including south of Mie.

This is like the rice-ball with たかな Takana, alternatively dried seaweed.

 

Takana we can get in the farmer’s market is one of the traditional vegetables of Mie and the high season while winter.

 

For Mehari-zushi , I prepared Takana pickles and mixed rice with some ingredients.

After that, I tried wrapping rice balls with Takana pickles.  Completed!

 

  1. Mehari-zushi (mixed rice with carrot, burdock and chicken)
  2. Mehari-zushi (mixed rice with chirimanjako (boiled tiny fish like sardine), Mie nabana and sesame)

 

That taste was.. too salty!

But I imagined that the lunch time when farmers finished agricultural job in AM was wanted to serve such salty food.  It’s reasonable.

I was satisfied with my Mehari-zushi.

 

www.asukamehari.com

 

https://www.hyakugo.co.jp/mie/pdf/subamie_201504_1.pdf

 

気球 on 三重

Ep.83

みなさんは「気球」について深く考えたことはありますか?

 

とりわけ最も一般的な「熱気球」については、「温かい空気は上方へ昇っていく」という性質を利用した単純なものだ。

私はケミカルエンジニアだが、当初これをなかなかイメージできなかった。

 

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そんなある朝、いつものようにチャリで会社に向かっていたところ、はるか前方に煙突からモクモクと出る蒸気が見えた。

 

そしてこの光景にピンときた。これは熱気球の原理と同じじゃないか? と。

温かい蒸気は上方へと昇っていく

もちろん、煙突の場合は蒸気が狭い筒内(塔内)で下方から押出されるという作用がはたらくものの、それでも吐出口から出た後も蒸気は上へ上へと昇っていく。

 

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煙突から出る白い蒸気というのは「可視化」されたものである。だからそこでふるまっている気体分子の様子を明確にイメージできた。

熱気球の場合も、ガスバーナーによって大気中の窒素や酸素や二酸化炭素が熱せられて温まり(=気体の分子運動が激しくなり)、膨張しようとし(=上へと昇ろうとし)、それによって気球内側の球皮を物理的に押し上げている様が想像できる。

 

高校生のとき、物理の先生が

「物理はイメージだ」

と言っていたが、まさに言い得て妙だ。

 

気体の動きも、力が作用する向きも、電流も磁界も波動も、あらゆる物理現象は目に見えなくてイメージしづらいから苦労する。理解が深まらない。

けれどひとたび可視化されれば、腹落ちしやすいのだと思う。

 

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話を気球に戻そう。

なぜ「気球 on 三重」なのかというと、

角幡唯介氏(極地探検家&ノンフィクション作家)のエッセー『探検家、36歳の憂鬱』を読んでいたところ、神田道夫さんという気球冒険家を紹介したエピソードが心に残り、続いてその神田さんとのある冒険の日々を綴った石川直樹氏(登山家&写真家)の『最後の冒険家』を読んだからだ。

神田道夫さんは熱気球で高度世界記録や長距離世界記録などを樹立し、2008年、栃木県から出発した太平洋横断の途上、消息を絶った)

 

そしてこの本の中で、本論とは関係ないが(かつ正確な文章表現は忘れたが)「東海地方の気球の聖地」と紹介されていたのが桑名市の長島町だった。

なばなの里(Ep.32参照)や三重なばな(Ep.81参照)や木曽三川Ep.79参照)のあの長島である。

 

そう言われると、私は前に桑名を訪れていたとき、上空から降下してくる気球を見たことがある。

そんな長島は「商業気球」や「競技気球」に携わる人にとっては有名なようだが、実は「冒険気球」においても、ある歴史的快挙の場になった。

 

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1981年11月10日

ベン・アブルッツオ、ロッキー青木、ラリー・ニューマン、ロン・クラークの4人は、ヘリウムガスを充填した「Double Eagle V」に乗り込み、気球による太平洋横断を試みた。

その出発地点になったのが三重県長島だ。

彼らは3日半、8,383kmを飛び、カリフォルニア州メンダシーノに無事到着。人類初の快挙を成し遂げたのだ。

 

これを記念したモニュメントが、ナガシマリゾートの「長島温泉」内にある。

 

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モニュメントにはこう記されていた。

『1981年11月10日 この地 長島温泉より気球で太平洋横断の快挙を成し遂げた4人の冒険野郎達をここに記念する 1985年7月』

 

 

高度10,000mでは西から東へジェット気流が吹いているから、それにのれば太平洋を横断してアメリカに到達できるだろう

 

と理論的には言えても、

「それじゃあ私がそれを証明しましょう」

とはならない。普通、ならない。

 

冒険家・探検家とは、比類なき情熱を持ち、周到に計画をたて、完璧な準備を整え、最上級の勇気と共に目的を達成した者たちだ。

理論や自説を証明し、当時の地図の空白部分を埋めるという物理的な意味での世界を拡張しただけではなく、人類の集合知をも拡張した者たちのことだ。

だから昔から、彼らには最大級の敬意が表されてきた。

 

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この長島から、

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まずは垂直上昇して、

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一路、東へ

41年前の冒険に想いを馳せてみる。

彼らはこの長島から、まずは垂直に昇って昇って昇って、ナガシマスパーランド揖斐川四日市コンビナートも伊勢湾も鈴鹿山脈も見えなくなるまで昇って、そして風に吹かれて一路、東へ。

 

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彼らは長島から東京を目指したわけではない。アメリカ合衆国の西海岸を目指したのだ。

途方もない計画と旅路に目眩がする。

 

3日半(84時間)で8,383kmだから、(水平方向の)平均速度は時速100kmだ。

気球に何かしらのトラブルが起きたら、墜落して太平洋に叩きつけられて海の藻屑になってしまうじゃないか。

他方で、「時間を持て余す」問題もあったことだろう。

垂直方向のコントロールはヘリウムガスで行うが、水平方向については気球なので風まかせだ。操縦者がやることは限られている。

 

だから起床しているとき、彼らは陽気に歌を唄ったりすべらない話をしたり、いっせーのー・イチ!、などをしたりして過ごしていたのかなと想像する。

 

いや高度10,000mだと凍えるほど寒いだろうから、厚手の防寒着や手袋をしているはずで、それだといっせーので上がった指が何本か分かりづらいだろうな、などと妄想する。

 

とにかく、驚異的な精神力の持ち主たちだったというのは間違いない。

 

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今一度、4人の冒険野郎達の顔を見てみる。

この不敵な笑みを見てほしい。

 

彼らの偉業は人類の歴史に永遠に刻まれたのだ。

 

 

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Hot air balloon on Mie

Ep.83

Have you ever considered the hot air balloon?

Nagashima-cho, Kuwana city was a historical place.

 

In 1981, 4 guys got on their gas balloon and left here.  Their destination was California and their purpose was “trans-Pacific”!!

How incredible journey was!

 

Finally, they did it.  3 and half days later, they landed in west coast of US.

Crossing the Pacific Ocean by a gas balloon was for the first time achievement by humankind and new world record “the longest distance”.

 

I visited a monument inside Nagashima resort.

According to it,

On November 10, 1981, from this place, Nagashima, 4 guys, adventurers made successful crossing the Pacific Ocean by a gas balloon.

Honored their achievement here.  July, 1985

 

natgeo.nikkeibp.co.jp

 

en.wikipedia.org

 

 

 

 

 

日本コバ(鈴鹿10座 9/10)

Ep.82

風変わりな名前を持つ鈴鹿10座の一つ、日本コバ(934.2m)。

その名称には諸説あり、林業に関する木場(コバ)、九州地方の焼畑の呼称「コバ」、休憩場所の意味の「コバ」などがあるらしい。

 

山の特徴はというと、滋賀県東近江市が発行している紹介文によると

「沢、岩場、洞窟、湿地、深い森など冒険心をくすぐられる山」

とのこと。

 

鈴鹿10座登山ではすっかり起点になった「道の駅 奥永源寺渓流の里」にクルマを停めて登山口に向かう。

 

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如来堂」という所が今回の登山口だが、どこにあるのか全く分からない。Google Mapで出てこないし看板もない。

 

しばらく迷ったあげく、近くに小さな消防署(出張所)があったので朝も早くから消防車の整備をしていた2人の消防士の方に道を聞く。

するととてもていねいに教えてくれた。

「気ぃつけて行きやー」

 

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登山口を発見

 

これは分かりにくい ! さすが鈴鹿10座。こういうところが全然フレンドリーじゃない。

 

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スタート!

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11月にもなると色付き始めていた。落ち葉を踏み歩くときの

カシャカシャ

という音が心地よい。

 

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ゴール!

 

1時間半で山頂に到着。

全く展望が開けていないのが残念だが、小さな広場のようになっていたので昼食はとりやすかった。

 

下山を開始する。

帰りも行きと同じ道を歩くつもりだったが、歩き始めてすぐに記憶に無いルートであるとの確信に至る。ピンクテープに従って来たのだけれど、そもそも違うルートのようだ。

またしても迷う。私は方向音痴なのだ。

 

すると、私が行きの途中で追い越した人がやって来たのでその人に道を聞いた。

私よりもひと周りくらい年齢が上のその男性は、自ら先導して教えてくれた。どうやら私は途中の分岐の看板を見落としていたようだ。

(その人は自らが降りる予定のルートを認識しつつも、違うルートを様子見に来たようだ)

 

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互いに下山ルートは同じだったため、成り行き上、その人とお話ししながら一緒に降りることになった。

その人は滋賀の野洲市から来ており、純粋な山登り目的では15年ぶりの登山とのことだった。山登りをしないこの15年間は、合気道→柔道→自転車旅、としてきたらしい。

 

「けれどずっと趣味で続けているのがコウブツサイシュウです」とのこと。

「コウブツサイシュウ?」

 

鉱物採集だった。

黒曜石を求めて秋田へ、輝石を求めて蔵王へ、翡翠を求めて糸魚川に遠征し、その過程での登山はしてきたとのこと。

 

「めちゃくちゃアクティブですね!?」

 

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またその人は大学時代に数学を専攻していたとのことで、私がケミカルエンジニアだと知るや、第一原理計算やMI(マテリアルズ・インフォマティクス)について尋ねてきた。

私は過去にそれらのツールを利用したことはあるが、その原理や詳細までは全く理解していないため、その人が満足するような答えはできなかった。

 

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しゃべり出したら止まらないその人は、私の地元・筑波山にある武道具店(私はこのお店を知らなかった)や滋賀の名産・鮒寿司についても縦横無尽にお話してくれた。

道中、その人が8割くらいはしゃべっていた。

 

このように、しゃべりでは完全にその人のペースだったが、歩くペースは私が主導していたようだ。

というのも、2人で話しながらも私は自分のペースで歩いていたので、最後の方、その人は息切れしていた。

 

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ちょっと悪いことをしたかな?笑

と心の中で苦笑しつつも、ゴール地点の登山口にたどり着いた。

 

お互いに駐車場は異なる所だったので、その人とはそこで別れた。

 

道に迷って助けを求めたことから始まった、そんな一期一会の日本コバだった。

 

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コムラサキとクロガネモチ

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愛知川(えちがわ)

 

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日本コバ Mt. Nihon-koba

Ep.82

A man I asked to help due to get lost in 日本コバ Mt. Nihon-koba (934.2m), one of the Suzuka 10 za was an intelligent and talkative guy.

 

On the way down the mountain, I talked with him about lots of things, each hobbies, jobs, travels and so on.  It was a curious experience.

 

I got lost, that’s why let me make memories of “once in a lifetime”.

 

Achievement ;

Suzuka 10 za 9/10

 

三重なばな 三重県の伝統食材7

Ep.81

「三重なばな」は洋種アブラナの茎と若葉を食用とした「みえの伝統野菜」の一つだ。

 

県内では桑名市木曽岬町松阪市で栽培が盛んらしい。

なので桑名市長島町にあるナガシマリゾート「なばなの里」(Ep.32参照)は、同町で生産が盛んな「なばな」から名付けられたのだろう。

三重県自体のなばななの収穫量も全国No.1で、30%を占めていたこともある(2014年)。

 

11月下旬、この三重なばなが近所の四季菜(JAみえきたのファーマーズマーケット)やマックスバリュの店頭に並んでいた。

 

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今回のテーマは「三重なばな」

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見た目はほうれん草や小松菜といった類の野菜に似ているが、芯の通った固い茎と大きな葉っぱが特徴的だ。ボリューム感もある。

 

まずは茹でただけのものを食べてみる。

 

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うん。味や食感もほうれん草のようだ。

茎も葉もどちらも美味しい。

三重なばなの特徴をいかした料理を作る上でこの大きな葉っぱに着目し、他の食材を巻いてみることにした。

 

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三重なばなと豚肉のダブル巻き

巻かれる食材は何でもよかったが、スティック状の野菜がよかったのでニンジンとゴボウにした。これらを三重なばなの葉で巻く。

それだけでよかったかもしれないが、時短ではニンジンとゴボウへの味の浸透が不十分かと思い、大外から豚肉で巻くことにした。これを少量の醤油とみりんで味付けして焼いた。

 

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三重なばなと豚肉のダブル巻き

 

感想;

結局、作ったのは肉巻きなので不味くはなり得ないのだが、やはり美味しくできた。

豚肉の旨味の奥に三重なばなの味も明確に効いている。少し硬めのニンジンとゴボウも良かった。

 

三重なばなは栄養面でも優秀らしく、さまざまな栄養素を豊富に含む野菜で、特にビタミンCはほうれん草の2倍で全野菜の中でもトップクラスとのこと。

それを聞くと、シンプルに茹でただけのものや味噌汁に入れたりして食べるのが一番いいのかもしれない。

 

 

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三重なばな Mie nabana the traditional ingredients of Mie, part 7

Ep.81

Mie nabana is edible brassica, which is one of “the traditional vegetables of Mie”.

In late November, we can get it in farmer’s market or some supermarkets.

 

The taste and looks are similar to spinach.  On the other hand, these large leaves impressed with me.

So, I came up with cooking “meat roll”.

In Japanese style, it means that some stick-shaped vegetables are rolled by sliced pork.

 

I made “Double meat roll with Mie nabana”.

I tried using the leaf of Mie nabana as “rolling ingredients” with pork.  Carrot and burdock were “rolled ingredients”.

 

This was yummy.  Of course I could perceive the taste of Mie nabana.

 

In another aspect, this vegetable has so much various nutrition, especially vitamin C.

So, it might prefer simply boiling, not baking.

 

http://www.miegk.or.jp/pdf/mienosyokuzai/nabana.pdf

 

https://www.hyakugo.co.jp/mie/pdf/subamie_201504_1.pdf

 

 

古代遺跡 at 三重

Ep.80

京都や奈良といった古都の近場に位置する三重県伊勢国)にはいくつかの「古代遺跡」がある。

 

1. 伊勢国分寺跡

市内で発掘された縄文時代の土器や石器が展示されている鈴鹿市考古博物館。その隣にあるのが「伊勢国分寺跡」だ。

聖武天皇によって各国に建てられた国分寺伊勢国では鈴鹿に置かれていたようだ。「畿内と東日本を結ぶ交通の要衝であった鈴鹿は、古代伊勢国における政治文化の中心だった」らしい。

 

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博物館の3Fの展望デッキから伊勢国分寺跡を見渡せた。

なんと広々としているのだろう。その昔、この場所でたくさんの役人たちが仕事をし、暮らしていたのだ。

 

転じて今、この古代遺跡の歴史公園には幼い子とそのお父さんの2人が遊んでいただけだった。休日だというのに。

もしここが東京なら、わんさか人がいて家族連れが走り回ったりキャッチボールをしたりフリスビーをしたりしていることだろう。

 

 

2. 久留倍官衙遺跡(くるべかんがいせき)

四日市市大矢知町(おおやちちょう)にある「久留倍官衙遺跡(くるべかんがいせき)」は国道1号線バイパス建設のための事前調査で確認された古代の役所の遺跡だ。

「くるべ歴史公園」として整備され、2020年11月にオープンした四日市の新しい名所だ。

 

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遺跡は大きく3つの時期に分かれ、最も古い建物群は7世紀後半〜8世紀前半のものとのこと。

この役所が当時、どのような機能を持つものだったのかについては調査中のようだが、壬申の乱(672年)や聖武天皇の東国行幸(740年)と関連する可能性があるらしい。

 

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聖武天皇の東国行幸 久留倍官衙遺跡公園 HPより

 

3. 斎宮

伊勢市の北部、明和町(めいわちょう)にある斎宮歴史博物館と斎宮跡。

斎宮(さいくう・いつきのみや)」とは「斎王(さいおう)」が住んだ宮殿のことで、斎王とは「天皇家の守護神を祀る姫」のこと。

天皇家の守護神とは天照大神アマテラスオオミカミ)のことなので、伊勢神宮の手前に置かれた。

 

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前述の通り斎王とは女性である。天皇の娘や皇族の女性のうち独身の者から選ばれたようで、斎王に選ばれると、最初の数年は世俗や都から切り離された生活(事前修行)をした後、満を辞して伊勢に向かった。そして待ち受けていたのは「行事」の数々だ。

 

飛鳥時代(7世紀後半)から南北朝時代(14世紀)まで続いたこの制度で選ばれた女性はまったくたまったもんじゃないと思うが、中には恋愛(密通)を楽しんだ斎王もいたようだ。

それが描かれているのが平安時代の和歌集『伊勢物語』で、在原業平(とされる男)と密通するのが恬子内親王(やすこないしんのう)と思われる人物だ。

 

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在りし日の姿に思いを馳せる、そんな古代遺跡群だ。

 

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The ancient ruins at Mie

Ep.80

Mie has several ancient ruins.  They are related to Nara, Kyoto, such ancient cities.

We can imagine the era when people lived there.

 

 

www.city.suzuka.lg.jp

 

www.city.yokkaichi.mie.jp

 

www.bunka.pref.mie.lg.jp

 

 

揖斐川・長良川・木曽川

Ep.79

「海」は何時間眺めていても飽きない

と言う人はよく聞くけれど、それでは「川」はどうだろう?

 

私の地元・茨城には「利根川」という、それこそ日本で一番大きな川があるが、私は利根川をじっくり眺めたことなど一度もないし、またそう思ったことすらない。

 

ところが転勤で30を過ぎて静岡で暮らし始めると、この地を流れる川が美しいことに気付いた。「大井川」だ。

 

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大井川の上流(静岡県川根本町

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前日の雨でmilkyになっていた(2016年)

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大井川の下流静岡県島田市

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蓬莱橋からの眺め(2016年)

 

上流では山の谷間を縫うようにして流れ、下流では広々とした川幅をゆったりと流れ、まもなく太平洋に注がれる。

静岡県を代表する一級河川は素晴らしかった。

 

 

三重県にも、素晴らしい川がある。

揖斐川(いびがわ)」「長良川」「木曽川」だ。

これらは「木曽三川」と呼ばれている。

愛知・岐阜・三重の県境であり、東海3県のアイコンとも呼べる川だ。

 

そして木曽三川の中でも最も素晴らしいのが「揖斐川」だ。

 

私は伊勢湾岸自動車道からのぞむ揖斐川が好きだ。

ここを通るときはいつも一番左側の車線で時速70kmに落として(迷惑?)、じっくり揖斐川を眺めながら運転する。

 

揖斐川は今日も大きいな。すごいな」

と思いながら走る。

 

この辺りはちょうど河口であり、まさに伊勢湾に注がれるところなので川幅はなんと1kmにも達し、さながら超巨大河川の様相である。

(この巨大さは近鉄でもJRでもこくいちでもにーさんでも目の当たりにできる)

 

 

ある休日、私は揖斐川をもっと近くで眺めてみるべくチャリで向かった。

 

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揖斐川

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着いた場所は桑名市の長島町。なばなの里(Ep.32参照)やナガシマスパーランドで有名な町だ。

 

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揖斐長良大橋

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四日市コンビナート

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養老山地

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伊勢湾

 

圧巻の景色だった。

揖斐川はやっぱり大きかった。美しかった。

 

雲の合間に陽が差し、青空が広がっていく途上にあった

北を見やると養老山地が

南には四日市コンビナートと伊勢湾をのぞめた

川辺には気持ちの良い午後を過ごす釣り人たちの姿も

 

 

『 世の中には、悲しいことも、怒りを覚えることもある。同時に、楽しいこと、つい笑ってしまうことにも、あふれている。

ブッダは「世界は美しい。人生は甘美である」と言い残して亡くなった。

世界はカラフルなのだ、もしも世界が単色で、人生がつまらないものだとしたら、それは、あなたのせいだ。世界のせいではない。あなたが悪いのだ。あなたの感性が、鈍っているのだ 』

近藤康太郎著、「三行で撃つ 善く、生きるための文章塾」より

 

 

川を見て、海を見て、山を見て、空を見て、花を見て、美しいと思えること。

文学を読んで、音楽を聴いて、スポーツを観て、食事をして、すばらしいと思える、その感性を、これからも持ち続けよう。

 

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ところで揖斐川は、ある象徴的な意味を背負わされている。

それは「東日本と西日本の境界」というものだ。

 

すなわち、揖斐川を挟んだ東西で、文化や慣習が違ったり、好みが違ったり、言葉のイントネーションが異なる。

現在において実際のところどうなのかは分からないが、とにかくこの川幅を目の当たりにすると、さもありなんと思う。

 

 

揖斐川を背にしてそのまま長島町をチャリで走ることにした。

ナガシマスパーランドを「裏側」から見るのは新鮮だ。

 

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ナガシマスパーランド(の裏側)

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木曽川

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木曽川大橋

 

すると今度は木曽川沿いに出た。

考えてみると、長島は揖斐川木曽川に挟まれた半島のようだ。長島の陸地の南端こそ揖斐川木曽川の合流点、つまり伊勢湾だ。

 

 

木曽川大橋を渡ると木曽岬町(きそさきちょう)に入る。

 

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木曽川の岬にある町だから木曽岬町。なんて素敵な町名だろう。

木曽岬町三重県で唯一、木曽川よりも東にある自治体だ。小さな小さな町だ。

 

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木曽岬町の風景

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揖斐川」は何時間眺めていても飽きない。

木曽三川とそのほとりの町を巡る、充実のサイクリングになったのだった。

 

 

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Ibi river, Nagara river and Kiso river

Ep.79

Mie has 3 great rivers, 揖斐川 Ibi river, 長良川 Nagara river and 木曽川 Kiso river.

They are prefectural border between Aichi or Gifu and also the icon of this Tokai region.

 

In 長島町 Nagashima-cho, Kuwana city, it’s the estuary of these 3 rivers, therefore the width are big.

Especially, Ibi river is the biggest.  The width are almost 1km!  It’s definitely giant river!

 

I love Ibi river so much.  Not only big, but wonderful view.

I always be impressed with view while driving highway across Ibi river.

 

One day, I did cycling along these rivers.

 

Sunlight shines from cloudy sky

Gradually be blue sky

 

I saw Mountains, petrochemical complexes and Ise bay with rivers.

 

Such views were awesome!

I had a wonderful time.

 

 

 

 

伊勢いも、伊勢たくあん 三重県の伝統食材5、6

Ep.78

「伊勢いも」は県中部の多気町(たきちょう)が原産の「みえの伝統野菜」の一つだ。

長芋の一種とされるが、じゃがいものように丸い形状をしている。ただしサイズは大きい。

 

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今回のテーマは「伊勢いも」

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まずはとろろで食べることを試みたが、長芋のとろろを想像していたので「固さ」に驚いた。

伊勢いもはモッツァレラチーズのように高粘度なのだ(写真だとマッシュポテトのようにも見える)。

 

私は職業柄、このような粘性の高い物質を撹拌する(かき混ぜる)と、そのうち粘性が低くなって(柔らかくなって)扱いやすくなるのではないかという感覚がある。例えばペンキのように。

これは粘弾性とかレオロジーという概念に係ることなのだが、この伊勢いもはどんなにかき混ぜても柔らかくはならなかった。

 

 

1. 伊勢いもと15穀米のとろろかけご飯

とろろかけご飯を試みる。ベルファーム(松阪市)で「15穀米」という古代米を模したものが売られていたため、これの上にかけることとした。伊勢神宮に伝わる「強飯(こわめし)」を創作したもので、玄米や大豆やきびなど15の穀物が入っているらしい。

 

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伊勢いもと15穀米のとろろかけご飯

感想;

濃厚で美味しい。なかなか良いんじゃないか!

長芋のようにとろっとはしてないが、この固くてふわっとした感が食べ応えをもたらしている。

 

 

2. 遠州×伊勢2焼き

とろろと言えば、お好み焼きの具材として使うことがある。

ところで私が2年間暮らした遠州地方(静岡県西部)では、「遠州焼き」というご当地グルメがある。ところが私はこの「遠州焼き」なるものを一度も食べたことがない。

 

そもそも地元民に聞いてもいまいち釈然としなかった。

「たくあんが入ったお好み焼き」

「駄菓子だと思ってた」

という2点のみが、当時私がヒアリングで知り得た情報の全てだった。

要するに彼らは遠州焼きを食べていなかったのだ。

 

「今度の週末、遠州焼き食べに浜松に行こうぜ!」

とはならない。それはあり得ない。うなぎや餃子は、ある。

 

私は自分でも食べたことがない遠州焼きを作ってみることにした。

遠州と伊勢のコラボ料理」という素晴らしい着想だ。

 

これについては、たくあんにもこだわりたかった。

奇遇にも? 三重県には「伊勢たくあん」というやはり伝統的な食材がある。

 

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「伊勢たくあん」

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糠がすごい

 

伊勢市産の大根を使用し、塩・米糠・茄子の葉・唐辛子・蓮台寺柿(Ep.75参照)の皮などで長期間漬ける、という伝統的な製法で作られたものを、現在では「伊勢たくあん」と定義しているらしい。

 

一口食べてみる..

しょっぱい! 味蕾(みらい)が破壊されるんじゃないかと思うほどしょっぱい。

けれども硬くて歯応えがある。ポリポリという音も心地よい。

これが本当のたくあんなのだと思った。考えてみれば、甘味料や着色料はまだしも、保存料も用いていないたくあんを食べたのは初めてかもしれなかった。

 

遠州焼き」のたくあんに「伊勢たくあん」を用いる。

それはもちろん自己満足だが、私は徹底的にやりたかった。

 

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伊勢いもと伊勢たくあん
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実際の遠州焼きに入っているたくあんのサイズは分からないので適当に切るしかない。

伊勢いもは固いのでやはり混ぜるのが大変だった。

 

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遠州×伊勢2焼き

 

そんなわけで「遠州×伊勢2焼き(えんしゅうかけるいせにじょうやき)」が完成したのだった。見た目が洗練されていないが「駄菓子」という認識なので構わないだろうと開き直った。

 

感想;

お好み焼きとしては上手にできた。

他方で驚きだったのは、「伊勢いもと伊勢たくあんは何も変性してない」ということだ。

とろろで食べたときやそのままかじって食べたときと何も変わらず、周囲の具材と調和するでもなく、彼らは彼らとして存在していた。

キャベツは柔らかくなり豚肉には火が通り小麦粉は衣に変わったというのに。

 

ところで私は三重県で2年間暮らして気付いたことがある。

それは伊勢に関連するモノや「伊勢○○」と名が付くモノが持つ、呆れるほどの人気・ブランド力・存在感だ。

何でもかんでも人気になる、国内最高のブランド力なんじゃないかとすら思う。

 

だから今回、お好み焼きの一具材になり得なかった伊勢いもと伊勢たくあんの強烈な存在感に感心し、同時に妙に納得したのだった。

 

 

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伊勢いも Ise potato & 伊勢たくあん Ise takuan the traditional ingredients of Mie, part 5, 6

Ep.78

伊勢いも Ise potato is one of the traditional vegetables of Mie.

I heard that it was like Chinese yam.  So, let’s cook and eat!

 

  1. Ise potato tororo on 15 cereals rice

とろろ Tororo may be the best choice, if it is like Chinese yam.  I tried it on an old style rice of Ise shrine, “15 cereals rice”.

That taste was good.

 

  1. Enshu x Ise2 yaki

Some people use tororo as ingredients for お好み焼き okonomiyaki.

So, I came up with cooking “Enshu yaki” which was okonomiyaki including たくあん takuan and the soul food of Enshu region (west area of Shizuoka prefecture) where I have lived.

Takuan is a definitely key component of it.  Fortunately Mie has traditional 伊勢たくあん  Ise takuan which is made by old-style.  So, I obtained and used.

 

In the result, it was yummy.

But interestingly, Ise potato tororo and Ise takuan were NOT changed.  They were same taste as plain!

 

https://www.hyakugo.co.jp/mie/pdf/subamie_201504_1.pdf

 

www.tnc.ne.jp

 

三重ダービー 2nd leg, 2021

Ep.77

去る11月13日(土)、「三重交通G スポーツの杜 鈴鹿」にて『三重ダービー 第2戦』が行われた。

鈴鹿ポイントゲッターズ(鈴鹿PG) vs ヴィアティン三重(V三重)である。

 

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V三重 HPより

 

JFLに属するこの2チームはシーズン前半、ともに成績不振により監督が辞任するという事態に陥った。

V三重は私が観戦に訪れた(Ep.46参照)後の6月、上野展裕監督から山本好彦監督へ。

(ただし上野前監督は7月にJ3鹿児島ユナイテッドFCに就任したため、図らずも栄転? と言えるかもしれない)

 

そして鈴鹿PG。私がこのブログでミラ前監督が作り上げたスタイルとフロントの姿勢を賞賛した矢先(Ep.4048参照)、監督交代してしまった..

スタートダッシュは良かったのだが、5月頃からリーグ戦では連戦連敗。

この試合で負けたら辞任する

とミラ監督が宣言した試合も落としてしまったのだ。

 

新しく招聘されたのは三浦泰年監督。

私は最初にこのニュースを知ったとき、少し冷めてしまったというのが正直なところだった。

スペイン人女性を監督に迎え、話題性ではなくて結果を残した。ジュニアチームもスペイン人コーチに任せて一貫性を持たせた。

 

それなのにトップチームの監督辞任とともにスペイン人指導者は全員チームを去り、つまりはそのメソッドやスタイルも霧散し、代わりに来たのが有名人だった。

天皇杯ヴィッセル神戸戦が終わって割と注目を集めた(ミラ前監督とアンドレス・イニエスタ選手の同郷対決)後すぐ、というタイミングだったので、話題性重視かな、と思った。

 

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Adiós! 鈴鹿PG HPより

 

けれどそれはすぐに誤りだと知った。三浦監督は指導者として下位カテゴリーでの指導経験が豊富なのだ。現在J3鹿児島ユナイテッドFCJリーグに昇格させた実績も持つ。

 

私は鈴鹿PGから毎日送られてくるメルマガに目を通しているが、それによると三浦監督の下にはさまざまな「情報」が集まってくるのだという。

それは三浦監督が長年、このカテゴリーで築いたコネクションあってのことだ。GMとの兼任ということもあり、7月の就任以来、積極的に新戦力を補強している。

 

鈴鹿PGのクラブ経営者たちは三浦監督に託したのだ。Jリーグ入りという夢を果たすために、全権を与えたのだ。

 

三浦監督就任後、鈴鹿PGは息を吹き返した。三重ダービー第2戦の前までに8勝3敗2分けという成績で上位戦線に復帰したのだ。

 

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三浦監督 鈴鹿PG HPより

 

私はJリーグが開幕した1993年は小学2年生だったので、開幕から3年目くらいまでのJリーグフィーバーをリアルタイムで知っている最後の方の世代だ。

だから三浦泰年監督の現役時代も覚えている。清水エスパルスと日本代表でも活躍したトップ選手だった。

有名な弟の「カズ」に対して、三浦監督は「ヤス」と呼ばれていた。

だから小学生の私も、周囲に倣って「ヤス」と呼んでいた。

 

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話を三重ダービーに戻そう。

パイレーツオブカリビアンの曲に合わせて両チームの選手が入場してきた。鈴鹿PGはホームで三重県から、しかも同じ北勢地域からJリーグ入りを目指すV三重を迎え撃つ。なお7月18日に行われた第1戦では0-3で負けている。

 

このスタジアム「スポーツの杜鈴鹿」にはバックスタンドがない。写真を見てもわかるように、向こうには漆黒の闇が広がっている。鈴鹿市街地からも離れた場所にあるのだ。

 

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キックオフ! V三重 HPより

 

アウェイチーム側に座ったので、近くでヴィアティン三重のサポーターたちがドラムを叩いて応援している。声を出すことは禁じられている。

この様子を見て、何だか愛おしくなってきた。

私は鈴鹿PGを応援しているが、ヴィアティンも頑張って欲しい。

 

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V三重のサポーターたち

 

最初の15分間を観ただけで、鈴鹿PGのMFニウド選手(42番)が素晴らしいことに気付いた。中盤の底に位置して激しくボール争奪局面に絡んでいる。ゴツいフィジカルとスプリントも驚異だ。ニウド選手も三浦監督が連れてきた選手の一人だ。

 

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ニウド選手 鈴鹿PG HPより

 

前半30分近く、何だか両チームの選手が小競り合いを始める。お互いに何かを言い合っている。

誰かが解説をしてくれたわけではないので以下は私の解釈だが、これはV三重の選手が負傷してピッチに倒れていたのに、鈴鹿PGがパスを回してプレーを続けていたことに対してV三重側が不満を言っているという意味だった。

 

実はこれには伏線があった。その15分くらい前に、鈴鹿PGの選手がシューズが破れた? だかで一旦外に出たかったところ、それをアピールしてもなかなかV三重がプレーを切ってくれなかったということがあったのだ。

 

いつの間にか三浦監督も激情しており、

「紳士的な行為をしてないって訳じゃないからな!」

(と言うようなことを)言っていた。

 

失礼を承知で言うと、

そんなことどうだっていいだろヤス

と思った。

両チームの選手も、どうでもいいことで言い合っている。

 

プレーを切って欲しいと相手に訴え、それが受け入れられなかったからといって腹を立てるのは可笑しな話だ。

相手チームがマイボールをどうしようが、それは相手チームの勝手じゃないか。自分たちがコントロールできることじゃない。

 

私はラグビー経験者なので、サッカーでたびたび起こるこのような場面を不思議に思っている。ラグビーでは負傷者にいち早く治療を施すため、倒れている選手がいたらすぐさまメディカルスタッフが入っていく。その間、プレーは切れることなく続き、両チームともに負傷者とメディカルを避けるように攻防が展開される。

面白いのは、審判も(負傷者がよっぽど重症そうじゃない限り)笛を吹いてプレーを中断させないということだ。

サッカーでもそうすれば今回のようなモヤモヤはなくなるだろう。

 

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私が応援しているFWエフライン・リンタロウ選手(7番)

 

ここまでの両チームの攻撃は、サイドに散らしてからクロスを上げて空中戦勝負のV三重に対して、中央へパス・ドリブルで侵入を試みる鈴鹿PGというものだった。

好みの問題だが、私は「ゴールまでの最短距離を行く」鈴鹿PGの攻めが好きだ。

 

すると前半36分、均衡が破れる。

ペナルティエリア外、ゴール真正面でこぼれ球を拾った鈴鹿 PGのDF菊島選手が右足を一閃。地を這うようなグラウンダーのシュートがゴール右下ギリギリに決まったのだ!

完璧なシュートだった!

 

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菊島卓選手(15番)

 

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後半キックオフ

 

後半、中盤での攻防が激烈になった。

しかし鈴鹿PGは相手にシュートまでいかせない。ピンチらしいピンチはなかった。

 

結局先制点を守った鈴鹿PGが1-0でV三重を下した。

派手ではなかったけどかなり激しい試合だった。両チームの意地や負けん気も感じた。

 

11月中旬なのに気温は7℃だった。寒空の下に集まった853人の観客も、この熱い三重ダービーに見応えを感じたことだと思う。

 

 

追伸;

JFLの2021シーズンは12月5日をもって終了した。鈴鹿PGは(17チーム中の)4位、V三重は11位でフィニッシュし、ともにJリーグ入り(J3昇格)を逃した。夢は来シーズンに持ち越された。

 

 

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“Mie derby” 2nd leg, 2021

Ep.77

On Nov 13, the match of Japan Football League, Suzuka Point Getters vs Veertien Mie was held in the Suzuka stadium.  It meant “Mie derby”.

They were domestic rival of this prefecture and aimed to join J-League.

 

This game made audience excite!  All of us felt their pride each other.  We had a wonderful time, even though under 7 degree celsius.

Finally, Suzuka PG defeated 1-0.

 

In 2021 season, Suzuka PG and V. Mie could not be authorized for J-League because of 4th and 11th as finish in this league.  Their dreams will go on next season.

 

イブネ(鈴鹿10座 8/10)

Ep.76

風変わりな名をした山、イブネ(1,160m)は鈴鹿10座の一つで、山頂は「苔の絨毯」で覆われているらしい。

私は藤原岳を訪れた際(Ep.67参照)、苔の美しさと多様さに魅せられていたので、とても楽しみにしていた。

 

今回の登山口は滋賀県東近江市の甲津畑(こうづはた)町。クルマを自宅から1時間以上走らせ、鈴鹿山脈を一度超えて西側から、滋賀県側に回り込んでからのスタートだ。

 

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スタート!

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登山道は「千種街道」がもとになっている。近江(滋賀県)と伊勢(三重県)とを結ぶ旧街道で、中世以降は近江商人もよく利用したらしい。

現代では八風街道国道421号線)と鈴鹿スカイライン国道477号線)の間に位置する。

「千種(ちくさ)」とは名古屋の千種ではなく、菰野町の千種(千草)のことだ。

 

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しばらく歩くと「杉谷善住坊のかくれ岩」というのが現れた。

1570年、織田信長が京都からこの道を通って岐阜へ帰っていた際、六角氏の命を受けた杉谷善住坊がこの岩に隠れて信長を狙撃したという。

事件の重大さの割に全く有名ではないから、信長は致命傷を負わなかったのだろう。当たらなかったのかもしれない。

 

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旧街道は続く

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苔が現れ始めた

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続いて「蓮如上人御旧跡」に着いた。

本願寺蓮如と言えば、後年、信長を最も苦しめる一大勢力となった本願寺浄土真宗)のトップだった僧侶だ。このときの蓮如天台宗比叡山の者たちに追われていたところ、この炭竈に隠れて難を逃れたらしい。

同じ仏教徒でありながら宗派が違うと命を狙われる。狂気の時代である。

 

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「杉峠」に到着。なんて印象的な一本木だろう。

ここは雨乞岳(Ep.64参照)へ向かう道や千種街道の続きとの分岐点になっている。

一路イブネ方面へ。

 

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雨乞岳

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しばらく歩くと一気に苔が目立つようになってきた。

 

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広大なエリアに生える苔とその美しさに感激する。モスグリーンの色味も最高だ。

 

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ゴール! 2時間10分で到着

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引き続きイブネ北端へ

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本当に凄い。

鈴鹿奥座敷」という異名は伊達じゃない。奥座敷にあったのは苔の海だ。我々とは異なる世界だった。

 

山頂は開けていて眺望は抜群だ。

滋賀県側を見やると琵琶湖が見えた。

三重県側を見やると伊勢湾が見えた。

これは実に驚くべきことだ。

 

両者を同一の視界に捉えることこそできないが、

首を右→左→右→左、と振ると、

琵琶湖→伊勢湾→琵琶湖→伊勢湾、と見える。面白い!

あんなに遠く、70kmも離れているはずの両者なのに!

両者の間に位置する高い山の頂に、今、立っているからだ。

 

高いところから見渡すことで、いつもなら見えないことも見えてくる

何だかとても示唆に富んでいる気がする。

 

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右前方に見えるのが伊勢湾

 

それにしても山頂は強風が吹き荒れている。遮るものがないからだ。

体を丸めて凍えながら昼食をとっていたら、寒くて指先の感覚も麻痺してきた。

 

苔に覆われたこの驚嘆すべき場所を惜しみつつ、下山したのだった。

 

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イブネ Mt. Ibune

Ep.76

Mt. Ibune (1,160m) is one of the Suzuka 10 za.

It’s famous for “spreading of the moss”, like a carpet.  So, let’s go to see!

 

Regarding to this trail, it’s based on an old way in 16th century.  So, there were some places along the way which were related to Nobunaga, Rennyo, such an important person in that time.

 

After 2 hours walking, I got to summit.

The field was covered with moss, like “the sea of moss”.  Awesome!  Really incredible!

 

In addition, I was able to see both Biwako lake and Ise bay even though the distance between them was 70km!

Standing up in the high mountain made me discover both.  It’s so curious!

 

It was an another world, differed our world!

 

Achievement ;

Suzuka 10 za 8/10